病弱聖女と魔王の微睡み ー転スラ二次創作ー   作:昼寝してる人

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魔都開国編
突発的旅行計画/ぶえっくしょん


 第47.5話 突発的旅行計画

 

「なるほど、開国祭ですか」

「なかなか発展してるみたいだしよ、オレも久し振りに外へ遊びに行こうと思ってな」

 

 お前もどうだ?

 と、気軽に誘ったギィだが、これにラフィエル=スノウホワイトが乗るかは賭けだった。

 西方聖教会との争事の結末が、彼女にとってどのように受け止められたのか。それこそがこの返答の鍵になるのだが……ラフィエル=スノウホワイトは本心を語らない。

 だからこそ、賭けなのだった。

 魔王リムルが、ラフィエル=スノウホワイトにとって接触するべきではない人物として認定されてしまったのならば、彼女は絶対にこの誘いを拒絶するからだ。

 魔国連邦の発展ぶりは、ラフィエル=スノウホワイトが身をもって実感しているだろう。今も何某かを通じて情報をリアルタイムで更新しているに違いない。

 この誘いに乗らなくても、ラフィエル=スノウホワイトは魔国連邦を知る手段がある。故に、この誘いにわざわざ乗る必要はない。

 しかし、もし彼女がこの誘いに乗るとしたら――

 

「いいですね。気分転換に丁度良いでしょう」

 

 ――それは、リムル=テンペストがラフィエル=スノウホワイトにとって親交を深めても構わない相手ということになる。

 今のリムルは、彼女が見定めようとしていた不安定な魔王ではなく、しっかりとした自我を持っている存在へと成長したのだ。

 だからこそ、ラフィエル=スノウホワイトはわざわざ距離を置こうとしない。

 そして、恐らくタイミングも見計らっていたのだろう。不快な噂が流れ、未だ尾を引くその影響の一切を払拭するには打ってつけの機会。

 各国首脳と数多の民が集まる、前代未聞の魔物の国の開国祭。

 ラフィエル=スノウホワイトが姿を現すには、お膳立てされすぎている、その舞台へと。

 

「オレとラフィーは参加。あとは……おい、ヴェルザードも行くか?」

「ええ。ふふふ、楽しみね。ヴェルドラちゃんは暫く大人しくしているみたいだけれど、いつ爆発するかは分からないもの」

 

 淑やかに微笑んだヴェルザードは、楽しそうにかの国に居候している弟を想う。昔からやんちゃで抑えが効かない子だったのに、と。

 魔王リムルの傍にいると、こんなにも大人しいだなんて――珍しい事もあるものだわ。

 そんなヴェルザードを、柔らかい笑みでじっと見つめ、ラフィエル=スノウホワイトは口を開いた。

 

「それで、どれくらいの規模なんですか?」

「あ? いや、知らねーけど。まあ、かなり大きめになるんじゃね?」

「……そうなんですね」

 

 リムルのやらかし具合からして、恐らく他の国の祭りなんかよりもド派手にやらかすだろうと推測して、ギィは答えた。

 リムルの国の内情を調査させているので、その質の高さはギィも満足出来る程だろう。レインもそう報告していた。

 調査報告の一環として、こちらに送ってきたケーキは中々美味だった。ちなみにラフィエル=スノウホワイトにも一つ分けたのだが、大変好評だった。

 その様子を見ていたミザリーが複雑そうに、悔しげに、微かに顔を歪めていた事が印象的であった。

 

「それで、いつ出発を?」

「明日」

「……えっ」

 

 キョトンとした顔でギィを見つめ返すラフィエル=スノウホワイトに、ギィは笑顔で言った。

 

「寝る前に準備しとけよ」

 

 固まる彼女を尻目に、ギィは部屋を出た。綺麗に夕飯を食べ終わっての事である。

 

「…………えっ、あ、明日?」

 

 唖然とした声が背中越しに聞こえ、ギィは満足げに頷いた。聖女の崩れない微笑みを崩した時の快感は、素晴らしいものだ。

 そんな彼の背中に、ヴェルザードは声をかける。勿論彼女も夕飯を終え、立ち上がって部屋を出て来た。

 

「ラフィーちゃんを外に出しても大丈夫なの?」

「数時間程度は問題ないさ。今は栄養食と回復薬(ポーション)でかなり健康的になってるからな」

 

 勿論、ラフィー基準でだが。

 まあ念には念を入れて、色々と持っていくことにしよう。ギィとヴェルザードは、扉の向こう側から聞こえた少女の可愛らしいくしゃみを耳にして、そう決めた。

 

「……あいつの病弱さはオレでも予測できないからなあ」

「万が一がないよう、ちゃんと目を配っておきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第47話 ぶえっくしょん

 

 ほーん、祭りとな。

 いいね、オレあれ好きなんだよ、屋台のやつ。特に鉄板焼きがさ! あれめっちゃ美味いだろ、知ってる。

 都でも祭りがあったら聖歌隊の皆で遊びに行ったなあ。毎回、絶対にタコ焼きは食ってた。

 タコ焼きはいいぞ。

 中にタコが入ってない時は逆に嬉しい。タコ無しの方が逆に美味しいと思う。誰も分かってくれなかったけど。分かれよ!(脅迫)

 

 まあともかく、久し振りにマトモなイベントでちょっと嬉しい。

 最近はね、リムルのとこに無理矢理住まわせられたり、戦争の元凶にされたり散々だったからね。はー、死ね(溜息混じり)

 そんなんだから、この世界はいつまでたっても争いがなくならないんだよ! いい加減しろ!

 もっと楽しい事をしよう。楽しい事だけをやっていこう。ゴミイベントなんてくそ食らえだ。

 どこの国が開国するのかは知らないけど、こういうお祭りはどんどんやっていこう!

 

「いいですね。(最近は鬱屈した空気に浸ってたから)気分転換に丁度良いでしょう」

 

 もういい加減、窓の外を見たら吹雪しかない光景には辟易してたんだ。

 

「オレとラフィーは参加。あとは……おい、ヴェルザードも行くか?」

 

 は??(低音)

 冗談は止めて欲しいんですけど??(真顔)

 

「ええ。ふふふ、楽しみね。ヴェルドラちゃんは暫く大人しくしているみたいだけれど、いつ爆発するかは分からないもの」

 

 はーん??

 いい加減にしたまえよ、お前ら頭沸いてんのか。何のために気分転換しに行くと思ってんだ、ぶっ殺すぞ!(怒)

 何処を見ても吹雪しかないこの腐れ大陸には飽き飽きしてるんだよォ! 寒いっつってんだろうが! ヴェルザードがいたら意味ねぇだろ、思考回路仕事してんのかこのゴミ野郎!

 そんなんだから、どっかの皇帝との勝負にまだ決着ついてないんだよ(皮肉)

 はー……もういいよ。お前らにはもう期待しないから。失望した。

 

「それで、(オレ達は)どれくらいの規模(の人数)なんですか?」

 

 どうせお前の事だから、ミリムとか誘ってんだろ? 団体で行くなら先に言って欲しいもんだ。

 ヴェルザードのくだりで賢いオレは気付いたけれども、他の奴なら気付かないからね?

 

「あ? いや、知らねーけど。まあ、かなり大きめになるんじゃね?」

 

 えっ(驚愕)

 

「……そうなんですね」

 

 なんで誘ったお前が知らねぇんだよ! 何なの? お前そんなんだから……!!

 いやいいや。もう期待しないって決めたからね。言った傍から期待して何やってんだ。

 

 

「それで、いつ出発を?」

「明日」

「……えっ」

 

 もう既に晩ご飯食べてる最中なんですけど。もう今日が終わっちゃうんですけど。

 お前、何でこんなに遅く言うの? 普通さ、前もって言うよね??

 それなのに、何で、今言った?

 お前あたまおかしいよ……もう修復不可能なレベルだからね?

 本当に信じられない。

 

「寝る前に準備しとけよ」

 

 ギィは見たことがないくらい爽やかな笑顔で部屋を出て行き――お前わざとだろ、ふざけんなよ(憤怒)

 楽しいか? オレが唖然としている顔を見れて楽しかったか? オレは全然楽しくなんてないよ。本当に、怒るからな?

 

 おい、こら。

 ヴェルザードまでギィの後に続いて出て行ったんだけど?? お前ら共犯か、よーし、死ね!!(直球)

 オレは他人のそういうところが嫌いだ。人を陥れて食う飯は美味かったか?

 もういい、こんなところ出てってやる!!

 窓枠に足をかけたところで、寒くて震えた。くしゃみと寒気が止まらないから諦めた。

 これだから吹雪は嫌なんだ。

 

 もう寝る。

 明日の準備? 知るかそんなもん。

 

 

 




「リムルと黒の悪魔(ノワール)、どんな反応するか見物だな」
オリ主「タコ焼き食べたい(現実逃避)」

どの国が開国するのか知らないままに魔国連邦へと連れて行かれるラフィエル君。
ちなみにギィに連れて行かれる場合は、もれなく途中で落とされヴェルザードに拾って貰い、そのままゆっくり魔国連邦へ向かいます。拷問かな?

 name:ラフィエル=スノウホワイト
 skill:ユニークスキル『聖歌者(ウタウモノ)』↔『死歌者(ウタウモノ)
   ユニークスキル『拒絶者(コバムモノ)
   ユニークスキル『上位者(ミオロスモノ)
   ユニークスキル『寵愛者(ミチビクモノ)
 secret:『悪魔契約』
     『悪魔共存』
     『禁忌の代償』
 備考:くしゃみが止まらなくなった人。
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