ハイスクールD×D/Apocrypha 魔術師達の狂騒曲   作:グレン

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 フリード強化の方針において、「雑魚だからいいんだ」と「最終決戦まで出そうぜ」の二極化となっており、困っている今日この頃。

 ぶっちゃけフリードの強化方針は嫌でも超強化されるので、雑魚にはできない。だが、D×Dのインフレ速度での比較対象を考えると、最終決戦まで残れるかとなるとそれはそれで難しい。困ったもんです。

 個人的にはパンデモニウム編で味方増員分も含めた数合わせとして用意するつもりだったので、二番目か四番目が本命度高かったのですが、やはり読者と作者との間にはどうしても視点のずれが生まれるということか……。








 そしてついにFate(厳密にはその設定)をクロスしているからには必須ともいえる主役、サーヴァントが絡んできます。厳密にはすでに出てきてますが、それが本格t系に正体表します。

 これでも一生懸命頑張りすぎて「ぼくのかんがえたさいきょうのサーヴァント」にならないように頑張りました。宝具が強力になりすぎないように頑張りました。全部が全部A++にならないように頑張りました。

 ですが、強力な奴は強力なのです!! 中にはすっごいのいたっていいじゃない!!



12 超弩級戦艦と強襲揚陸艦が合わさり最強に見える中、世界でも類を見ない腐れ外道な理由の不殺が始まる

 その状況を把握できたものは、ごくわずかだった。

 

 なにせ、首を跳ね飛ばされた上級悪魔は、位置取りに不意打ちを喰らいにくいところにいたからだ。

 

 ちょうど陣形でいうなら中間地点、普通に考えればそんなところにいる相手の首を切る前に、他の悪魔たちに発見されている。

 

 そして不可解なことに、その場にいただれもがその下手人を見失った。

 

 まるで気配を完全に消したかのように、誰もが一瞬完全に見失い―

 

「……!? 近づいてきてます!!」

 

「ご安心を。我々は味方です、グレモリー眷属の方々」

 

 小猫が、あわや相手の間合いにはいる瞬間に気づいて割って入り、その下手人は軽く一礼した。

 

 仙術の使用を解禁し、優れた五感との併用ですさまじい索敵能力を発揮する小猫が、しかしぎりぎりでようやく気付けたほどの隠形。ただ物ではない。

 

 これだけの隠形ができるのなら、敵の中に入り込んで陣形の中にいる者の首をはねることもできるという者だろう。

 

 そしてリアスは気づいた。

 

 彼女とは顔見知りだ。厳密には一度顔を見た程度ではあるが、あってからひと月もたってないし、それなりに注目した覚えがあるので覚えていた。

 

「あ、あなた……スメイガの眷属じゃない!」

 

 そう、彼女はスメイガの眷属だった。

 

 騎士の駒を二つも使用した、スメイガの眷属。名前は確かボウゲツと名乗っていたはずだ。

 

 兄であるサーゼクスの騎士と同じ駒価値であることから、割と印象に残っていた。

 

 そのボウゲツが、忍者刀を構えてリアス達をかばう体勢に入ってから、静かに告げる。

 

「ご安心くださいリアス様。……我々が来たからにはそう遅れは取りません」

 

 そのボウゲツの言葉に、周囲を囲む旧魔王派たちから激怒の感情が流れ出る。

 

 当然だ。不意打ちで上級悪魔が一人やられたとはいえ、増援はただ一人。

 

 下級中級はもちろん、上級までいる。さすがに若手悪魔程度に最上級クラスは沽券にかかわるので送り込んでいないが、それでも圧倒的に有利なのはこちらだった。

 

 それを、転生悪魔風情が「遅れは取らない」などと、たった一人できて発言する。

 

 当然の如く、ブちぎれるものたちが発生する。

 

「状況分かってんのかてめえら! こっちが何百人用意してると思ってんだ!」

 

「たかが十人前後で何ができる! こちらには蛇で強化したものだっているんだぞ!」

 

 言うなり攻撃を放とうとするものたちに、リアス達は警戒し―

 

「……何百人? すまんが、それでは驚けないな」

 

 ―ボウゲツは、そういうなり視線で回りを示した。

 

 具体的には、彼らが取り囲んでいる範囲の更に外側の地面を示した。

 

 それを気にして何人かが警戒しながら振り返り―

 

『『『『『『『『『『………は?』』』』』』』』』

 

 ―いつの間にか、自分達の数倍の数の人型の魔獣が取り囲んでいることに気づいて、あっけにとられる。

 

 異形技術を流用したと思わしく銃火器類で武装した、その人型魔獣たちは、完膚なきまでに旧魔王派たちを取り囲んでいた。

 

 その数、だいたい千体以上。明らかに旧魔王派を数で圧倒している。

 

 そして、それを率いるのは一人の女性。

 

 大日本帝国海軍の軍服に身を包んだ、一人の女性。

 

 名を陸奥鳩羽。スメイガ・バアルの女王にして、変異の駒で転生した悪魔である。

 

 そして鳩羽は狼狽する旧魔王派たちをにらみつけ、手に持っていた軍刀の切っ先を代表者らしきものたちに突きつける。

 

「……そこの愚者共に告げる。私は誇り高き大日本帝国海軍の魂を持つものとして恥じぬため、日ノ本の未来に貢献することを約束してくれたスメイガ・バアル様の女王(クイーン)として誇り高くあるため、貴様らに投降の機会を与える」

 

 そして、傲慢さすら感じられるほどの堂の入った態度で、断言した。

 

「選べ。何も得られない敗死か、自らの間違いを悟っての生存のどちらかを!!」

 

「ざ、ざ、ざ……ざけんなよ、このまがい物がぁ!!」

 

 当然ながら、旧魔王派の悪魔たちは激昂する。

 

 当たり前といえば当たり前だろう。

 

 転生悪魔制度を否定する旧魔王派が、寄りにもよって転生悪魔に降伏勧告を受ける。この時点で屈辱以外の何物でもない。

 

 即座に攻撃を叩き込まなかっただけでも、彼らはまだ冷静な部類だった。

 

「いかに数で勝っていようと、我らは中級悪魔に上級悪魔だぞ! 蛇の加護を承った者たちすらいる我々に、有象無象が勝てると思っているのか!!」

 

 そう言い放つ悪魔は魔力を込め―

 

「―有象無象? ふざけるなよ?」

 

 ―その殺意が込められた返答に、一瞬息を詰まらせた。

 

 それだけの怒りを込めながら、鳩羽は静かに告げる。

 

「舐めるなよ? いかに体は私が作ったつたない魔獣とはいえ、彼らに宿る魂は、国の繁栄のために命を懸けた英霊たちだ。それも、日ノ本に対する援助と引き換えとはいえ、人の身を捨て去った私に、今も力を貸してくれる同胞思いの者たちだ」

 

 怒りに震えながらそう言い放ち、鳩羽は軍刀を握る手に力を籠める。

 

 そして、本気の怒りを込めて宣言した。

 

「貴様らごとき薄汚い蝙蝠程度が、愚弄できる存在ではないと知れ、下郎!!」

 

 そして、思いっきり相手の地雷を踏みぬいた。

 

 ―上等だ。ぶち殺す。

 

 旧魔王派の悪魔の心が一つになり―

 

「―真名開放、魔弾創造(キャノンボール・メーカー)及び、七代戦艦が一角(ビックセブン・バトルシップ)同時発動!!」

 

 ―その心に沿って動き出すより早く、蜻蛉のごとき虚栄が姿を現す。

 

 軽く数十門の大砲を持つその蜻蛉は、とある分類で呼ばれる艦船と同じ姿をしていた。

 

 そう、第二次世界大戦において不名誉な撃沈を遂げながら、しかし戦後も日本に貢献した存在。

 

 世界を代表し、マニアが絶賛する、ビッグセブンの異名を持つ大戦艦。

 

「………長門級戦艦?」

 

 一人、戦艦マニアがいたらしく、ぽつりと声が聞こえた。

 

 そしてそれにうなづきながら、鳩羽は告げる。

 

「我が偽りの名、陸奥鳩羽。我が忌み名、櫛橋鳩羽。我が器の名、騎乗兵の英霊、ライダー」

 

 その言葉とともに砲門及び魔獣たちが持つ銃火器の銃口が悪魔たちに向けられ―

 

「我が真名、長門級戦艦陸奥!! 推して参る!!」

 

 ―大火力の砲撃が、悪魔たちを蹂躙した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『『ぎゃああああああああああ!?』』』』』』』』』』

 

 凄まじいレベルの密度の砲撃にさらされながら、しかし旧魔王派の悪魔たちは頑張っていた。

 

 大口径の砲弾から放たれる砲弾は全部キャニスター弾頭。それも、どんな仕組みでできているのか散弾の一発一発が下級悪魔なら粉砕できる火力。

 

 魔獣たちの攻撃も、悪魔祓いの銃に匹敵する火力がポンポンぶっ放される。

 

 そんな圧倒的砲火に対して、旧魔王派たちも連携をとって障壁を張ったり砲撃を放ったりして応戦する。

 

 そんな、事実上数百体の大火力戦争を見て、リアスはぽつりとつぶやいた。

 

「……え、どういうこと?」

 

「なにを観客ムーブしてんだ、コラァ!!」

 

 そんなリアス達の態度に怒りを覚えた旧魔王派の一人が突撃する。

 

 どうやら上級悪魔クラスらしく、勢いよくその魔力をためて放つ体勢になり、しかし彼は気づいた。

 

「いや、そうはさせん」

 

 後ろから迫るその声に対して、その悪魔は振り返りながらために貯めた魔力を放つ。

 

 絶大な火力だ。平均的な上級悪魔クラスは十分ある。核シェルターの隔壁すら貫通しそうだ。

 

 だが、まったくもって無意味だった。

 

 具体的には、砲撃を真正面から拳で粉砕され、自分もまた一撃で叩き潰されるぐらいには、無意味だった。

 

「ふん! 旧魔王派の狼藉者たちには負けられんさ!」

 

 そう告げた一人の大男は、軽くこぶしを握り締めなおして調子を確認すると、周囲を警戒しながらもリアスたちに片手をあげる。

 

「リアス、それに兵藤一誠! 無事なようだな!」

 

「さ、サイラオーグ!?」

 

「サイラオーグさん!? 何でここに!?」

 

 驚くリアスとイッセーだが、状況はそれだけでは終わらない。

 

 気づけば、戦闘のどさくさに紛れて数十人の悪魔たちがリアス達をカバーするように駆けつけてきた。

 

 その誰もが見おぼえがある。っていうか、顔を合わせてから二月もたってない。しかも二セットは毎日のように顔を合わせている。

 

「シーグヴァイラ!? それにソーナにイルマも!?」

 

「久しぶりですね、リアス。……あの下郎には逃げられましたか」

 

 血走った眼で周囲を確認しているシーグヴァイラを意図的にスルーして、ソーナは周囲をすぐに確認して状況を認識した。

 

「……アーシアさんはさらわれましたか。ごめんなさい、リアス。此処までディオドラが大規模な行動に出るとはブルノウ様も魔王様たちも想定外でした」

 

 なんかとんでもないことがどんどん出てきている。

 

 なぜソーナたちがここにいるのか。そもそもディオドラの行動を想定外の規模といったが、行動を起こすことは予測できていたというのか。っていうか、ブルノウや魔王たちが動いているというのか。

 

 自分たちだけが蚊帳の外に置かれているというのだけはよくわかった。あとで絶対何かしらの関与をしているだろう兄と顧問を問い詰めよう。

 

 リアスがそう決心したとき、イルマが、リアスの肩に手を置く。

 

「で、ディオドラをそのままにする気はないんでしょ? ああいうタイプは居場所を堂々というタイプだろうしね」

 

「ええ。アーシアは私たちが助け出すわ。そもそも、ディオドラをこのままにする気なんてかけらもないわ」

 

 そう即答するリアスに、眷属たちも追随して頷きを返す。

 

 そんなリアス達に、態勢を整えなおした旧魔王派たちが動き出す。

 

 鳩羽との戦闘を半分ぐらいの数で膠着状態にまで持ち込み、残り半分でこちらを圧殺しに来る態勢だった。

 

「させると思うか!」

 

「偽りの魔王の末裔共がそろいもそろって! ここで滅ぶがいい!!」

 

 そして一斉に魔力を放とうとした、その瞬間―

 

「―いや、お前たちの好きにはさせないさ」

 

 その言葉共に、絶大な消滅の魔力が彼らを吹き飛ばした。

 

 それをなすのは、一人のバアル分家の青年。

 

 この場にいる面子を想えば、彼が出てくることは当然想定できていた。

 

 リアスは半分ほど呆れながら、彼の名を告げる。

 

「スメイガ・バアル。……この事態、ブルノウ様はどこまで把握していたの?」

 

「作戦の一部門の指揮を担当しているさ。言っておくが、父上はむしろここまで大ごとになる前に解決しようとした側だからな?」

 

 そう言いながら、ブルノウは周りを警戒しつつ、リアス達に親指を立てて見せる。

 

「ここは私たちに任せて先に行け! あ、イルマ達はリアス達のサポートに回るといい」

 

「OK! イルマさんもディオドラはぶちのめしたいから、全力でサポートするよー!」

 

 にこやかに、しかし明確に怒気を込めながら、イルマはそう宣言する。

 

 そして、それをカバーするようにサイラオーグたちが旧魔王派たちとにらみ合う。

 

「バアルの一員として、旧魔王派の暴虐は見過ごせんな」

 

「ディオドラには一発かましたかったのですが、ここは譲るとしましょう」

 

「生徒の危機を救うのも生徒会の務め。リアス、アーシアさんを助けに行きなさい」

 

 サイラオーグが、シーグヴァイラが、ソーナが、眷属たちを率いて真っ向から旧魔王派の悪魔たちとにらみ合う。

 

 そしてそれを率いるように、スメイガが一歩前に出て告げた。

 

「さあいけ! 言っておくが、父上からは「全員生存」が絶対条件と命じられているのでな。死ぬなよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これは、大盤振る舞いにもほどがあるね」

 

 そして、一人の悪魔が苦笑する。

 

 禍の団の主要派閥。旧魔王派による大規模テロ行為。

 

 内通者と怨敵の妹が、数々の神々をゲストとしておこなうレーティングゲーム。そこに全力の襲撃を仕掛けるこの計画だが、完全に迎撃態勢が整えられていた。

 

 そのあたりについては通達があったので一応伝えていたのだが、それでも強行したので被害も甚大だ。

 

勿論被害が甚大なのは禍の団のほうだ。神々までもが参戦している以上、いかにオーフィスの蛇があったとしても、質において劣っている。そんなレベルな高品質の敵が数をそろえているのだから、面ではともかく点では突破されて当然だろう。

 

 こと旧魔王末裔は、自分達さえ残っていれば悪魔という種族は安泰だと思っている節がある。被害が出てもどうってことはないと思っているのだろう。

 

「マスター。あの馬鹿どもの支援をしてやる必要があるのか?」

 

 彼の女王がそう進言するが、彼は静かにうなづいた。

 

「勝算はあるからね。あれがうまくいけば一発逆転。神々はきっと訳が分からないなりに、自分達の死を理解するはずさ」

 

 そう、それほどまでに今回の作戦には勝機があった。

 

 無謀な戦いではあるが、嵌れば大勝は確実。そして、現政権側がレーティングゲームをみすみす続行したということは、その作戦の根幹には気づかれていない。

 

 気づいていれば、レーティングゲームを本当に続行させはしない。よしんばするにしても、まず間違いなくアーシアは何らかの手段で隔離するだろう。シトリーとグレモリーの試合を参考に「ランダムで眷属の1人を隔離」とかいう特殊ルールを組み込むはずだ。

 

 ゆえに気づいた時にはもう遅い。あのレーティングゲームのフィールド内にいるものでしか対処する時間はないだろし、対処可能なものが侵入するまでですべてが終わる。

 

 どうやら魔王たちもアーシアの強引な誘拐は想定外らしく、すでにアースガルズの主神であるオーディンが侵入を試みている。しかしそれを踏まえても賭けるだけの価値はあった。

 

「うまくすればオリュンポスの神々も数多く殺せるからね。特に今回、ポセイドンを殺す好機のサポートができるってことで、ニスネウスが本腰を入れてキラルナを連れて行ったしさ」

 

 なので、後詰としてあのフィールドに入っているうえ、相方としてもう一人連れてきている。

 

 あの二人は組み合わせると実に厄介なコンボになる。そも、さっき言ったニスネウスは神に対しては反則じみた優位性を誇り、キラルナも対神の力を持つ。いかに北欧の主神といえど、あの二人を同時に相手にすれば、一人では返り討ちにあう可能性すらある。

 

 よしんば突破されたとしても本命の装置が厄介だ。神の奇跡を相当の時間使わねば、神殺しの禁じ手で作られし結界装置は破れまい。目覚めたての二天龍では、神殺しの格で劣るのでとても不可能だろう。

 

 そういう意味では、被害は甚大だがそれ以上のぼろもうけが期待できる。そしてその賭けの本質に同盟が気づいてないこともあって、この戦いはハイダメージハイリターンといったところだった。

 

 だが、どうせならもっと派手に行きたいし、失敗する可能性も考慮しよう。

 

 失敗したら旧魔王派の権威は失墜する。あくまで独立勢力ではあるが、旧魔王派のつてで参加した身なので、悪影響を受けかねない。

 

「……ディザストラを27体投入しよう。そして、彼らを盾にしながら僕たちも引っ掻き回そうか」

 

「いいのかマスター? ディザストラ27体の損失を埋め合わせるのは、マスターでも骨だろう?」

 

「大丈夫だよ。九日間の間、君が毎日二時間しっかり僕を護衛してくれれば、すぐに埋められる量さ」

 

 女王にそう告げる彼は、その表情にほっとした感情を浮かべる。

 

「幸い適性を手にした蝶魔術(ピブリオ・マジック)も慣れたから、もしかしたら七日間ぐらいで埋めれるようになるかもしれないしさ」

 

 そして、彼は後ろにいる残りの眷属たちを振り返る。

 

 キラルナと双璧をなす戦車(ルーク)、デメルング。

 

 二駒使った僧侶(ビショップ)、ゲッテル。

 

 七駒も使った兵士(ポーン)、デュリンダナ。

 

 変異の駒(ミューテーション・ピース)を使ったもう一人の兵士(ポーン)、トウケン

 

 そう便宜上名付けた彼らを従え、そして告げる。

 

「じゃあ、騎士(ナイト)のニスネウスと戦車(ルーク)のキラルナが結界装置を守っている間、僕たちは後ろから奇襲攻撃だね。ニスネウスはともかくキラルナは最後に真名名乗りそうだし、オリュンポスの連中はあえて避けて、アースガルズのヴァルキリーとか、最上級悪魔とその眷属や、須弥山の仙人とかを狙おうか」

 

 買い物に行くような感覚で、楽しそうに告げる彼は、さらに付け加える。

 

「あと追加オーダー。基本的に後遺症が残る怪我を重視して、殺しは今回は避けること。腕を引きちぎって燃やしたり、目をえぐり取って握りつぶして、絶対に治らない後遺症を負わせることを最重要視するように」

 

 そう子供がゲームをするかのような感覚で告げられる言葉に、仮面をつけた彼らはその意図を理解する。

 

 彼はこの作戦が成功することも考慮している。

 

 後遺症が残るレベルの重傷者が出てくれば、カバーする者が出るので、総合的に優位に動かせる。また、本命が発動すれば、彼らも連れて行こうとする心優しいものたちが逃げにくくなる。

 

 足手まといを増やせばそれだけこちらに有利になるし、結果的に討ち取った敵の数が増えるのだから、禍の団内部でもそれなりの発言力を手にできるだろう。

 

 また、彼はこの作戦が失敗することも考慮している。

 

 だからこそ、なおさら生かしておくのだ。重い後遺症を負わされたものたちが、最低でもキラルナの来歴を知れば、オリュンポスや三大勢力に対して不快感を抱くことを見越している。同盟の足並みを憎しみの感情で妨害する気だ。こと彼の血統とその影響力を考えれば、最強の魔王に対するヘイトもたまるだろう。

 

 ディオドラの暴挙によって、二大巨頭の片割れは足を引っ張られるだろう。そのうえでもう片方に対するヘイトもたまれば、悪魔は動きづらくなるはずだ。

 

 同盟の中枢たる三大勢力が一角の、想定外の大スキャンダルは効果的だ。大王派などの愚者が足を引っ張ってくれることも考えられる。

 

「それじゃあ、縛りプレイで特攻してまで築き上げてきた信頼を崩しに行こう。ふふふ、サーゼクス様やジオティクス様が責められる姿が見られないのだけが残念だよ」

 

 そう心から残念そうに告げ、彼は女王とともに並び立つ。

 

「―アルケイディアは帝釈天の足止めを任せるよ」

 

「承知した、マスタートルメー」

 

 女王(クイーン)、アルケイディアに指示を出し、トルメー・グレモリーが動き出す。

 

 この戦いにおける、同盟最大の想定外が動き出した。

 




 超大暴れする戦艦陸奥こと陸奥鳩羽さん。ちなみに彼女は特殊なケースでして、ライダーのサーヴァントなだけあり宝具が豊富なタイプで三つ(後天的に四つ)保有している猛者です。

 もともとは「ぼくがかんがえたサーヴァントwiki」みて考えていた長門の方をサーヴァントにする予定でした。しかしその来歴や参考にしたデータ故に宝具が特攻宝具になるので、真の力を発動させる場合死亡が必須だから、避けるために陸奥になったという経緯があります。近日活動報告で投稿予定ですので、みんな見に来てね!!

 あとボウゲツもボウゲツでサーヴァントです。まあ正体はこれまでの情報から一人確実にいるだろ的な人物が思い起こされると思いますが彼女です。これに関してはホーリー編のエピローグ的な話とかで説明します。









 そしてトルメーも本腰を入れて本性を現しました。

 彼の眷属は、推測している方もいましたが、全員が受肉したサーヴァントです。加えて超高性能な生物兵器、ディザストラを保有しており、規模は禍の団の一派閥程度ですが、質においてはかなりやばいです。

 そして、世界でもトップクラスにタチの悪い理由で不殺戦法を選択。

 旧魔王派の作戦が成功したときは、離脱する連中を減らすことができる。失敗したとしても、同盟内での不和をある程度誘発可能。そして何より、そっちのほうが個人的に楽しい。そんなすさまじく性格の悪い理由で動きます。

 こいつ、連載継続がほぼ不可能だと判断しているケイオスワールド2で出す予定だったチート能力に、さらなるプラスまで行っている規格外です。特に相性上サーゼクスは単独では天地がひっくり返っても勝ち目ゼロという化け物。超越者で一番渡り合えるのはたぶんリゼヴィムでしょう。それもお互いの相性上、先日手になるのであって勝てるわけではなし。アジュカは一応、覇軍の方程式は魔力運用形式みたいなので、こちらもサーゼクスの次ぐらいには不利ですね。

 そんなトルメーの眷属たちの化け物っぷりは、次の話をお待ちください。

 

超強敵になったフリードとか、見たいですか?

  • 誰得だよ。あれは雑魚でいいです
  • 適度なカマセが奴の味ってやつさ
  • いっそのこと神クラスとかどうよ?
  • まあ、中盤の幹部ぐらいなら
  • 最終決戦まで引っ張っちまえ

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