ロリコン探偵少女? 六伏コラン 作:デポジットカンチョーワールドカップ
―私、メリーさん。今ごみ捨て場にいるの―
―私、メリーさん。町のコンビニの角にいるの―
―私、メリーさん。今あなたのマンションの前にいるの―
―私、メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの―
―私、メリーさん。今―
―あ な た の う し ろ に い る の―
◆
その日、第一旧東京のマンションの一室、六伏探偵事務所のキッチンで、僕は所長が気紛れで始めた古い格闘ゲームに付き合っていた。
「あまいっ!」
「うおっと」
丁度、僕のロープを使うトレジャーハンターが不用意に飛び込んだ所を、女の子を背負ったデブウサギに綺麗に刈り取られ、これで僕の方に都合三つ目の黒星がついたのだった。
「ふ〜、いやあ、中々に白熱したバトルだったねえ」
「ですね」
所長の言うとおり、互いにさして上手くない者同士、程好く実力が拮抗していて、意外と楽しい対戦だった。毎日やる気にはならないけれど、たまになら案外悪くないかもしれない。
「さて、そろそろ御昼にしようか?」
「確かに、腹減りましたしね」
今日は朝から格ゲーの気分だったせいか、珍しくYESロリータ!NOタッチ!のTシャツ一枚ではなく、愛用の青と白の縦縞トランクス一丁だった所長が立ち上がり、軽い足取りでキッチンに向かう。スキップの度に、変態が偏執的に拘り抜いたどたぷーんがばるんばるんするんだけど、流石に一年もこの光景見てると、慣れても来るよなあ……僕、男として大丈夫なのかな?
「インポになっちゃったならともかく、この世で最も美しくてエッチなおっぱいを毎日見てたせいで、他の女体に対する点数が辛くなっただけだから、むしろ正常な反応だとも。何せこのおっぱいも僕、六伏コランが大きさから色、形に乳首の感度まで拘りに拘り抜いて作った最高のロケットおっぱいだからねえ♥」
「その中身が野郎なことが事態を複雑化させてるんですよ」
いや、割りと本気で。そこ、けらけら笑わないでください。え? 絶対に大丈夫? 僕の身体でなら絶対にエレクチオン出来るから? 余計なお世話です。
「そういえば至くん」
「はい?」
ダイニングで椅子の上で胡座をかいた所長が、ちゅるんとほうれん草のペペロンチーノを吸いながら、何かを思い出した様にフォークを振った。
「今日は一寸お出掛けしたいから、付いてきてくれるかい?」
「ええ、別に構いませんけど、何かあるんですか?」
「フッフッフ、ジャーン!」
「おい、今何処から取り出した」
「勿論、あそこのあn「そこは期待を裏切れよ。誰も文句言わないから」
縦縞のトランクスに手を突っ込んで軽くごそごそした所長が、一枚の紙切れを取り出した。見れば、何かのサイトをプリントアウトしたらしい、湿った用紙だった。いや、湿り気っておい。
「汗だよ?」
「……」
「汗?だよ」
「疑問符の位置を変えるな」
「(^_^;)だよ」
「何誤魔化そうとして「あれ? 誤魔化さなくて良いのかい?」誤魔化せ。せめて、上手く誤魔化せ」
ああ、もうこの所長は……。
「はぁ……まあいいや」
「おや? 良いのかい? 僕の股間の湿度のことなのに?」
「そのワードの何処に、他人の興味を引き付ける要素があるんですか」
「美少女が心の中でどれだけエッチなことを考えているかなんて、世界中の男の子の懸案事項だろう?」
「それはそうかもしれませんが、仮にそれが事実だったとしても、中身が男の所長には適用されませんよ」
「おや、酷いなあ♪」
「そして、僕の場合は所長が何を考えているのか丸分かりなせいで、態々確かめなくても所長がオナニーの事しか考えてないのは知ってますから、懸案事項にもなりません」
「そりゃそうだ☆」
僕が答えると、所長は心底愉快そうにけらけらと笑ったのだった。
「話を戻すけど、今日は秋葉原で僕の好きな、まもってパンティー&ストッキングの限定一番くじがあってね」
「……」
まあ、うん、何となく予想はつく。っていうか、何時聞いても酷い名前のアニメだなあ。
「これ、一緒に「嫌です」……」
「……」
「……ほんの三十分くらいで済むんだ「絶対に嫌です」……」
「……」
「何故だい?「あんたみたいな見た目の人間連れて、そんな列に並んでると、僕の心が持たないんです」
「……」
「……」
「……三回で良いから」
「妥協して三回も並ばせるって、普通に図々しいですからね?」
「……」
「……」
「……至くん」
「はい」
「至くんが僕の相棒になってから、本当に色んな所に行ったよね」
「まあ、そうですね」
「そのどれもが良い思い出だし、これからも僕は至くんと良い相棒としてやっていきたいと思っている」
「光栄ですね」
「じゃあ、「絶対に嫌です」……」
「……」
「……」
「……」
「僕のおっぱい揉んd「その先言ったら捻ってワニ口クリップで止めますよ?」どこを!?」
所長が悲鳴を上げて、桜色の乳首を抑えた。
「あーもう、至くんも時々怖い事言うよね。おかげで僕の乳首
「いや、その反応はおか「僕、SもMもいけるんだぜ?」しくもないか」
この所長が何を理由に発情するかは僕にも分からないしね。
「っていうか、何でダメなのさ。コミケは付き合ってくれただろう?」
そう言って、所長がフォークをガジガジとかじりながら唇を尖らせた。行儀悪いから止めなさい。
「分かりません?」
「僕の完璧すぎる天才頭脳をもってしても、皆目見当もつかないよ」
いや、心が繋がってるんだから、それはあり得ないでしょ。まったく……。
「あのですね、所長」
「ぶー」
「ぶーじゃなくて」
「うー」
「うーでもなくて」
何処か拗ねたようにくるくると銀髪をすらりとした指で弄ぶ所長に、僕は深々と溜め息を吐く。何故?
「いや、所長言うほど、残念がってないでしょ?」
むしろ、一寸楽しんでるでしょ?
「いや〜」
ばれたか♥ じゃないですよ。まったく。
「もう、内心で分かってると思いますけど、コミケと違って、今回は確実に買える訳じゃないんですよね?」
「一番くじだからね」
「所長としては少しでも確実に当てたいから、僕にも並んでほしいんですよね?」
「うん。その通りだ」
「だからですよ」
「と、言うと?」
この野郎、最後まで言わせる気か。
「あのですね、コミケは最悪自分の買い物にコスプレイヤーの知り合いに付き合ってもらった体で済みますけど、単なる休日の秋葉原では所長の格好はくそほど目立ちますし、一番くじに一緒に並んだら、"所長が僕に"じゃなくて、"僕が所長に"並ばせたように見えるじゃないですか」
「あはははは♪」
「じゃないですよ。ほんと」
流石にこう、この目立つ見た目の(外見だけ見たら)女の子をエロいフィギュアの列に並ばせた奴にはなりたくない。
「と、いうわけで、今回は嫌です」
「……」
僕が、そうきっぱり言うと、所長は何故か物凄く楽しそうに目を輝かせた。……何だろう、所長がこの顔をした時、大抵ろくな目に会ってない気がするんだけど……。
「そうだねえ……」
「……」
やがて、思案が纏まったのか、所長が徐に口を開いた。僕は当然警戒心を強めた。
「僕としては、男友達として、至くんと一番くじの引き勝負をしたい」
「僕としては、所長が中身通りの見た目に一時的にでもなるなら吝かではありませんよ?」
曲がりなりにも雇い主。強情を張るにも限度がある、ノーと言えない悲しいサラリーマンの性。
「それはダメだ。この身体は世界で最も美しい至高のどエロ美少女だぜ? 一時的にでもこの世から姿を消したら、それこそ世界を揺るがしかねない損失だ」
「どんだけ自己評価が高いんですか」
「高いのは自己評価じゃなくて、僕の作品に対する性欲さ」
「そういえばそうでしたね」
この所長、自分の身体はあくまでもナイス美少女の見た目として楽しむスタンスのため、意外にもこんな見た目の割りにナルシスト成分を持ち合わせていなかったりする。
「じゃ、どうするんですか?」
「一つ、賭けをしないかい?」
「賭けですか?」
「ああ」
所長がこっくりと頷くけど、賭けねえ……。う〜ん。
全く自慢になる話じゃないが、僕はあまり頭の回転が速くない。いや、特別遅いとは思いたくはないけど。そして、残念ながら、この所長は普段の変態行為やロリコンに隠されてはいるが、大魔法使いを自称するだけあって、そっち方面は滅法強かったりする。つまり、何が言いたいかというと、
「普通に、僕の勝ち目が無いんですけど」
相応に負け筋があれば賭けにもなるが、敗けのない賭けは賭けではなく投資と言うと思う。
「いやいや、この僕、六伏コランが、最愛の相棒である至くんにそんな理不尽なことをするわけがないだろう?」
「フィギュア一緒に買いにいく時点でそこそこ理不尽ですけどね」
「そうとも言うね♪」
そこ、開き直るなと。
「で?」
「うん?」
「どんな賭け何ですか?」
「おや、乗ってくれるのかい?」
所長が意外そうに首をかしげてきた。
「まあ、流石にそこまで頑迷に拒否するほどではないですし、理不尽な賭けを要求するなら、始めからそのつもりで掛かってくるでしょう?」
逆に言えば、理不尽なことをしないと言うなら、しないと信じるくらいには、所長を信じているつもりだ。
「……」
「……どうかしましたか?」
「いや……」
何か、珍しく虚を突かれた様子で、何時もは横に細められがちな目を真ん丸に見開いている。
「一寸、嬉しくてね///」
「?」
にひっと笑った所長がそう言って、くてっとテーブルの上にしなだれかかった。
「いや、何時もは辛辣な至くんが、意外と僕のことを信じてくれていたんだと思うとね」
「まあ、一年も毎日顔合わせてたら、それくらいはそうなりますよ」
「うん……」
「……」
「……」
何となく、妙な空気になったな、なんて思っていると、不意に所長がごそごそと身を捩った。
「? ……おい」
「親愛なる我が相棒の至くんに、僕からも感謝を込めての御馳走だ」
「……」
そう言って、食卓の上に身を乗り出した所長は、二つのカップに煎れたコーヒーの上でゆっさゆっさと揺れるおっぱいをぎゅっと握った。忽ち桜色の乳首を染めるクリーム色の母乳。噴き出したそれがブラックのコーヒーに滴り落ち、甘い薫りと共に苦味の強い液体を白く濁らせていく。
「はい、どうぞ☆」
「……」
差し出された、カップはもう色々と諦めて無視をする。ていうか、自分の母乳を入れたコーヒーを仮にも五感の共有している
「で?」
「うん?」
「賭けは結局何をするんですか?」
「ああ、それかい?」
もう、さっさと話を進めてしまおうと、先の賭けの話を振ると、自分の母乳入りコーヒーを美味しそうに飲んでいた所長がかちゃりとそれを置いて、改めて身を乗り出す。そこ、垂れてる垂れてる「僕のおっぱいは垂れてなんか「そっちじゃねーよ」うむん♥」
何故か嬉しそうに笑った所長が、つっと人差し指を顎にあて、うーんと考える。そして、
「そうだねえ、じゃあ、今から僕が言う言葉を我慢して聞き流せるかとかどうだい? 此れなら、賭けとしては成立するし、勝敗は至くんの意思の強さ次第だ」
「はあ?」
何と言うか、それは賭けなのか?
「むしろ、単純な我慢比べじゃないですか?」
「そうとも言うね♪」
そうとしか言わねーよ。
「因みに、某世界的宗教はそのリーダーをコンクラーベという催しで「はいストップ」
いくらなんでも、ロリコン汚物な所長が喧嘩売って良い相手じゃないですからね?
「まあ、話は分かりました。所長が何かを言い、僕がそれを聞き流せたら僕の勝ち。聞き流せなかったら負け」
「負けたら、僕に付き合って、一緒にフィギュアの一番くじの列に並んでもらう♪」
勝っても何もないんだけど、まあ良いか。
「パイズリくらいならしてあげても「いりません」
さっさと始めてください。
「オッケー。じゃあ、いくぜ?」
「どうぞ」
にまーっと勝利を確信した、物凄く楽しそうな所長の笑顔。だが、僕も僕でこの一年、所長の様々な奇行や変態行為に付き合ってきたのだ。出社初日にダッチワイフのぺおるちゃんに種付けプレスをキメていたのに始まり、家だけでなくマンション全体でのエクストリームオナニーの数々。一度、「二十四時間耐久オナニー。マンションの全室でイけますか!?」なんてトチ狂った行為に及んだときは本気で見限ろうかとも思った。それらの非常に低俗で下ネタな修羅場の数々を潜ることを拒否して踏み潰してきた僕をキレさせるなんて、所長でも相当に難しい筈だ……多分。
僕は一抹の不安と共に深呼吸をして、ぐっと身構えたのだった。
◆
「負けた……」
秋葉原のホビーショップの行列の中で、僕は思わず天を仰いだ。
秋空の下、割りとマニアックな作品だったはずなのに、あからさまに全国各地から集まったと思われるオタク達が自分の順番を今か今かと待ち構えていた。そして、そんな集団の中で、
「♪~」
当然のことながら、我が所長は他の誰よりも目立っていた。銀色の一本のほつれもないしなやかなストレートヘアを靡かせて、一番くじのカタログを鼻歌混じりに眺める姿は何処か幻想的で、非日常的だ。もっとも、何時もの如く愛用のYESロリータ!NOタッチ!のTシャツは、この(見た目だけは)美少女が着ているせいで、あからさまに注目の的になっている。しかも、
「せめて、下着だけでも着てくださいよ……」
「ん~?」
思わず頭を抱える僕を振り返り、何時ものTシャツのおっぱいの先をツンと
「何を言っているんだい、至くん? ちゃんと穿いているじゃないか」
そう言って、所長はジーパンの腰元をちらっとめくり、愛用の縦じまトランクスを見せてくる。うん、それも確かに下着だけど、そうじゃない。
「そっちじゃなくて、ブラジャーの方ですよ」
思わず小声になりながら、さっきの賭けで『一緒に並んでくれなかったら、毎晩至くんのベッドに潜り込んで、朝まで耐久オナニーをするからね?』の一言に屈した自分を思わず呪った。
「断る!」
「何でですか」
いや、本当。普通にそのサイズじゃ、邪魔だし痛いでしょうに。
「だって、男がブラジャー着けるとか、色々と終わりじゃないか」
「その身体になる事選んだ時点で普通に終わってますよ?」
主に男として。
「何を言う、頑張れば勃起くらい「やめい」あうち☆」
咄嗟に、所長の頭をぺしっと軽く叩いた。
「所長」
「んむ?」
「せめて、普段のノリは我慢してください」
凄い目立つから。ちらちらと見てる奴らだけじゃなく、勝手にスマホで盗撮している奴もいるから。しかも、おまけで僕の事を爬虫類みたいな目で睨んでくる奴らもいるから。せめて、事務所に戻るまで待ってください。ええ。
「ああ、それなら大丈夫だよ」
しかし、当の所長はそう言って、自信ありげに含み笑いをした。
「? どういうことですか?」
「何、認識阻害の応用さ。今、僕と至くんをちらちら見ていた人間は」
「人間は?」
「一人残らず今日の記憶が飛んで、何故か激辛ラーメン巡りをすることになる」
「いや、割と普通に怖いですね」
気付いたら翌朝で、しかも激辛ラーメンを食べたせいで、翌日の腹が……。
「この僕の完璧な美貌を目に出来たんだから、その程度安い代償だろう?」
「本人完璧に忘れてますけどね」
まあ、それなら良いか……。そうこうしているうちに、所長をチラ見していた人間が残らず列から消え、長蛇の列が蛇の列程度にはランクダウンした。
「そして」
「?」
「僕を記憶媒体に記憶した奴らは」
「ええ」
「今この場で僕の写真を抹消した後、電子端末上のエロいデータを残らず知り合いに拡散してから携帯を粉砕し、記憶を失ったまま全裸になって公道を全力疾走する」
「おい」
所長がそう言った瞬間、列に残っていた三人の一際気持ち悪いオタクがその場でスマホを叩き割ると、やおら周りが止めるのも振り解いて全裸になって公道を爆走し始めた。普通に、そいつらの人生破壊しているじゃねーか。どうするんだ、これ。……ま、別にいっか。
「前にも言ったけど、僕は別に男の視線を集めて興奮する変態でもなければ、優越感を得るナルシストでもないからね」
「まあ、その恰好自分用ですからね」
代わりに、自分の身体をおかずにオナニーするのって、ナルシストとどっちがマシなのかなあ……ん?
「所長、一寸良いですか?」
「んむ?」
「そもそも、認識阻害で人数誤魔化せるなら、別に僕が来る必要なかったんじゃないですか?」
「うん、物理的にはその通り!」
「おい」
「でも、僕の気持ち的には大外れだ☆」
「んん?」
にかっと笑った所長が、とうとう目の前に誰も居なくなったのを確かめて、てくてくと一番くじの列の一番最初に並んだ。
「確かに、僕の認識阻害なら、くじ引きで並ぶ人数は簡単に誤魔化せるけど、そもそも人数を揃えるより、至くんに僕の趣味に付き合ってもらうのが第一の目的」
「あー」
そういう事ですか。
「要するに、連れしょんのお誘いだね♪」
「もう少し、マシなたとえあるだろーが」
態々汚物を例えに選ばないでくださいと。
「もう一つは、僕は別に転売ヤーじゃないからね。フィギュアはプレイ用と保管用があれば十分というのもある☆」
「お金には困ってないしねー」と笑う所長。プレイ用が何のプレイかは一先ず置いておいて、こういうのって普通は観賞用、保管用、布教用の三つじゃないんですか?
「日本人はロリコンしかいないからね。僕が布教するまでもなく、どうせ全員変態さ!」
「あつい風評被害どうもありがとうございます」
そして、四方八方に喧嘩を売らないでください。ほら、後ろのオタクさんがこっち睨んで……すたすたと長蛇の列ができている激辛ラーメンの店に並んじゃった。おい、その認識阻害、これでも条件達成なのかよ。
「ていうか、さっきの三回っていうのは?」
「ぶっちゃけ、適当に言っただけっ!?」
即座に脳天にチョップを食らわせると、また数人が激辛ラーメンの列に並んだ。おいおい……。
改めて僕が所長の認識阻害の威力に内心戦慄していると、丁度店のシャッターが開き、中から出てきた店員が間延びした声で、「まもってパンティ&ストッキングの一番くじ始めまーす」と告げた。
「さ、一番乗りだ♪」
そう言って、真っ先に一番くじの前に立った所長は闘志を全身に漲らせて、店員に八百円を渡した。一瞬、店員が目を見開いて、(当然の如く)僕と所長を見比べて、って、またラーメン。どうするんですか、この惨状。
「パンティ……引けっ!!」
「いや、聞けよ」
ラーメン屋に走って行こうとして、他の店員に羽交い絞めにされている係員を尻目に、所長が引いた一番くじを開き。
― G ―
「がはっ」
普通に一番ハズレの賞を取っていた。なんて言うか、うん、
「普通に自業自得だと思いますよ?」
そうこうしているうちに、別の店員がやってきて、焦った様子で「大変お待たせして申し訳ございません」と列の全員に謝罪した。まあ、突然店員がラーメン屋に疾走していったらなあ。
明らかに息が上がっているせいか、逆に所長を見る余裕がなかったお陰で、特に暴走することなく一番くじを差し出してきた。
「……」
取り合えず、お金を払って、くじに手を突っ込む。所長が一枚引いただけなのもあり、当然ながら中には相当数のくじがあった。
「いける! いけるよ至くん! 僕の相棒なら絶対にパンティのフィギュアを引けるはずだ!! 信じるんだ! 君が君を信じられないなら! 信じられないと思うなら! 僕を! 君という相棒を信じる僕を信じて「いや、普通にうるさいですから」
僕は真面からは程遠い人間ですけど、そこまで卑屈になった記憶もありませんからね?
「これでお願いします」
箱から取り出したくじを店員に差し出すと、受け取った店員がそれを開いた。隣の所長が「パンティだよ。パンティだよ至くん!」とさっきからうるさい。そして、
「あ」
「お」
「お、おおっ!?」
― A ―
「パンティだ! パンティだよ至くん!! 流石はこの僕、六伏コランのたった一人の相棒だ!! よくやってくれた! 見てくれ、この入らいきった表情に見るからに清楚な雰囲気! 原作そのままの姿を見事に再現しているぜ! しかもこのキャラ、こんな可愛らしい見た目をしていて、なんとパ ン ツ を 履 い て い な い!!!! まったく、とんだビッチだと思わないかい? 僕は最高に良いビッチだと思う!! そして、このフィギュア、なんとその
文字が見えた瞬間、興奮に目を輝かせながらしゃべり倒す所長。その風貌、そして言葉に、一斉に客や店員の眼が所長に向き、
「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
そして、全員が激辛ラーメン屋へと走り去って行ったのだった。
「……あれ?」
「あれ? じゃありません」
今更ながら、この変態所長の力の強さを思い知り、僕は思わず頭を抑えた。
「取り合えず、店員が戻ってくる前にさっさと逃げましょう。お金も払ってますし、別に文句を言われる筋合いもないですけど、流石にこの光景では色々面倒になりそうですし」
「そうだね。僕もさっさとオナニー始めたいし」
「はいはい」
もう、突っ込む気も無くなった僕は、所長が何処からともなく取り出した袋にフィギュアを入れ、その手を引っ張って急ぎ店を後にしたのだった。
鈴笛至
ノリで所長以外への勃起が不全なっちゃった可哀そうな語り部
みんなでインポマンとののしってあげてください
尚、所長相手には問題なくできます。本人の苦悩は深いでしょう
六伏コラン
ノリで母乳出るキャラになっちゃった汚物
割と至の事は気に入っているので、ミルクくらいは振舞ってくれる汚物
野外オナニー上等のド変態だけど、こんなのでも大魔法使いですので、さらっと他人の人生破壊しています