病弱聖女と魔王の微睡み ー転スラ二次創作ー 作:昼寝してる人
第57話 馬鹿がいた!
昨日は散々でしたね(引き攣った笑顔)
ギャルドは帰ってこないし、仕方ないからふらっと外食したら知らねぇクソガキと相席になるしで最後まで最悪だったわ!
しかもあのクソガキやたらと話しかけてくるし何なんだよ、こっちは機嫌悪いんだよ見て分かんねぇのか。まあクソガキに人の情緒を察せるわけないよな。だが許さん。免罪符なんざ知ったことか、オレがルールだ。
しかもその店で何かに中ったのか、俺の体調は過去最高に悪かった。部屋に帰ってからは血反吐吐きながらゲロしてたからね。目から本気で血涙が出るとは……嫌な初めてを経験してしまった。
そんなクソ程体調が悪いにも関わらず、開国祭で閉じ籠もるわけにはいかなかった。もし体調悪いからって一日ゴロゴロしてみろ……奴等がやってくる。経験則で分かってんだよなァ!!(涙目)
はー……あいつら、一回死んでくれないかな。いや殺しても死なない奴等なのは分かってるけどね。
無理したくないからと部屋にいれば、余計にオレへ負担がかかるのは分かりきっている。それなら最初から多少の無理をした方が楽だ。
ほんとは……教会で孤独な引き籠もり生活を謳歌したいんだけどなぁ……。夢は夢でしかないのか……。
泣く泣く部屋から出て武闘大会の会場へ向かって、用意されていた席に座り込む。んあぁ疲れた!! 始まるまで寝る!!
欠伸をしかけたその時、一人分の足音が聞こえた。ぴぇっ……リムルだ……(消沈)
「……おはようございます、リムル」
「おう、おはよう」
おはようじゃねぇんだよ。オレは今からおやすみする予定だったんだ。何故こんなにも早く来るんだ……こんなところで主催者精神発揮しなくていいんだ。
しかも何で隣の席座るんだよお前、今オレに断り入れました?? 何故何も言わずに当たり前のように座るんだよ常識を何処に落としてきたんですか?(煽り)
これ以上リムルを見ていたら血管がはち切れそうだから、客席に視線を移す。もう人がいっぱいじゃん寝られん。いやリムルがいる時点で寝れないんだけど。
いやしかし人がここまでいるって事は、
「……もうそろそろ始まりますね」
「ああ。そういえばあいつらは来なかったけど、ラフィーが来たって事は誰か応援してる奴でもいるのか?」
はい???
オレが誰かを応援なんざする訳ねぇだろ。頭大丈夫かお前。ここに来たのは単純に他の奴等に絡まれたくないからだが?(真顔)
まあこんなの言ったら舞台近くの黒い悪魔にぶち転がされそうだしな、
「特に応援している人はいませんが、先日のバトルロワイヤルにギャルドが出たようなので覗きに来たのです。期待に添えなくて申し訳ありませんが、まだ本選に出る人も知りませんから(建前)」
しかもあいつ昨日から帰って来てねぇからな。オレの大切な生贄なのに、あの野郎一体何処をふらついてんだ。
「ああ……ま、そりゃそうか。あー……と、本選には勇者も出てるみたいなんだけど、大丈夫か?」
全然大丈夫じゃないです。
えっ??(素)
魔王だって名乗れば勝手に襲ってくるようなクソオブクソがいるって??(半ギレ)
ていうか大丈夫じゃないって言えば、何とかしてくれんの? してくれないんだろ知ってるわ!!
「……質問の意図を図りかねますが(皮肉)、応えるとするなら一言だけ。私にとっての(本来の勇気ある者という意味の)勇者は、昔日(の数百年前に)出会った彼女(クロノア)だけです」
あいつそろそろ起き上がる頃だよなあ。何処で寝てるかはもう忘れちゃったけどな。オレが仲良くしてるのはクロノア以外死んじゃったし。
懐かしいな……クロノアがいると他の魔王が来なくて大変有意義な時間を過ごせた。だからオレはクロノアが好きだったんだよ……(現実逃避)
まあクロノアはいつか起きるとして。
そろそろ始まっちゃったか……正直あんまり白熱して欲しくないから雑魚ばっかがいいな(本音)
ギャルドくらいならリムルの配下にすぐやられるだろうし、その程度くらいの強さで頼むな!! あっギャルドいねぇ。は? あいつほんと役に立たねぇな。
「ギャルドがいませんね。(昨日帰ってこなかった上に)負けてしまったのでしょうか」
「まあ、いないって事はそうなんだろうな」
あいつ昨日今日と一体何をしてんの? 肉壁の役目を粛々と熟せよ。どこほっつき歩いてんだあの野郎。帰ってきたら往復ビンタの刑に処さなければならんな(怒)
なんて思ってたら選手紹介が始まって初っ端からクソオブクソの紹介だった。
「最初に紹介するのは、一番人気のこの人でーす!! 昨日の第一試合の覇者、その名は、勇者、マ~サ~ユ~キ――ッ!!」
勇者ってのはその肩書きだけで大変苛立つので、速攻で負けろッッ!!(集中線)
毎度毎度「お前が魔王か」とか言いいながら殺しにかかってくるの止めろ。魔王だからって殺して良いとでも思ってるんですか?? お前ら勇者は命を何だと思ってるんだ、薄っぺらい紙か?
違ぇよボケ、一番大切にしないといけないものだよ!!! まずは道徳を習ってから出直してこい、このイカれた狂人共めッ!(机ダン)
心の中で盛大なブーイングをしつつ、他の選手紹介を聞き流す。ていうか紹介必要ある? どうせこいつらの名前なんて誰も気にしてないって。
「じゃ、俺はちょっと挨拶に行ってくるから」
「分かりました。ここで見ていますね」
っしゃオラァ!(歓喜)
行け行け行ってこい! お前がいると姿勢をずっと正さないといけないから体が緊張したままなんだよ、しばらく戻ってくるんじゃねぇぞ!
ふぅ……やっとゆっくり出来る。体調悪いのを隠すのって疲れるんだよな。椅子にぐでっと体を預けて大きく息を吐き出したその瞬間、
「何かありましたか」
びえっ!?
お前まだいたの!?
「いえ……問題ありません」
せっかくゆっくり出来ると思ったらこれだよ。お前もリムルについていけよ、何で残ってんだよ。は~~世界がオレに優しくない。オレに優しくないこんな世界滅んでしまえ!(迫真)
ていうか、まずいな。
今割りと本気で体調が死んでいる。流石に昨日の夜みたいに血反吐吐き散らしながら目から血を流す事はないだろうけど、今視界の彩度と明度が大変低い。
何より昨日寝てないからか滅茶苦茶眠い。今にも寝落ちしそうなくらいだ。流石にそんなことしたら帰ってきたリムルに殺されるかもしれん。殺さないで……老衰で痛みなく安らかに死なせてくれ……(願望)
うっ……胃の中身が逆流してきた……こんな場所でゲロするわけにはいかない!!(決意)
必死の思いでそれを飲み込んでほっと一息ついたその瞬間、ふっと視界が真っ暗闇になった。が、それも束の間。すぐさま視界は戻ったし、何なら絶好調に体調が良くなっていた。
えっ? すごくない?? 何故一気に回復したのかは皆目見当がつかないが……まっ、オレの体はやる時はやる子だって事だな!!(ドヤ顔)
なんて思っていたら視界の端に臨戦態勢のソウエイが見えた。えっ……なんで??
「ソ、ウエイ? どうかしましたか?」
恐怖にぷるぷる震えて聞けば、奴は何でもないと言った。何でもないなら武器を構えるな。殺す気か? オレのことを殺す気か??
お前もしオレのこと殺してみろ、一生枕元に立ってやるからな。朝起きたら必ず角に枕が刺さってる呪いをかけてやるからな!! オレは本気だ、だから殺すのは止めておけ。後悔するぞ。分かったな?
「ラフィエル様」
「はい。やはり何か(オレへの殺意が)ありましたか?」
「いえ、そのことではなく」
は?? 今その話しかしてないんだが??
「武闘大会の選手の者達に、ラフィエル様のご挨拶を頂けないかと。彼等も民衆もそれを望んでおります」
「私の挨拶、ですか。それは……(どこからどう考えても)必要ではないと思いますが……」
ていうか何でオレがそんなことしなきゃならないんだよ。リムルがやってんだからそれでいいだろ。
「はっ、確かにその通りです」
だよな!!(同意)
よし、ならこの話は終わりだ。
「しかし、その有無で試合の士気は雲泥の差かと」
その話はもう終わったんだよォ!!
選手のことなんざクソ程どうでもいいんだよ!! 見ろっ、あそこには勇者だっているんだぞ!! うっかり殺されちゃったらどうしてくれるんだ!?(激怒)
もし怒らせるような事言ったりしたら……! した、ら…………え? さっき、選手達も望んでるっていった……??
「………………。そうでしょうか? ま、まあ、減るものでもありませんから構いませんが(震え声)」
断ったらリムルじゃなくて勇者に殺される!! 断ったら殺される!! 何でいっつもオレを狙う(物理)奴ばっかりエンカウントするんだ……(涙目)
泣く泣くリムルが作ってた転移門を潜ると大音量の人の声が耳に刺さった。みみがしぬ。おまえらおれのこときらいなの??(瀕死)
司会が何とかしてくれたおかげでオレの耳は生きている。お前が恩人、大感謝だ。
だが本日の気力さんは死んだ。もう帰りたい。
リムルに場所を譲られたが、選手一人一人に挨拶って何しろってんだ。考えるのも面倒くさい。……よし! こうなりゃ当たって砕けろだ。
「勇者マサユキ、でしたね」
「あ、はい」
「頑張ってください」
完璧だ――ッ!!(確信)
よぉし、全員纏めてこれでいこう!
オレは一つ頷いて笑顔で次の選手を見た。勇者がこれでいいなら他の奴も不満はないだろ!!
「では次の……"狂狼"ジンライ」
「いや待てよ。もうちょっとマサユキさんに……」
は?? お前何オレの完璧な挨拶にケチつけてんの??
お前が言ってるマサユキさんはオレの挨拶に満足してるんだよッ! 金魚の糞は黙ってな!(上から目線)
「そう言われましても(舌打ち)、初対面ですし、言うことは(お前のいうマサユキさんは満足してるし)特にないのですが……。他の初対面の方も同様に」
押し黙る選手の野郎。完全勝利! ふっ……すまんな、勇者はともかくお前みたいな格下ではオレの相手にはならないんだよ!
まあ? ラフィエルさんは優しいから? ちょっとくらいは譲歩してやっても良いけどな!(チラッ)
「まあ……そうですね。ただ応援だけというのも。それならば、貴方達から要求をお願いします。優勝したらという形になりますが、私に出来ることなら何でもしましょう」
「何でもは良くないだろ」
リムルが突っ込んでくるが問題ない。オレは大半が出来ない事しかないからな!! 出来る事といったらお喋りくらいだ。
というわけで、特に問題はない。嫌だったら出来ないと言えばいい。
お前らと違って頭が良くてごめんな?(哀れみ)
「何でもと言ったな、聖女よ! ならば、俺が優勝したら、その身を俺に捧げろ!」
何言ってんだこいつ、お前オレの事ちゃんと見えてる? 目の前にいるんだけれども。
見ろこの服を。完全に神に仕える感じの雰囲気出してるだろ。見て分かるだろ。
……ハッ!! ま、まさかこいつ、頭が残念すぎてそんな簡単な事も分からないのか? ウワッ可哀想。仕方ない、可哀想だからちゃんと言葉にして伝えてやろうな。
「申し訳ありませんが、既にこの身を捧げている御方がいらっしゃるので」
わかるか?
オレ元々聖歌隊っていう神に仕える団体に入ってたんだ。だからオレだけじゃなくて聖歌隊の奴等はみんな神様に全身どっぷり捧げてるんだわ。
そして神様のお怒りに触れたオレはその贖罪のために聖歌隊を抜けた今も、神様にがっつり見張られて魂捕まれてるんだよ。たぶん。
だから体を捧げるとかは無理。これ以上神様を怒らせたくない。
「はあ!? どこの男だよ!」
いや神様が男かどうかなんて知らんけど。
っていうか何で男だと思っ――待てよ???(閃き)
お前、お前まさか、そういう意味で捧げろとか言ってくれちゃったの? は? ぶっ殺すぞお前(殺意)
オレはまあ聖歌隊に所属してただけあって、それなりに美しいからな。惚れるのは分かるとも。プロポーズは構わん、許す。だが場所と雰囲気その他諸々全てが駄目だ。
プロポーズは、結婚は、子作りは。
一際神聖なものなんだから、こんな騒がしいところじゃなくて、神聖で静かな場所で二人っきりの時にやるべきだろうが!!!(大激怒)
は~~クソクソのクソ。お前ほんと許さんからな。堪忍袋の緒が切れました。
「それで……貴方の(そのけったいな)要求ですが。(こんなのされたなんて神様に知られたらオレまで怒られるかもしれないから)耳の調子が悪かったことにさせて頂きます」
「は? ふざけ、」
「はいはーい! ガイ選手はそこまで!」
なんだこいつ自分が何したかも分かってねぇのか殺意が止まらん。
ていうか今までこんな調子でよく生きて来られたな、一周回って尊敬するわ(皮肉)
こんな調子でまた絡まれたらたまったもんじゃねぇな……とりあえず釘を刺しておくか。
「神の(寛容な)顔はそう何度も続きませんよ(オレもそうだったから)。少し反省するべきです――心当たりは、おありですね?」
お前自分だけで罰を受けるからともかく、オレまで巻き込んだら絶対に許さんからな。
name:ラフィエル=スノウホワイト
skill:ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
ユニークスキル『
secret:『悪魔契約』
『悪魔共存』
『禁忌の代償』
備考:盛大に調子に乗った。