病弱聖女と魔王の微睡み ー転スラ二次創作ー 作:昼寝してる人
第46.5話 和解
一時休戦し、話し合いがなされ。
魔国連邦と西方聖教会は和解ということで決着がついた。ヴェルドラと神ルミナスが一悶着あったものの、神の仮面が剥がれ落ちる事も無く。
両者落ち着いた所で、ギャルドは魔王リムルと対面していた。
ラフィエル=スノウホワイトについての真相。
それについて話し合うための場を設けられたのだ。ルミナスとはまた別の場を設けられている。
聖騎士だったギャルドが優先すべきは神ルミナスではあるが、ギャルドはリムルを優先した。先に、魔王リムルが聞いておくべきだと考えたからだ。
魔王リムルにだけ伝えなければいけないことも、大いにある。
だからこその、優先である。
「で、ラフィーのことだけど。俺は、自分が悪影響を受けてるとは思ってないんだよな」
「本人は自覚が薄いと言いますし……」
緊張でか、口調はともかく思ったことをそのまま言い放ったギャルドに、リムルは微妙な表情を見せた。
「お前の素直なところは美点というべきかどうかだな……。ともかく、具体的にどんな影響を受けてるとラフィーは考えてるんだ?」
「ただ一つ、人の心を失った――と」
心当たりはあった。
けれど、自分の中では甘さを捨てたと考えていた。仲間を、シオンを失い、彼等を守るために冷酷な心を持つように。
それが、駄目だったのだろうか。
しかしそうしなければ、仲間をまた失う羽目になる。甘っちょろい魔王だなどと舐められては、いけないのだ。
だがそれを、あのラフィエル=スノウホワイトに責められている。
ならば、どうすれば良かったのだろう?
「冷酷になってもいい。だけれど、敵にかける優しさを失ってはいけないのだと、ラフィエル様は言っていた」
「敵に……?」
「はい、確か――『森の騒乱』の時のように、と」
リムルの顔が強張った。
そうだ、あの時は、敵である
いけ好かない奴だって、殺し合いをしていた敵だって、あの時は事情を聞いて許して、今は大切な仲間となっている。
それを――何故、ヒナタとは出来なかったのか?
ラフィエル=スノウホワイトは、リムルにそう問い掛けている。その答えすらも、既に理解しているのだ。
だからこそ、彼女はここから離れた。
そして最後の慈悲をかけた。ヒナタとどのように戦うのか、決着をつけるのか。
そしてリムルは、期待を裏切り失敗した。
それを今ようやく悟り、リムルは拳を堅く握った。怒りにかまけ、何も気付かずに終わらせてしまった。
ラフィエル=スノウホワイトに見限られても、文句など言えないではないか。
「それから、これはラフィエル様の言ではなく、自分の考えですが……ラフィエル様を動かし過ぎだと思います」
「は? いや、教会の開放はむしろ、ラフィーが毎日やると言ってきたから、俺はせめて週に二日は休めと言い聞かせる側だったぞ?」
「あ、それじゃなくて」
既に心にクリティカルヒットしたから、これ以上は止めて欲しいと思ったが、ラフィエル=スノウホワイトの言ではないのならと聞く姿勢に入る。
しかし、ギャルドはリムルが考えていたものとは全く違う事について指摘した。
「ラフィエル様をあまり外に出すのは良くないんだ……良くないんです」
「……えっ。何で? 散歩とか、健康的だと思うんだけど?」
「あの人、ルベリオスに居た時はたまに外に出たと思ったら次の日には体調を崩していて……。恐らく室内でのんびり過ごす分には問題ないが、外で一時間もいたら体調を崩す程、身体が弱いんです」
「…………そんなこと、聞いた事が。いや、言われなくとも気付くべきだったのか」
言われてみれば、兆候はあった。ほんの少しの些細な事ではあったけれど、気付くべきだった。
住まいの場所を決めるために街を歩いた日の夜には熱を出して倒れた。当初はシオンの料理のせいだと思っていたが、よく考えればシオンの料理から一度復活してからの事だった。
だったら、あれは単純に体調を崩してしまっただけだったのだ。
それに、散歩を勧めた時、妙に歯切れが悪かった。
見知らぬ土地、リムルの支配地を歩くのが不安なのかと思ったが、そうではない。
ただ、自分が体調を崩して周りに迷惑をかける可能性を危惧していたのだ。
考えれば簡単に辿り着く答え。
それに気付かない程、ラフィエル=スノウホワイトのいうように悪影響を受けていたのか。
「なあ、ラフィーは……もう、ここには来ないって言ってたか?」
「いいえ。ここの料理は美味しいと、褒めていました」
「――そうか。なら、良かった」
安堵の表情を見せたリムルに、ギャルドは思う。
ラフィエル=スノウホワイトが自分に接触したのは元勇者の働きかけだと思っていたが……それと同時に、この優しい魔王を救うためなのではないかと。
確かにヒナタを殺したのは目の前の魔王だ。けれど、あれほどまでに配下に慕われ、ラフィエル=スノウホワイトが策を巡らす程度に気にかけている。
それ程に、この魔王は周りに尽くされている。
ならば。
それだけの何かをこの魔王は持っていて、そんな魔王に慕われているラフィエル=スノウホワイトは。
自分の今の主は。
一体、どれほどの何かを持っているのだろうか。
第46話 そして数ヶ月が過ぎた
なんだか酷い誤解を受けている気がする。
目の前に居るギィからお茶菓子を受け取りつつ、オレは外を見てみる。うむ、吹雪で少しの先も見えんな。どうやら気のせいだったらしい。
メイドの一人にもふもふの毛布を肩からかけられて大変ぬくぬくです。吹雪の中でありながら快適すぎてお菓子を食べる手が止まりませんな!
なんかリムルのとこの戦争も一段落したっぽいし、オレも安心だ。よかったね(他人事)
昨日は最強の竜種が一体とか言われてるヴェルザードにエンカウントしたせいで、うっかり気絶してしまったのだ。
二回目ましてではあるが、やっぱり戦闘能力怪物なので怖いものは怖い。本当、頼むからオレの前に出て来るのは止めてくれと言いたい。言えないけど。
だから、にこにこしながらオレのティーカップに紅茶をいれないでとも言えなかった。
何なの? 何でわざわざオレの隣に座ってそんな事をするの? 昨日お前の前でぶっ倒れたの、そんなに怒ってるの?
……ごめんて!!(必死)
しょうがないじゃん、漂流して体力を摩耗していた時に竜種が現れたんだからさ。そりゃ気絶するよね、オレは悪くねぇわ。
だからね、ほんと、あんまり近寄らないで……。
ギィも呆れてるだけで何にも言わないし、オレは文句言えないし!
オレの心の癒やしはお茶菓子だけだよ(錯乱)
「つーかよ、ラフィー。お前ね、最初からどうやってリムルとルミナスを和解させるとか、言っとけよ。色々面倒だろうが」
「いや…、そう言われましても」
あいつらがどんな風に和解するとか知るわけねぇじゃん、何言ってんの?
そもそもお前、オレはあいつらが最後まで殺し合うんじゃないかと思ってたんですけど? 逆に和解できたとか驚いてたんだけど。
だってあいつら魔王じゃん(偏見)
アクの強い魔王同士が和解とか、出来るんですね(皮肉)
「ほら、ラフィーちゃん」
「あ、有難うございます」
新たにいれられた紅茶を勧められ、オレはヴェルザードの力に怯えながらそれに手を伸ばす。話しかけるのは止めて欲しい。
いや、話しかけるだけじゃなく、目の届く範囲に居座るも止めて欲しい。
「魔国連邦にはヴェルドラちゃんもいるみたいだもの。無闇矢鱈に争いを長引かせずにすんで正解だわ」
「そこまで見越してるなら教えろって話だよ。肝心なところは話しやがらねーからよ」
いやだから、知らんって言ってるだろ。
オレはね、何も知らないんだよ。そんな頭が良いわけでも、未来予知の能力を持っているわけでもないんだからさ。
だから、何でもかんでもオレが知っていると思うな。
お前らはオレが知ってる前提で話してますけれども? オレは何も知らないんだよォ!(絶叫)
もういい加減に分かってくれないか??
「ま、経験上お前は何も言わないと分かってるからな……こっちで勝手に考えて、適当にやっておいてやるさ」
よく分からないけど、勝手にやってろって感じだよ。
――数ヶ月後。
「なあラフィー、祭りに興味あるか?」
ほう、詳しく聞こうじゃないか。
「ラフィエル様の意向はこれで全部伝わったかな」
オリ主「とりあえず一件落着したらしいね、知らんけど(適当)」
逃亡生活は終了です。
さあラフィエル君、開催場所を魔国連邦と知らされずに、言葉巧みにギィに連れて行かれるといいよ!(笑顔)
現在のステータス
name:ラフィエル=スノウホワイト
skill:ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
secret:『悪魔契約』
『悪魔共存』
『禁忌の代償』
備考:何事もなく白氷宮で過ごした人。