https://syosetu.org/novel/191561/
今回はアラマキ爺ちゃんと漢陽サイドの冒頭編です
なお、以下の話とリンクする予定です
危険指定存在徘徊中
https://syosetu.org/novel/190378/
そして、今回実験的な取り組みをこの話の中に盛り込んでみました
とある地区のスラム街に似つかわしくないきらびかな金色な照明に照らされたトランプとバニーガールのシルエットのみが描かれた看板が欠けられた豪勢な館を連想させる建物が存在していた
看板には、建物の名は記載されていないが絵柄でその館が一攫千金を求める大人達、ギャンブラー達が己の幸運と駆け引きを試す場所――カジノである事を示していた
むろん、廃墟街に存在している事から公に経営を認められたカジノではなく、大手企業「モンゴリー・エレクトニクス」の女経営者によって非合法に運営されている違法カジノである
世が世ならスラム街とはいえ、悪目立ちする館ならすぐに政府もしくは、警察機構によって摘発されるのであろう。
しかし、かつての大戦と崩壊液汚染によって実質的に国家が壊滅している時勢と経営者が自身の財力とコネを駆使して、警察や役人を買収し、今日まで摘発を逃れていた
そして、不正と強欲で彩られた違法カジノへ一台の四輪駆動車が砂煙を巻き上げながら近づいていた
荒れたアスファルトの道路によって揺れる装甲車の車内でグリフィン元G01前線基地指揮官のアラマキはシワが浮かんだ顔に鋭い目つきで照明に照らされていたカジノを射抜くがごとく睨んでいた
「ふむ、あれが奴が次の取引現場である違法カジノか……隠れ蓑としては派手すぎるな」
「だが、Kという名の情報屋の話じゃ次の「レッドウルフ」の取引はここで行われる場所だ」
アラマキの言葉に四輪駆動車の運転席でハンドルを握るハンティング帽を被ったアラマキと同年代の男が頷いた。
今回のアラマキは違法薬物「レッドウルフ」の応酬および処分をハーヴィルから依頼され、たまたまその取引場所がグリフィンが制圧予定の違法カジノであった事もあり、それに便乗する形で違法カジノ
アラマキの隣に座っていた戦術人形であり、アラマキが現役であった頃の副官であった漢陽88式が首を傾げた
「そもそも
「そうか……ワシやダイスケはともかく、漢陽は
「無理もない……本来なら、
「アブノーマルから作られた麻薬?」
「正確には、アブノーマルが育てている煙草の葉に似た赤い葉を加工してできる
ダイスケと呼ばれたハンティング帽を被った老人の言葉に漢陽は驚くのを見て、彼は一息をつくと言葉を続けた
「その麻薬は一見すると「レッドウルフ」と赤文字で手書きされた紙巻煙草だが……ひとたび吸えば、自分が狼に変化していく幻覚を一分間見るようになる」
「自分が狼になっていく……幻覚をみるんですか?」
漢陽の呟きにダイスケは頷くとため息をつくと吐き捨てるようにいった
「タチが悪い事に吸う度に幻覚の持続時間が伸びていき、幻覚も精度を増していく……最後には人格するも狼のソレへと変化していき、二度と戻る事無く獣のように床を這いつくばり、唸り声をあげるようになる」
「中毒性こそないに等しいが精神的な高揚感に敗けて、喫煙を繰り返した末に獣のように地を這う中毒者を上海で嫌と言うほどワシは見てきた」
「俺とダイスケ
ダイスケは夕暮れに染まる古ぼけたガレージの前に四輪駆動車を止めると全員が四輪駆動者から降りるとアラマキはガレージのシャッターを上げた
シャッターが上がると彼らの目に映ったのは一台のトラックと中華風の服を着た白い髪留めが印象的な長髪の戦術人形と青ブチ眼鏡をかけた人形が銃の整備をしていた
そして、アラマキの視線に気づいた人形がすぐに手を止め、彼に向けて敬礼をした
「あなたがアラマキさんと副官の漢陽88式ね、アタシはグリフィン所属の77式歩槍……T77と読んでくださいね」
「アラマキさま、同じくグリフィン所属のSAR-2です」
二人の人形が敬礼するのをみたアラマキは自己紹介を始める
「ワシが依頼を受託し、作戦の指揮する分隊長を務めるアラマキだ……後ろにいるのが共に副官の漢陽88式とワシらのバックアップを務めるダイスケだ」
「ご主人様の副官兼メイドの愛ちゃんです、よろしくお願いしますね」
「俺がダイスケだ……通信面でオサムを支援する、よろしくな」
「はい……アラマキさんの装備はすでに搬入されていますが、確認なされますか?」
「うむ、作戦の確認と同時にやるとするか」
その場にいた全員が簡単な挨拶をすますと彼は今回の作戦での打ち合わせと装備の確認を始めた
それから数時間後、
アラマキはカジノの裏口に息を潜めていた
アラマキは16LOB謹製のパワードスーツと軍用ヘルメットと顔を半分を覆う防毒マスクで身を包み、愛銃のM14をもっていた。腰にはHK45Tが治まったホルスターと大ぶりな斧、複数の手榴弾と弾薬ポーチをつるしたベルトを巻いていた。
そして、足元には気絶した傭兵が倒れているのを一瞥するとヘルメットに内蔵されている通信装置をオンにして、周囲に潜伏している漢陽達に指示を出した
「漢陽、人形達は配置についたな?」
「はい、ダミーちゃん達も含めて配置についています」
「うむ、T77達も準備はいいな?」
「もちろん、分隊長さまが到着なさるまえにすでに完了していますよ。察してください」
「確認しただけじゃ……ダイスケ、準備はいいな?」
「相棒、いつもでいいぜ……丸太はいつでも壁をぶち破れる位置についてある」
「そうか……ワシの号令で作戦開始だ……3、2、1…」
アラマキの室んにダイスケは自身を持って答えるとアラマキは全員に突撃の号令を下した
「総員丸太を持って!!!」
ドォォォォン!!!!
ガコーン!!!!
ドガァァァァン!!!
アラマキが号令を下した瞬間、いくつもの轟音――ダイスケの遠隔操縦で動かしたトラックや自動車がカジノの建屋の壁に激突した音が周囲に響き渡った
それに爆炎に紛れるように漢陽達もカジノへ突入、警備兵達と交戦を始めた
地面が僅かに揺れた事に感じるとアラマキはドアを蹴り破り、違法カジノへ突入した。
そこでアラマキが見たのは犬もしくは、狼のように床を這う警備であった傭兵達だった
彼はまさに犬や狼のように唸り声をあげ、アラマキを威嚇していた
「ウガルルルルルルウ!!!」
「レッドウルフ中毒の末期症状……やはり、ホンモノだったか!!」
アラマキはレッドウルフと呼ばれる薬物がアラマキの記憶にあるモノと同じだという確信を得た瞬間、それを売っているソレを確信するとアラマキに飛びかかる哀れな犠牲達に銃弾を浴びせた
だが、アラマキ達は自分達とは別の勢力が違法カジノへ突入している事を知らなかった
アラマキが違法カジノへ突入したのと同じ頃、屋敷の奥にある部屋――VIPルームで赤いドレスを着た赤い瞳と赤い唇が印象的な妙齢の女性が部屋が揺れた事に事に気づき、ボソッと呟いた
「あら、地震じゃないわね……ナニカあったのかしら?」
女性は異常に疑問を感じるもすぐに興味を失い、手元に置かれているシガレットケースから煙草を一本取り出すとそれに火を付けた
そして、自身の足元で犬や狼のように床に這いつくばるように男達を見下ろして嘲笑を浮かべていた
「まいっか……あなた達すっかり狼さんいや、ワンちゃんになるほど私の煙草が気に入ったかしら?」
彼女は部屋の外でパニックになっているとしても動揺する事無く、ただでVIPルームで紫煙の味を堪能していた
なぜなら、彼女は人でも悪魔でもない……
Emergency!!! Containment breach!!!!
Emergency!!! Containment breach!!!!
今回、MALEDOLLS屈指のオリ設定:アブノーマルが初登場です
一応、過去に言及こそされていましたが今回、明確に登場させました
今回登場したシガーレッドレディーはSCPで言う所のSafeクラスオブジェクト、ロボトミーでの危険レベル:TETHに該当する存在です
ちなみに彼女の存在が発覚したのは彼女がとある薬学者と接触して、その原料となる赤い煙草の葉を入手し、それを国家安全局に取り押さえられた事です
感想待っています