ロリコン探偵少女? 六伏コラン   作:デポジットカンチョーワールドカップ

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遅くなりました。ご免なさい!!


メリーさん 四

 さて、所長のワープ「チッチッチ、そこはワープじゃなくて転移魔法と言ってほしいね」いや、所長、自分でワープって言っちゃうじゃないですか。

 

「そういえばそうだったね」

 

けらけらと笑う度に、(造形技術的な意味で)自慢のバストがぷるんぷるんと揺れるが、何か魔法で弄っているらしく、綺麗に切り揃えた揉み上げが器用に乳首を隠していて、ギリギリR-15な格好になっている。「さ、それじゃあ早速観察といこうか」と笑っているけど、どう見ても変質者だよね。

 

「おいおい、ひどいじゃないか至くん。今の僕は何処をどう見ても立派なプロレスラーじゃないか」

 

「せめて女子プロレスラーの格好をしてたら、ギリギリ、百万歩譲って言い訳できたかもしれないですけどね」

 

「ほら、チャンピオンベルトも巻いてきたんだぜ?」

 

「DSKB……何の略ですか?」

 

「勿論、ドスケベの「うん、皆まで言わずとも分かりました」

 

やっぱりろくでもないね。

 

「で、実際に来たわけですけど」

 

「うん」

 

「取り敢えず、辺りを回りますか?」

 

「ま、それくらいしかないよね」

 

肩をすくめた所長が天に向かって腕を伸ばすと、形の良い指をパチンと鳴らした。

 

「ん?」

 

途端に鳴り響く、矢鱈と力強いハイテンポな音楽。ていうか、この曲って、

 

「さ、行こうか至くん」

 

「プロレスラーの入場曲流しながらの調査とか初めて見ましたよ」

 

というか、普通にうるさいし。

 

「ていうか、寒くないんですか?」

 

僕がそう聞くと、所長は急に真顔になった。

 

「至くん」

 

「はい」

 

「くっそ寒い」

 

「ダメじゃねーか」

 

本当に、ダメじゃねーか。

 

「まったく……」

 

仕方なく、僕は雑に引っ掻けてきたダッフルコートを脱いで、にっこりと笑いながらカタカタと震えている所長に被せる。ああもう、こんなに鳥肌立てて。

 

「至くん」

 

「はい?」

 

「素直に助かる」

 

あまりにも所長らしくない素直な感謝。地味に追い詰められてたな……。

 

「はいはい……っと」

 

そして、不意討ちで虚を突かれたせいか、少し前から使わないようにしていた口癖がつい口をついて出てしまった。なんとなしに口を抑えて隣を見ると、

 

「……」

 

物凄い良い笑顔の所長が、ぎゅっと親指を中指と人差し指の間に突っ込んでいた。……おしゃぶりをしゃぶって。

 

僕は所長を殴り飛ばした。

 

所長は「うーわ、うーわ、うーわ」とストリートファイターの物真似をした。

 

……懐かしいな。

 

「はっはっは♪」

 

そして、両人差し指を天に向けるポーズ。当然のようにばるんっ♥と揺れるおっぱい。お前、負けたんじゃないのかよと。と、

 

「あ……」

 

「んむ?」

 

例によってバカをしていた筈の僕と、そして、当然の如く所長も、同時にそれ(・・)に気が付いた。

 

首筋に触れる幽かな違和感

 

鼻腔を擽るほんの僅かに生臭い香り

 

そして、染まる血色の世界

 

「「……」」

 

二人同時に幼稚園の方を振り返ると、園の外で怯える姉妹の姿。そして、

 

 

 

―私、メリーさん。今公園前の歩道橋にいるの―

 

 

 

無機質な女の子の声。

 

「「……」」

 

ある意味待ちに待った光景が、再び僕と所長の前に広がったのだった。

 あの日に見て、そして、画面越しにも何度か確認したその光景に、僕と所長は一度顔を見合わせる。

 

(違いは?)

 

(直ぐに)

 

周囲の景色の中、音、匂い、感触。その全ての中から差異を探し、違和感を見つけ出す。ほんのわずかなそれでも、案外この化け物の本性を探る場合には重要な手掛かりとなる場合が多いと、僕もそれなりの期間を所長の下で過ごすうちに学んでいた。果たして、

 

「ん?」

 

ほんの僅かに首筋に感じた違和感。その奇妙な生臭さの先を追った僕の視線が、一瞬の内に所長のそれとリンクする。

 

「「いた」」

 

僕の、所長からは抑揚のないと称させる声と、所長の風貌に対して少しだけしゃがれた声が重なる。僕と所長、一つに重なった五感は研ぎ澄まされ、その先に小さなロボットが不自然に電柱の影に隠れている姿があった。

 

「おっと、逃がさないぜ♪」

 

僕と所長の視線に気付いた瞬間、動きのないロボットの顔のくせに、やたらと感情豊かに慌てだした子供向けのおもちゃ。そのロボットに向け、所長は汗でぐっしょりと濡れた青いパンツの上から身長の割にむちっとしたお尻をパァンッ!と叩き、その手で人形の方を指さした。

 

「!」

 

瞬間、その人形を囲う三段のロープ。次いでく染まったリングに向かって、所長が走り出す。だが、

 

「っと」

 

不意に鳴ったクラクション。その方向には、慌てた顔のドライバーと、ステアリングにまとわりついた小さな女の子の人形の姿。

 

「……」

 

ロボットに走り寄る所長に向かって一直線に突っ込んでいくそれに、僕は一息で体を割り込ませた。

 

「くっ」

 

直後、前進を襲う強い衝撃。内蔵の奥から競り上がる不快感をそのまま吐き出すと、喉全体が鉄錆の味に満たされた。

 

「ナイスっ! 至くん♥」

 

「ひいっ!?」

 

横目で笑い、サムズアップ代わりの女握りを投げて寄越した所長は、タタンッ!と軽やかにリングに駆け上がると、そのトップロープを足場にして、高々と赤い空の上へと跳躍した。そして、

 

「潰れてしまうと良い……コラン・ヴィクトリー・ピーチ・スタンプ!!」

 

握り拳と共に両脚を振り上げて、レガースに包まれたすらりと形の良いそれで、綺麗なVの字を描く。リングの中央に向けられた、むちっとしたお尻が核弾頭となり、

 

「ぐびっ!?」

 

「はい、わんつーすりー」

 

「っ〜〜〜〜〜!! 勝利!!」

 

所長の身体をゲートに、僕が右腕を出してカウントを取ると、所長はビクビクッと震えて、ピースサインを僕に向けてきたのだった。あー、はいはい。

 

「勝者、マイティ六伏」

 

「イエーイ!!!♥」

 

観客もいない中で、僕に右腕を掲げられながら、嬉しそうに煽りを向ける所長。うん、まあ、本人楽しそうだし良いか。ていうか、見えてます見えてます。

 リングの上でトップレスでガッツポーズをとる少女と、その手を掲げる吐血した男という異様な組み合わせ。というか、所長と僕なんだけど。二人して軽いウィニングランをした後、所長がリング中央を振り返った。くっきりと出来た、二つのクレーター(お尻の痕)。その片方の中で、四肢のひしゃげたロボットが、「あ、う…」と実に人間らしい(・・・・・)悲鳴を上げた。

 

「ちっ、生きてたか」

 

「いや、その反応はおかしいですからね?」

 

捕まえて、情報引き出すんじゃなかったんですかと。

 

「仕方ない……ガムテープでぐるぐる巻きにして、持ってきてくれ」

 

「はいはい」

 

色々ともう、僕自身も開き直って、肩を竦めると、所長からポイッと投げ渡されたそれで、ロボットの悲鳴も無視してそれを巻き上げる。

 

「じゃ、戻りますか?」

 

「そうだねぇ……」

 

頷いた所長が、不意に何を思ったのか、ずいっとビキニパンツに包まれたお尻を突き出してきた。

 

「……何ですか?」

 

「ボーナス♪」

 

「……」

 

何か、嫌な予感がする。

 

「マイティ六伏のむちぐしょピーチ、揉んでみるかい?♥」

 

ああ、うん、予想通り。

 

「ていっ」

 

僕は所長のパンツ越しにお尻をひっぱたいた。

 

「はふんっ♥」

 

無駄にそれっぽい仕草で喘いだ所長は、けらけらと笑っていた。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

 六伏コラン探偵事務所のあるフロアは実は一フロア丸ごと所長の物だったりする。その部屋の全てに所長の趣味(・・)が格納されており、所長は「コランズタンク♪」等と秘密基地を気取っていたりする。で、そのタンクの二号室、俗にいうエロフィギュアがずらっと並ぶ一室で、

 

「ぐっふっふっふっふ♪」

 

「むーっ! むーっ!?」

 

サバトも真っ青な光景が繰り広げられている。

 

 

固く亀甲縛りで縛り上げられた未熟な身体

 

桜色の唇にきつく噛まされたボールギャグ

 

そして、

 

 

「くっくっく、ふっふっふ、ふあああああああああははははははは!!!」

 

 

その目の前で、テンプレ極まった哄笑を上げながら色欲濡れの下卑た表情で、本来あるはずのない男根を小さな掌でしごきあげる所長の姿があった。

 

「……何してるんですか所長?」

 

人のちんこ勝手に使って。

 

「んん? 見て分からないかい?」

 

「分かりたくないから聞いているんです」

 

振り返った所長はそれでも右手のしこしこを一切止めようとしなかった。つか、ペースアップするなと。

 

「で?」

 

「んむ?」

 

「答えは?」

 

あんまり聞きたくないけど。

 

「勿論決まっているだろう……レイプだ!☆」

 

「んむーっ!?!?!?」

 

「予想はついていたけど、知りたくなかったです」

 

あ、レイプって言葉に反応した。レディコミの倫理観ってどうなってるんだろうね。というか、所長もYESロリータ!NOタッチ!の精神は何処に行ったんだ?

 

「おっと、信頼する僕の右腕たる至くんともあろう者が、一寸その質問はケアレスだぜ?」

 

「何か気付いていないことでも?」

 

「良いかい至くん」

 

「はあ」

 

「幽霊に、人権なんてものもなければ、性犯罪なんて立件不可能なんだぜ!!!♥♥♥」

 

「目を最高にきらっきら輝かせて何、糞下劣極まりない発言してやがる」

 

こういう奴が居るから性犯罪は無くならないんだな。

 

「ていうか」

 

「んむ?」

 

「ものすごーく嫌な予感しかしないんですけど」

 

「うん」

 

「その股間のちんこ……どうしたんですか?」

 

「……」

 

「……」

 

「勿論、至くんの「やっぱりかこのやろう」

 

出来れば外れていて欲しかった。

 

「至くんと契約してから、昔みたいにちんちん生やせるようになっちゃって、すっかり歯止めが利かなくなっちゃったんだよね♪」

 

「いや、もとからあんた、こういう性格だったじゃないっすか」

 

「実質二人の共同作業。つまり、輪姦だね☆」

 

「勝手に人を巻き込むな」

 

犯るなら、せめて一人で犯ってください。通報してあげますから。

 

「そっか、脱獄の準備をしてくれるんだね!」

 

「ポジティブだなぁ……」

 

絶対にせんわ……面会くらいは行くかなあ。

 

「至くん、至くん」

 

「はい?」

 

「なんか、めっちゃリアルな想像してないかい?」

 

「してませんよ?」

 

「心が繋がっちゃってるのに、当然のように嘘を言うなあ」

 

「むしろ、内心がバレバレだから、平気で嘘を吐けるって感じですけどね」

 

それはもう、お互いにね。

 

「それもそうだ」

 

所長はけらけらと笑った。

 

「さて」

 

「ん?」

 

「いい加減、僕の方も色々と辛抱堪らなくなっちゃった♥」

 

「今の会話に、情欲をそそるシーンありました?」

 

「こう、全裸で亀甲縛りの美少女を床に転がして馬鹿話するシチュエーションが?」

 

「放置好きなんですか?」

 

「割りと」

 

さよで。

 

「性的快楽を知らない美少女が、性欲解消のために何を要求すればいいのか分からなくなってパニクッてるるのって最高にそそると思わないかい?」

 

「そこは言わんでいい」

 

僕が尻をひっぱたくと、所長はけらけらと笑った。

 

「さて」

 

そして、一頻り笑い終えると、「さ、それじゃあそろそろ」と呟いた所長が、何もない空間から、太くて黒い物を取り出した。

 

「んむーっ!?!?」

 

そして、魔法陣の中心で亀甲縛りされた女の子の一際大きな悲鳴が響き渡る。……まあ、

 

「ふっふっふ」

 

実際には単なる

 

「ふーじーこちゃーん!!!!」

 

ぶっとい付けもみあげなんだけどさ。

 アニメ通りの奇麗な……奇麗な? いや、むしろくっそ汚いルパンダイブで亀甲縛りの女の子に襲い掛かった所長は、

 

「射殺せ……牙突☆零式!!♥♥♥」

 

その股間でびくびくと脈動するペニスを躊躇なくぶち込んだのだった。

 

「んぐぉ!?!?!?」

 

ぼこりと膨らんだ腹に、ぐりんと反転した白目。直後に響くパキンッ!! という冷たい破裂音。後に残ったのは、まるでガラスみたいに砕け散った小さな人形の姿だった。

 

「……ふぅ」

 

それを確かめた所長がどくどくと精液を垂れ流したちんぽの前でパチンと指を鳴らすと、青い燐光に包まれたそれは奇麗さっぱりなくなっていたのだった。

 

「……分かりましたか?」

 

「ああ、ばっちりだ♪」

 

隣室から持ってきたガウンを渡すと所長はにっこりと笑ってそれに手を通した。

 映画の悪役が着るようなそれに身を包んだ所長は気付け用に持ってきていたコーラを一気に飲み干すと、人形の前にどっかりと座り込むと「げぇぇぇふ!」と腹の底からげっぷを吐き出した。

 

「この都市伝説のメリーさんだが、どうやら予想以上に性質が悪いみたいだ」

 

「……」

 

「あの二人の身柄を確保しよう。場合によっては既に"マーキング"されている可能性もあるからね」

 

「了解しました」

 

立ち上がった所長に頷き、僕も直ぐにウィンドブレイカーを羽織った。

 

「そういえば所長」

 

そして、青い魔法陣の中心に立ったところで僕はふとある事に気が付いた。

 

「んむ?」

 

「思考をぶっこぬくのに、セックスって必要なんでしたっけ?」

 

「心を壊した方が、思考を取り出しやすいって意味では必要だね」

 

「……なんか、含みありますね」

 

「実際には必要ないしね♪」

 

「……」

 

うん、知ってた。

 

「じゃあ、なんでやったんですか?」

 

「犯りたかったからかな☆」

 

うん、もう駄目だ。本当にダメダメだこの人。いや、知ってたけどさ。本当に自分の株を下げることに余念がないよなあ……。

 

「ちなみにロリはあんまり気持ちよくは無いんだよね実際」

 

「聞いてねーよ」

 

そんな情報は本当に要らなかったわ。つーか、何でその感触を知ってるんだと。ノータッチは本当に何処行ったんだと。と、そうこうしているうちに準備が完了したらしい。

 

「じゃ、いくよ、至くん♪」

 

「はいはい」

 

さっさと片を付けたいですし。

 

「世界の果てまでイってくっ」

 

「所長、72じゃないですけどね」

 

「その倍はあるからね♥」

 

空中に浮かんだどっかの72に女握りをした所長と、それに嘆息した僕は再びあの双子の所に向かったのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

「マジか……」

 

 僕と所長が二人の所に飛んだ瞬間に見たのは

 

「いや、いやああ!?」

 

「っ!?」

 

ひしと抱き合う、あの双子と、その双子を囲むように並んだ大量の人形達だった。何でこんなにクリティカルなタイミングになるかなあ……。

 

「至くん!」

 

「了解です」

 

所長の声に、僕は一旦思考を打ち切って一軒家のリビングで抱き合う二人の女の子の方に飛び出した。

 

(どうやら、完全にマーキングが完了したみたいだ。これはもう振り切っただけじゃ逃げきれないね)

 

「……」

 

脳内に直接響いた所長の言葉に頷きながら、僕は二人に襲い掛かった人形の群れに体を割り込ませた。

 

「ぐ……」

 

直後、全身に走る、通電したようなバチバチとした感覚。一瞬視界が白くなるが、直前の記憶を頼りに二人の方に手を伸ばした。幸いへたり込んでいた二人は移動する気配もなかった。

 

「所長!」

 

纏わり付く人形の間から差し出した手で二人を掴むと、声を上げる。すぐさま返ってきた所長の「よし来た!」という声と共に、ガウンの袂を解いた所長がつるんとした一糸纏わぬ股間をかくかくと振った。おい、何でその動作にした。「何となくさ♪」知ってるわ。

 直後、青い光に包まれる僕と所長、そして姉妹。同時にパンッ! という音と共に、僕にむしゃぶりついてきていた人形達が一斉にはじけ飛んだ。

 

「はっはっは! 残念だったね、メリーさん! 君達の負けだ! 何! 恥じることはない! この六伏コランと至くんが相手だったんだ。その時点で、君達には敗北という泥を啜る以外の結末はあり得なかったのだからね!☆」

 

そう言って、痴女スタイルで盛大にメリーさんを煽る所長と共に、再び意識が途切れる。後に残った人形達がどんな反応を見せているか……まあ、中身は子供(・・)だからなあ。

 僕は思わずぼやきながら、手の先で震えている二人の女の子をどうするか、考え込んだのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

 所長がゲートを閉じると、僕と所長、そして件の姉妹の四人は先ほどの家から再び所長のエロフィギュア室に舞い戻ってきた。

 

「ふぅ……♥」

 

メリーさんを煽るだけ煽って気持ちよくなったのか、震える二人の前で、所長がぶるりっと身震いをした。てか、たれてますたれてます。そりゃもう、ぼたぼたと。

 

「おっと失礼」

 

「何かもう、全方位に失礼なせいで、今更感ありますけどね」

 

「確かに♪」

 

所長はけらけらと笑った。

 

「で、ここから、どうするんですか?」

 

振り返った先、ひしと抱き合って、何とか気を保たせている、二人の女の子の方を向くと、気が立っていたのか二人ともびくっと肩を跳ねさせた。

 

「そうだねぇ……」

 

少し考えるように首をかしげた所長は、やがて考えがまとまったのか、ぽんと軽く手を打った。

 

「よし、彼女たちを囮にしよう」

 

「さらっとゲスですよね、ホント」

 

爽やかに笑う所長に、僕は思わず肩を竦めたのだった。まあ、でも、マーキングされている以上、下手に逃げ回るよりはそっちの方が楽っちゃ楽か。そう僕が思案する前で前半分全裸の所長ががに股で二人の前にしゃがみこんだ。同時に、

 

ピリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!

 

「「!?」」

 

「……」

 

部屋に置いてあった電話がけたたましく鳴り出した。

 

「さて、お二人さん。君達には言わなければいけないことがある」

 

「「……」」

 

ビクッと肩を竦ませる二人に、所長はにっこりと微笑んだ。無言のまま、ぎゅっと互いの手を取り合う双子。

 

「君達は既に"メリーさん"に完全に取り付かれてしまっている。端的に言って、逃げることは不可能だ」

 

「!?」

 

所長の言葉に、妹ちゃんの方は目を潤ませ、お姉ちゃんの方は顔を青くさせた。

 

「となると、手段は迎撃。襲ってくるメリーさんを迎撃するしかない」

 

「「……」」

 

無言になる二人の女の子。だが、所長は一切の気負いなく、「安心したまえ」と言い放った。

 

「僕と至くんが全てするっと片付けてみせようじゃないか♪」

 

「「……」」

 

そのあまりにも能天気であっけらかんとした言葉に、今度は本気で絶句したようだった。

 

「……出来るんですか?」

 

やがて、おずおずと口を開いたお姉ちゃんに、所長は「出来るとも♪」と笑った。

 

「この僕、六伏コランと、助手の至くんのコンビに不可能は無いんだぜ?」

 

「そこまで、大袈裟に何か出来る訳じゃないですけどね」

 

信頼されるのは悪い気分じゃないけど、流石にそれは大風呂敷。それよりも、

 

「どうやら、捕捉されたみたいですね」

 

「ああ」

 

ちりっとうなじ辺りに響いた悪寒のような感覚に僕が外を見ると、所長がにやりと口角を吊り上げた。直後、

 

「「!?」」

 

世界が一瞬で真っ赤に染まる。

 

「"黄昏時"のお出ましだ」

 

所長が立ち上がるのとほぼ同時、爆音と共に部屋のドアが吹き飛び、ビダビダビダビダッ!という接着音。ガシャンと割れて飛び散ったガラス窓と合わせ、その穴から夥しい数の人形が雪崩れ込んできた。

 

「ひぃっ!?」

 

悲鳴を上げるお姉ちゃん。辺り一面に犇めき、不規則に蠢いている人形達は、そのどれもが妙に生々しい(・・・・)動きをしていて、確かに如何にも不気味に見える。ていうか、うん。

 

「まさか、本当だった(・・・・・)とは……」

 

その光景は、あの人形を犯した所長から受け取ってはいたものの、正直実際に目にしてみると意外という感想を抱かずにはいられなかった。

 

「確かにね」

 

僕の感想に所長はニヤニヤとチェシャ猫の笑みと共に頷いた。

 

「な、何で……」

 

背中の方でポツリと聞こえた、声の方を振り替えると、お姉ちゃんの方が泣きそうな顔でへたりこんでいた。

 

「何で! 何でなの!? メリーさんが居なくなったら、ゆきは戻ってくるって言ってたのに!! ゆきは返してくれるって言ってたのに!! こんな、こんなに一杯……どうやってなくせばいいの!?」

 

「「……」」

 

そして、所長と顔を見合わせる前で、何かが決壊した様子で泣き出すお姉ちゃん。だが、成程ね。

 

「そう言って、さきちゃんを脅していた訳か」

 

「え?」

 

「君の負けだ。漆原ゆきちゃん……いや、一番最初の"メリーさん"♪」

 

その瞬間、ダンッ! と強い音と共に所長が無防備だった妹ちゃん……漆原ゆきに扮していたメリーさんの顔面をフランケンシュタイナーで捕らえた。

 

「ん? んぶ!?」

 

所長の無毛の股間の下で目を丸くするメリーさん。その顔を見下ろしながら興奮し始めた所長はにちゃにちゃと腰をグラインドさせる。

 

「ん……はぁ♥ 何だ、結構いい舌使いするじゃないか♥ んちゅ♪」

 

ちゅぱちゅぱと自分の乳首をしゃぶり始めた所長を置いておく。ていうか、一斉に飛び掛かってくる大量の"メリーさん"を前に、僕は所長とお姉ちゃんの方を守るために盾として両手を広げたのだった。

 

 

 

 

     ◆

 

 

 

 

「ん~~~~~~~~♥♥♥ ……ふぅ♥ あー、気持ちよかった♪」

 

 おっぴろげた両足の間からしょろろろろとおしっこを股の間のメリーさんにぶっかけながらコランは満足気に溜息を吐いた。

 

「……」

 

そして、一頻り余韻を楽しみ終えると、その光景を目を丸くして見ている漆原さきに、コランはにっこりと微笑を向けた。

 

「種明かしをしようか。さきちゃん♪」

 

その顔は、実に楽し気で、そして、稚気の混じった残忍さがあった。

 

「……」

 

その無言の圧力に、思わず首を縦に振った漆原さきにコランは「ん。宜しい♪」と頷く。

 

「まず、話の前に君の妹、漆原ゆきちゃんを元に戻すところから始めないとね」

 

「!!」

 

だが、続いたその一言に、彼女ははっと目を見開いた。

 

「出来るの!?」

 

「勿論だとも♪」

 

頷いたコランは再びぐちゅぐちゅと腰を動かす。同時に、その言葉を聞いた股の下のメリーさんが「むーっ!むーっ!」と悲鳴を上げた。

 

「君の持っている人形……妹のゆきちゃんだろう?」

 

「……!」

 

コランがそう尋ねると、彼女は必死に頭を縦に振った。

 

「なら話は単純さ。僕が彼女を体の中に産み直してあげれば良い」

 

産み……直す? あれ? 何か無性に嫌な予感がするんだけど。

 

「じゃあ、本物のゆきちゃんを連れてきてくれるかな?」

 

「!」

 

頷いた漆原さきちゃんが人形を差し出すと、所長はそれを躊躇なく自分の股間に突っ込んだ。いや、おい。

 

「はふぅ……。やっぱりオナニー最高♥」

 

「やっぱりオナりたいだけじゃねーか」

 

この野郎。

 

「まあまあ、本番は此れからさ♪ 悪いんだけど、其れまでの時間稼ぎ頼んだぜ?」

 

「あー、はいはい」

 

いつの間にか、集まった人形達はその身を固め合って、大きな、化け物へと成り代わっていた。僕から見ても見上げる大きさのそれが振りかざした腕を受け止めると、肩に慣れた激痛が走った。背中の方では、

 

「イッツ ショータイム♪」

 

所長が腰を大きく振りかぶり、

 

「おごぇ!?」

 

妹ちゃんの小さな喉に、その人形をぶちこんでいるのだった。

 

 

 

 

「さて、メリーさんの違和感だけど、それは他でもない、僕達とさきちゃんが初めて会ったあの公園まで遡る。あの日、僕は僕と至くんを覆うように、"美少女にしか僕達を見ることが出来なくなる結界"を展開していた。当然、さきちゃんには見えるし、ゆきちゃんにも見えるはずだった」

 

ぐちゅぐちゅ

 

「だけど、ゆきちゃんは僕を見ることができなかった。いや、見ても反応しなかっただけでは? 僕はそうは思わない。仮にも全裸で股間から人形生やした人間だぜ? 悲鳴を上げないにしても、逃げるだろ。普通」

 

ぐちゅぐちゅ

 

「次に、メリーさんの電話を掛けてくる位置。メリーさんの自己申告ではあるけれど、あれを信じるなら、メリーさんは一度君達二人に近付いて、一度離れた(・・・・・)ことになる。何故そんな事を? 徐々に距離を詰めていくのがメリーさんの怖さの根幹なのに?」

 

ぐちゅぐちゅ

 

「最後に、この"黄昏時"だ。"黄昏時"は通常は力が強い住人にしか展開できない代物な訳だが、メリーさんのそれは何て言うか、中途半端だ。引きずり込むでもなく、潜むでもない。単に力の届く範囲に展開しただけ。しかも、僕や至くんの目には見えても、さきちゃんの目には見えなかったっと」

 

ぐちゅぐちゅ

 

「それらを繋ぐのが、僕と至くんが捕まえた、人形。いや、メリーさんの一体(・・・・・・・・)だった」

 

ぐちゅぐちゅ

 

「そう、都市伝説のメリーさんとは、水子の霊の集合体だったのさ♪」

 

じゅぼっ!!

 

あ、漸くイラマチオが終わった。

 

「ふぅ……。さて、続きだ」

 

て、続けるのかよ。

 

「彼らは郡体で、一つの都市伝説。群れで狩りをする存在だった」

 

じゅぽじゅぽ

 

「ターゲットを定めるとそのターゲットを追い掛けるように、群れが一定の範囲に展開。ターゲットの居る方向は分かっても、直接乗り込むほどの力はないから、じわじわと距離を詰めるわけだ。そして、その過程でターゲットに恐怖心を抱かせる。実はこの過程が地味に大事だったと知ったのは後のことなのだがね?」

 

じゅぽじゅぽ

 

「彼らメリーさんの望みは"人生のやり直し"。まあ、当然といえば当然かな。何せ、十そこそこで亡くなった訳で。ちゃんと人生を歩みたいっていうのは人情さ。だから」

 

「子供を襲って、成り代わるんですよね」

 

「そーゆーこと♪」

 

じゅぽじゅぽ

 

「過程で恐怖を抱かせることで、ターゲットの心を弱らせる。そして、接敵したと同時に、そのターゲット、つまり子供に成り代わって人生をやり直すわけだ。が、此処で一つ問題が発生する」

 

じゅぽじゅぽ

 

「メリーさんのターゲットは基本的に一狩り一人。まあ、これは仕方ない所ではある。何せ、数は多くとも、一人一人の力は弱い訳だからね。そして、そのせいで、成り代わりは完全に早い者勝ちになってしまうんだ」

 

「元々、生き返りたい子供の霊の集合体だから、譲り合いなんて発生しないしね」と所長は笑う。うん、まあ、そういうことなんだよね。

 

「そして、そんな性根の子供達に、仲間を祝福するなんて思考回路は当然あるわけがない。一人が成り代わりに成功したら後は周りからの嫉妬と、"あいつが成り代わったなら、自分も"っていう欲だけが残る。つまり、最初のターゲットは他でもない"一番目のメリーさん"。そ、ゆきちゃんの中に入っている君さ」

 

「……」

 

所長の言葉に、喉の奥まで人形を突っ込まれたメリーさんが激しく首を横に振ろうとした。しかし、所長の細い腕でも、小さな女の子の頭くらいなら、余裕で捕まえておけるわけで。

 

「じゃ、消えよっか♪」

 

そう言った所長が、ラストスパートとばかりに腰のギアを一段引き上げる。じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽっ! という音と共に、股間の人形が耳に痛いほどの音と共にキュピイイイイイイイイイン!! と発光する。そして、

 

 

 

「僕の赤ちゃん(ゆきちゃん)を産みたまえええええええええ!!!!!!!!!」

 

 

 

最低最悪の気合いと共に股の間から人形が発射され、漆原ゆきちゃんの身体が2メートル程吹き飛ばされたのだった。

 

 

 

 

 




ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました。
多分今年最後の投稿になるかと思われます。
自分でも半分酔っぱらいながら書いておりましたが、いろんな方に読んでいただき、とても嬉しかったです。
また来年も、くっそ汚く頑張っていこうと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
では、よいお年をー
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