幻想郷でパン屋、始めました。   作:命麗 命

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アッハッハ、ゆかりんがヤンデレになってしまった!!
まあ、そんなグロ指定なんて無いんで、若干恐怖的不安に陥るだけです。


焼きそばって主食じゃなくておかずだと思うんだ。

 

「コッペパンを旨く作れる奴はちゃんとしたパン職人だと私は思う」

 

ジュー、と、何かが焼ける音の中で一人ボソッと呟いた。

言った側から空しくなっので、すぐに止めることにしたのだが。

 

今、レヴァが作っているのは『焼きそば』という、外界では非常に人気のある麺料理だ。

塩焼きそば等のちょっと工夫した焼きそばでは無い、一番ポピュラーなソース焼きそばだ。

が、今回の焼きそばは一般的な物とは違い、かなり濃いめの味付けで調理している。

別にレヴァが濃い焼きそばが好きな訳では無いのだが、この話はまた今度にしよう。

では、何の為に焼きそばを作っているのかと言うと……

 

「焼きそばパンって焼きそばが少し焦げてた方が上手い気がする」

 

また性懲りも無く独り言を言っているレヴァが口にした言葉、そう、『焼きそばパン』を作っているのだ。

 

焼きそばパン、それは、誰が発案したかも分からない、主食+主食と言う非常に高カロリーなパンだ。

基本的な作り方は至って簡単。

焼きそばを作り、縦に切れ目を入れたコッペパンに焼きそばを挟む。

これだけであのような美味しい物が出来るのだから、食とは不思議な物だ。

 

「良し、出来た!!流石に200個分も作るのは骨が折れるな……」

 

まあ、店に置くとなれば、大量に作らなければいけないのだから、相当大変な訳だが。

 

「新作、焼きそばパン、作りたてですよー!」

 

外ではかなり有名なパンだ。

幻想郷でも、かなり売れる筈…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と思っていた頃が私にもあった訳だ」

 

新作としてコーナーに出したのは良いものの、何故か一向に売れる気配が無い、そう、全く皆無なのだ。

 

「何故売れないのだろう……?」

 

「見た目が駄目なんじゃないかしら?」

 

「成る程……!?誰だ!?」

 

いきなり後ろから声がした。

いや、声がするだけならここまで過敏に反応はしない。

が、ここは調理場、つまり「立ち入り禁止」の場所な訳だ。

博麗の巫女、霊夢が設置してくれた結界でレヴァ以外は入ってこれない仕様になっているから、ここまで驚いているのだ。

 

「人に名前を聞くときは、自分から名乗るのではなくて?」

 

彼女は胡散臭い口調で、尚且つ胡散臭い笑みで返す。

しっかり目で見たから気付いた外見だが、何処かで見たような顔をしている。

が、私の知り合いにはこんな胡散臭い奴は居なかった筈だ。

現代で言う古世代に居た知り合いも、全て忘れ去られ消えた筈。

 

「この店に来るのであれば、店主の名前位は知っていて当然の筈なのだが……私はイント・レヴァイナット、吸血鬼だ」

 

「私は八雲紫(やくも ゆかり)、妖怪よ」

 

八雲紫、そのフレーズも何処かで聞いた事があるのだが、如何せん思い出せない。

知ったのはつい最近の筈だが……ふむ、全く思い出せんな。

 

「まあ、別に何かしに来た訳じゃないわ、ちょっと見学させて貰いに来たわ。」

 

純粋にそう思っているのか、先程までの顔とは違って楽しそうな表情をしている。

服装からして、どこかの御嬢様なのか?

いや、妖怪に上下の身分はほとんど無い。

あったとしても、天狗社会のような社会的な身分を分けるだけであって、令嬢のような親の七光りは居ない。

 

「ねぇ、吸血鬼さん」

 

「ん、どうした?」

 

「このパン、もし良かったら食べても良いかしら?」

 

「別に良い、どうせ売れ残っているのだから、食べてもらった方がパンも喜ぶだろう」

 

そう言うと彼女、紫は「では、頂きますわ」と言い、適当な大きさの焼きそばパンを掴む。

手を洗わずに食べるのは衛生上良くないのだが……と思っていたが、いつの間にか手を洗っていたようだ、食器洗い場が少し濡れている。

まあ、不評だったら霊夢に渡してあげよう。

あの子だったら、喜んで食べてくれるだろう。

 

 

紫は、口を一杯に広げ、焼きそばパンへとかぶりついた。

 

「…美味しい」

 

濃い味付けの焼きそばが、単調ながらも、深い味わいのコッペパンに絡まり、絶妙な味を出す。

所々混ざっている紅生姜のピリッとしていてスッキリとした辛さがまた心地よい。

食感も、麺類独特のプチッと切れる音がしそうな感覚と、パンのモフモフした柔らかい感覚が要り混じった感触が非常に楽しい。

少し小さめに切ってあるキャベツの野菜特有の甘みが、くどくなってきた口を癒し、もっと食べたくなるような衝動に駆られる。

レヴァが言っていた様に、少し焦げた麺やソースがまたなんとも言えない。

これが出来立てだったら、どれだけ美味しいのだろうか。

そんな事を思いながら、二個目に手を出す。

本来ならいけない行為なのだが、もはや止める事は出来ない。

レヴァも「売れ残り」と評していたのだから、別に大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五、六個目に到達した頃で、紫の手がようやく止まった。

 

「ふぅ、御馳走様でした」

 

「………良く食べたな」

 

「だって、美味しかったんですもの、仕方ないでしょう?」

 

「……そう言ってくれると、作った甲斐があるものだ、出来れば今度は購入してくれると有難い」

 

今回は売れ残りだったので別に料金は取らなかったが、やはり買って貰わないと店としてやっていけないからな。

 

「勿論ですわ、これだけ美味しいのですから、他も美味しいでしょうから……ふう、けれども、本当に食べ過ぎたみたいね、藍になんて言おうかしら……」

 

「どうかしたのか?」

 

「いえ、なんでもありませんわ。今度は、客として来させて頂きますわ、『ウイルス・エンプレス』さん?」

 

「ッ!?オイ待て!!何故その名を……消えたか」

 

そういうと、紫はスッと割れ目のような物に入り、姿を消した。

 

紫は一体何者なんだ?

何故、霊夢の結界を無視してここまでこれた?

いや、それよりも……

何故、私の『偽りの名』を知っている?

あれは、私の知り合いの中でも、極限られた物しか知らない筈………

まさかとは思うが、紫、アイツは……

 

「秘封倶楽部のアイツじゃないだろうな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所、八雲邸

 

「フフフッ……久しぶりに会ったけど、全然変わらないわね」

 

あの人は、私を変えてくれた。

 

あの人は、私に夢を与えてくれた。

 

あの人は、私を救ってくれた。

 

私は、あの人の為に、この地を作り上

 

げた。

あの人が忘れ去られ、消え行くのを恐

れて。

 

あの人の事を忘れるのが怖くて。

 

けれど、あの人は生きている。

 

『あの時』とは違って、存在している。

だから、ずっとあの人の隣に居れる。

 

ずっと、ずっと一緒に。

 

大好きだよ、せんぱい。

大好きだよ、私の『旦那さん』

 

「フフ、フフフ、フフフフ……」

 

「……あの、藍しゃま?」

 

「いいかい?橙、『恋は盲目』と言うが、ああなっては絶対に行けません、わかりましたか?」

 

「はい、藍しゃま!」

 

「ああ、可愛い、可愛いよ橙、食べちゃいたい!!」

 

 

結論

世の中には『五十歩百歩』と言う言葉があってだな……




そういえば、評価のゲージ?みたいなのが9.00で色が赤と言う驚きの数値を叩き出したんだが、コイツをどう思う?
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