ロリコン探偵少女? 六伏コラン 作:デポジットカンチョーワールドカップ
至「……」
新年一発目から本作を開いてくださった勇者の皆様、明けましておめでとうございます。今年も大体こんなノリでハーメルン一汚い作品目指して頑張っていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
「ゆきっ!?」
「えほっ!? けほっ!?」
所長の……何だろう、ファック? に、吹っ飛ばされた妹ちゃんの方に、半泣きになったお姉ちゃんが慌てて駆け寄ると、口に加えていた人形を吐き出して「お姉ちゃん?」と顔を上げた。
「ゆきなんだよね? メリーさんなんかじゃないんだよね!?」
そんな妹ちゃんの小さな肩を揺すって、その手の中にある大切な妹が偽物ではないと、本当の自分の妹だと確かめるように声を上げた。
「うん。ゆきだよ、お姉ちゃん」
少しだけ疲れたように、しかし、自分の姉を安心させるように微笑んだ妹ちゃんを、お姉ちゃんは「よかったぁ……」と抱き締めた。妹ちゃんの纏う穏やかな雰囲気は確かに、一番目のメリーさんとは似ても似つかなかった。……所長の潮吹きをもろにくらったせいで、感動的なシーンのはずなのに妹ちゃんの顔がでろでろなんだよなあ。まあそれでも、少しも嫌そうな顔をしないで抱きしめているあたり、あのお姉ちゃんはきっと良いお姉ちゃんなんだろうね。
「な、何で……」
「「ん?」」
その声のした先には、よろよろと立ち上がろうとする、あの小さな人形。こっちも所長の潮吹きもろにぶっかかったせいで、体中からぼたぼた粘り気のある体液を滴り落としている。うん、普通にばっちぃね。
「おいおい、至くん。美少女のマン汁をばっちぃだなんて、ロリコン神様のばちが当たるぜ?」
「中身はおっさん通り越しておじーさんすら凌駕してるじゃないですか」
「それもそうだね」
全裸の所長は両腰に手を当てて、何時も通りけらけらと笑った。その間にもずるずると立ち上がった一番目のメリーさんはがくがくと揺れながら「何で邪魔するのよ」と呻いた。いや、だって。
「美少女の為さ。あと僕の性欲の為。決まっているだろう?」
「所長の中だと、メリーさんは少女には含まれないんですか?」
「当たり前だろう? だって、中身の魂はババアだぜ?」
「まあ、都市伝説何年もやってればそうもなりますか」
メリーさんが流行ってから二十年ちょいだから、間違っても世間一般の同年代の女性には言っちゃいけないんだろうけど、
「私は、私達はただ、ちゃんと産まれて、ちゃんと生きたかっただけなのに!」
「ババアの願望とか興味ないね!」
「身も蓋もないですね」
「だって、理由付けとかすれば幾らでも反論は思いつくけど、そもそもその反論自体が僕にとってはどうでも良い事だからね。ロリじゃない=抹消。これで全て片付くんだよ」
「まあ、片付きはしますね」
本当に片付くだけだけど。
「どうします? 片付けるなら、こっちから先にしないと」
そういえば、さっきから僕を絞り上げようとしてくる
「そうだね。ちゃっちゃと終わらせよう♪」
そう言って、所長がパチンと指を鳴らす。
「「「「「お、う゛ぉ゛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」」」
直後、大量のメリーさんの塊の中から、多くの人形がボロボロと欠落していく。
「はっはっは! おいおい、この程度でギブアップかい?」
「何したんですか?」
「至くんの苦痛全部を味わってもらった」
「ああ、そういう」
「ことさ♪」
所長は腰に手を当てて、もう一度「はっはっは!」と笑った。
「まったく、これくらいで現実逃避して昇天しちゃうなんて、一寸堪え性がないんじゃないかい? 至くんの苦痛は正直僕も『あれ? これってどうなの?』とか『いや、何で平然としてるんだい?』なんて、時々ドン引きするほどだけどさ」
「おい」
「でも、異常とする程ではない。だからこそ、至くんの感覚接続はカウンターとして使って出力を補強してるわけだし」
「……」
「その、出力不足の感覚接続でそこまでダメージ受けるなんて、人生舐めすぎじゃないかい?」
「人生どころか世界舐めきってる所長には言われたくないと思いますよ?」
「まったく、確かに水子の霊とはいえ、君達もう三十年以上都市伝説やってるんだろう? いい加減良い年してるくせに、未だに『生きれば今より楽しい人生送れる』なんて幻想抱いてるのは、流石に見てて痛々しいぜ?」
「確かに、幽霊としての活動期間考えると、本当にもう良い年してるのか……」
言われてみれば。
「あ、ぐぅ……」
そこかしこで身悶える人形達を見てなんとなく世の無情を感じる。そっかー、これ、全部おっさんとおばさんかー。「私達だってちゃんと生きたかった(by子供」じゃなくて、「私達だってちゃんと生きたかった(by三十代無職」かー。……そりゃ、所長の反応も雑になるよね。ロリじゃないし。子供ですらないし。
「半分残ったけど、うん、まあ良いや、僕は自分と至くんと美少女には優しいからね♪ 君達は特別に美少女に産まれ変わらせてあげよう☆」
きらっきらと目を輝かせながら、所長がそんな事を言い出した……嫌な予感しかしないんだけど。
「所長」
「んむ?」
「
もしくは何を企んでるんですか?
「おいおい、企んでるなんて酷いなあ☆」
「過去の自分が何をやってきたか、胸に手を当てて考えてください」
「んー? んっ……あっ♥」
誰が乳首こねくりまわせって言った。この野郎。
僕のアッパー。所長は吹っ飛んだ。
「ふぅ……。一寸ミルクが溢れちゃったじゃないか」
「出るの早いなおい」
「責任を取って舐めとるかい?」
「ふざけろ」
僕はホモじゃありませんので。つか、責任て何のだよ。
「ま、いいや。僕が何を企んでるかだったね? そんな事、決まっているさ」
そう言って、所長はこれ以上ないくらい、どす黒い欲望に目を輝かせて、満面の邪悪な笑みを浮かべた。
「美少女になった、メリーさん全員に、僕の事をアヘ顔ダブルピース出産してもらうのさ!!」
「狂 っ て や が る」
うん、再確認した。知ってたけど、再確認。この
「聞きたくないけど聞いときます。それは、一体どういった除霊なんですか?」
字面だけで分かる酷さに頭痛を覚えながら、それでも一縷の望みを託して、所長に確認することにする。
「まず、この子達全員美少女にするだろ?」
「ええ」
「次に、僕が美少女から美幼女に進化するだろ?」
「それは進化なんですかね」
退化とは言わないけど、退行はしてるよね。
「で、子宮に入るだろ?」
「発想が狂ってますね」
「ボテ腹陣痛を、心優しい僕が全部快感に変えるだろ?」
「うん。もう分かった」
「あへって守護月天確定だね♪」
「過去の名作に謝れや」
「あふん♥」
所長の頭を叩くと、母乳と愛液が吹き出た。シャンプーか何かかな?
「さ、それじゃあ、そろそろ除霊に入ろうかな♪」
未だかつて、ここまで酷いが存在しただろうか……したらしたで、凄いわなあ。
「君達のロリマンコを僕のパーフェクトビューティーロリータボディでファックしてあげよう!♥」
「前と後に"サー"を付けなくて良いんですか?」
口から糞をたれる所長に突っ込みながら、僕の方は抱き合って目を白黒させている姉妹の方に移動する。そして、そんな僕達の前で何やらポーズを取った、全裸の所長の腰に銀色のベルトが現れた……仮面ライダーのどれかかな。
「変身!!」
雑に発光した所長。光る全裸ってもうどう表現すべきなんだろうね。
そして、光が消えると、そこには一回り身長が小さくなり、少しお腹が出た所長の姿があった。……胸は?
「知っての通り、僕はロリコンだけど、おっぱい聖人だからね♪」
ああ、うん。そこは外せないと。
「イエス! アイアム!!」
ばちこん!とウィンクした所長に僕は心の底から溜め息を吐いた。
「じゃ、いこっか♥」
「二人とも、耳と目を塞いでて」
「「あ、はい」」
まだ幼稚園くらいの二人だけど、素直に頷いてくれた。本当に良い子達だね。
「よーい」
そして、二人が防御体勢になったのを確めた所長は、
「すたーと♥♥♥」
ゲス極まりない笑顔に涎をたらしながら、爆音と共に、飛び出したのだった。
どしゅんっ!! という加速音と共に、銀色の長い髪をたなびかせて掻き消える所長の小さな身体。
「お゛ぅ゛っ!?」
直後、ぼんっ! と音を立てて肥大する、美少女に作り替えられたメリーさん。
「お゛っ!? お゛お゛っ!? お゛お゛っ!?♥」
股間から伸びた所長がやけにリズミカルに両足をばたつかせる度に、ぐりんと白目を剥いて痙攣しながら、お腹の大きなメリーさんは悲鳴をあげる。やがて、その痙攣もなくなると、パリンッ! という軽い音と共に、その身体は跡形もなく消え去っていった。
「ハッピバースデイ、デビルマン!!」
「実写版並みの糞っぷりですね」
直後、無駄に元気かつ溌剌とした表情で笑う体液ででろっでろの所長。うん、やってることは悪魔よりもおぞましいよ。
「さ、次の僕のママは誰だい?」
「「「「「い、いやああああああああああああ!?!?!?!?!?」」」」」
悲鳴と共に一斉に逃げ出すメリーさんの群れ、男も女も関係なしに美少女にしちゃったから、これもうどれが男で何れが女かも分からないね。そんなメリーさんを所長が追い詰めて、片っ端からママ除霊していくのを眺めていると、ふと、一部から小さな視線を感じた。
「あ……」
「こ、この……」
それは、小さな小さな人形。というか、"一番目のメリーさん"だった。
「やっべ」
すっかり存在を忘れていた人形が、最後の力を振り絞って、双子の姉妹に飛びかかろうとしていた。
咄嗟に手を伸ばすと、ほぼ同時に"一番目のメリーさん"の小さな身体が飛び上がっていた。間に合……いや。
(狙いは此方か)
僕の手にぱすっと軽い布の感触。そして収まったメリーさんの無機質な目が、ぎらりと鋭い光を宿したように見えた。
「お前の身体を……寄越せええええええええええ!!!!!!!」
「ちっ……」
激情と共に膨れ上がる存在感。あからさまに
(というか、十歳にもならない女の子から、二十過ぎた男に切り替えるって、どんだけ柔軟なんだよと)
直後に走る、激痛。まち針か何かを寸刻みで突き立てられた様な感覚に、僕は思わず舌打ちをして、右手を大きく振り払った。
「もう……遅い!!」
しかし、全身で僕の手にまとわりついた"一番目のメリーさん"はぎらぎらと光るボタンの両目で僕の身体を睨み付けてきた。
(あー)
同時に変質する痛みの質。此まで刺すような、僕という存在を排除するための刺激だったのが、何となく身体にじわじわと浸透するような、そんな刺激になる。これは入ろうとしてきてるな。何て言うか……うん、
「ふむ。そんなに僕と至くんの身体をタンデムしたいのかい?」
都合数百度の生誕を終えた所長が、いつの間にか目の前の一人目を残して消滅した数多のメリーさんの体液にまみれながら、にっこり……いや、にんまりといやらしく微笑んだ。うん、嫌な予感しかしないね。
「い、いや……いやああああああああああああ!?!?!?!?!? 入ってこないで!! 私の中に入ってこないでえええええええええええええええ!?!?!?!?」
「おいおい、何悲鳴上げてるのさ? 人の精神をレイプしていいのは人から精神をレイプされる覚悟のある変態だけだぜ?」
「う わ あ」
何て言うか、うん。やりやがった。
メリーさんが僕の身体を乗っ取りに掛かった直後、ぎらぎらとした欲望に濡れた空気が一変し、悲鳴と共に身悶え始める。
「お゛ほっ!? お゛ほっ!? お゛っほぉっ!?」
「おいおい、たかが心にちんこ突っ込まれただけで、あへあへじゃないか。都市伝説の代表格"メリーさん"ともあろうものが、随分と弱々じゃないかい?」
「お゛ほっ!? おぽっ!? おひょっ!?」
僕の腕から離れ、空中でがっくんがっくんと揺れているメリーさんの前で、がに股になった所長が、かくかくと股間を突き上げる。何ていうか、シュールとしか言いようがないよなあ……。
「残念ながら、君の力、誰かと成り代わるそれは、僕と至くんには全く無意味だ。何せ魔法使いとその使い魔は互いの存在を接続しあっていて、二心二体だが存在そのものは共用。至くんは僕で僕は至くんだ。端的に言って、至くんだけを襲っても、僕がいる限り至くんは普遍の存在だし、僕に矛先を向けても至くんが居る限り痛くも痒くもないからね♪」
「あがっ!? ほはっ!?」
「ていうか、この僕から最高の相棒である至くんを寝取ろうなんて、百年早いんじゃないかい? アラサー都市伝説の行き遅れBBAのメリー()さんさあ。年齢考えなよ。ていうか、その年でメリーさんとか普通に痛々しいと思わないのかい?」
「所長ブーメランです」
あんた百歳越えてるじゃないですか。
「ほら、年齢が現実感無くなってくると、逆に愛嬌が出てくるって言うじゃん? 僕のは一週回った若さだけど、彼らのは単に幼稚なだけだからね♪」
「おひょ!? おっひょぉ!?」
そう言って、所長はけらけらと何時もの笑い声を上げた。何か、人形の腹がばっこんばっこん膨らんで萎んでを繰り返しているんだけど……。
「さ、それじゃあ、そろそろ無様にあへって昇天しちゃおっか♥ 通称アヘ死♪ エロ漫画とかでイき死ぬってあるけど、現実世界でのテクノブレイクって最早ギャグだよね」
「さらっととんでもない事言ってますね」
まあ、現実でエロ本みたいなアヘり方されても、気持ち的には「うわ、汚い……」以上の感想なんて出てこないとは思うけどさあ……。
「あ、あへぁ……」
うん、何て言うか、本当にもう無理っぽいね。
「さ、それじゃあ、
ちん
最 低 極 ま る
がに股の所長が、満面の笑みと共にかくかくと股間を振る。
「お゛ぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
直後、人形のこの世のものとは思えない絶叫と共に、再びその腹が膨れ上がる。しかし、こんどはさっきとは違い、そのサイズが一向に小さくならない。拳大から、風船、そして、バランスボール程まで肥大したそれに、一番目のメリーさんの「あ、あが……」絶叫にすらならない悲鳴がガラスの割れた一室に木霊する。
「フィニッシュレイプだ♥」
にぃぃぃぃっと笑った所長が、膨らみに膨らんだ風船に、ツンと画ビョウを突き刺すように、股間を振り抜く。その瞬間、アドバルーンの様に膨らんでいた一番目のメリーさんのお腹がパンッという実に軽い、そしてそれ以上に呆気ない音と共に破裂する。弾けとぶ布切れ、そして白い綿。人工の実に安っぽいそれがはらはらと零れ落ちるなか、所長が「はぁぁぁぁぁぁぁ……」と甘ったるい息を吐き出す。
中指と人差し指を立てた両の小さな手
ぐりんと白眼を剥いた形の良い両目
だらりと伸びた舌と股間からだらだらと落ちる体液
「うわ、汚い……」
思わず口をついてでた本心を前に、所長はアへ顔ダブルピースのまま、そこに存在しないはずのぺニスを何もない空間からずるりと引き抜いたのだった。
「終わったんですか?」
「あへあへ」
「……ていっ」
「あうちっ」
アへ顔のまま頷く所長に、1のダメージ
所長は元から狂っているので正気にはならなかった
「で?」
「ああ。無事完了だとも。一番目の含めてメリーさんは消滅。もう二度と二人がメリーさんに襲われることはないだろう」
そっすか。
「ほ、ほんと?」
所長の言葉に、真っ先に反応したのは妹ちゃんを抱き寄せていたお姉ちゃんだった。
「ああ、勿論。六伏コランの名に賭けて誓おうじゃないか」
張りつめた空気で問うてきた彼女に、所長がそうウィンクを返すと、お姉ちゃんは「よかったぁ……」と胸を撫で下ろした。
「ま、もし万が一メリーさんが生きていたら、僕と至くんを呼ぶと良い。もう相手のからくりも分かっている。オナニーのついでにパパパッと片付けてあげようじゃないか」
「片手間は兎も角、何でオナニーなんですか」
「そりゃ、二人をおかず「うん、言わんで良い」
知っていたよこの野郎。
「僕達を喚ぶ方法は前と同じだ。良いね?」
「「はい」」
「うん、よろしい♪」
頷いた二人の小さな依頼者に、所長も満足げに頷き返す。
「じゃ、料金をいただこうかな♪」
そして、どことなく和やかになった空気の中でそう切り出したのだった。……嫌な予感しかしないね。
「あ……」
所長の言葉に、お姉ちゃんの方が困ったような顔になる。まあ、普通に聡い子みたいだし、意味するところは想像出来ちゃうよね。お仕事には代金が必要ってことも分かってるみたいだし。実際は想像の斜め下をぶち抜いているんだけどさ。
「……」
「ああ、安心してくれたまえ。この大魔法使い六伏コラン、君達のような美少女から金銭を巻き上げるようなみみっちぃ真似はしないとも♪」
流石に困ったようにもじもじしてるお姉ちゃんを安心させるように、所長はにっと力強く微笑んだ。人を安心させるようなその笑顔に、ほっとするお姉ちゃんだけど、
「と、いうわけで」
その笑顔は、
「君の脱ぎたておパンツをいただこうかな♪」
罠なんだよなぁ……。
「……え?」
呆然とするお姉ちゃん。うん、まあそういう反応になるよね。
「……」
嘘でしょ? と言いたげな顔になって所長を見下ろすけれど、満面の笑みを浮かべる所長(幼女Ver.)は欠片も動じた様子はない。いや、幼女性愛者自認するなら、少しは動じろよと。
(僕はロリコンだけど、悪いロリコンだからね♥)
(ロリコンに、良いも悪いもねーよ)
つうか、生物的には普通にロリコン=悪だよ。
「さあ」
さあじゃないが。
「へ……」
「へ?」
あ、何かタメが入った。
「変態! 変態! 大変態!!」
呆然とする妹ちゃんをかばったお姉ちゃんの悲鳴が、ガラスの砕け散った窓からビル全体に響き渡った。そんな彼女の悲鳴に、所長は「いや、変態じゃないな」と無駄に格好をつけて返した。
「六伏コラン……
お前全国の探偵に謝れ。死神呼ばわりされてる眼鏡の高校ショタでもあんたよりはマシだぞ。いや、人死に出してないから、どっこいどっこいか?
「さあ」
「……」
「さあ」
「……」
「さあ!!」
いつの間にか大きくなった所長がずいっずいっとおっぱいを向けてお姉ちゃんに迫っていく。お姉ちゃんは涙目に成りながら僕に助けを求めてくる。けどごめん、僕は所長に雇われてるんだ。という訳で、助けられません。
「!!!」
あ、絶望された。
暫くした後、そして多分彼女からしたら永遠にも思える時間が過ぎた頃、
「……」
真っ赤になったお姉ちゃんが、本当に決意と俊巡を繰り返しながら、長いスカートに手を入れた。白くふっくらとした頬を真っ赤に染め、大きな瞳に大粒の涙を浮かべながら右足、左足と順番に足を抜く彼女。
「……!!」
無言で小さな手を差し出す頃には、既に少ししゃくりあげていた。けど、コレで終わりじゃないんだよなあ……。
「ん、たしかに」
満足げにそれを受け取った所長は、本人にそんな気はないのかもしれないが、彼女の羞恥心を煽るように高々とそのパンツを天井に翳した。掲げたそれは小さな熊のキャラクターが描かれた、俗に言うクマパンツ。それを掲げる所長を前に、お姉ちゃんは声にならない悲鳴を上げていた。そんな、お姉ちゃんの悲鳴に気付いているのかいないのか、
「はむっ、うん、少しだけしょっぱいな。ふふっ、一寸お漏らししちゃったんだね♪」
この野郎、一切の躊躇なく、そのパンツを口の中に放り込んだのだった。
「〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?」
絶句する姉妹。当然だよこの野郎。そんな二人を前に、至福の表情でもっしゃもっしゃとパンツを咀嚼していた所長がごっくんと喉を鳴らして、けぷっと小さく漏らした。仕草そのものは美少女のそれなのに、実際にやっていることは並みの変態もドン引きの所業だった。
「あー、美味しかった♥」
「パンツ食ってその感想が出てくることに驚愕してます」
「美少女のパンツはこの上ない甘露だね♪」
「あんたしょっぱいって言ったばかりでしょうが」
「!!」
お姉ちゃんに蹴られた。……うん、悪かったから泣かないでくれないかな。
「さ、それじゃあ、代金も貰ったし、そろそろ御別れの時間かな」
「名残惜しさは欠片もないですけどね」
「おいおい、僕はすんごく名残惜しいぜ?」
「そりゃ、あんたはな」
パンツ一枚で人の命助かるなら安いものと言えば安いものなんだろうけどさ。
「じゃ、お二人さん♪」
「「!?」」
びくっと震える二人に、所長はにっこりと、本当に見た目だけは無邪気な笑顔を向ける。
「よいお年を♪」
「最低の年の瀬だなおい」
光に包まれる二人を見送りながら、僕は深く深く溜め息を吐いたのだった。
◆
数日後のこと、僕と所長は探偵事務所から少し離れた、小さな神社にやって来ていた。日付は十二月三十一日。一年の締め括りの大晦日だ。この辺りの民家の人が集まってくるらしく、町中ながらそこそこ人の並んだ列の最後尾で、少しだけ回顧的な気分に成りながら、今年の事件の事を思い出して、
「ろくな思い出じゃねーな」
今更ながらに、その顛末の無茶苦茶さに何とも言えない気持ちになっていた。
「ん? ふぉーかひたのはい?」
「クレープ食いながら話さないでください」
出店で買ったバナナクレープをはむはむと啄みながら、信仰とかどっかへ投げ捨てた、ある意味伝統的な日本スタイルの所長に突っ込みを入れる。というか、見た目だけは完全に北欧かロシア人ぽいんだけどな。
「あ、僕はこれでも純日本人だぜ?」
「心を読まないでください」
幾ら、自然に流れ込んでくるとはいえ。
(まあでも、ここまで信仰心無さそうなのは日本人ならではっちゃ日本人ならではか……)
と、そんな事を考えていると、ふと疑問が浮かんだ。
「そういえば所長」
「んむ? クレープなら食べきっちゃったぜ?」
「別にいらんわ」
何が悲しくて男同士で回し食いせにゃならんのだと。
「"神様"って実際に居たりするんですか?」
此処まで人が並んでいるのを見ると、そんな所が気になった。
「神社に関しては居たり居なかったり、半々ってところかな」
くしゃくしゃっと包み紙を丸めてポケットに放り込みながら、所長はそう言って首を傾げた。
「半々ですか」
「ああ。半々さ」
ふむ、居ると言えば居るのか。
「本当に神様が居て祭ってあるところもあれば、偶然幸運や不幸が重なったりして、鰯の頭を信じちゃうパターンもあるね」
「ふむ」
「因みに、この神社は鰯の頭の方だね」
「おい」
え? じゃあ、この神社なにもいないの? てか、空っぽなの?
「そうだよ? 一応、天災とか静めたことになってるけど、単なる偶然。そこに神様はいないし、神業も存在しないね」
あっさりと断言してるけれど、え? それ意味あるの? ていうか、いくら近場とはいえ、普通に神様居る方選ばない?
「因みに、僕は神様が居ない神社しか拝まないって決めているんだ」
「何でですか?」
へそ曲がりなんですか?
「ほら、僕の場合、神様を実際に見ることが出来るし、会話すら成立してしまうだろう?」
「ええ」
「そうなると、なまじ知ってるから、この力があるとか、これやってほしいとか具体的な交渉になっちゃうんだよね。でも、祈りってそういうものではないだろう?」
「まあ、確かに」
所長の言うことは何となく分かる気がする。遠くのどこかに居て、本当に居るのか居ないのかも分からない存在であるということが、一つの神秘とも言える。
「しかし」
「?」
「意外に所長もロマンチストなところがあるんですね」
「だろ?」
そう言って、所長はにひっ♥と笑った。……。
「ふぁにふるんはい?」
所長の作り込まれたもちもちの頬を引っ張ると、半眼の所長がじとっと呻いた。
「あんた、男ですよね?」
何か、うん、妙に嵌まってて若干心配になったんだけど。
「おう、勿論男だぜ?」
「好きな漫画は?」
「コミックLO」
「好きなキャラは?」
「らぶらぶしたいならTo LOVEるのミカンちゃん。レイプしたいならFateのイリヤちゃん」
「理想の女性は?」
「外見僕の、中身鳳翔さん」
よし、何時もの
「お? 何だい? もしかして、僕のぱーふぇくとびしょーじょすまいるにくらっときちゃったのかい?」
「その単語、全部ひらがなにすると最高に頭悪いですよね」
「ひどいなあ♪」
所長はそう言って、けらけらと笑った。
「ま、男の方が女性よりもセンチメンタルでロマンチストなものだからね」
「……」
そう言って、のんびりと雲一つない夜空を見上げる所長は、確かに不思議とセンチメンタルで本人が言うように何となく男そのものに思えた。
「あ……」
辺りに響いていた除夜の鐘の音が不意に途切れた。新年の一突き目が終わったんだろう。ふわりと風に流れた所長の銀色の髪がさらりと僕の指に触れた。
「新年、明けましておめでとうございます」
「ああ。明けましておめでとう、至くん。今年も宜しく頼むぜ?」
「ええ。此方こそ」
「ん♪」
頷いた所長と賽銭箱の前に立ち、百円玉を放り投げて二度手を打つ。
(さて……)
こう、改めて立つと、正直願いに困るな。所長曰く神様の居ない神社みたいだし。うーん……。
少し考えて、無難に僕と所長の健康を祈願すると、「おみくじ引いて行こーぜ♪」と笑う所長に着いてそっちの列の最後尾に並ぶ。さてさて、此方もどんな籤になるかな?
「籤引いたら、どうします?」
このまま解散というのも、何となく味気ないけど、眠いのも事実なんだよね。
「うーん……あ☆」
首を捻った所長が何かを思い付いたのか、ポンとミトンに包まれた小さな手を打った。
「事務所に帰って、僕のスペアの身体を二人で輪姦しながら姫初めと洒落込むのはどうだい?」
「……」
はっはっは……。いくら神様が居ないからって、嵌め外すにも限度があるわ。
「アウチッ!?」
深夜の神社で人混みに紛れて消えた悲鳴。新年一発目の突っ込みは何時も通りの脳天チョップだった。
鈴笛至
新年の願いは無難に自分と所長の健康。
健康のためにも突っ込みは我慢しないことに決めた系語り部
六伏コラン
新年の願いは(信じられないことに)自分と至の健康。
健康のためにもオナニーは我慢しないことに決めた系男ヒロイン