ロリコン探偵少女? 六伏コラン   作:デポジットカンチョーワールドカップ

7 / 9
パンツが普通に人気ありましたので、今後も時々書かせていただきます。あと、改名致しました。この作品を書くに相応しい名前だと思います(/・ω・)/


メリーさん 三

 今回、僕と所長を喚んだ二人の依頼者に軽い自己紹介をしていると、後ろで軽くイっていた所長が立ち上がり、パンパンと軽く制帽を叩いて僕の隣に進み出てきた。

 

「いや、失礼。レディの前で帽子が曲がっていたね」

 

「それ以前に改めるべき所がありますけどね」

 

「後、レディの前でサスペンダーが曲がっていたね」

 

「それはレディの前とか関係なしに改めるべき所ですよね」

 

僕が所長のずれたマナー()に頭を抱えていると、昨日の女の子に庇われていた、妹? らしき女の子が「あのー……」と首をかしげてきた。

 

「お姉ちゃん達は?」

 

そんな妹ちゃんを嗜めるように、やや気が強そうな顔立ちのお姉ちゃんの方が「ゆき!」と声を上げた。

 

「おっと、これは重ねて失礼したね。僕は六伏コラン。見ての通りのしがない探偵さ♪」

 

「何処からどう見ても、ただの変態にしか見えないですよ」

 

「そんな! ちゃんとコスプレショップで買った警官の制帽だって被ってるじゃないか!」

 

「全国の警察官に謝ってくださいね?」

 

矢鱈と大仰にショックを受けた演技をする所長に肩をすくめると、所長は「おや、突っ込んでくれないのかい?」と笑った。

 

「えっと……」

 

「と、すまないね。これは僕と至くんの愛情表現みたいなものなんだ。許してくれたまえ」

 

「そんなもの、表現した覚えはないですけどね」

 

したとしても、日頃の疲労感だけです。

 

「で、お嬢さん達、何か悩みかな?」

 

「あ……ちが」

 

「違うという事はないだろう? その付箋は僕が依頼用に特別な魔力を染み込ませて作ったものだ。使用条件はそれに美少女の涙を落とすこと。そうすると何が起きるかくらいは知っていて、試してみたんだろう?」

 

「それは……」

 

「不安かい? まあ、このおまじないを使う時点で、パパやママには言いにくいんだろうね。けど安心してくれたまえ。僕は美少女の味方だ。体はチビだけど、大きなおっぱいで全部ちゃんと受け止めてあげようじゃないか。例えどんなに突拍子もない事でも……ね♪」

 

そう言った所長が、にっこりと笑って屈み込むと、ゆっさと目の前で揺れたおっぱいに気恥ずかしくなったのか、妹ちゃんは顔を赤らめてもじもじとお姉ちゃんの背中に顔を押し付けた。

 

「……信じられるの?」

 

そんな、所長と妹ちゃんのやり取りを見ていた、お人形を持ったお姉ちゃんは、気丈にもキッと所長を見上げて、そう尋ねてきた。

 

「約束しよう。僕は六伏コランだ♪」

 

そして、そんな女の子に、所長は自信たっぷりに頷いたのだった。

 

「「……」」

 

所長の言葉に、顔を見合わせた双子ちゃん?は互いにこくりと頷き合うと、何かを決心した表情で口を開いた。

 

「おっぱいの大きなお姉さんと、顔のさえないお兄さん」

 

「……」

 

何ていうか、うん。自分が美形だとは間違っても思わないけど、子供の体躯にストレートな感想はそれなりに心に来るね。うん。

 

(おいおい、至くん。君は僕以外の人間からの評価を一々気にするのかい?)

 

(あー、うん、まあ。気にすることはないとはいえ、こうストレートに言われると、それなりに気になります)

 

面倒だから、一々どうこう言わないけど。

 

(それは、素直に腹立たしいなあ♪)

 

なんか、素直に嫌がられた。

 

(何でですか)

 

(君は僕の使い魔だろう? なら、僕以外の人間なんてミトコンドリア程の価値もないと理解してくれなくちゃ♪)

 

(何か、物凄くメンヘラなこと言いますね)

 

(良いじゃないか。美少女なんだし♪)

 

(美少女は免罪符じゃないですよ?)

 

(でも、ブスに言われるよりは良いだろう?)

 

(まあ、そうですけど)

 

美醜がある種の通貨になるのは、まあ、事実だし。と、

 

「メリーさんって知ってる?」

 

「ふむ?」

 

そうこうしているうちに、目の前のお姉ちゃんの口から、そんな言葉が出てきた。メリーさん?

 

「メリーさんって、あの電話の?」

 

「うん」

 

僕が確かめると、今度は妹ちゃんの方がこくりと頷いた。

 

―メリーさん―

 

怪談、都市伝説、逸話、寓話といったものが、未だに産まれては忘れ去られる日本の中で、一定の知名度を得てメジャーになったものとしては、かなり新しい部類の話だ。その細部には様々な違いが見られるが、基本的に電話が掛かってくること、電話を取る度に徐々に自分に近付いてくる事は共通している。ジョーク、アレンジ含めれば、派生した逸話はそれこそ無数にあるだろう。そんな―都市伝説にしては―在り来たりな言葉に、一瞬拍子抜けした気分になる。しかし、

 

「!」

 

妹ちゃんが頷いた瞬間、僕と、そして所長の視界が一瞬で"緋色"に染まり上がった。

 

「これは……」

 

「ああ」

 

頷いた所長が猫目を細める。

 

「"黄昏時"だね……」

 

「……」

 

所長の呟きに頷きながら、辺りを見回す。その緋色の世界は、確実にこの話が所長が言うところの"あの世"に絡んだものであることを物語っている……

 

PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi

 

「!」

 

そして、間を置かずに鳴り響いた無機質な電子音。高架下の騒音のようなそれに、思わず耳を塞ぎたくなる中で、それはやって来た。

 

―私、メリーさん。今、駅前のデパートに居るの―

 

「「……」」

 

何処か硬質な、ネット上で聞く電子音声にも似た声。

 

「……聞こえた?」

 

「……」

 

そう言って、ぎゅっと手を握りながら呟くお姉ちゃんと、その後ろでお姉ちゃんの服の袖を掴む妹ちゃん。

 

「……確りとね」

 

頷いた所長と視線を合わせると、少し考え込むように、所長は手に持った鞭でトントンと肩を叩いた。

 

「さきちゃんはとゆきちゃんは一体何時からこの世界に来るようになったんだい?」

 

「世界?」

 

「来る?」

 

そんな所長の言葉に、二人の女の子はそれぞれ左右に首を傾げた。

 

「この緋色……赤い景色の事だよ」

 

僕が捕捉すると、

 

「……???」

 

お姉ちゃんの方がまた首を傾げた。んん?

 

「ゆきちゃん、さきちゃん」

 

「「?」」

 

「君達は、この空は何色に見えるかな?」

 

そう言って、真っ赤な空を指差した所長に二人の女の子は顔を見合わせ、

 

「「何色って、水色」」

 

至極不思議そうに、そう答えてきたのだった。えっと、これはつまり、

 

(見えてない?)

 

(或いは、引きずり込まれていないか……だね)

 

隣で腕を組んだ所長が、そう言って首をかしげた。

 

(そういうことってあるんですか?)

 

("あの世"の住人の力そのものが弱ければ、起こらなくもないかな)

 

所長の言葉に頷き、同時に首をかしげる。

 

(となると、メリーさんは"あの世"の住人としては凄く弱い存在ということになるんですかね?)

 

(もしくは、凄く特殊なタイプの可能性もあるかな)

 

(と、言うと?)

 

(力そのものが弱いのは間違いなさそうだけど、たったそれだけの存在が"黄昏時"を使って人を襲えるとも思えないからね。何かカラクリがある可能性を捨てない方がいい)

 

(確かにそうですね)

 

最低限慎重に。そう受注する所長の言葉はもっともで、僕も同意を込めて頷いた。

 

「では、質問を変えようかおふたりさん」

 

「「?」」

 

「この、"通話"は一体何時から始まったのかな?」

 

「それはっ!……!?」

 

所長の質問に、一瞬声を上げたお姉ちゃんの方が。しかし、何かを飲み込むように、唇を噛んだ。んん?

 

「……この前の、お休みの日から」

 

言葉を引き継いだ妹ちゃんがそう答えてきた。先週の土日だから、4日程前からか。

 

「一日に何回くらい声は聞こえてくるのかな?」

 

「一回の時と、三回の時と……」

 

「ふむん……」

 

少なくとも、一日に一回。多いと三回か。

 

「最後に、何処で電話を聞いたのか、教えてもらえるかな?」

 

「「……」」

 

こくりと頷いた二人の女の子に、所長はにっこりと微笑んで「良い娘だ」と呟いたのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

パァン!

 

 二人の探偵が去ったのを見送った直後、そんな乾いた音が公園の中心で響いた。

 

叩かれたのは人形を持ったお姉ちゃん

 

叩いたのはお姉ちゃんのうしろに隠れていた妹ちゃんだった

 

赤くなった頬を抑えてキッと妹を睨み付けるお姉ちゃん。しかし、妹ちゃんはそんなお姉ちゃんの前髪を掴むと、「いやっ!?」と悲鳴を上げるのも構わずに、その目を覗き込んだ。硬質で無機質、そして何よりも酷く生物感のない。そんな目だった。

 

「ねえ、お姉ちゃん(・・・・・)

 

「!」

 

妹の声に、お姉ちゃんはビクリと肩を跳ねさせる。

 

「私、言ったよね? メリーさんが聞こえてきたのは四日前からだって。何度も言い聞かせたよね?」

 

「……」

 

言い募る妹に怯えたお姉ちゃんが、ぎゅっと人形を抱き抱えると、妹はその姿を見てにぃぃっと口角を持ち上げた。

 

「ちゃんと私の言うとおりにしないと、その人形壊しちゃうよ?」

 

それは、まるで感情のないお面の口の端を無理矢理引っ張って持ち上げたような、そんな歪な笑顔だった。

 

「約束は守ってよね? お姉ちゃん(・・・・・)

 

そう言い捨てて、すたすたと公園を歩き去る後ろ姿には、先程の探偵二人の姿に恥ずかしがっていた弱々しさはなく、年相応以上に傲慢な色が見えた。

 

「……」

 

妹が歩き去ると、残されたお姉ちゃんはぐしぐしと涙を拭い、気丈にきゅっと唇を引き結んで立ち上がった。

 

「……人形じゃないもん」

 

呟いた彼女の声は、抱き抱えた人形だけが聞いていた。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

 事務所に戻った所長は、幼女がオークに肉便器にされたイラストのテーブルにつくと、皮のパンツを脱ぎ捨ててコスプレ用に持ってきた鞭のグリップをじゅっぷじゅっぷと股間に突き立ててオナニーを楽しみながら、何かを考え込むようにバサリと大きな紙を広げた。

 

「それは?」

 

「地図さ」

 

見慣れないくすんだ羊皮紙?について尋ねると、所長はにっと笑ってその中央に、丁度鞭のグリップを握っていてでろでろになった右手を翳した。ちょ、たれてますたれてます。

 

「舐めてみるかい?」

 

「いやですよ、汚いし」

 

「おいおい、僕のおまんこはセーラー服を経験したビッチの汚まんことは違って、味わった瞬間にこの世で味わえる最高の多幸感に包まれる代物だぜ?」

 

「まず、中学生を無条件で汚まんこのビッチにしないでください。何処かの一方通行ですか。つか、あんたの体液はヘロインか何かなのか?」

 

「中学生がBBAなのは厳然たる事実さ。僕の様なエターナルパーフェクトロリータボディの持ち主以外はね♪ そして、世界最高の覚せい剤ごときが、そんなエターナルパーフェクトロリータおまんこ汁に並び立てるわけがないだろう?」

 

けらけらと所長が笑うと、ぽたりと小さな手に着いた愛液が零れ落ち、そして、その小さな染みを中心に、忽ち紙一面に、航空写真にも似た、しかし、やけに赤い家々の絵が広がった。これは……。

 

「そ。これは所謂"あの世"の地図さ」

 

「へぇ……」

 

所長のその言葉に、僕はまじまじとその地図を覗き込んだ。一見、赤いだけのその地図だったが、時折紙の一部が明滅していたのに気が付いた。

 

「この点は何ですか?」

 

僕が指差した先には、丁度この町の小さな神社があった。

 

「ああ」

 

頷いた所長は、「それが、所謂力のある(・・・・)"あの世"の住人さ」と言った。ということは、

 

「そ。この点がこの前のロリコン美術教師みたいな、自力で"黄昏時"を開ける奴ということだね」

 

ふーん。何となく興味が湧いて地図を見たが、しかし、常に明滅しているのは神社ばかりで、後は本当に小さな点が一二度光り、直ぐに消え去るだけだった。んん?

 

「至くんが考えている通り、この地図は基本的には役立たずだ」

 

僕が浮かべた疑問に気が付いたのか、所長はそう言ってくすりと笑った。

 

「まず、見ての通り、本当に力の強い奴じゃないと、この地図にはのってこない。次に、御神体の類いを除いては、力のある奴らは直ぐに移動できてしまうから、やはり追跡にも向かない。そもそも、どの点がどの住人かは僕が直接確かめないといけないからね。しかも、地図としては普通にネットの地図の方が良くできている」

 

「まあ、ですよね」

 

親指、人差し指、中指と順番に立てた所長に、僕も頷き返す。

 

「だが、幸いこの地図は"あの世"の住人を力で足切りしてくれるからね」

 

「ああ、そういう事ですか」

 

「うん」

 

今日の姉妹との会話中、メリーさんの電話が掛かってきたあの時、僕と所長にははっきりと"黄昏時"が見えたけど、あの二人の姉妹には音しか聞こえなかった。それは、"黄昏時"を作り出した者の性質によるものなのか、それとも力の規模によるものなのか。

 

「魔法使いの僕と、僕と契約した使い魔である至くんの五感は、"黄昏時"を感知することに長けている分、どうしても弱い力を拾いやすいからね。こうやって、"あの世"の住人の力の度合いを確かめて、その力が条件依存のものなのか、力の規模依存のものなのか分析するのは大切さ♪」

 

じゅっぷじゅぅぷと右手のペースを早めながら、所長は笑った。ふむ、

 

「一先ず、二人の事をパソコンでストーkもとい、見守っておきながら、この地図と連動させることで、何かしら見えてくる筈さ☆」

 

そう言って笑った所長が、園児服の女の子が輪姦されている壁紙の前でソフトを一つ起動する。ソフトが開いた先には、二人で並んで家に帰る、さっきの女の子達が居た。不意に、パソコンから鳴った電子音。次いで、画面の奥で真っ赤に染まる世界と、怯えた仕草を見せる二人の女の子。

 

「お、早速引っかかったね」

 

「ですね」

 

にんまりと笑う所長の前で、メリーさんの声が室内に響き渡った。

 

 

 

―私、メリーさん。今、デパートの隣のコンビニに居るの―

 

 

 

「至くん」

 

「映ってませんね」

 

所長の声に、僕は地図の中身を確かめながら答える。電話のメリーさんの言葉、そして、あの二人の女の子の居場所、その間の何処にも、赤く光る点は見られなかった。

 

「決まりだ、至くん。この"メリーさん"は相当に力の弱い都市伝説に違いない」

 

「と、いう事になりますね」

 

僕と所長の眼にしか映らない"黄昏時"。そして、地図にも姿を見せないという事は、力そのものは相当に弱いという証拠だ。……あれ? 所長?

 

「ん? どうかしたのかい? 至くん」

 

「これ一寸変じゃないですか?」

 

「んん?」

 

ぐちゅぐちゅと音を立てながら、身を乗り出しておっぱいを地図に押し付けた所長。ちょ、母乳が垂れてます。

 

「おっと……よし」

 

ティッシュでミルクを拭いた所長が「それで?」と首を傾げる。

 

「ここが、あの二人の家ですよね?」

 

地図の中心にある団地。その一つを指さすと、所長が「そうだね」と頷く。

 

「で、駅が此処」

 

「ふむ」

 

次に、今日の電話のあった場所。団地から少し離れた場所にあるこの町の駅を指さす。

 

「で、メリーさんのスタートであるごみ置き場が」

 

「……確かに、妙だね」

 

メリーさんの都市伝説は捨てた人形がじわじわと家に近付いてくるところからスタートする。その点は比較的どの寓話でも一致しており、人形を持たないような成人男性や中年男性等がターゲットとなった話であっても、この点は変わらない場合が多い。今日の二人の女の子の話も、同じように人形を捨てた経験はなかったにも拘わらず、ごみ捨て場から話が始まっていた。だが、

 

「あの二人の家の近くのごみ捨て場は……」

 

「駅からむしろ反対側だね」

 

そう、明らかにゴミ捨て場の位置がおかしいのだ。偶然かもしれないが、二人の家は団地の最も駅に近い方向にあり、結果的にゴミの集積場所が全て駅とは反対側に密集していた。

 

「しかも、駅の近くには当然ですけどごみ集積所は無いですよね」

 

「ふむ……」

 

「じゃあ、別の町のごみ集積所ってなりますけど、今度は距離に違和感があります」

 

「……」

 

あの二人の言っていたメリーさんの電話の位置を見ると、その移動は非常に小刻みで、都市伝説以上にじわじわと距離を詰めて来ていた。が、もしごみ集積所をスタートにした場合、そのごみ集積所から駅までの移動だけが異常に距離が長いのだ。

 

「これは……ちょ、と、調べる! 必要があるかなはぁ♥」

 

「? ……ておい」

 

気が付いたら、所長の右手のペースが8ビートから16ビートに進化していた。ていうか、

 

「いや、一寸待ってください。直ぐに距離取りますから、せめて少しだけ我慢して「んひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」

 

僕が慌てて椅子から立ち上がったのとほぼ同時に、椅子に座っていた所長がぴんっと爪先を立てて腰を持ち上げた。そして、やばいと思う間もなく、

 

「おほ♥ おっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!♥♥♥」

 

ぷしゃあああああああ!! という長い噴出音と共に、長い馬上鞭の生えた所長の股間から勢いよく潮が吹き出す。びくびくっと震える所長の腰の動きに合わせて、ぶっるん!ぶっるん!と震える鞭を伝い、所長の体液が地図と言わずパソコンやキッチン全体に撒き散らされた。そして、

 

「……」

 

「はぁ……♥ はぁ……♥」

 

当然の如く、所長の真ん前に居た僕が一番被害を受けていた。

 

「……所長?」

 

「んっ……♥」

 

ぴくっ……ぴくっ……と震えながらオナニーの余韻に浸っていた所長。普通に見れば顔を赤らめたおっぱいの大きな美少女の全裸に見えるんだろうけど、

 

「いやあ、済まないね至くん。一寸、我慢できなかった♥」

 

そう言って、でろでろになった両手をパンと合わせて所長は「てへ♥」と舌を出した。はっはっは。うん、

 

「毟りますね?」

 

「逃げるぜ?」

 

僕が右腕を振りぬくより一瞬速く椅子から下りた所長が素早く距離を取った。畜生、すばしっこい。

 

「ああ、そうだ至くん」

 

同人誌が山のように積まれた廊下の入り口に行ったところで、所長がくるりと振り返った。うん?

 

「ほらほら、ぞーさんだよ♪」

 

そう言って、所長は蟹股になり、へこへこと腰を振った。所長の腰の動きに合わせてぶらんぶらんと回転する鞭。そして、愛液の雫がキッチンの奥にまで飛び散った。うん、

 

「生皮剥ぎますね? 一枚一枚丁寧に」

 

掃除するの誰だと思ってるんですかね。この変態は。

 

「はっはっは! 捕まえてみると良い♪」

 

実に楽しげに笑った所長が、けらけらけらと逃げ出した。僕はキッチンから包丁を取ると、躊躇なくアホを追いかける事にした。尚、

 

「はごぉ!?」

 

「うわぁ……」

 

所長との追いかけっこは僅か数歩で終わりを告げる。

 

「そんなもの入れたまま走るからそうなるんですよ」

 

何のことは無い、股間に入れたままの鞭が引っかかり、予想以上に深くずぼっと股間にめり込んだ結果だった。

 

「はぁ……」

 

股間を抑え、ぴくぴくと震える所長の手の痕の付いたお尻から延びた、黒光りするびしょ濡れの鞭を引っ張る。ちゅぽんと音を立てて栓を抜くと、緊張していたあれこれが、抜けたのかしょろろろろという音と共にアンモニア臭が広がった。……はぁ。

 

「掃除、増えるなあ……」

 

取り合えず僕は、盛大に自爆した所長(アホ)の細い腰を掴み上げると、無理矢理風呂に放り込むことにしたのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

 三日後の事、

 

「う~ん……」

 

「所長?」

 

あの日から毎日、双子を観察していた所長はエロゲの隣で起動していたストーカーソフトの前で首を傾げた。

 

「どうかしたんですか?」

 

「中々尻尾を見せないと思ってね」

 

差し出したコーヒーのカップを受け取ると、所長は何時も通り母乳を垂らしてくるくるとコーヒーをかき混ぜた。

 

「……」

 

その視線の先、画面の中には地図の中心の団地から程近い幼稚園と、その端で遊ぶあの姉妹の姿があった。

 

「現れる場所、時間、スパン、タイミング、そのどれもが不規則で、法則性というものが確認できなかった。唯一、一貫しているのは……」

 

「家までの距離」

 

「のはずだったが、その第一歩目から挙動が明らかに可笑しい……」

 

考え込みながら所長が僕の分のカップに母乳を垂らして差し出してきた。うん、何かもう、面倒くさくなってきた。

 やたらに旨味の強いミルクコーヒーを口にしながら、所長の上からパソコンの画面を覗き込む。つけられた地図の印を見ると、確かに一貫性がない。

 

「うーん、実地調査……しようか?」

 

「実地調査ですか」

 

「ああ」

 

そう言って、所長あぴょこんと椅子から飛び降りた。

 

「現状、あの二人に纏わり付いたメリーさんの正体を知る術がないしね。推測は幾らか浮かぶけど……」

 

「……」

 

「正直、現状ではお手上げだ」

 

そう言って所長が両手を上げると、ぷるんっとおっぱいが揺れた。

 

「分かりました。じゃあ、少し待ってくださいね」

 

それなら、一寸部屋を片付けないと。

 

「ああ、僕も着替えて準備をしておくよ☆」

 

「はいはい……はい?」

 

そう言った所長が唯一身に着けていた柄パンをすぱんと脱ぎ捨てる。

 

「ファッキン・エクスカリバー、メイクアップ!」

 

直後、宙を舞ったトランクスが光、青と白の光が所長を包み込んだ。

 

身長の割にすらりと長い両足が露になると、膝まで届く青いロングブーツ

 

両の手首にはきつく巻かれた青いリストバンド

 

ぷっくりと恥丘を浮き立たせて、お尻を顕わにしている、光沢のあるハイレグのショートパンツ

 

「マイティ六伏……見!参!」

 

当然の如くトップレスで現れた所長に僕は思わず天を仰いだ。

 

「何故にプロレスラー?」

 

「ノリ♪」

 

当然のように言い切った所長がエプロンを置いた僕の手を取ると、「さ、行こうぜ♪」と微笑んだ。何時もの如く青い光が僕と所長を包み込んだ。

 

「警察に捕まりますよ?」

 

「大丈夫☆」

 

「……」

 

この前みたいなテロ行為は止めて欲しいんだけどな。

 

「僕を見た人間は女性がトップレスなのが普通だと思うようになるから☆」

 

「他人の性癖を歪めるな」

 

多分、この前みたいなことにはならない。けど、うん、色々と他人の人生を歪める所長に、僕は深く深く溜息を吐いたのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

「……」

 

 肌寒い冬の空の下、熱いコートと手袋を身に着けた漆原さきはじっと青い空を見上げていた。手に持った人形はあの日からずっと手放さずにいる。本当は今すぐにでも逃げ出してしまいたい。こんな人形だって捨ててしまいたい。けど……

 

―お姉ちゃん! お姉ちゃん!!―

 

―ゆき!?―

 

あの日、家で見た光景。まだ、本当にあった事なのかもわからない中で、さきは唯々途方に暮れる事しか出来ないでいた。

 

「おねーちゃん♪」

 

「!」

 

不意に、背中から聞こえた声に、さきは思わず肩を跳ねさせた。振り返った先には、にこにこと笑顔を浮かべる妹のゆきの顔があった。

 

「どうしたの? そんなところで」

 

一見無邪気なその笑顔に、しかし、潜んだ眼の光が酷く冷たかった。

 

「……別に……何でもない」

 

始めのうちは怖くて仕方なかったその笑顔も、大分慣れていた。慣れてしまっていた。さきはぎゅっと唇を噛むと、そう言って、顔を背けた。

 

「ふふふ……」

 

「……」

 

そんなさきに微笑を浮かべたゆきは心底楽しそうに笑った。

 

「そんな冷たい事言わないで、一緒に遊ぼうよ。お姉ちゃん♪」

 

「私は……あなたのお姉ちゃんじゃない」

 

"お姉ちゃん"その言葉にはっと目を見開いたさきはキッとその言葉を口にしたものを睨みつけた。だが、その仕草が面白かったのか、彼女はくすくすと笑うだけだった。

 

「冷たいなあ、お姉ちゃんは。本当に冷たい……」

 

「……」

 

「あんまり冷たいと、私、お姉ちゃんの大切な物全部壊したくなっちゃうわ♪」

 

「!!」

 

そう言って、もう一度笑った彼女の笑顔には、酷く冷淡な、そして、隠し切れない残忍な、そんな色が浮かんでいた。

 

「ねえ、お姉ちゃん」

 

「……」

 

「私は……私がお姉ちゃんの妹なんだよ?」

 

「……」

 

「だから、仲良くしましょう?」

 

「……」

 

「私を守って」

 

「……」

 

「私を助けて」

 

「……」

 

「死ぬなら私の代わりに死んで? じゃないと」

 

「!!」

 

耳元に近付けられた唇からは生温かい、獣の臭いがした。

 

 

 

「あなたの大切な物、本当に永遠に失われちゃうわよ?」

 

 

 

その笑顔に、さきのなけなしの勇気は既に壊れそうだった。そして、その事実が愉快だったのか妹の姿をしたそれは絶叫の様な哄笑を上げた。やがてそれが終わると、「じゃ、行こ♪」と微笑んできた。

 

「……」

 

頷いて手を引かれたさきには、もう抗う気力は残されていなかった。

 

 

 

 

 




鈴笛至
なんかもう、最近所長のお漏らし癖に慣れてきました。
多分、顔面にここまで男の体液掛けられた主人公ってあまりいないと思います。

六伏コラン
色々漏らしすぎのヒロイン(男)
下半身から三種の体液をまき散らし、鞭のグリップと人形を穴に突っ込む系ヒロイン()
でも、メインヒロイン。なんだかんだで主人公の事は友人として気に入っています
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