ー飛鳥sideー
理巧と飛鳥は腕を組んで共に歩くと、『閃光グランドパーク』のゲートに辿り着いた。楽しそうなアトラクションと、この遊園地のマスコットキャラの着ぐるみが子供達を相手に遊んでいたり、風船を配っていたりしていた。
「うわぁ~! 噂には聞いていたけど、想像以上にスゴいね!!」
「うん。かなり盛況だね」
目の前に広がる遊園地のアトラクションの数々を見ていると、とても怪獣や宇宙人による騒動が起こっている世界とは思えない笑顔の溢れる世界がソコに広がっていた。
「・・・・それじゃぁ、取り敢えず中に入ろうか?」
「うん! そうだね!」
2人がゲートを潜って園内に入ったその瞬間・・・・。
「「ーーーーいらっしゃいませ! 『閃光グランドパーク』へようこそ!!」」
目の前に、長い金髪をツインテールにした眼鏡を掛けた女性スタッフと、長い黒髪を三つ編みにしたこれまた眼鏡を掛けた女性スタッフが現れた。2人ともスタッフの制服からも分かる程の豊満な胸と抜群のプロポーションをしていた。
「「・・・・・・・・・・・・」」
しかし、理巧と飛鳥はその見覚えのある2人のスタッフを半眼で見据えると、飛鳥がソッとスマホを鞄から取り出して、『ある人物』に向けて着信すると、金髪のスタッフがポケットからスマホを取り出して耳に当てた。
「《・・・・葛姉ぇ、何してるの?》」
飛鳥の静かに怒りを堪えているような声が、理巧の隣と金髪のスタッフのスマホから同時に聴こえた。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
両者の間に長い沈黙が流れた。そして・・・・。
「「(ーーーーダッ!)」」
「あっ待って!!」
「うわっ・・・・」
2人のスタッフが同時に背を向けて逃げ出し、飛鳥も理巧の腕を引っ張って追い掛け、噴水広場まで追い詰める。
「何で此処にいるの葛姉ぇ! ソレに斑鳩さんも! りっくんの代わりに陣頭指揮を取るんじゃなかったんですか!?」
「♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜」
「何の事でしょう? 私はこの遊園地のスタッフです。お客様の『斑鳩』と言う知人の方とは縁もゆかりも無い者です」
金髪のスタッフが口笛を吹いて明後日の方向を向き、黒髪のスタッフが豊満な胸に手を当て恭しく礼をして惚けるように言った。
「ソレなら斑鳩さんにも連絡をしちゃうんだから!」
「ーーーーっ、おっとぉ! 手が滑ってしまいましたぁ!!」
ーーーーグシャァァァァァァァァンン!!×2
「ああああっ!? アタイのスマホォーッ!!」
飛鳥がスマホを弄って斑鳩に連絡しようとすると、黒髪のスタッフが懐からスマホを取り出し、金髪のスタッフからもスマホを奪って地面に思いっきり叩きつけて破壊した。
「ソコまでやるの!? 後ろの噴水に捨てるとかの方が!」
「あのスマホ。防水加工されてたっぽいから、噴水に投げても意味が無いからだろうね」
飛鳥が黒髪のスタッフの暴挙に目を見開き、理巧は冷静に解析する。お~いおいおいおいおい! と咽び泣く金髪のスタッフを他所に黒髪のスタッフが理巧達に近づく。
「招待チケットはお持ちですか?」
「あ、はい」
「りっくん良いの!? 明らかに斑鳩さんと葛姉ぇだよ!? 良いのそんなに冷静で!!?」
「・・・・一々ツッコむのも面倒だからね。此処はお互いに知らぬ存ぜぬで行くのが良いよ」
飛鳥の言葉に、理巧は面倒臭そうに呟きながら『プレミアムチケット』を黒髪のスタッフの前に差し出した。
「まぁ! コレは『特別企画のプレミアムチケット』!ーーーーアルファからブラボー。ターゲットを確認。コード・ウェディングを発動、確実に仕留めますわよ・・・・!」
チケットを見た黒髪のスタッフが背中を向けて、トランシーバーを持って何処かにボソボソと指示を出していた。
「あのちょっと! 何ですかその怪しげな通信は!?」
「ーーーーお気になさらずに。コチラの話です」
「明らかに私達にも関係ある話ですよね!?」
「ソレては、特別サービスの記念撮影と致しましょうーーーー(パチンッ)」
ーーーーシュタッ!×2
「ーーーーお待たせしました」
「ーーーー撮影スタッフでぇ〜す♪」
黒髪のスタッフが指を鳴らすと、何処からともなく一眼レフカメラを携えた2人のスタッフが現れた。
1人は銀色の長髪を後ろに結わえて星型サングラスを掛けた少女と、桃色の髪の毛に帽子を被り、ハート型サングラスを掛けた小柄な少女である。この2人もスタッフの制服を押し上げる豊かな胸と抜群の肢体をしていた。ソレだけで正体が分かり、飛鳥は片眉をピクピクっとさせながら声を上げる。
「いや明らかに柳生ちゃんと雲雀ちゃんでしょう!? 何してるの2人共!!」
「・・・・何の事かさっぱり分からん」
「ソレよりも、お写真撮ろう!」
「いや、ソレよりもじゃないよ!」
「さぁさぁ! りくーーーー彼氏くん! 飛鳥ちゃーーーー彼女ちゃんを抱きしめて!」
「隠しきれてないよ雲雀ちゃん! 所々でボロが出てるよ!」
「いいからさっさと抱き合えお客様」
「柳生ちゃんはもう少し愛想を持った方が良いなぁ!」
惚ける銀髪スタッフと桃髪スタッフに、飛鳥が騒ぎ上げるが、理巧は飛鳥の肩に手を置いて、グイッと引き寄せる。
「ーーーーヒャンっ!? り、りっくん!?」
「ーーーーこんな感じで良いですか?」
「いえいえ! そんな程度じゃあま~い!!」
と、金髪のスタッフが漸く復活し、理巧の手を取って飛鳥の身体に置いていく。
「先ずはこの手をこうして! そしてこの手はこうやって! そして飛鳥、彼女様はこうしてな!ーーーー良し完成!!」
そうして生まれたのは、飛鳥は身体をのけぞり、理巧が腰を支える、社交ダンスの『ディップ』と言うポーズであった。
「写真班! コレを激写して「バキッ」どほぉ!?」
「「こんなポーズ出せますか(出せるか)!!」」
金髪のスタッフがそう言うと、黒髪のスタッフと銀髪のスタッフがダブルドロップキックを炸裂させ、倒れた金髪のスタッフに黒髪のスタッフと銀髪のスタッフがスタンピングの嵐を叩き込む。
「ぎゃぁぁぁぁ〜!! ま、待て! 待ってくれ! アタイはただ2人の一生の思い出になるようにぎゃぁぁぁぁ〜!!」
言い訳する金髪のスタッフを無視し、黒髪のスタッフと銀髪のスタッフは容赦無く踏みつけていった。
「は~い! お写真撮りま〜す♪ はい、チーズ☆」
ーーーーカシャっ・・・・。
そして、桃髪のスタッフが最初のポーズにやり直した理巧と飛鳥の写真を撮った。
そして、撮った写真をすぐに現像して2人に差し出した。『私達、結婚します』と言うハートの枠に入ってキューピットのイラストまで入ったクリアファイルにのせられて。
「ええええぇぇぇぇ~!? 何これ!? 何この写真!!?////////」
「サービスの特殊加工ですわ」
「この写真は、記念としてパークの写真館に飾られるからな」
「ちょっと!! そんなの聞いてないよ! ていうか私達まだ結婚なんて・・・・!!////////」
「あーちゃん、照れてる?」
「逆にりっくんは何で平然としていられるの!?」
金髪のスタッフを締め終えた黒髪のスタッフと銀髪のスタッフがそう言うと、顔を真っ赤にした飛鳥が大声を張り上げた。
と、その時ーーーー。
「ーーーーあ~、見て見てリュウジ! アタイらも写真撮ってもらおうよ!」
「ーーーーあぁそうだなリョーコ。ソコの姉ちゃん、俺らも写ってやんよ!」
新しく現れたのは、見るからにウェーブの掛かった長髪を金髪に染めお肌も焼いたバーとかで働いてそうな二十代前半くらいのリョーコと言う名前の女性(胸のサイズは焔クラス)と、頭をモサモサのアフロにして、いかついサングラスを掛けてアロハを着た見るからにチンピラなのが丸わかりの同じく二十代前半位のリュウジと言う名前の男性。正直分かりやすいチャラいカップルであった。
「・・・・プッ!」
「落ち着け雲雀。今どきあんな風体のチンピラに笑えるのは分かるが・・・・!」
桃髪のスタッフが背中を向けて吹き出すと、銀髪のスタッフがコソコソと耳打ちしているが、自分も笑いそうになるのを必死に堪えていた。
「・・・・真に申し訳ありません。コチラは『プレミアムチケット』の特別企画でございまして・・・・」
「あぁんっ!? 良いじゃねぇかよ1枚くらい! 俺らも『お客様』だぞコラっ! おっぱいデカいからって調子乗んなよオラっ! そのおっぱいで何人男を誑かした!? ソレとも女とイチャイチャしてんのか!? ソコの金髪ちゃんとかとよぉアァンっ!?」
「ーーーーわたくしに同性愛の趣味はございません。ソレにわたくしの貞操の事に関してはお答えできません。セクハラとカスハラになりますよお客様?」
チンピラ風のアフロ頭のリュウジがサングラスを少し下げて睨みつけながら黒髪のスタッフに言うが、黒髪のスタッフは片手を胸に置き、もう片方の手を腰に回しながら冷静に対応している。
が、腰に回したその拳は小刻みに震え、今にも殴りそうになるのを必死に堪えているのが見て取れた。
そんな黒髪のスタッフの様子に構う事なく、リュウジは理巧の方を親指で指す。
「良いじゃねぇかよ! あんなつまんねぇガキーーーーうぉっ!? スゲェ美形!? 少女漫画の住人かよ!? つか本当に男かよコイツっ!!??」
そして振り向いて見ると、理巧の絶世の美少年顔に慄き仰け反った。
「うわっマジ美少年じゃん!? リュウジどうすんの!?」
「び、ビビってんじゃねぇよリョーコ! おうおう! こんな美少年はOKで、俺らみたいなパンピーはお断りってか!? コレって差別じゃねぇのか、あぁっ!?」
「(パンピーって、最早『死語』とも言える言葉だな・・・・)」
理巧がリュウジが黒髪のスタッフに詰め寄る姿を見ていると、飛鳥が口を出そうと前に出ようとする。
「・・・・待ってあーちゃん」
「でもりっくん、斑鳩さんが可哀想だよ・・・・!」
「・・・・まぁあの黒髪のスタッフさんなら、あんなチンピラなんて一瞬でノせるだろうけど。彼女さんの目の前で女の子に負かされるなんて赤っ恥ものだよね」
「えっ? そっち!? 男の人の方を心配するの!?」
「そりゃそうでしょうよ。ソレにあの手のタイプは1度恥をかかされると、死ぬまで根に持つからね。そう言うタイプの方が面倒臭い・・・・」
コソコソと話し合う2人。飛鳥は黒髪のスタッフを心配するが、理巧は寧ろ我慢の限界を迎えた黒髪のスタッフに、恋人がいる前で無様に叩きのめされたリュウジが逆恨みする方に気にしている。
「ーーーー仕方ない、か」
と、ソコで理巧が飛鳥の手を引いて、ス〜っとリュウジの隣を通り過ぎたその瞬間・・・・。
「良いから俺らにも写真をーーーー」
ーーーーシュパッ・・・・!
「とおりゃんっ・・・・!」
空いている手で一瞬、イヤ、常人の目には止まらない速さでリュウジの首筋に手刀を打ち込み、リュウジは珍妙な悲鳴を上げながら、地面に倒れそうになるのを理巧が咄嗟に支えた。
「おっとぉ! どうしましたかお兄さん!?」
「リュウジ? どうしたのよリュウジ!?」
「あぁ〜、怒り過ぎて失神しちゃったようですねぇ〜。スタッフのお姉さん。医務室に連れて行ってあげてください」
「ーーーーフッ。分かりましたわ」
そう言って、黒髪のスタッフが手をパンパン、と叩くと長い黒髪をした小柄なスタッフと、薄い金髪の長髪をした胸の大きなスタッフが担架を持ってやって来た。
「コチラのお客様を医務室に運んでください」
「「はい。分かりました」」
「ちょっと待って! ソコにいるのって未来ちゃんと詠さんだよね!? 何でいるの!?」
「わたくし達はただのスタッフですわ」
「医務室にいる先生の元にお客様を運びます」
「ーーーー早く連れてきてね〜!」
『スタッフルーム』らしい建物から、白衣を着た亜麻色の髪をした長身でグラマラスな肢体をしたスタッフが手を振っており、リュウジを担架に乗せた2人のスタッフは付き添いのリョーコを連れて向かっていった。
「彼処にいるのって春花さんだよねぇ!?」
「ーーーーさ、後はスタッフさん達に任せて、僕達は遊ぼうねあーちゃん」
「待って! ちょっと待ってぇ! ツッコミ所が多すぎるからぁ!!」
飛鳥がスタッフルームを指差しながら騒ぐが、理巧は構わず引きずっていった。
◇
そして園内を歩き回る2人。
が、飛鳥の視線は警戒の色が出ていた。
「(斑鳩さんと葛姉ぇ、柳生ちゃんに雲雀ちゃん、詠さんに未来ちゃんに春花さんが何でここに!? 詠さん達がいるって事は焔ちゃんに日影さんもいるって事だけど、今日は焔ちゃん達はバイトだった筈だけど、まさか此処でバイトなの!? でも斑鳩さん達はどうやって此処に!?)」
「あーちゃん、何か顔を難しくしてるよ? 折角来たんだからさ。ここは楽しまなくっちゃね」
「う、うん。そうだね!ーーーーそれじゃどのアトラクションにしようかなぁ?」
理巧に言われ、飛鳥も気を取り直して遊園地のアトラクションに視線を向けていくと。
「ーーーーねぇねぇそこの初々しいカップルのお二人さん♪ 『キツネのコンコン』がとっても面白いアトラクションを紹介するよ♪」
ソコに現れたのは、この『閃光グランドパーク』のマスコットキャラの1人、『キツネのコンコン』であった。
「・・・・この声・・・・まさか、焔ちゃん・・・・?」
「・・・・『キツネのコンコン』だよ。お友達もいるよぉ!」
「ーーーーいらっしゃいませ! 『タヌキのポンポン』だよ☆」
「ーーーー『ユキイタチのユキユキ』ですわ♪」
『キツネのコンコン』の後ろから、タヌキの着ぐるみのマスコットキャラ『タヌキのポンポン』とユキイタチの着ぐるみのマスコットキャラ『ユキイタチこユキユキ』が現れた。
「・・・・雅緋さんに、雪泉ちゃん・・・・?」
「・・・・・・・・『ユキイタチのユキユキ』ですわ」
「・・・・・・・・『タヌキのポンポン』だ、よ」
聞いた事のある声に思わず問いかけると、2匹のマスコットは顔を背けつつ再び名を名乗った。ソレが雄弁に物がっている。
「・・・・りっくんの言う通り、もうツッコむのも疲れてきたよ・・・・ソレで、皆がオススメするアトラクションって・・・・?」
「「「ーーーー『お化け屋敷』だよ☆」」」
「『お化け屋敷』か・・・・どんなのかなぁ?」
思いっきり両肩を落とした飛鳥が聞くと、3匹のマスコットはおどろおどろしい雰囲気のボロボロの武家屋敷の様相をしたアトラクション、『お化け屋敷』を紹介されソコに向かった。
「ーーーー入場前にサインをしてください」
『タヌキのポンポン』がバインダーに挟まれた紙を飛鳥に差し出した。
「危険なアトラクションだから、万が一の事があった時の為の『契約書』だ」
「へぇ〜そんなに怖いんだ。ちょっと緊張するかも♪」
飛鳥はバインダーを手に取って『契約書』の内容に目を走らせる。
「えぇ~っと何々・・・・『私、飛鳥は暁月理巧を生涯の伴侶とし一生愛し続け、彼がこれから先に何人もの愛人を囲ったとしても、一切口出しせず受け入れる事をここに誓います』・・・・!」
『契約書』の内容を見て、飛鳥はワナワナと身体を震わせる。
「ーーーーほらよペンだ」
「ーーーー実印も持ってきたぞ」
「ーーーー朱肉はコチラですわ」
「何なのコレっ!? 変だと思っているのは私だけなのっ!?」
「2枚目は『婚姻届』になっておりますが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・い、いりません」
1分程迷った。
◇
そして、武家屋敷のお化け屋敷に入った2人。薄暗くギシギシと不気味な音が鳴る廊下を離れないように腕を組んで歩く。
「うわぁ~、本格的だね。何か恐いなぁ・・・・」
「・・・・・・・・(何だ? 『殺気』を感じる)」
飛鳥が理巧の腕に90センチのFカップを他意無しで押しつけてくる。普通の青少年ならドギマギしている所だが、理巧はまるで気にしてはいない。
しかし、理巧はこのお化け屋敷に入ってから自分に向けられている静かな『殺気』を感じ、周囲を警戒していた。すると・・・・。
ーーーーシャリ、シャリ、シャリ、シャリ・・・・。
何か、金属を石で擦るような不気味な音が廊下に響く。
「な、何この音・・・・!?」
「・・・・あーちゃん、ボクから離れないで」
咄嗟に飛鳥を後ろに庇いながら理巧は薄暗い廊下をゆっくりとした足取りで歩いていき、音のする方に到着した。
「ーーーークククク、今宵の我が刺身包丁は血に飢えておるわ・・・・!!」
武家屋敷の一室の内側から明かりが灯り、障子越しに包丁を持った老人の影が映し出された。その老人の頭には、湾曲した角が生えていた・・・・。
「ーーーーひっ!? ま、まさかアレって・・・・山姥ーーーー」
「ーーーー嫁入り前の孫娘とイチャイチャデートする悪い奴は、己かぁ!!」
ーーーードシャァァァァン!!
障子をぶち破って刺身包丁を振り上げて現れたのはーーーー『ナマハゲ』であった。
「女誑しのスケコマシはいねぇがぁっ!!」
「ーーーー!!」
ナマハゲは刺身包丁で理巧に向けて振り下ろすが、理巧は咄嗟に飛鳥を離れさせると、服の袖口からクナイを取り出して、ガキンッと音を立てて刺身包丁を防いだ。
「りっくん!」
「あーちゃん! 下がってて! かなりの手練れだ!!」
「いねぇがぁー!!」
「ーーーー!!」
ナマハゲと斬り合いながら、お化け屋敷の至る所を破壊しながら突き進む。
「なんだぁっ!?」
「お姉ちゃん・・・・」
「はわわ! お面が、お面が・・・・!」
「きゃぁぁぁぁ!」
「ギャフンっ!」
眼鏡を掛けて長い棒を持った落ち武者が吹き飛び、落ち武者をお姉ちゃんと呼ぶ紫色の髪をした毛倡妓が飛び、サイドポニーのカラス天狗が天狗のお面を抑え、バケツを持った番町皿屋敷のお菊さんが井戸の中に避難し、スナイパーライフルを持った一つ目小僧が壁に叩きつけられた。
ーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ゴシャァアアアアアアアアンン!!
そして遂に、お化け屋敷の武家屋敷自体が、内側から吹き飛び、ナマハゲと飛鳥をお姫様抱っこした理巧がピョーンっと脱出すると、
「ーーーー何してるんですか半蔵さまぁぁぁぁっ!!」
黒髪のスタッフの悲鳴交じりの声が響いてきた。
まだまだ続くよ。