氷川紗夜の休暇   作:(仮)ユーザー

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氷川紗夜の休暇:年賀状

「年も空けたことだし、今年もバンドをより良いものにできるように練習しなくちゃいけないわね」

 

「あら、これは……年賀状? これ、全部私宛て?」

 

「このご時世紙媒体もすっかり少なくなったように思ってたけど、まだ送る人もいるみたいね」

 

「せっかく送ってもらったんだし、読んでおこうかしら」

 

 

『明けましておめでとうございます。昨年はお世話になりました』

 

 

「これは近所の……お母さんの知り合いのはずだけど私にもくれるなんて」

 

 

『明けましておめでとうございます。読み終わったら送り返してください』

 

 

「往復はがき!? 私から年賀状送ってたらどうしてたのかしら……」

 

 

『5年先まで明けましておめでとうございます』

 

 

「まとめて挨拶しないで!」

 

 

『明けましておめでとうございます。貰ったら次の人に回してください』

 

 

「回覧方式!?」

 

 

『明けましておめでとうございます。私用ですが昨年結婚いたしました』

 

 

「結婚のお知らせね。新年早々おめでたいことでいいわね」

 

 

『そのため性が変わったことをお知らせします』

 

 

「『姓』じゃなくて『性』!?」

 

 

『明けましておめでとうございます。昨年は氷川家とは仲良くさせてもらいました』

 

 

「これも近所の……。私も多くの人に助けてもらっているっていう自覚を持たないと」

 

 

『そんな私と氷川家の思い出を400ページに渡る大長編として執筆しました。執筆期間3ヶ月の笑いあり涙ありの物語をお楽しみください』

 

 

「長すぎ! いらないわよそんなの!」

 

 

『週刊年賀状:今週は年賀状の本体をプレゼント!』

 

 

「何も書いてないじゃない!」

 

 

『来週は年賀状に書かれた本文をプレゼント!』

 

 

「両方まとめて送って! 分ける意味ないでしょ!」

 

 

『明けましておめでとうございます。年月が流れるのも早いもので、うちの子供ももう5つになりました』

 

 

「あそこの家の子、もうそんな年なのね。きっと可愛く育ったに違いないわね」

 

 

『そしてこれが去年撮ったマグロの写真です』

 

 

「なんでマグロの写真!? そこは普通子供の写真じゃないの!?」

 

 

「なんか読むだけで疲れてきたわ……。次は誰からかしら」

 

「これは日菜から……? もう、家が一緒なのになんで送ってくるのよ」

 

 

『お姉ちゃんへ。新年あけましておめでとう! 今年もるんっ♪ってくる年にしようね!』

 

『あたしとお姉ちゃんは普段から顔を合わせているけど、面と向かってだときっと言いづらいこともあると思うの。だからこうやって年賀状を通してあたしの言いたいことが伝わるといいな!』

 

『お姉ちゃんはちょっと固いところがあって怒ると怖いけど、なんだかんだ言ってあたしに優しくしてくれるよね! そんなところが大好きだよ!』

 

 

「日菜……」

 

「……今年はもう少し、二人で一緒にいられる時間を増やせるようにしなきゃいけないわね」

 

 

『P.S 冷蔵庫に入ってたお姉ちゃんのプリン勝手に食べちゃった。ごめんね♪』

 

 

「そこは面と向かって言いなさいよ!」




どうもありがとうございました。

先週はいろいろあって投稿できなかったので今週は別の話をもう1本書きました。
よかったら読んでみてください。
https://syosetu.org/novel/211226/1.html
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