「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートの性欲がヤバすぎる件について 作:羽虫の唄
年が明けてるじゃねぇかライドォン…!
大変お待たせしてしまい申し訳ありません。
しかしご安心を。厳しい修行によって界王拳を会得した為に、今話では小大さんのヒロイン力が1.03倍に跳ね上がっています。
※前回のあらすじ
触手によるど健全エチエチマッサージ。
鉄哲には
一言で言えば性特化。分かりやすく説明すれば、エロいことなら何でも出来る個性。
例として挙げるならば雄英体育祭前の自主訓練。未だ敵連合の襲撃事件が世間を騒がせており、B組が隠し切れないナーバスな空気を纏っていた頃。
『頼む弘原海! 身体だけじゃねぇ、精神力も鋼にしてぇんだ俺は!』
男の欲望をそのまま形にした肉体美を前にしても動じることのない精神力・集中力が手に入れられれば、それだけで飛躍的成長を遂げられるはず。襲撃事件当時、恐怖で動けなかった鉄哲はそう考えて頭を下げて頼み込み…彼の熱意に負けた…負けてしまった弘原海は共に訓練を行い…。
結果。
何時もの女体化に加えて一定面積以上の衣服が自動で弾け飛び、動く度に随所から「だぷんっ♡」やら「むちぃっ♡」と言った
土下座に移行する鉄哲の前では同じく訓練をしていたB組女子ズによってバスタオルが用意されるものの、上記の効果からそれらは翼で自身の肉体を何とか隠そうとしている弘原海に触れた瞬間布切れと化していく。
何とも悲しい光景だった。頼んだ鉄哲はもちろん、それに応えようとした弘原海にも、誰にも悪意が無かったのだから尚のこと質が悪い。
とまぁ、こんな感じでエロいことなら何でも出来てしまう…と言うより、
身体能力の延長線上にあるとされるのが個性だが、どうにも抑えが効かない、別ベクトルなピーキーさを持ったチカラだ。
…と、そこまで思考を巡らせた鉄哲はくるりと首を動かすことでとある人物を視界に留める。灰がかった銀髪に、最大の特徴点である黒一色の体。
黒色 支配。クラスメートだ。
「…黒色」
彼の近くまで移動した鉄哲は、その肩に手を置き、
「正直に言え。お前さっきの試合でテキトー言っただろ」
さっきの試合、と言うのは第2回戦にて行われた弘原海と小大との試合である。結果としては弘原海の勝利であったが、その試合内容は………こう、うん。アレでアレがアレだった。
早々に決着がつけばまた違ったのかもしれないが、どちらも戦闘向きでないことが災いしてか、凄惨なこととなってしまい。また、小大がかなりの美少女であることと、そんな小大に対して取った弘原海の選択もいけなかった。
そう、選択。しかしながら、先程の鉄哲の回想でもあったが、個性柄、全力を出すと大抵自分が被害を被ってしまうが為に普段から一定以上の実力を出さない弘原海である。だが先の試合ではクラスメートも知らない『奥の手』で勝利をもぎ取り、そしてその『奥の手』を黒色だけが知っている
くどいが、弘原海は普段から出力をセーブしており、尚且つ全力を出した場合には
ブラドキング──と言うか本人も? ──でも彼の個性の全貌を把握出来ているのか怪しいにも関わらず、黒色だけが知っているなんてことは果たしてあり得るだろうか?
「どうなんだ」
「…」
鉄哲が訊ねるも、当の本人はゆっくりと目を横にずらす。
「──聞いてンのかァ? 黒色ォ」
──と、鉄哲とは反対サイドから鎌切に野太い腕を回されたことで、黒色は呻き声を漏らした。人相・言動全てにおいてB組ヤンキーランキング堂々1位の威圧は流石の一言である。
とうとう観念したのだろう、追い詰められたその口から途轍も無く小さな返答が発せられた。
「…………………はい」
ゴガッ! と
「だと思ったぜどーすんだこの状況!?」
「完全にお前のアレの所為でアイツ全力出しちまっただろォが!」
「渾名が一時期フーゴになりかけた弘原海さんだぞ!? こんな人前であんなことするわきゃねえと思ったらやっぱり!!」
「そもそもお前だけが知ってたら2人っきりで訓練したことになるだろーが、なんだそのうらやま案件はッ!」
鉄哲や鎌切に続き回原たちが捲し立てるも、最後の円場は「今そう言う話してねェ」と鎌切によって締め落とされた。その口から白いナニカが吐き出されていくのを確認しつつ周囲に向けて耳を澄ませば…。
『さっきの試合は…ちょっとなぁ』
『思いきれる部分は評価出来るが…』
『一応ヒーローも人気商売だから、あの子は望み薄かなぁ…』
…何かトラブルでもあったか、未だ戻らない主審のミッドナイトの代理を雄英教師たちが工面しているその最中。先程行われた試合内容についてプロヒーローたちが話し合っているものの、その内容の殆どが弘原海についてである。──ただしマイナス的な意味で、だが。
確かにやったのは弘原海である。しかし、あれだけ周囲に盛り上げられておいてそれに応えないことが出来るか、と問われれば鉄哲たちは微妙な表情を見せるだろう。
人々の期待に応えるのがヒーロー。今回のパターンが微妙とは言え、常日頃の授業でそう言った部分を学んでいるのだから。
「──兎に角お前はさっさと弘原海に謝って来い! 控室か医務室にいるだろうから!」
「断る」
びびってんじゃねぇ!! と冷や汗を流しながら即答する黒色に男子たち…だけでなく、女子たちの声も数人分重なる。
その後も促されるが梃子でも動かなさそうな黒色。謝罪の精神が無い、と言うよりはこれだけのことをしでかしてしまった為、どうなるかが分からな過ぎて恐怖でいっぱいいっぱいなのだろう。普段の言動では大層なことを宣っているが、根は小心らしい。
ならば何故あの場面であんなことをしでかしたのだろうか。B組は心の中で一致する。
そんなこんなで。
取り敢えず弘原海が戻ったら全員で土下座させる方針に固まった彼らは、次の試合が開始されるのを待つことに。
──5分経過し、パトロールの休憩時間であった13号が代理にあてがわれる。
「ミッドナイト先生戻って来ないね?」
「ねー」
──更に5分経過すると、先ずは小大が戻って来た。
「ん」
「唯おかえ…まっ眩!? なにッ!? 唯の肌が光り輝いているッ!!?」
どう言う訳か、元々透き通ったきめ細やかな肌質の彼女は発光体が如く光を放ちながらB組席へと戻って来た。どう考えても試合後に何かあったのだろうが…その経緯を訊ねようとするも、その美しさの前に全員が慄いてしまう。
「………とぶぶぶぶぶぶぶぶbbbbbbbbbbbb」
ついでに、そんな美しさ4割増しの小大を見た物間がひっそりとバグっていたりする。
──更に更に5分が経過すると、ミッドナイトが復帰した。
「…ぅうふぅあはははうひははひゃはっ!! 全身がっ!! お肌どころか五臓六腑も毛細血管の1本1本細胞全てが若返って活力に溢れてりゅのほおぉおおおーっ!!!」
だるあぁっ!! と、恍惚の表情で涎を垂れ流し爆速で駆けるミッドナイト。13号の甲高い悲鳴が会場に木霊する。
──更に更に更に5分が経過すると、試合が終了して次のものへと移る。
──更に更に更に更に5分が経過。
──更に更に更に更に更に5分が経過。
──更に更に更に更に更に更に5分が経過。試合が終了し、次のものへ。
「………お、おい? 戻ってこねぇぞ…?」
いつまで経っても1人だけ戻らないことに、不安に思った鉄哲がとうとう声を漏らした。
因みに黒色は緊張等によって痛む腹を押さえている。
「拙い」
その後も待つが、やはり弘原海は戻って来ず…。そうして幾らか経った頃、吹出が声を発した。彼の方へと全員の視線が集中する。
「こ、これは拙いパターンだ! きっと弘原海には黒色を制裁する気力すら残っていない!」
頭を抱えて叫ぶ吹出に合わせ、周囲の視線が黒色へと注がれれば。
「…胃が。ゴフッ」
………死んでいた。
何が、ではなく。
あらゆるものが、死んでいた。
『が…ガンバレ弘原海! ガンバレ!!』
観客席から飛ぶクラスメートからの応援。
しかしそれは、正常な機能を果たしていない聴覚が拾うことはなく、もし仮に拾えたとしてもその先の脳が停止しているのだから誰のものか、どう言う意味なのかは理解出来ないだろう。
始まった第3回戦、その1試合目。
対戦カードはA組から爆豪・B組から弘原海の組み合わせ…なのだが、試合開始前にも関わらず片方は真っ白を通り越してまっさらになってしまっており、既に重力に逆らうことすらままなっていなかった。
物理法則に反し光を飲み込んでいる穴の様な瞳は左右で別方向を向き、その黒々以外の全てが白か向こう側を見せる透明と化した少年。それを見る黒色も同じく真っ白になって「オレ…オレ……ナンテコト…」と呟いている。
これは始めて良いのだろうか? と主審のミッドナイトがオロオロし、観客席からもまばらに同情の声が発し始めていた。
…と、
「──ンだぁ、そのザマは…」
弘原海の現状を思えば、同情の1つや2つ、与えられて当たり前だろう。
個性とは身体能力の延長線上。その個性はその個性のことしか出来ず、そして少年はその個性で出来ることを一生懸命真剣に行い…そうして得たのは、世間からの冷たい評価のみ。こうして重圧に潰れてしまっても仕方がないだろう。
しかし、目の前の。対戦相手の爆豪はそれを許さない。
「俺が目指すのは
完璧主義者の彼は意味が無いと叫ぶ。
今の状態の弘原海など、爆豪からすれば路傍の石ころにすら劣る存在でしかないのだ。
「戦うつもりがねぇなら『此処』に立つなッ! ………
──その言葉を聞いて、透けていた少年に『色』が戻り始める。
少しずつだが四肢に力が戻り始め、ゆっくりとだが立ち上がり、個性によって淫魔へと変貌を遂げた。
…そして。
「………ふぉんぐ…っ!」
めっちゃ涙を流した。
突然の行動に驚いたのは爆豪である。
「『周りのことなんて気にせず今は俺との試合だけに集中しろ』だと!? どれだけスポーツマンシップ精神に溢れてるんだ君は、聖人君子か何かかっ!?」
「耳腐ってんのかテメェ!!」
「おいやめろ、これ以上優しい言葉を投げかけるな! …泣いちまうだろうが!!」
「もう泣いてんだろうが、ヴォケ!!」
「………え、えぇ〜っと! そ、それじゃあ第3回戦──スタート!」
──兎にも角にも。コントの様なやりとりを挟みつつ、ミッドナイトの宣言通り、試合開始である。
こうして始まった第3回戦。爆豪クンの優しさに感極まるも、勝負は勝負。真剣に臨まなければならないので、オレは気を引き締めた。…引き締めたのだが。
「くたばれゴラァ!!」
ドゴンッ! と腹に響く爆音と衝撃、それから体全身に走る激痛。
その試合内容は一方的の一言に尽きた。
爆豪クンの
そもそも、個性の相性が最悪なのだ。
魅了の声で動きを止めようにも息を吸い込んだ瞬間に爆破で抑えられ、仮に発せられたとしてもそれは爆発音で効果を失ってしまい。ならばと
(クソったれ、分かっちゃいたが強すぎるぞ! オレの個性だとそもそも相手にならねぇ!)
催眠術は使おうにも、今の体力的に使うと真面目に危ない、最悪倒れる。倒れなくともドクターストップをかけて来たリカバリーガールから怒られてしまう。
…と言うか使っても効果なさそうなんだよなぁ。爆豪クン騎馬戦でやられてるから完全に警戒しちゃってるし…。
持っている手札は役に立たず、切り札なんて始めから持っておらず。
──うん。これは…、
(………諦めちゃって良いかな、もう!)
いや、まぁ。確かにヒーローたる者どんな状況下であっても諦めてはいけない。
が、そもそもオレは卵であるし(←クズ)時には諦めも大事じゃないかな?(←クズ) 自分の力量も見極められずに戦って、その結果戦況を悪化させるなんて馬鹿まっしぐらだし?(←クズ) そもそも今オレ本調子じゃありませんしぃ?(←クズ)
うんうん、頑張った頑張った(←クズ)と自分で自分を褒めていると、視界の中で爆豪クンが動き出した。既に何度も受けている彼の爆破に、条件反射的に体が竦む。
(うん、うん! オレは良くやったよ良くやったって! そりゃヒーローは結果が全てだし努力したけど助けられませんでしたーなんてオレも駄目だとは思うけどもそれでもさと言うかそうだからこそ結果よりも過程に目を向けてもらいたい訳ですよ結果が実らなきゃ努力じゃないと皆さん言いますけどね努力は立派な努力と言いますかうおお爆豪クンが迫り来る来てます来てますコッチ来るなそうだオレは頑張ったよ良くやっただからここで諦めたって少しくら
『──ありす!』
「…ッ!?」
突如聞こえて来た声に身を屈めれば、ゴッ! とすぐ側から爆発音が熱と共に発せられた。
…そっと、声の主を確かめる為に視線を巡らせる。
場所は…B組観客席。
立ち上がって不安そうにこちらを見ている彼女、は…。
『──頑張れ!』
黒髪セミロングの誰もが認めるであろう、美人なクラスメート。しかし小大サンのその美貌ではなく、オレの視線は彼女の頭上に釘付けとなっていた。
そこに浮かぶのは無数の文字や記号で構成された彼女のエロステータス。サキュバスの個性を待つオレにしか見えない、個人の知られざる情報である。
*欲求:「」*
──サキュバスの副次能力の1つである『欲視』は、その名前の通りに相手の欲求を見ることが可能である。
ただし、それはその対象者の欲求が一定の強さのものでないとならないと言う条件が存在するのだ。
…つまり何が言いたいか、というと、小大サンはつまり…欲求に何も表示されていない彼女はその…オレのことを純粋に応援してくれているということで。
…な、なんか調子狂うなぁ。
『…お、おお! そうだ弘原海、頑張れ!』
『アゴ狙えアゴぉ!』
『ドギャーンとやっちゃえ弘原海ぃ!』
『アッハッハ! 1位になるとか何とか言っておいて未だに勝てていないけどどうしたのかな爆豪くぅーん!?』
小大サンに続き、拳藤サンが、鉄哲クンが、吹出クンが、物…は違うか。兎に角クラスメートたちが声援を重ねてくれた。
み、皆…!
『ヒャァ公衆の面前で名前呼びとは良い御身分だな弘原海さんよォ──ッ!』
『羨ましいなぁオイオイオイオイオィイ!!?』
『いけ爆豪! だいばくはつッ!!』
『[規制対象]ッ!! [放送禁止]ッッッ!!』
続いて泡瀬クンが、回原クンが、鱗クンが、円場クンが嫉妬を弾けさせる。
み、皆…!? こんな時くらい普通に応援してくれたって良いんじゃないかな…!?
『何やってんだ爆豪ォーッ! お前の実力だったらあのチンチンをイライラさせるバルンバルンボディを包む邪魔くせぇジャージなんてあっちゅーまに吹き飛ばせんだろォーがッ! さぁやれ今すぐやれハリィハリィハリィハリ』
『──耳郎、君に決めた! ばくおんぱっ!』
…今なんかA組席からすごい音したけど大丈夫?
高性能爆薬で作る野菜ジュースのCM*1を何故か思い出しつつ、ここに来て漸く爆豪クンへと意識を引き戻す。
…取り敢えず、愛想笑いを浮かべてみた。
「…何笑ってんだ」
あっすみません。
取り敢えず笑って誤魔化そうとするのは日本人の悪い癖だな。
「あ、あぁ〜いや。待っててくれるなんて優しいなぁー…と思って」
「…ハッ。別にテメェが劇的に強くなるわけでもねぇ。そのくれぇ待ってやるわクソ。…それとも何だ。 応援されりゃあ奇跡パワーで強くなるとでも思ってんのか?」
苛立った様子で彼は続ける。
「ンなもん起こるわけねぇだろ。分かったらさっさと死ね、クソモブ」
「口悪いなぁ…」
ゴバッ! と言った直後に右腕が振るわれ爆発が襲いかかるも、何とかそれを回避して慌てて距離を取る。
(…爆豪クンの言った通り、急に強くなんかなったりはしない。相変わらずオレの手札は通用しないし切り札も無い。勝ち筋は全ッ然見えねぇ!)
…ああ、けど。
(──
頑張れ、と。背後から送られる、クラスメートたちからの声援(と怨嗟の声)。
それを聞くと、不思議と力が漲ってくるのは錯覚だろうし、何とも騙されやすい人間だと自分でも思う。
──さぁ状況を纏めよう。纏めるまでもないが、纏めて、整理して、それから
(魅了の声は駄目。昏睡ガスも、催眠術も)
…だがッ。
(勝てるかどうかは分からない。…だけど、
ある作戦を思い付き、思わず口角をほんの少しだけ吊り上げる。取らぬ狸の皮算用だが、この作戦が上手くいけば、完璧主義者で自尊心の塊の様なその表情を崩すことが出来るかもしれないのだからそれも仕方のないことだろう。
作戦は思い付いた。そしてそれを成功させる為には…、
(兎に角、彼に触る必要がある! それをするにはどうすれば…ッ)
爆破によって生じる爆風・爆音でオレの大半の能力は封じられてしまう。もし仮に近づけたとしても、その時は持ち前の運動能力で撹乱されてしまい意味が無い。
ならば、どうするか。どうすれば、オレは彼に触れられる? ここさえクリア出来れば後はどうとでもなる筈だ。考えろ、考えろ…!
(──…『時間停止』)
不意に。
上下前後左右四方八方から襲い掛かる熾烈な攻撃を避ける内に、オレの脳裏にとあるものが浮かび上がった。
それは、心操クンとの戦いの最中に発現した(させられた)能力。オレが使った訳ではないが、オレの持つサキュバスに本来元々備わっていたであろうチカラ。
(まだオレが
そう考えるのが妥当だろう。大きすぎる力は破滅しかもたらさない。そうならない様に自然とセーブがかかっていたのかも知れない。
しかし、今なら。もしかしたら。
何の根拠も無い自信だが、もはや他に妙案が思い付かない。ならばやるしか無い!
「黙って棒立ちかァ!? 随分と余裕だなオィ!!」
真上からの爆破をモロに喰らい、叩きつけられる。激しく咳き込むが、オレはそれでも意識を集中させる。
(止まれ…)
頭の中に、時計のイメージ。
(止まれ…ッ)
それと同時に、爆豪クンが石の様に固まるイメージを浮かべて念じる。
(止まれ…ッ!)
容赦無く爆破を連続で浴びせられたことで、視界が歪み思考が散らされる。それでも何とか意識を保ち、念じ続ける。
(止まれ…ッ!!)
──カチ、と。
一瞬。何かが自分の中で組み合わさる感覚を覚え。
「──いい加減トドメ刺してやる。吹き飛べクソがァ!!」
迫り来る一撃。
ここで出来なければ、それまでだ。
「止ま─────れぇッ!!!」
カチリ。
そして───。
───ガゴンっ!!
因みに最新巻を見ながら書いてます。(単行本勢)