ハリー・ポッターRTA ヴォルデモート復活チャート   作:純血一族覚書

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初盗坑です(グリンゴッツ)。


ハリー・ポッターと秘密の部屋編
7/? 〜サイン会直前まで


 ──皆さん、ご無沙汰しております。

 悶絶分霊箱専属調教師のズィラと申します。今回のハリー・ポッター第一巻はいかがでしたでしょうか? ハリー・ポッター初期作品は、比較的オーソドックスなプレイがたくさん盛り込まれていたかと思います。これからお見せする書き下ろし小説も、基本的なチャート遵守をお見せしたいと思います。

 今回調教する少年はリドルっ。ハンサムなマスクと、均整のとれた体(不変)。まだ16歳(当時)のこの少年は、わたくしの調教に耐える事が出来るでしょうか?

 それでは、ご覧下さい。

 

 

 

「だから、どうか、皆の者。クィレル教授に──クィリナスの叡智に、杯を捧げてやってはくれぬかの」

 

 ……なにこれ? なRTA、は〜じま〜るよ〜。

 

 前回グランドクエスト「賢者の石」をガバなく終わらせることができました。現在は学期末パーティーなのですが……謎のイベントが挿入されていますね。少なくとも私のチャートには存在しないイベントです。

 どうやらクィレル君が献杯にたるなんらかの行為を行った──恐らくは最終決戦時にこちらに寝返ったようですね。

 そう……(無関心)。

 仮にクィレル君が生き残っていた場合、お辞儀様の行動が不明瞭になるためリセットもやむなしなのですが、チャート通り死んでくれたならどうでもいいわ(レ)。

 念のためハリーに確認しておきましょう。クィレル教授どしたん?

 

「先生は、クィレル先生は『例のあの──ヴォルデモートに操られていて、最期には殺されたんだ……。()()()()()()

 

 ……全てはチャンス!(レ)

 これはガバではなく、ひょっとするととんでもない安定要素かもしれません。

 今回のクィレルくんの事故により、成長キー「目の前でヴォルデモートの手により味方陣営のキャラが死亡する」がこの段階で回収できました!

 通常プレイの場合、クィレル教授は敵ボスの上、死に際をハリーが直接目にすることがありません。そのためこの成長キーは、本来なら四年生最終イベント、「セドリックの死」で回収する必要がありました。三年も前倒しのこの段階で成長キーを回収できるのは、あまりにも豪運です。やったぜ。

 ハリー・ポッターの成長は、こういった闇の陣営との因縁に関する成長キーで補正がかかります。通常ルートより二年早く決戦を迎える以上、なんらかのテコ入れは必須だったのですが、チャート外で補填できるとは、うん、おいしい!

 クィレル教授、ありがとナス!(手のひらホグワーツ)。

 冥福を祈ってご飯をかっこむのじゃ〜。

 

 さて、パーティーも終わったので、お家に帰ることになりました。

 ホグワーツ特急の中でハリーが死刑囚もかくやといった表情をしていますが、レズちゃんにできることは何もありません。適当に慰めておきましょう。大丈夫だって安心しろよ〜。どうせこっちが魔法使えないなんてわからないからヘーキヘーキ、ヘーキだから(大嘘)。

 あっという間にキングス・クロス駅に着きました。お迎えにはガウェイン君が来ていますね。ガウェイン君オッスオッス!

 適当にウィーズリー家と顔つなぎしていきましょう。レストレンジの名前と顔つきがマイナスポイントですが、息子たちの友人と闇祓いの保護下ということで差し引いてグリフィンドール114514点くらいには初期好感度が上昇します(ガバ計算)。彼らはこれからも末永くしゃぶり尽くすことになるので、しっかり好感度を稼いでおきましょう。

 特にアーサー氏に関しては、本チャート最大級のリセポイントと関連しているため、絶対的に仲良くなる必要があります。ハーマイオニーから仕入れたにわかマグル知識で仲良くなるのじゃ〜。

 ……ぺっ、穢れた血と血を裏切るものどもが!

 

 

「お帰りなさいませ、ズィラお嬢様」

 

 カーン君、お久しブリーフ♂

 レストレンジ家に着きました。ガウェイン君ありがとナス! じゃあな!

 

 さて、ガウェイン君も帰りましたので、楽しい楽しい夏休みを始めましょう。

 今回の夏休みでやることは、大別して三つです。

 

 一つ目は、日刊予言者新聞の購読。より正確に言えば、フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店におけるギルデロイ・ロックハートのサイン会の日程確認です。

 実は、このゲームにおいて「ロックハートのサイン会の日にハリーたち三人組が揃って買い物に行くこと」は確定していますが、肝心要の「ロックハートのサイン会の日程」は確定していません。え、なにそれは(7敗)。

 どうにもロックハート君の気まぐれ、別名乱数によってプレイごとに日程が変動するようです。フザケンナ!(調査不足)。

 もちろん、通常プレイならば、お買い物はハーマイオニーちゃんのお誘いを受けて同行することが可能です。

 が、レズちゃんもとい死喰い人の子供キャラにおいては必ずしもそうとはいきません。

 このイベントは、「ロックハートのサイン会の日程を確認したハーマイオニーが二人を誘う」という流れで始まるのですが、レズちゃんがこれを受け取ったとしても、確実にその日に行けるとは限らないからです。

 というのも、レズちゃんは未だ闇祓い管轄下に置かれているため、勝手な外出が基本的に許されていないからですね。ガウェイン君経由の許可が必要になります。

 闇祓いの好感度次第によっては即日許可もありうるのですが、ガバムーブを繰り返していた場合、最長で一週間程度申請にかかることもあります。

 だから、安定の為に事前にサイン会の日を調べて許可を取っておく必要があったんですね(メガトン構文)。

 

 二つ目は、ハリー・ポッターの誕生日までに彼に対して手紙を最低一回は送るということです。無論、手紙を送っても屋敷しもべのドビーくんに盗まれてしまうのですが、手紙が読まれるかはこの際問題ではありません。送ったかどうかが重要です。

 なぜそのような処理が必要かと言いますと、ハリー関連の夏休みのイベントの一つに、「ハリー・ポッター12歳の誕生日」というものがあるからです。このイベントは簡単に言えば、

 

「ウイイイイッス! どうも〜ハリーで〜す。

 まあ今日は誕生日、当日ですけども。

 ほんで〜かれこれまぁ夏休み中、え〜待ったんですけども。

 お祝いは、誰一人来ませんでした……(鉄格子の閉まる音)。

 誰一人来ることはなかったですぅ。残念ながら、はい。なんだろう。なんで来なかったんでしょうかね〜。

 一体なにがダメだったんでしょうかねぇ〜。友達はいると思うんですけどなぜ来なかったんでしょうかね。不思議ですね〜」

 

 というイベントです。

 具体的にはドビーくんがハリー宛の手紙を全て検閲していることで発生するイベントです。最終的に奪った手紙をドビーくんはハリーに見せびらかすのですが、その際にプレイヤーキャラの名前がなかった場合、いささか面倒なことになります。

 実害としては、ハリーの好感度がシャレにならない程度には落ちます。

 これは魔法界から引き剥がされたハリーが友人との絆を疑うことに由来する反応なのですが、ここでお祝いの手紙が確認されなかった場合、ハリーは心のどこかでプレイヤーキャラを信用しなくなります。今後全ての好感度イベントに影響するので、絶対に手紙を送り忘れないでください(2敗)。

 忘れぬうちに今出しておきましょう。ガバらぬ先の杖ってそれ一番言われてるから。

 

 

 さて、最後に行うイベントは──

 

「ジェミニオ! そっくり!」

 

 ──はい。そうです。いつものように呪文修練です。

 

「ちょっと待って!? 『臭い』が入ってないやん! どうしてくれんのこれ? 魔法省魔法不適正使用取締局に連絡させてもらうね」

 

 とお思いの方、ご安心ください。まったくもって問題ありません。

 「17歳未満の者の周囲での魔法行為を嗅ぎ出す呪文」、通称「臭い」と呼ばれる魔法があります。この魔法は1875年の制定の「未成年魔法使いの妥当な制限に関する法令C項」によって施行された未成年の魔法使用を検知する魔法なのですが……。

 この魔法、驚くほどザルです。

 というのも、「臭い」の魔法の詳細が「未成年の魔法使用」を検知するものではなく、「未成年の付近で使用された魔法」を検知するものだからですね。は?(困惑)

 例えば、マグルしか住んでいないとされているプリベット通りの四番地で浮遊術が検知されたとしましょう。その場合、魔法省はハリーが魔法を使用したと認定します。例え屋敷しもべが使用しようと、猫好きの婆が使用しようと、そこに住む登録された魔法使いはハリーだけである以上、魔法省の判定は覆りません。魔法省はガバガバ。

 

 では、翻ってレズちゃんはどうなのでしょうか。

 

「ジェミニオ! フィニート! ジェミニオ!」

 

 先程から魔法を連続使用していますが、一切警告は飛んできません。この理由はハリーとは逆の要因ですね。

 

「──ズィラお嬢様。そろそろご休憩なさりましては」

 

 屋敷しもべのカーン君。お前のことが好きだったんだよ!(唐突)

 ダーズリー家と違って、カーン君が身の回りの世話の一切を行うレストレンジ家では、いかなる魔法が日常的に使用されても不思議ではありません。そのためいくら魔法を乱用しようと、レズちゃんが裁かれることはありません!

 ちょっと取締局のマファルダ・ホップカーク君ガバガバ過ぎんよ〜(煽り)。

 ……好感度調整によっては、ごくごくまれにですが、闇祓いが個別に対策を練っていることがあります。

 その際は勉強がてらついうっかり使ってしまったことにして、大人しく謝りましょう。センセンシャル!(リセット恐怖症)

 未成年の魔法不正使用はそこまで重大違反ではないため、複数回バレなければリセットを強要されることはありません。まさかこの程度の軽犯罪でウィゼンガモットの大法廷で裁かれることなんてありえないでしょう。なぁ、ファッジ、お前もそう思うよな?(煽り予言)

 

 話を戻して、今回習得する魔法は「双子の呪文」、ジェミニオです。効果としては、魔法をかけた対象に触れた際、対象の劣化複製品が増殖するという魔法ですね。この魔法の細かい()()については使()()時に解説()()()と思います(激ウマギャグ)。

 「双子の呪文」は本チャート上複数回使用する予定なのですが、直近のことを考えると、どんなに遅くとも二年生の十二月二週目木曜日までに習得する必要があります。

 その際に要求される熟練度は、「自分でかけた双子の呪文を終了呪文で即終わらせることができる」程度の熟練度です。

 ……いささかファジーな目標値ですが、本ゲームにおける魔法効果の判定は明確な数値で表すことができません。仕方ないね♂

 いい機会ですので、終了呪文を例にとって解説しておきましょう。

 

 まず、終了呪文・フィニートの有効判定は「終了呪文の精度と対象呪文の精度」によって判定されます。

 前者については比較的わかりやすく、熟練度の他には呪文省略形かインカンターテム付きの完全形か、有言呪文か無言呪文か、などといった直感的に理解できる指標しかありません。

 ですが、後者に関しては検証勢の力をもってしても未だ数式化できていません。自分の魔法か他人の魔法か、持続性があるかないかといった要素で細かく変動し、明確な計算式が定められていないのが現状です。

 ……少なくとも、「攻撃力−防御力=ダメージ」のような単純な計算式じゃないです(始祖の愛した数式)。

 

 無論、リカバリー案も用意してはいますが、三年生チャートに響いてくるので死んでも間に合わせましょう。

 ノット君著「純血一族一覧」・ポケット文庫版を増やして消してを無心で繰り返します。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 熟練度稼ぎプレイは退屈なので加速します。

 

 

 

 ロックハート君のサイン会の日になりました。お出かけしましょう。

 今日買うものは……。

 

『泣き妖精バンシーとのナウな休日』

『グールお化けとのクールな散策』

『鬼婆とのオツな休暇』

『トロールとのとろい旅』

『バンパイヤとのバッチリ船旅』

『狼男との大いなる山歩き』

『雪男とのゆっくり一年』

 

 ……はぁ〜つっかえ! やめたらDADA教授! ほんまアホらし。

 まぁこれらの小説はどうでもいいのですが、デミガイズ君の透明マントは忘れないようにしましょう。ロックハート君の採点はガバガバなので優等生ムーブは簡単です。教科書はハーマイオニー姉貴やパチル姉貴達に布教して貰えば手に入りますし。

 それよりも透明マントの補充を忘れた場合、半年間の「必要の部屋」育成機会をふいにしてしまいます。今年まではまだリカバリーも可能ですが、来年からはリセット確定なので注意しましょう。

 

 気を取り直して。

 それではお買い物にイクゾー! 

 

 

「──ズィラ! ズィラ! ここよ!」

 

 漏れ鍋に煙突飛行で移動してしばらく。ハーマイオニーちゃんが呼びかけてきました。

 ハーマイオニーちゃんオッスオッス! ご両親もよろしくお願いします、って言ってみな!(傲岸不遜)

 挨拶も済ませたら、早速ですが、二人でダイアゴン横丁デートに向かいましょうか。

 行けぇ! ボージン・アンド・バークス! 行けぇ!(煙突事故)

 ……だめでした。ご両親も一緒に来るようです。

 正直この二人に関しては、本チャートにおいては野獣先輩並みに価値がないのでハーマイオニーちゃんの好感度を優先したいのですが……。二人っきりの方が親密になりやすいんですがね。

 まま、ええわ。今回は許したる(寛容)。

 グレンジャー家の両替がてら、みんなでグリンゴッツにでも向かいましょうか。

 

 

 

「くされマグルめ。俺がそのことを知ってたら──」

 

 なんだあのでっかいモノ♂

 グリンゴッツに向かう途中、聞き覚えのある声に目をやれば、遠くからハグリッド兄貴が歩いてきます。ということは……。

 ハリーくんオッスオッス! メガネ無くしたん?

 と、話していると、遠くから赤毛の集団がやってきました。ウィーズリー御一行ですね。

 ……なんかジニーちゃんの視線が厳しいような? レストレンジ関連のフラグをどこかで踏みましたっけ? これからのイベント進行がてら修正しましょうか。

 一行揃ったので、皆でグリンゴッツに行きますよー行く行く。

 

 さて、ここで気をつけるべきポイントですが、決してレストレンジの金庫には近づいてはならない、ということです。

 レストレンジの金庫には「ハッフルパフのカップ」が安置されているのですが、この段階でハリーとエンカウントすると、ハリーの傷跡が痛み出し、買い物が中止になるというイベントが発生します。

 これが起こると何がまずいか。

 そうですね。グランドクエスト「秘密の部屋」のチャートが初期から崩壊するということにつながります。ルシウス氏が日記を持たせる相手が完全ランダムになる為、その後の事件の手順が千差万別に変化します。

 仮に獅子寮・鷲寮生徒に日記が渡った場合、持ち主の特定ができれば獅子の場合はそのまま、鷲の場合は謎解き攻略で寮に侵入・窃盗できるのですが、他二つの場合そう言った手段も取れず詰みかねません。

 私には残念ながらフレキシブルチャートを御し切れる自信がないのでリセットとなります。

 今回のイベントを除いても、分霊箱所持にはデメリットしかないので、破壊する時以外は触らないを徹底していきましょう。

 なので、チャート外で分霊箱を刺激するのは、やめようね!(5敗)

 

 ……ウィーズリー家の金庫を見ましたが、ガリオン金貨が一枚しかありませんでした。

 ウィーズリーに関してはともかく、ほぼ全滅したはずのプルウェット家の資産はどこに消えたんですかね〜不思議ですね〜?

 と魔法界の資産運用に疑問を投げかけたところで今回はここまで。ご笑読ありがとうございました。

 

 


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