ハリー・ポッターRTA ヴォルデモート復活チャート 作:純血一族覚書
ハリー・ポッtアッーと秘密の部屋(トイレ直通)。
──やらないか(ネットミームの旧約聖書)。
前回、ダンブルドアとハグリッドの追放を確認したところで終わりました。今回は二頭の獣を相手取り、一つ目の分霊箱を破壊するという盛りだくさんの内容となっております。スタイリッシュに決めろ♂
今は夏。
ダンブルドアがいなくなったことにより、ホグワーツ中に恐怖が伝染してしまいました。
常に団体行動を強要され、自由に行動することもままなりません。レズちゃんの持っていた透明マント(偽)の効果もとうの昔に切れているため、抜け出すことも不可能です。
「ダンブルドアがいなくなってせいせいしたよ。このまま『穢れた血』の連中も居なくなってくれればいいんだけどねぇ。そうは思いません? スネイプ先生」
「これこれ、マルフォイ」
今のホグワーツで心の底から楽しそうにしているのはマルフォイ君くらいです。
魔法薬学の授業中にも、彼は大声でそう吹聴します。
マルフォイ君の言葉に薄笑いを浮かべて返すスネイプ君ですが、はたしてその内心やいかに。
騎士団員であることを隠すために『穢れた血』の罵倒に参加するとか誇らしくないの?(賞賛)
次の授業、薬草学にて。
石化したジャスティン君と仲のいい友達であったアーニー・マクミラン君が謝りに来ました。どうでもいいわ♂
風聞が改善した以外の意味を持たない謝罪報告です。適当に受け取っておきましょう。
それよりも大切なのは
「──見て、二人とも。蜘蛛だ」
禁じられた森へ向かう蜘蛛を発見したことです。
夜になりました。
ハリーの透明マント(真)で身を潜めながら、ハリー、ロンと三人で禁じられた森へ向かいましょう。
いよいよ本年度の「ハグリッドのアニマルクエスト」が開始されます。
今回調教する動物は──アクロマンチュラ!
ハンサムな鋏と均整のとれた群れの隊列。
まだ
実際問題、アクロマンチュラの群れに勝つことは、今のレズちゃんたちでは絶望的です。百歩譲って群の主であるアラゴグ単独であれば勝機もありますが、彼の子供達がうじゃうじゃいる森の中では多勢に無勢。戦うのは無謀に過ぎます。
道中ハグリッドの小屋で彼の飼い犬であるファング君を回収して、禁じられた森にイクゾー! デッデッデデデデ。
鬱蒼とした夜の森。中は沈黙の霧に包まれています。
「ルーモス 光よ!」
ロン君の杖は折れているため、レズちゃんとハリーの杖灯りに頼って進む禁じられた森探検隊。我々は疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは……。
というわけで(意味不明)、かつてウィーズリー家の所有であり、現在では野生化してしまったフォード・アングリア君とエンカウントしました。
彼は貴重な味方兼逃走手段です。可愛がってあげましょう。
一歩。二歩。
森の中を進んでいると──なんだお前!?
気がつくと、既に周囲はアクロマンチュラの群れに包囲されていました。
三人に勝てるわけないだろ!(魔法使い)
馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!(数の暴力)
哀れ三人組プラス一匹は逆さ吊り虫責めにされながら、森の奥へと運ばれていきます。
奥には、脚の長さだけで4メートルを超えるようなクソデカ蜘蛛君がいました。
彼こそがハグリッドが製造したテロモンスターの一匹、アラゴグ君です。仲良くしてあげましょう。
「──餌か? 殺せ」
蜘蛛さんやめちくり〜(懇願)。
ハリーがアラゴグと交渉を行っていますが、無駄です。彼らは同族喰らいをするせいか、餌か否かの判断が希薄です。
彼らアクロマンチュラの一族は、アラゴグ君が命令する限りハグリッドだけには手を出さず、アラゴグ君が死んだ後はハグリッドすら餌にしようとする生物です。頭トロールかな?
なので、彼らと話すのは基本的に無意味なのですが。
ここで「秘密の部屋の怪物」についての推理ピースが頂けるため立ち寄った次第です。
ピースは「アクロマンチュラは怪物ではない」、「怪物はトイレで少女を札害した」、「アクロマンチュラは怪物を恐れる」の三つです。
二つ目の情報は「嘆きのマートル」、ひいては「秘密の部屋」の場所情報に結びつくため、ここに来る必要があったんですね。
さて、情報もあらかたいただいたので。
「あのう。それじゃあ僕たちはこれで──」
今宵はここまでにして帰りとうございます。
当然、帰して貰えるわけがなぁい! とばかりにアラゴグ君たちが襲いかかってきますが、なんの問題ですか? なんの問題もないね♂
蜘蛛の群れを突っ切って飛び出したるは、けたたましいエンジン音と科学の光。
「早く車に乗って!」
黒塗りの高級車が助けに来てくれました。
というわけで本章初の本格的♂戦闘。
イベント戦・「禁じられた森のカーチェイス」です。じゃオラオラ来いよオラァ!(おじさんインストール)
この戦闘では、黒塗りの高級車の車体を蜘蛛の群れから守りきれば勝利となります。
彼らは例によって魔法生物特有の装甲を持っているため、倒しきることは極めて困難です。
反面、速度は圧倒的にこちらの方が超スピード!? なので方針は──
「ヴェンタス 風よ! レラシオ 離せ! ──セクタムセンプラ 切り裂け!」
──近づかせない、組み付かせない、速やかに切り離す、の三点!
これさえ守っていればこのイベント戦は余裕です。
文明の利器だから安心!(マグル贔屓)
これといって特筆すべき事もなく、戦闘終了です。お疲れ様でした。
やっぱりイベント戦は楽でいいですね(無敗)。
この後戦うもう一匹は流石にそうはいかないので気を引き締めましょう。
数日後。
マンドラゴラの収穫準備が整ったことが発表されました。
やったぜ(安堵)。
ランダムイベントのなかでもいっとう最悪なものには、「日記帳ジニーがマンドラゴラを焼き払う」と言うものがあるのですが、流石にそうはなりませんでしたね。
あまりにも低確率なのでチャート上考慮に入れてはいませんが、最大限の安定を求めるならば頭の片隅に入れておきましょう。
時間が流れて。
いよいよ最終日。「秘密の部屋」に特攻する日が訪れました。
泣いても笑ってもグランドクエスト「秘密の部屋」のオーラスです。尻の穴を引き締めていきましょう。
現在のホグワーツでは、団体行動が強制されています。その為、「嘆きのマートル」に会いに行くのは少し難しいです。
なので、通常プレイ通り、ロックハート君の引率から抜け出しましょう。
せんせー、引率はここまででいいと思いまーす!
……ランダムイベで抜け出せないとか無いよね?
「そうですか? うぅむ……。ええ、いいでしょう。私も授業の準備・確認がありますので。気をつけて『魔法史』に向かってくださいね?」
ぺっ、甘ちゃんが!(安堵)
早速トイレに向かおうとしますが──
「そこの三人! 何をしているのです!」
マクゴナガル先生に捕まってしまいます。既定路線です。
ここで交渉を行うことにより、ハーマイオニーちゃんのお見舞いに行くことができます。
医務室に着きました。
石化マイオニーちゃんの手の中から、本の切れ端(メモ付き)を入手しましょう。
これには「バジリスクの習性」と「バジリスクの移動手段」という特級の推理ピースが記されています。
極まった叡智、誇らしく無いの?(畏敬)
お前の犠牲は無駄にはしない……。
これによりすべての推理ピースが揃いました。
「秘密の部屋の怪物はバジリスク」、「秘密の部屋の入り口は嘆きのマートルのトイレの中」。
後は部屋に乗り込むだけです!
……と言いたいところさんですが。
拡声魔法によって、マクゴナガルがイベントの発生を知らせてきました。
先生たちの話し合いを聞いて判明することは、そうです。
「ジニー・ウィーズリー誘拐イベント」です。
あ〜よかった〜(外道)。
何らかの要因により、ここで違う人間が誘拐された場合、突発的な運ゲーが始まります。
ジニーちゃんというチャート通りのルートであったのは安心ですね。
「──大変失礼しました。授業の準備に手間取っておりまして……」
ロックハート君オッスオッス!
ロックハートの姿を見たフリットウィック先生が、キーキー声で彼に話しだしました。
「ああ、ギルデロイ。生徒がついに『秘密の部屋』に攫われてしまいました。君はどうしますか?」
「──────────。
よ、よろしい。では私が行きましょう! 部屋で準備をしてきます!」
「──そうですか。気をつけて!」
……?
この二人の間で、何らかのイベントが発生していたのですかね?
お前、ホモか?(ガバ認定)
夕方になりました。
「秘密の部屋」に突入します。
と、その前に。
ハリーの提案によって、坑道のカナリヤとしてロックハート君を回収して行くことになります。
──正直ランダムイベントが発生しているロックハート君を使いたくは無いのですが、今回彼は比較的まともな授業を行なっていました。
ピクシー事件や骨抜き事件といったミスを犯していますが、まだまだ彼の風聞は「数々の冒険を成し遂げた魔法使い」のままです。
そんな彼を退けるだけの対案を、レズちゃんには出すことができません。
断腸の思いでいきましょう。
立ち位置さえ間違えなければロン君の杖と共に犠牲になってくれますし。
ロックハート君の部屋につきました。
……本来ならばすでに部屋は片付いている筈なのですが、いまだに荷物が散乱しています。
ランダムイベの要因が掴めないというのは、辛いのう、サム……(レ)。
「秘密の部屋」の場所がわかっているから付いてきてくれ、とのオーダーにロックハートは、しどろもどろになりながら答えます。
「うー、あー、その……。『秘密の部屋』、そう『秘密の部屋』だが……場所がわかっているといってもなにぶん──」
あくしろよ。
「────────────。
──いいでしょう! このギルデロイ・ロックハートが、万事解決いたしましょう!」
ファッ!? クゥーン(絶望)。
予想もつかないほどにランダムイベントが捻じ曲がっている可能性があります!
「ロックハート君に発生しているイベントがフリットウィック関連のものである」というのが第一感なのですが、それ以外の可能性も捨てきれません。
まかり間違って「ロックハートの中身が別人、服従済、分霊の支配下」などであった場合、詰みが確定してしまいます!
……なので正直ここで失神させたい!
でもあまりにも不自然すぎる!
この状況でロックハートを無力化して、彼が白だった場合、リセット級のガバとなりかねません!
まだ舞える、まだ舞えますぞ……。
ロックハート君が白ならヨシ!
ロックハート君が黒でも最速で無力化すればヨシ! ロン君の杖の犠牲まで可!
偉大なる始祖に祈祷するのです!
マートルのトイレにつきました。
彼女との問答の末、「部屋」の入り口を割り出すことに成功します。
手洗い場の銅の蛇口。蛇の刻印がなされたそれが目印です。
「──────」
ハリーのシューシューという音とともに手洗い場が沈み込み、入り口が出現しました。
というわけでこの魔法使い四人パーティでラスダンにイクゾー! デッデッデデデデ、カーン、デデデデ!
中は非常に暗いです。ルーモス 光よ!
杖が死んでるロン君を除いて、レズちゃんとハリー、それからロックハートが杖で照らしても、数歩先は闇となっています。
順番はハリー、ロックハート、ロン、レズちゃんの順です。
ロックハートの背中にいつでも失神を飛ばせるように警戒して進みましょう。
なんということでしょう!
バジリスクの抜け殻を越えて、最深部までたどり着いてしまいました!
……本格的にロックハート君を撃ちたくなっています。ただ、証拠もなしに撃っては逆にこちらが破滅しかねません。
心臓に悪いので冗談はよしてくれ……。
「ジニー!」
倒れ伏すジニーの元に、ハリーとロンが駆け出していきます。
「残念だが」
ん?
「その子はもう目覚めない」
声の主は──黒髪の少年、リドル君です。
第一の獲物確認!
彼がハリーと仲良く話をしているうちに、フィールドを把握します。
『日記帳』──ジニー、もといロン君の近くにあります。
ロックハート──怯えている? 開心して確かめられないのが不安です。
バジリスク──いまだなし! 蛇特有の音も聞こえない!
トム・リドル──杖を握っている? これは彼も戦闘に加わる可能性が出てきました。
「だけど、君は当時はまだ学生だ! ここにはロックハート先生だっている!」
「──くっく、ハリー・ポッター。君は騙されていることにも気がつかなかったらしい!」
──許してくださいお願いします、なんでもしますから!
「ロックハート。彼はとんでもない無能だ。ホグワーツには到底ふさわしくないほどに。
授業の前、彼が何をしているか知っているかい?
──フリットウィックに教えるよう指示された呪文を、ひたすら練習しているのさ」
ありがとナス!
ロックハート君がチャート通り無能でよかったーって。
これでもう、彼に警戒する必要がなくなりました。
やったぜ!(悟空)
ダンブルドアの不死鳥・フォークスが「組分け帽子」を運んできたところで、いよいよ本章ラストバトルの開幕です!
「ハリー! 理解する時がきた。
四人の創始者の中で、真に最強の者が誰だったというのかを──君自身の命で!」
グランドクエスト「秘密の部屋」。
クエストボス「分霊箱:トム・リドルの日記帳」。
──じゃオラオラ来いよオラァ!(おじさんインストール)
戦闘開始とともに、彼はバジリスクを召喚してきます。
バジリスクのヘイトはハリー一択なのですが、問題なのは死の邪眼です。
文字通りバジリスクと目があっただけで確定即死! 間に何かを介していたとしても強制石化!
正確に言えば、バジリスクの邪眼は魔法的な攻撃ですので、互いの視線が通った段階で即発動します。
例えば閃光魔法を使うことにより一瞬邪眼を潰すことができます。しかしそれで稼げる時間は一秒以下! 視力が完全回復せずとも、目を開けているということがトリガーとなって即死攻撃が成立します。
こんなんじゃ勝負になんないよ〜。
なので、イベントが進行してフォークスがバジリスクの目を潰すまで、目をつぶって大人しくしておきましょう。
幸い、トム君はハリーにご執心であるため、こちらから手を出さなければ何もしてきません。
辛い数十秒間。
バジリスクが暴れ回る音と、蛇語だけが部屋の中を支配していましたが。
不死鳥の歌が辺りに響き渡りました。
バジリスクの目が潰れた合図です。
行くぞオラァ♂
「マフリアート 耳塞ぎ!」
まずは聴覚、蛇語を潰す!
プリンス本掲載呪文・マフリアート!
バジリスクの魔法装甲に弾かれて完全な効果は発揮できませんが、僅かながらでも聴覚を潰せます。トム君を介した蛇語による索敵を封じれば、頼れるのは貧弱な嗅覚程度。
ハリーの安全は格段に増すことでしょう!
「──黙って見ていればいいものを、小娘」
盲目のバジリスクの暴走、つまりは乱数行動でハリーが死ぬのは嫌じゃ!
「手慰みだ。相手をしよう」
トム・リドル戦ですが……注意すべきは、ただ一つ。開心術です。
トム君は闇の魔法使い特有の舐めプを行ってくるため、開幕死の呪文、とかいうクソゲーはありません。
ですが、根は臆病である彼は、常にこちらに対し開心術を仕掛けてきます。
ここで始末する以上多少読まれても問題ありませんが、深層まで読まれると速札対象に認定されます。
なので、基本は目を合わせないで専守防衛。こちらの攻撃は当たりこそすれ分霊の彼にダメージはありません。
一応、とある魔法を用いれば「日記帳」を破壊できますが、その代償にこの場の全員が焼死してしまいます。
やはりプロテゴこそ戦いの華よ(ナナカマドの杖)。
頼れる仲間は……
ロン、いらん! 杖のない役立たずはジニーを守っとけ!
ロックハート、どうでもいいわ♂ 精神値を守るために死ぬなら見えないところで死んで、どうぞ。
というわけでハリーがバジリスクを倒すまで。
二刀流の手数に任せて時間を稼ぎ尽くします。
こいついつも耐久戦ばっかりしてるな(呆れ)。
盾、強化盾、盾、盾。
盾が間に合わない──自己浮上、身体自由。
強化盾、盾。
蛇語カット──耳塞ぎ。
盾。
ハリーの足場確保──修復。
強化盾──
すみませ〜ん。ズィラ・レストレンジですけど〜。ま〜だ時間かかりそうですかね〜?
っと。
そろそろ終幕です。
グリフィンドールの剣を高々と掲げたハリーを、バジリスクが上から嚙み頃そうとしています。
このまま獅子剣装備のハリーとバジリスクが刺し違えて、ハリーを不死鳥が蘇生して完全勝利という流れです。
これは完璧なチャートだぁ……(恍惚)。
「──あっ」
って足場が崩れてハリーの体勢が──
「────────────!」
男の声が、「秘密の部屋」中に反響した。
桜の杖より飛来する閃光。
魔法を受けた毒蛇の王は──極めて不自然に──硬直する。
それは、バジリスクと刺し違えようとし、不運によって体勢を崩し出遅れたハリーを間一髪救うこととなった。
煌めく銀閃。蛇の喉奥を狙って突き出された白銀の剣。
グリフィンドールの遺産は動きを止めたバジリスクの牙を折り、そのまま蛇の口内から頭蓋にかけて貫く。
時が止まったかのように、「秘密の部屋」の音が消えた。
一瞬のち、ハリーは両手いっぱいに力を込めて剣を引き抜いた。
と、同時。
支えを失い、力を失ったバジリスクは横ざまに倒れ臥す。ピクピクと痙攣するそれからは、こんこんと命が抜け出るばかり。
──死ぬのだ。バジリスクは、「秘密の部屋の怪物」は。
スリザリンの蛇は、一千年前に別たれた己が主人の元へ、これより旅立つのだ。
ハリーは自身が──闇の生物とはいえ──一匹の命を奪ったことを強く自覚した。
思わず彼は右手に握られたグリフィンドールの剣を仰ぎ見る。
獅子の剣には、バジリスクの牙から漏れた致死の毒液が──毒蛇の王が残した命の残滓が絡み付いていた。
少年にとってそれは、ひどく重かった。
「お見事、お見事」
ハリーの意思を引き戻したのは、そのような揶揄い声と、パチパチと言う拍手の音だった。
「流石は有名なハリー・ポッター。創始者の遺産を使ったとはいえ、まさかバジリスクを倒してしまうとは!」
声の主、
彼の手にはイチイの杖──ジニーの持ち物であったそれが握られていた。
「バジリスクが死んでしまったのは、残念だが、これはこれで都合がいい。
さあ、ハリー。決闘だ。『闇の帝王』と『生き残った男の子』。どちらがより特別か、決めようじゃないか」
瞬間。
ハリーは己が保有する手札から、最も信頼できるカードを抜き放つ。
「エクスペリ──」
「遅い」
だが、それは「闇の帝王」の前では欠伸が出るほどにのろまな魔法であった。
武装解除。ハリーが唱えようとしたそれとちょうど同じ魔法によって、ハリーの持つヒイラギの杖は奪われてしまった。
有言呪文と無言呪文。
魔法使いの卵である少年にとって、その差は重くのしかかった。
分霊は、奪った杖をしげしげと眺めてひとりごちる。
「なるほど、なるほど。どうやら君の母親の護りはあくまで君の身体を直接にしか護ってくれないらしい。
──さあ、決闘を続けよう。ハリー、君の手にはまだ剣がある。『穢れた血』の母親にふさわしい、マグルの武器だ」
ハリーの手にはグリフィンドールの剣が握られている。
それはバジリスクの息の根を止めるほどの名剣であったが、さりとて魔法使いにいかほどの効力を持つのか。
それでも、ハリーは剣をしかと握って構える。
魔法の杖という「特別」を奪い、手中に収めたリドルは、その様子を見てくつくつと笑った。
「冗談のつもりだったんだが……本気かい、ハリー? 君が僕に斬りかかる前に、僕は十回は君に呪文を撃てるぞ。何も直接君を傷つける魔法だけじゃない、間に何かを挟んでもいい、魔法から独立した現象を用いてもいい。
衝撃、襲撃、爆発! 変身、水流、火炎!
僕は君の護りを越える魔法をごまんと知っている。
──それともまさか、君は本気で『闇の帝王』を倒せると思い込んでいるのか?」
嘲笑を浮かべるヴォルデモートに、ハリーは静かに答えた。
「いや、僕一人なら、ちがう」
「だろうな! さあ、ハリー。君も恋しい『穢れた血』の元へ旅立つ時が来たようだ。安心するといい。君のお友達もすぐに後を追わせてあげるよ!」
絶望を見せつけるように。
分霊は敢えて無言ではなく、有言でもって、何がしかの呪文を唱え始める。
一秒先の死。
それでも、ハリーは信じていた。
「だけど──」
「ラングロック 舌縛り!」
「ハリー、これを! 日記帳を斬って!」
「──僕たちなら、その通りだ」
──彼の友達を。
少女の放った呪文が、亡霊の舌を搦めとり、その詠唱を僅かばかり遅らせる。
赤毛の少年が、近くに落ちた日記帳をハリーの近くに放り投げて──
「待て──」
──放たれる剣撃。
グリフィンドールとスリザリン。
反目し、協調しあった偉大なる創始者達。二人が残した遺産の力は、ひとりの魔法使いの妄執・残響を断ち切った。
悲鳴をあげて消えゆく
彼の姿を見ながら、ハリーは呟いた。
「僕は一人で戦っていたつもりはない。これからもない」
──トム、君とは違って。
RTAパートで小説描写を使うとは一門の恥さらしめ!
……すみません。