「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートの性欲がヤバすぎる件について 作:羽虫の唄
少々作品と関係があるのか微妙ですが、アンケート設置しました。よろしければご意見お聞かせ下さい。
…朝。
「
登校を済ませ席に着き携帯でニュースを眺めていたオレに、前の席である鱗クンが挨拶を…して来たかと思えば、オレが返す前に言葉を詰まらせ儚げな表情となり視線を床へと落とした。
「–––馬鹿だなぁ俺。弘原海はもう、居ないのに…」
「勝手に人の存在を消すな」
皆には新しくなった個性発動時の外見に、オレは
辺りを見渡せば、「ああ、もう…居ないんだ…」みたいな表情をした鱗クン以外の男子たちと視線が交錯した。
本当おっぱい好きだな君ら。
さてさて、そんなこんなで迎えたボーイッシュ生活1日目。男子諸君はおっぱいロスの所為もあるだろうが、今の所彼らのエロステータスに変動は見られず、この段階では特に影響は無い様だ。
然し油断は出来ない。今後の様子次第、と言った感じである。
「(まぁ中々にエロスは抑えられてると思–––止めろフラグになるっ) …あ、拳藤サン! この前のプリント記入終わったんでお願いします」
「–––あっ、う、うん。それじゃ、預かっとくよ…」
–––ボーイッシュ生活2日目。
「あぁ、塩崎サン。さっき先生が探してましたよ」
「はひっ。ありがとうございますっ」
–––ボーイッシュ生活3日目。
「すいません角取サン、ここの文法を教えて貰いたいんですけど…。–––角取サン?」
「オ…オゥ! そ、ソーリー! なんでショーか?」
–––ボーイッシュ生活4日目。
「うーん、取蔭サンの索敵能力相変わらずハンパ無いな…。なんかコツとかあったりしまス?」
「………」
「…取蔭サン?」
「–––うぇあ?! あ、うん! なにっ??」
–––ボーイッシュ生活5日目。
「柳サン、この前オススメされた映画見ましたよー。メッチャ怖かったッスね」
「うん…。う、ウラメシかったでしょ…?」
–––ボーイッシュ生活6日目。
「………」
「…何か、顔についてますかね小森サン」
「………はぅ」
「小森サン? おーい」
「–––あ、あの!」
それはボーイッシュでの学校生活が7日目に突入した日のこと。
昼食を終え円場クンと一緒に教室へと戻ろうとしていると、背後から突然声をかけられる。そちらを向くと、そこには黒髪のツインテール女子と虎柄模様の髪をした2人の女子生徒が居た。制服からして、普通科である。
「あのあの、わたっ、わたたしふつっきゃのEぐゅみつきしまっまま…っ!」
頑張れツッキー! と、噛み噛みな女子生徒・ツッキーさんを励ます虎柄女子。
なんぞや、と午後の訓練内容は何だったかなと思い出しながら次の言葉を待っていると、数度の深呼吸の後–––ツッキーさんはずぃっとオレに白地の封筒を差し出してきた。
「…あの! こ、これ読んで下さい–––!」
お返事待ってます。
封筒を受け取ったオレに、顔を真っ赤にした彼女はそんな言葉を残して友人と一緒に足早に去って行った。
…ふむ。
「いやぁ。都市伝説だとばかり思ってましたけど、本当にこういうのあるんスね–––うわ怖っ」
振り返ったオレが見たものは、凄まじい形相で突き立てた中指をこちらに向けている円場クンであった。
「なぁ弘原海」
「「「ちょっと屋上行こうや…」」」
さて、普通科女子から手紙を受け取ったその日の放課後。席に着いていたオレを取り囲む形の回原クンたちに誘われるも、そのままホイホイ着いて行けば待ち受けているのは火サス的な展開だけだろう。
彼らの形相は正に怒り心頭の言葉がぴったりであるが、大方、先日からのオレに対するクラスの女子の反応と今回の手紙が原因だと思われた。と言うかそれしかない。
「嫌だわこの子ったらホントにもー(棒)」
「いやぁモテモテで羨ましい限りだぜ本当によお…ッ!」
「秘訣とか有ったら是非とも教えろやがれテメェこの野郎ッ!!」
青筋を浮かべた鱗クンから始まると、回原クンや泡瀬クンがそれに続き、あっという間に周囲を嫉妬に身を焼かれた男たちの悲しき怨嗟の声に包まれてしまう。
なんなんだこの状況と思いながら彼らの言葉を聞いていれば、まぁ酷い。
やれ
ばしんっ。と、音が響いた。
余りにも聞いていられない彼らの言葉に、机に向けてオレが掌を叩きつけた音である。
突然の音に皆が体を震わせたことで僅かに静寂が生まれ、オレはその隙を突く。
「…そうだな。確かに君らの言う通り、オレの外見はあくまで個性のお陰だよ。けど、個性だって身体機能の一種だ」
オレは受け継いだから特殊なケースだけど、とは心の中だけで言いながら。
「筋トレと同じなんだよ。オレは自分の個性をただ使ってるんじゃない、鍛錬と研鑽を出来るだけ重ねて使ってるんだ…」
こちらが放つ気迫に怯えたか、誰かが飲み込んだ唾液の音がやけに大きく聞こえる。
「嫉妬して好き放題言ってくれてるが、君らは何かしたか? トークスキルを磨いたか? ファッションを少しでも勉強したのか?」
答える者は、居ない。
「なンにもしてねぇのに
……言ってやった。多少口汚くなってしまったが、そこは目を瞑って貰いたい。
確かに、友人と言えど–––いや、友人だからこそ? –––チヤホヤされていることを知るのはあまり良い気分とは言えないだろう。だがしかし、だからと言って「自身がそうでない」ことから生じる鬱憤をぶつけて来るのはお門違いもいい所だ。故に、オレは出直して来いと言ったのである。
さて、思いの丈を力任せに吐き出したオレの言葉を聞いた皆はと言うと–––。
「「「うぇぐ…っ!」」」
「泣かせてしまった!!」
いや、そんな泣く程のことだったかな!?
「う、うぐ…っ! そ、そうだよな。弘原海は自分の
「ああああもうそんな泣かなくても! ホラ、回原クンこの前中庭で写真撮ってたら女子に話しかけられて楽しそうな感じだったじゃないッスかっ。あんな感じでいいんスよきっと!」
回原クンはカメラが趣味なのだが、実際クラスでも彼の撮影技術は話題に上ったりする。単純にその時はカメラで撮影していた回原クンを珍しがっただけなのだろうが、ある日目にした彼らの様子は確かに良い雰囲気であった。
なので自信を持ってと彼に言おうとして。
「なぁ回原」
「「「ちょっと屋上行こうや…」」」
残念ながら回原クンが
不可抗力的な別れをしたオレに、話しかけて来る男子が居た。金髪を気障ったらしく整えた–––物間クンである。蛇足かもしれないが、彼も吹出クンと同じく*カウント:0*の同性だ。
「やぁ弘原海、モテモテじゃないか! その調子でB組の知名度をA組よりどんどん上げてくれよ。…まぁそんな冗談はさてお「え?」え?」
物間クンの言葉に手刀を構え近づいていた拳藤サンが声を漏らし、その反応に物間クンが背後へと視線を動かす。
「………いや。僕だって流石に他人の恋慕を慮る位の常識はあるんだけど? 君らは僕をなんだと思っているんだ…」
その言葉に今度はオレが「え?」と声を漏らし、彼はオレと背後の拳藤サンたちへと交互に視線を巡らせた。
「んん゛っ! ま、まぁ冗談はさておき。…その手紙は結局どうするんだい?」
…ふむ、と。その言葉に思案する。
既に確認済みの手紙の内容だが、まぁその…オレに対しての熱い想いがひたすら綴られていた。うん。
自分でも微妙な表情になっているんだろうなと思いながら–––視界の隅で聞き耳を分かりやすく立てている
「いやまぁ、断るッスよねぇ普通に」
「あー…。ま、そうだよな。小大居るし」
「え?」
「「「え?」」」
オレが声を漏らすと物間クンと女子が声を揃えたのだが、一体如何したのだろうか。皆が見せたまるでオレと小大サンが付き合っていること前提の様な反応はなんなのだろう。不思議だぁ。(真顔)
「–––––––ん?」
–––ここ数日の間、雛鳥或いはスタンドが如くオレに付き纏い荒い息を放っていた小大サンが背後から耳元に向かって声を発しでだだだだだだだ! か、肩! 肩砕ける!! 指食い込んでるッ!!
えぇい、オレは暴力には屈しんぞ!!!
ギシギシィ…ッ、と肩を軋ませながら。
「こんなのモテた内に入んないッスからね…。悪いけど、断らせてもらいます」
「いやいや、ここ暫くのお前に対する反応からモテていないは無いだろ」
「いやあの、逆に聞きますけどどこをどう見たらモテてると思うんですか?」
「…謙遜も行き過ぎれば嫌味にしかならないぜ? 弘原海」
オレの問いかけに、物間クンは少々
…確かに、ここ暫くのオレはモテモテだったのだろう。クラスの女子からは日常的に見惚れられ、今日に至ってはこうしてラブレターを貰うにまで至った。
が。然し、だ。
「さっきも言いましたけど、個性も身体機能の一種です。でも…でもさ、物間クン。
–––キグルミを着ている貴方が好きですって言われて嬉しいかい?」
「あの…………ごめんな弘原海…」
個性を解除し素の状態となったオレが言うと同時、視界に映っていた女子たちの表情がスンと真顔になり、物間クンは途轍も無く渋い顔で頭を下げてくれた。いや、別に謝って貰いたいわけじゃなかったんだが…。
*欲求:「キグルミプレイとはまたフェチズムの深い」*
小大サンの心の声に腹立たしさを覚えつつ、個性を発動し直し物間クンと2人乾いた笑いを発していく。
ははははは……。
………………はぁ。
*柳 レイ子・オカズカウント:3*
*塩崎 茨・オカズカウント:4*
*小森 希乃子・オカズカウント:1*
*取蔭 切奈・オカズカウント:2*
*角取 ポニー・オカズカウント:2*
*拳藤 一佳・オカズカウント:1*
*小大 唯・オカズカウント:607*
「デャ(ry
奇声を上げながらの頭突きによって教室のドアを吹き飛ばしたオレは、フラフラと覚束ない足取りのまま通路を進んでいた。
長い時間をかけて辿り着いたのは職員室。ノックをした後、ドアを開けて中へと入る。
「すいません。びーねん13くみのわたつみです」
「どこだよ」
スナイプ先生からのツッコミに反応する気力もオレには既に残されておらず、ふらりふらりと目的の人物へ向かう。今のオレを客観的に見れば宛ら幽鬼の様な見た目となっているのかもしれない、なんて頭の片隅で考えながら。
「ハウンドドッグせんせいちょっとおじかんいただけますか」
「ああ。どうした」
訊ねたのはハウンドドッグ先生。我らが雄英の生活指導担当教員である。オレに声をかけられた彼は視線を作業中であった机の上からこちらへと移した。
目線がしっかり合ったところで、オレは声を発する。
「すいませんおっぱいさわらせてください」
…さて。ここでハウンドドッグ先生について少し説明しておこう。
兎に角この先生、冗談が通じない。ある日目撃した場面を一例として挙げさせて貰えば、
『ねぇねぇセンセー! ちょっとモフモフさせ』
『あ゛?(威圧)』
–––と言った具合だ。クラス・学年問わず恐れられている先生である。
ただ勘違いしないで欲しいのが、あくまでも彼は生活指導担当教員として職務を全うしているのであって、決して生徒を嫌っているわけではないのだ。生徒が規律を重んじ常日頃から礼儀を考えられる様にと敢えて自分が嫌われ役となって居るのである。
…とは、我らがブラドキング先生の言葉。ハウンドドッグ先生の毛並みの素晴らしさと一緒にいつの日か説明してくれた。
まぁ少し話が長くなってしまったが、言いたいのはハウンドドッグ先生が厳しいと言うことだ。そんな彼に「おっぱい触らせてください」などと言えばどうなるかなど火を見るよりも明らかである。
「………何があった」
…然しながら。オレに返ってきたのは怒声でも叱責でもなく、低い唸り声でも無かった。
「何があった、言ってみろ」
近場にあった空席に座るよう促されたオレは、力無く腰を落とす。言ってみろ、とは言われたがそう簡単に切り出すことは難しく、数度分の深呼吸を行う。その間も静かに待ってくれているハウンドドッグ先生。
…意を決し、オレは語り出す。
「……ヒーロー科の生徒は良くも悪くも他科から注目を集めやすいです。その過程で、個性がどんなものなのか話題に取り上げられることもあるかと思います」
それは「かっこいい」や「かわいい」と言った好印象だけでなく、「扱い辛そう」や「ダサい」と言ったアンチ的なものも含まれる。と言うか、断然そちらの方が多いはずだ。先も述べたとおり、ヒーロー科は
「オレの個性は……まぁ、こんなんです。自分でも話題性が抜群であることは理解しています」
〝個性〟「サキュバス」
性的なことにとことん特化し、エロいことなら何でもできる個性。
そして–––そして。
エロいこと、或いは準ずる行為を行うか、またはそう言った事態に陥ると
「–––今から。一週間と少し前の、ことでした。とある生徒に呼び出しを受けまして…」
言いたくないどころではなく、思い出すことすら忌避してしまう、記憶ならぬ忌憶を無理矢理思い出す。
此度の騒動の要因を。
「呼び出された場所に行ったら…居たんですよ。男子生徒が。–––––––お金持って」
はっきりと、確かに。
オレの言葉に職員室の空気が凍りつく。
……嗚呼本当。
「気持ち悪すぎてその時は逃げたしたんですけど…っ、ついさっき、本当についさっきそこで、その男子に『すいません足りませんでしたよね』って会った瞬間言われるしぃ…ッッッ!」
そういうことじゃねえっつの、と怨嗟の込められた声を発した時だ。
「もういい」
背後から誰かに頭を撫でられ、そちらを向けば、そこにはブラキン先生が居て–––。
「もういい。何も言うな」
その無骨で大きな掌から伝わってくる熱に、オレは目頭が熱くなることを抑えられなかった。
「ヴォオ゛オ゛オ゛ル゛ル゛ル゛ヴヴゥ゛……ッッ!!!」
「–––(ヒュパンッ)」
その背後では、凄まじい形相のハウンドドッグ先生と、舌舐めずりをしながら鞭を鳴らすミッドナイト先生が職員室を後にしている最中だったりする。
さてその後。
雄英でもこう言うことってあるんですね、気付いてやれなくてすまなかったな、先生の所為では、いやいや俺が、いえいえオレが、とブラキン先生と謝り合戦を繰り広げて暫く経った頃に2人が職員室へと戻って来た。
完全に蛇足だろうけども、一応説明しておくと彼らは謎の赤い液体を身体に付着させてなどはいなかった。まぁ、そこは教師。指導と称して生徒を血祭りに上げるなんてことは常識的に考えて有り得ないのである。
…なのでミッドナイト先生の瞳孔がかっ開いているのはオレの気のせい。
心なしか鼻息の荒くなっている彼女から目を逸らしつつ、オレはハウンドドッグ先生へと声をかけた。
「では改めまして、ハウンドドッグ先生おっぱい触らせて下さい」
「どうしてそうなル゛ヴヴゥ゛???」
こちらの両肩を掴み、猟犬モードへ移行しつつある先生に慌てて返す。
「まま待って下さい、ちゃんとした理由がありますから!」
オレの言葉に一応話を聞く体となってくれたので、咳払いを挟んでから。
「今回の事件が起こる以前からも、少々周囲からの目が気になっていたので試験的にこの一週間と少しの間個性で外見を変えてみたりしたんですが…。残念ながら余り効果がある様には見えなかったです、ハイ」
実際は効果が無いどころか寧ろ悪化する始末である。
…いやでも見た目が変わっただけでこうなるかね? 自分の身体から何か出ているんじゃないかと疑うレベルである。*1
「そこでオレは思い付きました。どう足掻いても周りを刺激してしまうのであれば、それを
「「「待て、早まるな」」」
言った瞬間に目前のハウンドドッグ先生以外にもブラキン先生を始めとした、近場の教師たちに一斉に止められる。
落ち着け落ち着け、そういう意味じゃないから!
「ち、違います! オレが言いたいのはリラックスです! 昂りだとか興奮をリラックスで解消出来ないかってことです!」
例えば性欲を運動で発散する方法がある様に、オレを見て気分が高揚してしまった周囲を何かしらの方法で落ち着かせてしまおうと言う考えだ。
何時ぞやに小大サンへ試した鎮静薬もあったのだが、最終的に彼女の性欲をブーストさせると言う最悪の結果となったので却下である。思うに、あれは発散や解消ではなく『抑圧』に近かったのではないだろうか。理由を定かにする術は無いが、無理矢理押さえつけられた反動でああなってしまったのではないだろうかと考えている。
閑話休題。
「視覚からの情報だけでは効果が薄いのは、これまでの経験で理解出来ています。だったらその他の五感を–––具体的に言えば、触覚と嗅覚! この2つをオレの個性でリラックスさせます!」
意気揚々と語るも、先生方は首を捻るばかりだ。
まぁこれだけで何をするか理解するのは難しいだろう。なので、手っ取り早く
頭頂部からは尖った三角の耳が。
そして尾骶骨付近からは大きな毛の塊が。
「触られても直嗅ぎされてもモーマンタイ! 言うなればこれは健全なエロス–––そう、モフモフです!!」
「と言う訳で、参考までに
「………腕だったら良いぞ」
尻尾のクオリティ向上の為にオレが頼み込むと、とても微妙な表情ながらもハウンドドッグ先生はモフモフさせてくれた。
*欲求:「………俺も頼めば触らせてくれるだろうか」*
犬好きなブラドキング先生の欲求は見なかったことにする。
DOKKAEBI可愛すぎませんかね。使いこなせませんが。
壁]ω・` )<折角感想をいただいているので…。意味不明なものとなる可能性がありますが、返信を再開しようと思っています。
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よこせっ!
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いらぬっ!