病弱聖女と魔王の微睡み ー転スラ二次創作ー 作:昼寝してる人
第52話 ☆謎は全て解けた――!
「なあ、ラフィエル様」
「なんですか、ギャルド」
「魔王リムルに何か言ったか?」
「? 言ってませんけど……。今日はなんだか遠巻きにされていますから、一言も会話していませんよ」
(絶対言ってる)
テンペストの前夜祭。
ラフィエル=スノウホワイトは部屋の隅で食事をしていた。部屋の中央では、ビールに歓声を上げる大人が沢山いる。
宗教上の理由でアルコールをお断りしたラフィエル=スノウホワイトとそれに付き合ったギャルドは、そっと輪から外れたのだ。
同じ飲み物を飲んでいる大勢の中で数人だけ違う飲み物だと気まずい空気になる。それを察して、他の者に悟られないうちに離れたのだった。
ちなみにギィとヴェルザードは後程来訪する魔王ミリムと共に来ると言って部屋に残った。
そして今のうちに、とギャルドはラフィエル=スノウホワイトに話しかけたのだ。ルミナスへ報告に行った後、彼女の元へ帰ってきたギャルドはどんよりと空気の淀んだ部屋に有様に呆然とした。しかも、ラフィエル=スノウホワイトは不思議そうにしているときた。その上、部屋にいた魔王リムルにはさっと目を逸らされた。
理不尽な八つ当たりをされるかと身構えたレベルで、空気は可笑しかった。
「ええと……じゃ、じゃあ魔王リムルについて何か話したりとかしたか?」
「はぁ。何だかリムルについてをよく聞きますね。何かあるんでしょうか」
「…………」
サラダをつつきながら、ラフィエル=スノウホワイトはそんなことを言った。いや、それが原因だろうとギャルドは確信した。
その時の話を何としてでも聞き出さなければ、自分はソウエイやシオンあたりに殺される。それも確信していた。
だからこそ、このタイミングでの騒動に殺意が湧いた。例え天帝エルメシア・エル・リュ・サリオンであろうと許されることではない。自分の命がかかっているのだ。部屋に現れたかの天帝をうっかり睨んでしまったが、仕方ない。
「話を戻しますけど、ラフィエル様」
「ええ、そうですね。あのご老体が作る料理が美味しそうだという話でしたか?」
「………………。…………とってくる」
違う、と言いたかったが、今やギャルドは魔王の一配下。出来る限り主の希望を叶えなければいけない。たった一人の部下なので、かなり主には甘くなる。
そのため、しばらく悩んだ末に、ギャルドはハクロウの元へ向かった。
「すまない。スシを二人分貰えないだろうか」
「おお、ラフィエル様のところの小僧か。ふむ……ではこれを持って行かせよう」
「ああいや、俺が持っていく」
そうか、とハクロウが手を動かす。出来上がった寿司を持ち、ギャルドはラフィエル=スノウホワイトの座る席へ戻る。途中でデザートコーナーが目に入ったため、ついでにプリンを二つ回収。そのままラフィエル=スノウホワイトの前の机に置いた。
寿司に目を輝かせたラフィエル=スノウホワイトは、早速とばかりに箸を手に取った。その直後、会場の入り口付近が騒がしくなった。
「また誰か来たのか……」
「そのようですね」
大トロを頬張りながら、ラフィエル=スノウホワイトが相槌を打つ。この上なく適当な相槌だったが、ギャルドは気にしなかった。
気にすることが出来なかったというのが、本音だが。何せ、来ていたのは魔王ミリム・ナーヴァと魔王ギィ・クリムゾンに氷結竜ヴェルザード。元魔王二人もいるのだ。
その上魔王ミリムの視線はラフィエル=スノウホワイトにロックオン。同時に傍に居るギャルドには邪魔だ退けの熱視線。意識が飛ぶ寸前だった。
「ラフィー! 久し振りなのだ!」
満面の笑みでラフィエル=スノウホワイトに話しかける事で、その存在がその場にいる人間達へ知れ渡る。
ざわついた場は、すぐさま静まり返って純白の少女の動向を凝視する。彼女の反応を見極めるために、音一つなくなったそこで、ラフィエル=スノウホワイトは。
「ギャルド、知っていますか? プリンに醤油をかけると、ウニとよく似た味がするのです」
(…………????)
それぞれの脳内が静かに混乱し始めた。ギャルドに至っては宇宙を見たかのような顔をしている。ラフィエル=スノウホワイトは何処か得意気にその知識を披露していて、他の事など一切気が付いていない。
それを察したギャルドは、死なば諸共と彼女に合わせることにした。寿司のウニを食べてみて、プリンに醤油をかけて食べる。
「……言われてみればウニの味がしなくもない、か?」
「ふふふ、そうでしょう。まあ醤油の味なんですけれど」
「ならウニじゃなくても他の寿司と同じ味になるのでは?」
「そうですね。どうしてウニなんでしょう」
ギャルドの疑問に不思議そうに首を傾げるラフィエル=スノウホワイト。酒を飲んでいないと知っているリムル達主催者側以外の来客達は、もしや酔っているのではと勘ぐり始めた。
ミリムは反応を返されない事に不満を覚え突撃しようとしていたのだが、ギィに抑えられた。ただし、その目は興味深げにギャルドを捉えている。やはり、ラフィエル=スノウホワイトは妙にあのギャルドとやらに心を許している。
一体、何故なのか――興味は尽きない。
「食感が似ているから、とか?」
「なるほど、確かに。それなら筋が通りますね」
「ああ。そうだ、ラフィエル様。そろそろ魔王様方と挨拶をしては?」
「?」
何を言っているんだ、まだ魔王なんて来ていないだろうと言わんばかりの表情を見せたラフィエル=スノウホワイトが振り返ると、そこにはギィに取り押さえられたミリム。
それに目を丸くしたラフィエル=スノウホワイトは、まずリムルを見て慌てた。
その後にミリムに駆け寄り、ギィから引き離した。
そして、懇々と訴えるように、衝撃の言葉を放った。
「駄目ですよ、ミリム。ギィに簡単にくっついては……いいですか。ギィはリムルとお付き合いされているのですから、勘違いされるような言動は慎むようにしなくてはいけませんよ」
「付き合ってませんけど???」
リムルの声は荒げていないが、部屋中に響き渡る大声にラフィエル=スノウホワイトが目を丸くする。
思考停止し、何を言われているのか即座に理解できず、滅多に見られない顔をしているギィと、リムルを指して。
ヴェルザードが、高らかに笑い声を上げた――
白氷竜さんから見ると謎が解けた。笑った。
オリ主「よくよく考えたら、ギャルドって一番気を張って喋らなくてもいい相手なんだよな……」
「ラフィーちゃんがお馬鹿じゃなくて安心したわ(爆笑)」
ギャルドだったら何しても殺されたりしねーやと思って、早速調子に乗りだしたラフィエル君。人によって態度変えるの、止めた方がいいよ??
現在のステータス
name:ラフィエル=スノウホワイト
skill:ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
secret:『悪魔契約』
『悪魔共存』
『禁忌の代償』
備考:ようやく勘違いを正す時がきた。