ハリー・ポッターRTA ヴォルデモート復活チャート 作:純血一族覚書
疑わしきは罰せずじゃよ、セブルスなRTA、いざぁ♂
前回より、グランドクエスト「秘密の部屋」が本格的に開かれました。今回からクエストを進行させていきます。
さて、「秘密の部屋」の犯行声明が書かれた現場ですが、現在続々と人が集まってきました。ハロウィーンのパーティを終えた生徒たちが、続々と駆けつけてきたようです。
「『穢れた血』め、次はお前たちが気をつける番だぞ!」
群衆の中からマルフォイ君が声を張り上げました。
……ところで、犯行現場が三階の廊下で、スリザリンの寮は地下にあるはずなんですが、この時の蛇寮生徒の動線ってどうなってるんでしたっけ?(すっとぼけ)
攻略Wikiにも書いていなかった上、走者の蛇寮チャート区間練習時の記憶が抜け落ちているので(頭トロール)、ご存知の方、至急メールくれや。
と、そんなことを考えているうちに、管理人が走りこんできました。アーガス君は飼い猫が冷たくなっているのを見て、ひどく動揺しています。
「どけ! あれは私の猫だ! ミセス・ノリスだ! 早く下ろしてやらないと!」
しょうがねぇなあ(悟空)。
ピーブズ君ほどではありませんが、彼も深夜徘徊における鎖マン枠の一人です。ここはひとつ、好感度でも稼いでおきましょうか(オリチャー)。
「ウィンガーディアム・レヴィオーサ 浮遊せよ!」
どう? (好感度)出そう?
「さては、お前が、お前たちがこの子を殺したんだな!?」
なんだお前!?
思ったよりも好感度は稼げませんでした。フィルチ君との意思疎通は困難なようです(現地調査)。
……まま、ええわ。所詮フィルチ君、この程度なら毒にも薬にもなりませんし。
ダンブルドアを筆頭に、他の先生達も駆けつけてきました。そのままロックハート君の部屋で問答が始まります。
ロックハート君の部屋の内装ですが……なんだこれは、たまげたなぁ。
壁中机中にロックハート君の写真が立てかけられています。机の上にも、彼の書籍が所狭しと並んでいますね。他にもファンレターに返信用の便箋、羽ペンがどっさり。
オカミーの整髪剤に、家族の写真、呪文集といった普通の品々が逆に浮いていますね……。
部屋に人が収まるや否や、当の本人は朗々と自説を語り始めました。
「さて、さて、さて。見たところこの猫には、どこにも『死因』となるものがありません。とすれば、そう! この子を殺したとすれば、きっと悪辣な呪いでしょう!
例えば、ウグドゥグで私が解決したような、『異形変身拷問』の呪い。例えば、『許されざる呪文』の一つである
いずれにせよ──」
「おお、アーガス。幸いなことに猫は死んでおらぬよ」
「──そう、いずれにせよ! 『死因』がない以上、死んでいない、と見るのが妥当でしょうね。どうやら私の意見は校長先生と一致していたようで、なによりです」
はぇ〜すっごい弁舌。
魔法以外だいたい足りてる男なだけありますね。詐欺師かな?(直喩)
ロックハート君が黙ると、次は泣き顔のフィルチ君が話し始めました。どうやら彼は我々獅子寮四人組が犯人であると思い込んでいるようです。
二年生にこんなことはできないってホグワーツの授業受けたことあればわかると思うんですけど、あっ、ふーん(察し)。
そんなスクイブ野郎の尻馬に乗って、スネイプ君がハリーいびりを始めます。
「そもそもだ。ポッター。君たちは何故、わざわざ三階の廊下に行ったのかね? 我輩が思うに、ゴーストのパーティに行った後、君たちはたいそう空腹だったと思うのだが」
多分蛇語だと思うんですけど(名推理)。
……などと口にしてはいけません。
現在のレズちゃんは、「ハリー・ポッターが蛇語を話せる」及び「秘密の部屋の怪物がバジリスクである」という情報を公的には知りえません。
キャラクターが本来知りえない情報を持っている場合、他人からは何がしかの影響を受けていると大抵は判断されます。
特に、今この場にはダンブルドアをはじめとするホグワーツ教師陣が揃っているので、怪しまれる行動は控えておきましょう。
しばしの間ハリーの処遇──主にクィディッチに関するそれについて、マクゴナガルとスネイプの間で小競り合いが起きましたが。
「疑わしきは罰せずじゃよ、セブルス」
ダンブルドアの名采配により、ハリーは無事無罪となりました。
終わり! 閉廷!(閉廷おじさん)
議論は次の問題へ移ります。
「アーガス。わしが保証しよう。君の猫は治りますぞ。スプラウト先生がちょうどマンドレイクを育てていらっしゃる」
「それならば校長先生! 私に治療薬作成をお任せください。狼男との山歩きの際、うんざりするほど脱狼薬を作った私なら──」
「──脱狼薬
ロックハート先生、貴方にはもっと重要な仕事があるのでは?」
そうだよ(同意)。
プリンス先生は学生時代からクッソ有能ってそれ一番言われてるから。
なので、教科書貰います(犯行予告)。
……スネイプ君はゲーム内風聞ではDADA好きと言われてます。しかし、個別イベ進めると分かるのですが、彼としては今は魔法薬学の方が好きなんですよね。
ここら辺のシナリオは面白いので各自プレイして、どうぞ。
というわけで「秘密の部屋」序章が終わりました。
帰って寝ましょう。
数日が経ちました。
学校中が「秘密の部屋」に浮き足立っています。
ハーマイオニーちゃんは、学校中の本をひっくり返して「秘密の部屋」を捜索しています。
一方でハリー君はというと、つい先日まで仲の良かった、マグル生まれのジャスティン君に無視されたことに戸惑っていますね。
これからもっと酷くなるで(忠告)。
魔法史の授業でも、ハーマイオニーちゃんがピンズ先生に「秘密の部屋」について問いかけていました……が、どうでもいいわ♂
無言呪文が解禁されれば魔法史の時間も呪文練習に当てられるのですが、まだ熟練度が足りません。大人しく惰眠を貪りましょう。
授業後、ロン君がサラザール・スリザリンへのヘイトスピーチをぶちまけます。
「つまりさ、サラザール・スリザリンって、頭のおかしい変人ってことだろ? 純血主義のあれやこれやだって、スリザリンが言い始めたってことだし。
例え何ガリオン積まれたとしても、スリザリンに入ろうだなんて思えないね。あそこに入るくらいなら、そのまま特急に乗って家に帰った方がマシさ」
は?(蛇寮チャート)
ハーマイオニーちゃんもロン君の意見にウンウンと頷いています。ここは、隣で青い顔をしているハリー君のために、助け舟を出してあげますか。
ちょっと待って!? わたくしは獅子と蛇のハットストールだったってそれ一番言われてるから。
「それでも、君はれっきとしたグリフィンドール生じゃないか。
──ズィラの場合は、その、ほら、わかるだろ? 僕の家とはある意味逆だからスリザリン寄りになるのも仕方ないさ」
ああ……(ハリーのテンション)落ちたねぇ……。
その言い分だとハリー君の場合、両親はグリフィンドールだったため、性根が蛇寮ということになってしまいますね。
最終決戦兵器の成長を阻害したくないのですが……。
「やあ! ハリー!」
おっと、遠くからカメラ小僧が話しかけてきました。
「ねぇ、ハリー、それから隣の……レストレンジさん?」
ん?
「僕のクラスの子が言ってたんだけど、ハリー、君が『スリザリンの継承者』で、レストレンジさんがその右腕って本当?」
ファッ!?
レズちゃんの右腕に悪趣味な刺青は(獅子寮チャートでは)今後とも彫る予定はありません。
しかし、『継承者の右腕』判定されましたか。
「秘密の部屋」イベント開始時、『継承者』認定イベントが発生しますが、プレイヤーキャラクターがハリーたちに同行した場合の判定は、通常ルートとは少々異なります。
具体的には、プレイヤーキャラとハリーのどちらが怪しいか、プレイヤーの風聞によって判定が下るというものです。
正直この段階ではプレイヤーが『継承者』判定されると想定してチャートを作っていたのですが、少々好感度を稼ぎすぎたようです。
ちょっとしたラッキーですね。「決闘クラブ」イベントまで大人しく過ごす予定でしたが、いつも通り振舞っても良さそうです。
少なくとも、好感度が低すぎて生徒による襲撃フラグが立つよりはよっぽどマシです。
夜のバジリスクだけじゃなく昼間の穢れた血にも注意しなきゃとかやってらんないよ〜。
「『秘密の部屋』って、本当にあると思う?」
「『ホグワーツの歴史』には書いていなかったけれど、ダンブルドア先生ですらミセス・ノリスを治療できなかった。先生でもわからないような悼ましい闇の魔術があるなんて、そうそう思えないし──ひょっとすると『部屋』には本当に怪物がいるかもしれないわね」
「秘密の部屋」に関する調査開始です。
現場ひゃっぺんとも言いますし、まずは事件現場の三階の廊下へと訪れました。
そこにはまだ「秘密の部屋は開かれたり」というサインは残されています。
特筆すべきは──ヒェッ(戦慄)。
二桁匹の蜘蛛の群れが、一塊となって走り去っていきました。
推理ピース「蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクがくる前触れ」です。
これらの推理ピースは集めれば集めるほどハーマイオニーちゃんの閃きが促進されます。もちろんプレイヤーが主導しても構わないのですが、その場合ハーマイオニーちゃんの成長が阻害され、巡り巡ってハリー君の成長にも悪影響を及ぼすのでやめておきましょう。
今年までは、沿えるところは積極的に通常ルートに沿っていきます。
次にマートルちゃんの「秘密のトイレ」に訪れました。今の段階では特にやることはありません。サーペンソーティアによる蛇召喚の呪文でハリーの蛇語を誘発させるという小ネタは、RTAではフヨウラ!
最後に夜パートです。
「さぁて、それでは考えてみようか。僕たちが知っている中で、一番『継承者』らしい奴は誰だい?」
「ロン、まさかあなた、マルフォイを疑っているの?」
「あいつら家族ほど、マグル生まれを殺したいって思っている奴らはいないだろう? きっと、何代にもわたって『部屋』の開け方を受け継いできたに違いないよ。それで、とうとう親愛なるドラコ閣下が『部屋』を開いてマグル生まれを襲い始めたってわけさ」
お前の推理ガバガバじゃねぇかよ(辛辣)。
マルフォイ君はいざとなったら芋を引くタイプだと思うんですけど。
「私もそう思うわ。ただ、一番やりそうな奴もマルフォイなのよね。
……うん、本人に直接聞いてみましょうか」
「正気かいハーマイオニー! あいつが僕たちのいうことにヘラヘラ笑って答えるとでも? 『やあ、ウィーズリー。黙っていて悪かったけど、猫を石に変えた犯人は僕なんだ』っていうと思っているのか?」
「おあいにくですけど。私もそこまで馬鹿じゃないわよ。要はマルフォイが話しやすい相手になればいいの」
──そう、ポリジュース薬を使って。
というわけでロックハート君に禁書庫のサインをねだることになりました。
「必要の部屋」でなら必要な本である『最も強力な薬』も簡単に入手できますが、まだ他人にはあの部屋を晒したくありませんのでキャンセルだ。
……別プレイ時に、ハーマイオニーちゃんが「隠しものをしたい部屋」から髪飾りを着けて出てきた時には流石にマンドレイク生えました。無論、その後頃されましたが。
神施設である「必要の部屋」ですが、デストラップが埋め込まれていることは忘れないようにしましょう。
話を戻して。
ロックハート君の授業ですが。
「ああ、そう、このシーンです。雪男が猛然と襲いかかってきた時、私は箒に飛び乗って、『グリセオ 滑れ!』と唱えました。……雪男にではありませんよ? 雪山の斜面にです。
そうすると、ああ、ページめくって、はい! 哀れ雪男は雪崩に巻き込まれて生き埋めになり、私は箒で空を飛んで悠然と帰還した、というわけです。
では、ハリーと……ミス・グレンジャー。このシーンを再現してみてください」
……これは、まともじゃな?(疑心暗鬼)
比較的普通の授業に見えます。
ロックハート君が魔法を使うことは初回以外無いので忘却術特化のペテン師なのは間違いないですが……何がしかのイベントが進行している恐れがあります。早めに特定してリセの恐怖をなくしたいものです。
あっ、そうだ(唐突)。このようなランダムイベントですが、私は章末にリセット判定を行なっています。
具体的には、今後の進行が困難、あるいは不可能になるまでは走りを継続する方針です。
そうでもしないと一生完走できないってそれ一番言われてるから。
最善パターンを引ければ短縮になるでしょうが、そういうのはTASさんの仕事ですので私はやりません(ゴブリン銀の決意)。
というわけで授業も終わったのでサイン貰いに行きましょう。
ロックハートせーんせ、サインちょーだい!
「勿論ですとも! 君達のような優秀な生徒を応援するのは、教師にとって当然です。ハリー、明日のクィディッチですが、私のアドバイスが必要なら──」
ありがとナス!
放課後、マートル部屋。
ポリジュース薬作成会議が始まりました。
「クサカゲロウに満月草はともかく、これらは駄目ね。生徒用の棚には置いてないわ」
判明した足りない素材は、「二角獣の角」と「毒ツルヘビの皮」ですね。
後々これらをスネイプ君の研究室から盗むことになります。
まあそんなことはチャート的にはどうでもよくて、重要なのはむしろ別の品。
どさくさに紛れて、「半純血のプリンス蔵書」を盗みとることです。
これに失敗した場合、三年生以降のチャートが完全崩壊してしまいます。リセットは避けられません。……今走に限ってのみ、一応のリカバリー案もありますが、それでもリセット濃厚です。
絶対に盗み取りましょう。
次の日、ハリーのクィディッチ戦です。
はぇ〜、すっごい速い(箒適性無し)。
ブラッジャー君がハリーを熱烈ストーキングしていますが、レズちゃんでは全く判断がつきませんね……。チャートにはありませんが、万一空戦になった時には注意しておきましょう。
無事? ハリーがスニッチキャッチとともにブラッジャーに撃ち落とされました。痛そう。
ピッチに降りて助けに行きましょうか。
「ブラキアム・エンメンドー 骨よ、治れ!」
遅かったようです。
ロックハート君の
フリットウィック先生とフーチ先生に怒られているロックハート君は無視して、ハリーを医務室にぶち込みましょうか。
骨抜きになった(物理)ハリーに骨抜きになった(比喩)カメラ小僧、コリン君がハリーの写真を撮ろうとカメラを向けてきました。
ハリーは止めるよう懇願しますが、大丈夫だって安心しろよ〜。
特にガバがなければコリン君は今夜、バジリスクくんに石化されます。
翌日。
予定通り、昨晩ハリーをお見舞いに行ったコリン君は、バジリスクに石化されたようです。
こんな非道、許すわけにはいきませんわね!(すっとぼけ)
というわけで、義憤に駆られたロン君達とマートルの部屋でポリジュース薬を製作していると、治療を終えたハリー君がやってきました。
早い、早くない?
骨を生やすのが一晩で済むなら、仮に魔法生物に怪我を負わされたとしても、一週間もあれば余裕で治りそうですね。なぁ、マルフォイ、お前もそう思うよな?(牽制)
ハリー君が昨晩ドビーがやってきて、今までのハリー関連の事件の下手人はドビーであると暴露した、と話してくれました。
そう……。
ドビー君は有能ですが、いなくても困らないポジションですので、必須キャラと比べるとどうしてもモチベーションが落ちますね。屋敷しもべ妖精特有の高好感度のおかげで好感度稼ぎを行わなくてもいい、というのもありますが。
加速して四日後、木曜日、魔法薬学の時間。
いよいよポリジュース薬素材窃盗のお時間です(大嘘)。
ハーマイオニーちゃんが素材を盗む間に、透明マント(偽)を使って本を盗んでしまいましょう。もちろん、三人にも本を盗んだことはバレないように、サポートに徹するという体で進めますが。
ハリー君が膨れ薬の大鍋に花火を投げ込んだところで……行くぞオラァ♂
研究室に突入してスネイプ君の本棚に……ありました! 「魔法薬調合法」と「上級魔法薬」の本です!
ここで本チャート独自要素をお見せしましょう!
「ジェミニオ、フィニート、レデュシオ!」
はい!
二冊の教科書の複製品を、縮小化して持ち運ぶことに成功しました!
当然ですが、オリジナルの本を盗んだ場合、スネイプ君にバレます。その時の彼の警戒具合は、魔法薬の材料を盗んだ時の比ではありません。記されている内容から考えても、確実にダンブルドア案件となってしまうことでしょう。
また、「双子の呪文」についてですが、これによって複製されるものは、特殊効果を持たない劣化品になるという特徴があります。例えば「賢者の石」を複製しても、ガラクタになるというわけですね。
ですが、「怪物的な怪物の本」、「透明術の透明本」のようなものではない普通の本、つまりは紙に、何か特殊効果があるのでしょうか? ないです(至言)。
と、有用な「双子の呪文」ですが、デメリットとして触れると問答無用で分裂するという特性があります。
だから、終了魔法・フィニートの熟練度を稼いでおく必要があったんですね(メガトン構文)。
というわけで逃走しましょう!
スネイプ君は、ポッター一味が魔法薬の素材を盗み出したということが隠れ蓑、あるいは透明マントとなって、彼の書籍の中身が掏り取られたことには気がつきません。
疑わしきは罰せずじゃよ、セブルス、ってダンブルドアも言ってるから(不死鳥の御旗)。
やったぜ(完全犯罪)、成し遂げたぜ(チャート続行)。
気分がいいので今回はここまで!
ご笑読ありがとうございました。
「双子の呪文」に関して、若干の独自解釈が含まれます。ご了承ください。
追記・教科書に対する「双子の呪文」について
本作では、書籍に対しコピーガード的な魔法は掛かっていないということでよろしくお願いします。
原作における「双子の呪文」情報が乏しいので正確なことはなんとも言えませんが、作者の朧げな認識を提示いたします。
・カップを劣化版とは言え分裂できたことから魔法族の分裂対策は低い?
・なんかイギリス魔法界はマクーザよりも著作権法とか雑そう、雑そうじゃない?(偏見)
一番の理由は、ここで盗まないとプロットが壊れるのに、そのまま盗んだら作者の頭の中のスネイプ先生が怒り出したからです。