え?レミィ?
あのあと馬鹿騒ぎして楽しく帰りました。
今では「ぱんやさん」の常連です。
どうも皆さんこんにちは。
清く正しく美しい射命丸文でございます。
今回は、幻想郷唯一のパン屋で、私の大好きなイントさんが経営している店、『ぱんやさん』へやって来ました。
しかし、流石に早く着きすぎたのでしょうか、まだ開店しておりません。
空もまだ若干暗いですし………
まあ、イントさんに会いたい気持ちが時間を狂わせたのでしょうね!!
でも、いつもならこの時間帯には開いている筈なのですが……
あや?何やら入り口に紙が張ってありますね、何々?『店主が体調を崩してしまったので本日は開店出来ません。申し訳ありませんでした。また後日お越し下さい』ですって?
……イントさんが体調を崩した?
あの能力を持ちながらも?
これは、何やら怪しい匂いがしますよ……!?
こっそりと窓から侵入しましょう!!
さて、ここですね。
取り合えず、様子を見てみましょう。
「……うぅ……ケホッ、ケホッ」
あやややや?意外に普通に風邪っぽい?
これは一体どういうことでしょうか?イントさんの能力を使えば直ぐに治せそうですが……
ピピピ、ピピピ、ピピピ
「……42.5度……はぁ、これは、不味いな……インフルエンザか?」
さっきの音は、前にイントさんが見させてくれた『体温計』と言うカラクリの音ですかね?
しかも、42.5度ですか……え?42?
ち、ちょっと待って下さい。
竹林の医者が言っていたのですが、私達妖怪や人間の基本的な体温は36.5で、一般的な風邪を引いた時の体温は約38.0度になり、人間の場合は50.0度を越えると生命に関わる大事とかなんとか言っていた筈ですが……
イントさん、もしかして本当に病に侵されているのでしょうか?
それも、生死に関わる程の難病に。
『いんふるえんざ』と言う病も聞き覚えがありませんし……
イントさん、死んじゃ嫌です。
兎に角、イントさんに出来る限りの看病をしてあげなければ!!
竹林の医者に話すのは後で良いのです!!
それよりも、今ここで苦しんでいるイントさんを助けなければ!!
「イントさぁぁぁぁぁん!!!
私はガラス窓を突き破り、イントさんの側へ駆け寄った。
私の体に所々ガラスが突き刺さっているが、イントさんの苦しみを考えたらこんな物痛くも痒くもない。
「え、あ、文?え?何で?」
「大丈夫ですか!?どこか痛い所は!?」
「う、うん、だいぶダルいけど、大丈夫だよ。文の体に刺さってるガラスの破片の方が痛そうなんだけど……」
「凄い熱……すぐにタオルを冷やして来ます!!それまで待っていてください!!」
「えぅ……うん、分かった。ありがとう」
「どうして早く相談してくれなかったんですか!!?もっと早く言ってくれれば、ここまで酷くならなかったのに……」
「いや、なったの今日だし、言うも何も……」
「しゃべらないでください!!体に障ります!!」
「………」
「え?そんなに大した事じゃ無いんですか?」
「うん……インフルエンザって言うのも、外界では結構有名で、人だったら生死に関わったりすることもあるみたいたけど、妖怪は体調崩す位だよ」
つまり、ただの私の被害妄想と言うことですか。
……なんだか、凄く申し訳ない気持ちになってきました。
「ごめんなさい、私の自分勝手な行動で騒がせてしまって……」
私がそう言うと、イントさんは辛そうな表情をしながらも、できる限りの精一杯の微笑みでこう答えてくれた。
「良いんです。寧ろ、いつもの元気な文を見て、少し気持ちが楽になったよ……ありがとう。文」
ああ、そうだ。
この人の優しさに、私は惚れたんだ。
私は、気付いたら、目に涙を浮かべていました。
「ど、どうしたの?文?どこか痛いの?やっぱりガラスが刺さっていた所が痛いの?」
「いえ、大丈夫です………あの、イントさん、ちょっとこっち向いて下さい」
「え?………うわっ!?」
バタッ、ボフン。
私は、イントさんを押し倒し、布団の上で思いっきり抱き付いた。
だいぶ恥ずかしいけど、やっぱり落ち着く。
イントさんも恥ずかしいらしく、顔が少し紅い。もしかしたら病気で紅いのかもしれないけど、態度で恥ずかしいのがバレバレですよ?
「フフッ、可愛い悲鳴ですね、苛めちゃいたい位に」
「ど、どいてよ、病気が移っちゃう……」
「大丈夫ですよ、イントさんが看病してくれますからね♪」
「……うぅ、卑怯だ……」
こうして、二人は一緒に一日を過ごしたのであった。
「…………何なんだ、この本は」
レヴァは、とある書籍店にある一つの本を手に持っていた。
タイトルは『もし「ぱんやさん」の店主のイントさんがロリだったら私はこうしたい』
タイトルだけでもお腹一杯だったが、やはり中身が気になり、第一章だけ読んでみたが…………はっきり言って、本人が見るものでは無かった。
しかも、この本が『月刊人気小説ベスト10』にランクインしているというのがショッキング過ぎた。
「著者は………言わずがもな、アイツか……」
著者:射命丸 文
「……あの糞アマ、髪の毛むしりとって羽一本一本千切って指ベキベキに折りまくって爪を剥がして身ぐるみ剥がして全裸で灯油かけて極寒の真冬に放り出してやろうか……」
一瞬、ヤンチャしていた頃の人格が出てきて周りの空気が凍り付いた平凡で平和な幻想郷でした。
ちなみに、文ちゃんはイントさんが有言実行したので閻魔様に生き返らせてもらいました。
キレたレヴァさんマジ怖い。
どれくらい怖いかって言うと、青鬼に追われてタンスの中に入ったらタンスの中に青鬼が居る位怖い。
※「パンレシピ」タグを事情により削除させて頂きました。楽しみに待っていてくれた方、申し訳ありません。