病弱聖女と魔王の微睡み ー転スラ二次創作ー   作:昼寝してる人

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転スラ二期、一気見しました。
マジギレ顔のリムルに惚れた……しゅき……♡ ってなりましたね


開国祭1日目/この世はクソ

 第56.5話 開国祭1日目

 

 開国祭、一日目。

 快晴。

 前日に魔王の乱入というイレギュラーがあったものの、それは予定通りに始まった。

 魔国連邦(テンペスト)の首都リムル北区、その中央にある議事堂のバルコニーから大通りを、リムルは見下ろした。

 大通りに隣接する形で作られた喫茶店の二階のテラス席では、ギィとヴェルザード、そしてラフィエル=スノウホワイトがリムルを見上げていた。

 リムルと視線が合った瞬間、ラフィエル=スノウホワイトは微笑んで手を小さく振った。その仕草に、「がんばれ」と応援された気がして、リムルは一層気合いを入れる。

 拡声器(マイク)を手に持ち、リムルは口を開いた。

 

「あいつ演説下手だな」

「そうかしら? 素人にしては中々だと思うけれど」

 

 仰々しい口調を諦めて素で話しているリムルの声を聞きながら、ギィはテーブルの上のパンケーキをつつく。その横では、楽しげにリムルとひしめき合う大通りの人々を眺めるヴェルザードがいた。

 その対面には、コーヒーにミルクを入れ続けているラフィエル=スノウホワイト。

 つい先程まではコーヒー角砂糖5つを投入していたにも関わらずの行動に、ギィは呆れていた。

 

「おいラフィー……健康には気を遣えよ」

「勿論、気を遣っています」

 

 表面張力でかろうじて零れていないだけのコーヒーを両手でそっと持ち上げながら、ラフィエル=スノウホワイトは回答する。

 どう考えても健康に気を遣っているようには見えないが、まあ本人が言うならばそうなのだろうとギィは早々にさじを投げた。これが他の魔王であればコーヒーはぶん盗られ、野菜ジュースに強制変更させられても可笑しくはない暴挙ではあったが、幸か不幸か、今回の同行者はギィである。

 特にこれ以上の口論はなく、一口コーヒーを飲んだラフィエル=スノウホワイトは顔を上げ、リムルの演説を静かに聞き始めた。

 

「あなた方の中には、俺が魔王だからと警戒する者もいると思う。それは当然の警戒だろうけど、素直に感じたままを信じて欲しい。貴方達に、俺の考えを押し付ける意思はない。俺を信じられると思ってくれたなら、嬉しく思う。しかし、俺が信じられなくても、それは仕方ない事だろう。信用とは一晩で成らず、これからの付き合い方の積み重ねで勝ち得るものだと思うから、焦って結論を求めたりしない――」

 

 リムルは自らの考えを主張し、各々の意思で信じようとしてくれたならば嬉しいと言った。勿論、その後にファルムスの件を口に出して釘を刺しはしたが、それでも。

 しっかりと自らの考え、方針を伝えて人から脅威として見られる部分さえも曝け出し、誠実を示した。

 今後の魔国連邦(テンペスト)との向き合い方はそれぞれによって委ねられ、リムルは鏡のように接する事だろう。

 テラス席のラフィエル=スノウホワイトを除いた二人は、お互い視線を交わして頷いた。甘い理想論だが、まあ勝手にやっていればいいさ、と。

 

「今後も我が国では、様々な催しを開催する予定だ。今日から始まるテンペスト開国祭も、その第一弾として企画したものである。それでは、是非とも楽しんでいってくれ!!」

 

 その言葉によって締めくくられた演説は、まず一つの拍手が送られた。ぱちぱちと一人分の拍手の音は大通りより少し上。集まった人々の視線がそちらへ向かい、美しい白い少女を視認した。

 彼女が大通りをちらりと見た瞬間、その拍手につられるように一人二人と増え、数秒後には万雷の拍手と歓声が上がっていた。

 

(お、おお……これがラフィーの効果か。実際目にするとすごいな)

 

 この歓声の中でも疑いの目を向ける者はいるが、それでも想定していたよりも遙かに少ない。やはりあの聖女は民衆に広く好かれているのだろう。本人にそのつもりはなくても、彼女が与える影響は絶大である。

 実際、ファルムスの件ではそのおかげでディアブロがかなり苦労していたようなのだ。今までの働きぶりから、ディアブロが大変有能な事は分かっているが、それでも手子摺っていたのだから。

 

(ていうか、鳴り止まないな)

 

 既にラフィエル=スノウホワイトは拍手を止めているのだが、中々歓声と拍手が終わらない。演説していたリムルがすぐにバルコニーから離れたにも関わらず。

 これは止めさせなければ止まらないだろう。

 リムルは小さく息を吐いて、ちらりとシュナを見れば、彼女は心得たと言わんばかりに頷くと、動き出した。

 数分もしないうちにシュナはラフィエル=スノウホワイトのいるテラス席へと移動し、拡声器(マイク)を手渡していた。不思議そうにそれを受け取ったラフィエル=スノウホワイトがバルコニーを見上げれば、リムルが申し訳なさそうな顔で手を合わせていた。

 

「歓談中申し訳ありません。ですが、これは貴女様しか止められませんから」

「いえ、気にしないで下さい。ギィ、ヴェルザード、少し失礼しますね」

 

 返事の代わりにひらりと手を振り、二人はそれに応えた。ただし彼女の言葉を聞き逃す事はないようにしっかりと意識は向けられている。

 立ち上がったラフィエル=スノウホワイトは、ふっと拡声器(マイク)を手に手すりへ近寄った。直後、キィンと不快な音が鳴り響いた。それにより静かになった人々へ向けて、ラフィエル=スノウホワイトは声をかける。

 

「こんにちは。知っている方もいらっしゃるとは思いますが、改めまして。私は、ラフィエル=スノウホワイト。十大魔王――いえ、九星魔王(エニアグラム)一柱(ヒトリ)、"暴虐の聖女(セント・アウトレイジ)"ラフィエル=スノウホワイトです」

 

 柔らかく、優しげな声から紡がれる言葉は声色とは真逆と恐ろしい単語。しかし、それを知ってなお彼女に敬愛を向ける人々は後を絶たない。

 それほどまでに、彼女の偉業は知られている。残虐な所業よりも、余程知られたその優しさを。

 

「ここ最近、どうやら私に関する噂が出回っていたようですが――何一つ気にする必要はありません。今この場に、魔王リムルの主催する開国祭にいるのは、招かれたこのお祭りを楽しむため。彼の言葉をお借りしまして、この場は締めさせて頂きます。私のことは何も気にせず、開国祭を楽しみましょう――では、拡声器(マイク)はお返ししますね」

 

 美しい微笑みのまま、ラフィエル=スノウホワイトに関するリムルへの疑念と敵意を軒並み消し去った彼女へ、ヴェルザードは呟いた。

 

「なるほど、確かに詐欺師だわ」

 

 嘘は何一つ吐いていないけれど、真実しか口には出していないけれど。思考は全て誘導させられてしまっている。ギィが昔に愚痴っていた言葉は、言い得て妙だったということだ。

 ここにいるのは招かれたから。しかし誰にとは言っていない。

 噂に関しても何一つ彼女は言葉にしていない。けれど話の前後によって全ては民衆の脳内で補填されてしまう。

 何一つ確かなことは言っていないのに、この有様。

 しかしその言葉は、魔王リムルの信頼をマイナスからゼロへ戻すため。自らのためではないあたりが、やはりラフィエル=スノウホワイトらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 第56話 この世はクソ

 

 本日は生贄君がいないため、オレはギィとヴェルザードの二人に挟まれている。この世はクソ(真顔)

 ルミナスの野郎、明日の闘技大会の本選に出るための予選らしきものに出なければいけないからとギャルドを連れて行きやがったのだ。は?? ふざけんなよ、そいつはオレの肉壁の生贄君なんだが???(半ギレ)

 生贄ギャルドは連れてかれるわ、くるくるぱーの二人に挟まれるわで散々だ。教会に引き籠もっていた頃に帰りたい。つらい。

 連行された喫茶店で勝手に頼まれたコーヒーを口に入れれば、思わぬ苦味に暴れたくなったが、体は言うことを聞いてくれなかった。心の中で舌打ちした。

 ご主人様の言うことをきけよ、何様のつもりだ??

 はーストレス溜まりまくりだわ。糖分取らねぇとやってらんねぇよ。備え付けの角砂糖を大量に投入して一息つけば、リムルと目が合った。

 あいつ何でこっち見てんの。こわ……今から仕事だって言ってたじゃん、何なの?(恐怖)

 引き攣りそうな顔を頑張って愛想たっぷりに微笑ませ、必死に媚びを売れば視線は外れた。何でその距離でオレのこと見つけられるんだよ!! もうこっち見ないでね!!(半泣き)

 

「あいつ演説下手だな」

「そうかしら? 素人にしては中々だと思うけれど」

 

 お前ら演説の上手い下手とか分かるの? 絶対縁なんかねぇだろと思ってたけど実は経験あるの?? あるわけねぇな(確信)

 それにしても何でこいつらオレを連れ回すんだ。嫌がらせか?? お前らだけで勝手に行ってろカス。

 あ~~おなか痛い。ストレス軽減のためにゲロ甘コーヒーにしてやろう。そもそも勝手にブラックコーヒー頼むんじゃねぇ、せめて聞けよ。魔王ってのは本当に人の話聞かねぇ奴しかいねぇな、ペッ!!

 

「おいラフィー……健康には気を遣えよ」

「勿論、(ストレス軽減のために甘いものにしてるんだからちゃんと)気を遣っています」

 

 つーかオレに健康云々言うならまずお前がオレに気を遣え! 一番オレの健康を害しているのはてめぇら魔王共なんだよ!!(ド正論)

 そんなんだから歩く理不尽呼ばわりされるって気付いてますかァ??(煽り)

 まあ気付いてないんだろうな、知ってた。何百年経っても迷惑かけ続けられてますから? ねぇ??

 苛立ちながらコーヒーに口を付けると、思ったよりもゲロ甘で吐きそうになった。誰だこんなもん作ったの。もうこの喫茶店二度と来ないからな!!

 何一つ口に入れる気をなくしたので暇つぶしにリムルの演説を聞くことにした。

 

 ふんふん、なるほど。

 へぇ-ほぉーふぅーん。

 そうだね出来ると良いね、がんばえー。

 なんて月並みな感想しか出て来ない。もはや聖歌隊時代の朝礼に近いものにしか思えない。あの時だって真面目な顔して半分寝てたからねオレは。まあおっさんのクソ長い話と違ってさくっと終わるのは楽でいいね。

 話の終わりと共に癖ですぐさま拍手してしまった。後悔した。何でオレしかやってないんだよ!! 誰かの話が終わったら拍手するのは常識だろ!?

 おらっ、お前らも早くやるんだよ!! 一人だと恥ずかしいだろうが!!!(羞恥)

 

 他の奴等が拍手し始めてほっと一息。何故か叫んでるイカれた奴もいるが気にすることは無い。オレとは無関係だしな。

 それにしても鳴り止まないな。いつまで拍手してんだよこいつら。もしかして常識というものをお持ちでない??(煽り)

 いい加減耳が壊れそうになってきた頃に、何故かリムルの配下だった、あの、えっと名前……桃色の……桃色の人がきた。うん? 何でオレに拡声器を渡すんだ?

 

「歓談中申し訳ありません。ですが、これは貴女様しか止められませんから」

 

 えっ、つまりどうしろと??

 まさかとは思うが、この喧しい奴等を黙らせろとでも言うつもりか?

 …………何でそんな無茶ぶりするん?(素)

 

「いえ、気にしないで下さい」

 

 気にしろ!!!!(怒)

 勝手に動くなよお口ちゃんよぉ、お前のご主人様はこのオレだぞ!!!

 えっ、もしかして本気でやらなきゃいけない感じ? 嘘だろここで断っちゃ駄目……あっ無理殺される。一回引き受けた癖に何言ってんだって言われそう。世界は何時だってオレに優しくない(血涙)

 

「ギィ、ヴェルザード、少し失礼しますね」

 

 いやいや体を引きずって、手すりの近くまでくる。拡声器を口に……いやこれ電源入ってる?

 いじくってたらハウリングした、泣きそう。もういいや、オレは知らん!

 

「こんにちは。知っている方もいらっしゃるとは思いますが、改めまして。私は、ラフィエル=スノウホワイト。十大魔王――いえ、九星魔王(エニアグラム)一柱(ヒトリ)、"暴虐の聖女(セント・アウトレイジ)"ラフィエル=スノウホワイトです」

 

 とりあえず自己紹介は必要で……あんまり話したくないからすぐ終わらせよう。えっとえっと、何言えばいいんだ? そもそも何でオレは喋らせられてるんだ。

 何か話さなきゃいけないことでも――あっ。

 そうだ、何かオレのせいで戦争始まりそうになってたな!! いい機会だ、オレのせいじゃないことをしっかり主張しておこう。

 戦争で死んだのを勝手にオレのせいにして恨まれたらたまったんじゃねぇからな。ただでさえ何もしてないのに勝手に国を滅ぼしたとか言われてるんだから。

 いいか、オレはな、何もしてないから。

 

「ここ最近、どうやら私に関する(戦争がオレのせいで起きるって)噂が出回っていたようですが――何一つ気にする必要はありません」

 

 だからオレのせいとか逆恨みするなよ。もう何十回も逆恨みで襲撃かけられたんだ。

 

「今この場に、魔王リムルの主催する開国祭にいるのは、(ギィに)招かれたこのお祭りを楽しむため」

 

 気晴らしというか気分転換で来たのにな……。

 ここが魔国連邦じゃなければ、もっと自由に楽しく満喫出来たのにな……。

 

 

「彼の言葉をお借りしまして、この場は締めさせて頂きます。私のことは何も気にせず、開国祭を楽しみましょう――では、拡声器(マイク)はお返ししますね」

 

 

 





 name:ラフィエル=スノウホワイト
 skill:ユニークスキル『聖歌者(ウタウモノ)』↔『死歌者(ウタウモノ)
   ユニークスキル『拒絶者(コバムモノ)
   ユニークスキル『上位者(ミオロスモノ)
   ユニークスキル『寵愛者(ミチビクモノ)
 secret:『悪魔契約』
     『悪魔共存』
     『禁忌の代償』









 原神にはまって全然更新してなかったけど、今週からまた頑張りますね!!!!!
 よーしリムルの夢になるぞー!!!いやラフィエル君じゃ無理か!!!
 この作品完結したらリムル夢やろ!!!!えっちなこともしような!!!!R18書いたことないけど!!!
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