ハリー・ポッターRTA ヴォルデモート復活チャート 作:純血一族覚書
一部独自要素と改変要素が含まれます。
壊れちゃった……わたくしの蛇獅子スライドチャート……なRTA、もう始まってる!
前回は「アズカバンの囚人」編に向けての準備回でした。今回から本格的に三年生編にハッテン♂ していきます。
さて、現在は夏休み最後の日です。この日に買い物に向かうことでいつもの三人組とエンカウントすることができます。せっかくなので学用品の購入がてら向かいましょうか。
買い物にはいつもの闇祓いの兄ちゃん、ガウェイン君に連れ立ってもらいます。凶悪犯罪者のシリウス・ブラックが徘徊しているからね、しょうがないね。
今回の買い物は、魔法省にハリー・ポッターとの仲の良さをアピールする意味もあります。というのも必要以上に警戒されていた場合、今年度のあれこれに悪影響が及ぶからですね。
昨年度のバジリスク討伐参戦により、闇祓い陣営からの好感度は上がっていると考えられます。しかし、上位権限を持っているファッジ君の懐柔が済んでいません。
彼は一言でいえば俗物なのですが、自分の権力を守る場合にのみ類まれなる才覚を発揮します。マルフォイ家などの名家と違い、レストレンジ家は当主夫婦が投獄された最悪の家系です。何もしなければ、シリウス・ブラックの縁者である以上、嬉々としてレストレンジ家に見張りを立てることでしょう。
仮にレズちゃんが留守にしている間のレストレンジ家への監視が、鼠一匹逃がさないレベルの厳戒態勢なんてことになっていた場合、難易度がリセット級まで上昇します。最悪でもカーン君が自由に動ける程度のガバガバ監視になるように努めて振舞いましょう。
実際にはそこまで難しくはありません。直接・間接問わずファッジ君にハリーとの関係をほのめかすだけでいいのです。それだけで彼は勝手に金卵を産む鶏の友人と思ってくれます。ぺっ、頭甘ちゃんが!
というわけでガウェイン君買い物に連れてって? ……ありがとナス!
レストレンジの娘が外出するという届出をガウェイン君に出してもらいました。投獄された死喰い人の遺児だと、三年生時と公的なお辞儀様復活後は行動に一部制限がかかります。面倒なデメリットではありますが、リターンが非常にうま
ガウェイン君の腕につかまって、「付き添い姿くらまし」でダイアゴン横丁に移動します。ついでにここで「姿くらまし」を同伴付きとはいえ経験したことで、「姿くらまし」魔法に対して微量の熟練度が稼げます。まさしく一石二鳥! これは完璧なチャートだぁ(恍惚)。
……もっとも、「姿くらまし」を本格的♂修得する予定はないのですが、備えあれば憂いなし。稼げる経験値は稼いどけってそれ一番言われてるから。
ダイアゴン横丁へ着きました。
まずはフローリッシュ・アンド・ブロッツ書店へ向かいましょう。
「ズィラ! ズィラ!」
そうすれば、高確率で赤毛同盟と遭遇することができます。
今回は無事ロン君とハーマイオニーちゃんに会うことができました。ここで逃してもいずれ出会うことになるでしょうが、予期せぬガバが発生していないことが確認できて一安心です。
特にロン君。ときおり猟犬の恐怖に耐えかねて、鼠のスキャバーズが逃げ出す場合があります。鼠が浮浪者のおっさんになってしまった場合、最悪来年度にお辞儀様が復活しないなんてことにもつながりかねません。頃すために生き返らせる、生き返らせるために介護するなんてあ ほ く さ。やってらんねぇぜ(本音)。
分霊箱、霊体、予言、壊れステータス、エトセトラエトセトラ……。お辞儀様を護る障壁多すぎィ! こんなんじゃわたくしのタイム壊れちまうよ……(ゆうさく)
話をもどして。
久しぶりに会った二人は、昨年度学期末と比べてずいぶん日焼けしていました。ロン君はエジプトに、ハーマイオニーちゃんはフランスに旅行に向かっていたみたいですね。さぞかし充実した夏休みだったようです。よかったね(純真)。
レズちゃんも「服従の呪文」習得のために充実した夏休みを送っていました。ひたすらに虫けらを服従させて熟練度を稼いだため、ある程度であれば人間にも通用するレベルにはなったと考えられます。とはいえ、人間爆弾にするにはさすがに足りません。今後も練習を積み重ねましょう。具体的には本年度のハロウィーン、あるいは獅子寮と鷲寮のクィディッチの試合までには積み重ねておきたいです。
今年は一日が三十時間あるからヘーキヘーキ、ヘーキだから(ガバ予測)。
というわけで三人で買い物です。
ガウェイン君とアーサー氏が大人のお話をしている間に本屋の中に入りましょう。
「まさか三人も! あの噛みつき本を!?」
すぐさま駆け寄ってきた店員の兄ちゃんが絶望的な顔を向けてきますが、大丈夫だって安心しろよ~。
レズちゃんは6月の誕生祝いに、親愛なるハグリッド氏より先だって「怪物的な怪物の本」を頂いております。
包装紙を開けた途端噛みついてくるなんて、おう活きがいいな~。
……持ち運びに大変不便なので何らかの手段を施す必要がありました。つっかえ! やめたら飼育学教授!
紐でぐるぐる巻きにするという手法、表紙を撫でつけるというハグリッド法の二種類が一般的ですが、前者は根本的な解決にはならず、後者は怪我をするというリスクが存在します。
なので、今回は攻略勢のO氏考案の手法を用いさせていただきました。
方法は極めて簡単!
まずは、「怪物的な怪物の本」に「双子の呪文」を唱えます。
……終わり! 閉廷! 以上みんな解散! 「怪物的な怪物の本」、君もう帰っていいよ!
この方法はまさしく目からオカミーエッグの殻でした。
本チャートを構築時、情報収集のために攻略Wikiを流し見していたところ、『「双子の呪文」による魔法効果喪失の悪用』という小ネタを発見いたしました。
もともとプリンス本入手のために二年生で「双子の呪文」を覚えることは既定路線であったため、無理なくチャートを拡張することができたわけですね。コピーガードが施されていないなんてなんだよ魔法界の本ガバガバじゃねぇかよ(風評被害)。
こんな素敵な小技を考え付くなんてO氏ありがと~! フラーッシュ!
そんなこんなで現在レズちゃんは「怪物的でない怪物の本」を所有しています。残りの本を全教科分買い揃えましょうか。
「中級変身術」、「三年生用の基本呪文集」、「未来の霧を晴らす」、「数秘学と文法学」エトセトラエトセトラ……。さすがに多いですね。小物店で「検知不可能拡大呪文」付きのバッグを買うまで、おつきのガウェイン君に持たせましょう。オナシャス! センセンシャル!
本屋での買い物が終わりました。
次は重い荷物を処分するために内容量クソデカバッグを買いにいきます。
少々お高めですがガウェイン君なら払えるよなあ?(他力本願)護衛兼監視兼荷物持ち兼財布役としてしゃぶりつくしてやるぜ(女性特権)。
せっかくなのでハーマイオニーちゃんも誘ってお揃いにしましょう。お互い全教科履修組です。買い物かごに咥えて差し上げろ。
……闇祓いの前で学友とお揃いのバッグを買いました。客観的にも必要性が認められるため、至極妥当な買い物です。これにより、今後レズちゃんがこのバッグを持ち歩いても何ら不自然ではありません。より大きな善のために括約させましょう。
その後は薬問屋で魔法薬学の材料を補充して、「マダム・マルキンの洋装店」で制服のローブを仕立て直してもらいました。睡眠不足が祟ったのか、体格は平均より小さめですね。的が小さくて何よりです。魔法の当たる表面積は小さいほうが対人戦は有利です。
最後にロン君の杖を買いにオリバンダーの杖屋に行って午前中の買い物は終わりです。
オリバンダー老の鑑定の末、ロン君の杖は柳の木、ユニコーンの毛を用いた三十三センチの杖に決まりました。伸びしろのある魔法使いに向いている杖、正確な判断ですね。
「おや、レストレンジさん――」
ん?
「――杖の調子はいかがですかな?」
まぁ人並みでしょうね(適当)。
ふむ。ひょっとすると、「闇の魔術」による杖の悶絶調教を見透かされているかもしれません。忠誠心はともかく、現在の杖適性が変わっている可能性があります。
……まあいいや!(ガバ判断)補充するのにもリスクが伴いますし、杖が折れたらまた買い替えに来ましょう。
というわけでじゃあな!(ゆうさく)
買い物もあらかた終わりました。一休みがてらフローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーに向かうと――
「やっと会えた!」
――はい。ハリー君との合流です。予定通りマージおばさんを風船の刑に処してきたようですね。彼は現在ファッジ君の好意で「漏れ鍋」に泊まっているようです。後で店主のトム君に顔を見せておきます。これによりファッジ君に印象付けることが可能です。
アイスを食べながら夏休みの思い出(大嘘)を語り合った後、ハーマイオニーちゃんの要望により魔法動物ペットショップに向かうこととなります。
ここで、本年度の重要人物? であるスキャバーズ君とクルックシャンクス君が初邂逅を果たします。
「コラッ! クルックシャンクスやめなさい!」
発見と同時、猫兄貴が鼠君に爪牙を振るいました。クルックシャンクス君は猫とニーズルのミックスであり、普通の猫と比べて著しく知能が発達しています。また、人並びに動物もどきを信頼に値する存在かどうか見抜く能力を持っています。だから欺瞞だらけのワームテールは襲われたわけですね。
とはいえ、ピーター君にはお辞儀様を復活させるという大事な仕事が残っています。こんなところで猫のおやつになってしまってはやってらんねぇぜ。
これから先、クルックシャンクスがスキャバーズをもぐもぐしないように、それとなく両者を見張る必要があります。注意しましょう。わかったな、毛玉君!
――痛ってぇ、おい! 噛みやがったな!
赤毛猫に噛まれて気分が悪いので、「漏れ鍋」にさっさと向かいましょう。ハーマイオニーちゃんが謝ってきますが、何でもするわけではなさそうなので傷口が治るまで許しません。
「エピスキー 癒えよ!」
まま、ええわ。今回は許したる(即堕)。
「漏れ鍋」でパーシー君に噛み傷を治してもらいました。彼はつい先日成人したため、大手を振って魔法を使うことができます。本RTAではレズちゃんが成人の日を迎えることはないため、非常にうらやましいですね。
一緒に夕食をとった後ガウェイン君とともにレストレンジ邸に帰還しました。ガウェイン君お疲れ~、また明日!
……彼が帰った後、ホグワーツに行く準備をします。ここで行う特別なことは、収縮呪文で小さくしたとあるアイテムを忘れずに内容量クソデカバッグの中に入れることです(再掲)。円滑な分霊箱爆砕のためには必須級なので忘れないようにしましょう(無敗)。
翌日。登校日です。ガウェイン君に連れられて「付き添い姿くらまし」しましょう。
じゃあ、カーン君またな!
「行ってらっしゃいませ、ズィラお嬢様!」
着きました。ただ少し早く着きすぎましたね。まだ三十分も前です。
ハリーご一行もまだ来ていません。しかたないので席でも取っておきましょうか。
ガウェイン君同行ありがとナス! 本業も頑張ってね!(大嘘)
あっそうだ(唐突)。ホグズミード行きの許可証へのサインオナシャス! センセンシャル!
保護者が二人ともassガバガバの囚人であるため、レズちゃんの現在の保護者は暫定的にガウェイン君となっております。別に行きたくもありませんが不自然な行動をとると疑念を生んでしまうため、ここはもらっておきましょう。
サインをもらった後、改めて別れて車内に乗り込みます。
座席は最後尾の席に座ります。ルーピン先生と円滑に出会うためですね。
さすがにまだ誰もいないので、ハリーたちのためにコンパートメントを一つ独り占めしておきましょう。
……。
…………。
………………。
「ズィラ、おはよう」
……? ハリーたちが先に来てしまいました。レズちゃんがすでに陣取っていたため、人狼先生が遠慮したのでしょうか。仕方ないね♂
そうこうしているうちにホグワーツ特急が発進しました。今回の登校時にはいくつかのイベントが起こります。
一つ目はホグズミード談義……どうでもいいわ♂ 加速だ加速!
二つ目はマルフォイ君のご訪問。これもどうでもいいですね。放っておけば勝手に帰ります。とはいえまだ使い所さんがあるかもしれないので、好感度は適度に維持しておきましょう。ロン君の好感度がわずかに下がりますがすぐに取り戻せます。問題ありません。
三つ目は――
「誰だろう?」
――ん?
ノック音です。誰かが訪ねてきました。本当に誰でしょうか。
「すまない。四人とも」
ハリーが扉を開けると、そこにいたのはパーシー・ウィーズリーでした。扉口でハリーが応対を始めます。
「やあ、パーシー。さっきぶり。どうしたの?」
「ああ、新任の先生がハリーに用があるらしいんだ。他にもネビルも探しているんだけれど……」
なるほど。どうやら、新任の先生――つまりはルーピン先生がハリーを探していたようです。ほんへでは眠っていたから話をしなかっただけで、起きていたら話をするのは妥当でしょう。ネビルも騎士団つながりかな? 少なくともレストレンジの娘に用はないでしょうね。
快くハリーを送り出しましょう。無論、先ほどの内部事情は一切口にせず。
「そう? じゃあ少し行ってくるよ」
「いったい何があったのかしら?」
ハリーが席を立ってしばらくして。ホグワーツ特急が急停車しました。
列車内の灯りが消え、寒気がしてきます。いよいよメインイベント・吸魂鬼君の顔見せです。
このイベントでは、ホグワーツ勤務を命じられた吸魂鬼の一部が列車を襲撃してきます。数は乱数によって変動します。
とはいえ今回は本当に顔見せ、すぐにルーピン先生が追い払ってくれます。どんなにいても追い払ってくれるルーピン先生ホントニアコガレテル。
真っ暗だと精神値の削れる速度が早まる為、光源を確保して待ちますか。
ルーモス 光よ!
灯りを確保してしばらく待っていれば……。
すぐにルーピン先生が駆けつけて……。
オオカミの守護霊でせん滅を……。
すいませ~ん。ズィラ・レストレンジですけど、ま~だ時間かかりそうですかね~?
……………………………。
……ちょっと待って!? ムーニー先生来ないやん! どうしてくれんのこれ!
吸魂鬼君が今にもコンパートメントに入ってこようとしています。クッソ汚いマントに覆われた体はそれこそ野獣先輩と比べてもなお優るほど穢らわしく、悼ましいです。彼と一緒にいると、幸福な思いが喰い尽くされ、不幸なことばかりが思い浮かんでしまいます。見る抗うつ剤こと野獣先輩以下の汚物ですね。
嫌よ~ガバって氏んだ過去を見せつけるのは嫌よ~。
「ねぇ、怖いわ――」
――しょうがねぇなあ!(悟空)
おめぇの出番だ、ナナカマド君!
「エクスペクト・パトローナム 守護霊よ来たれ!」
ロバ君お久しブリーフ♂ そこの野獣先輩以下のゴミをパパパっと片付けて終わらせて!
「あれは何だったの?」
ナオキです(大嘘)。
ハーマイオニーちゃんが泣きそうになっていますが、適当になだめすかして他の車両に向かいましょう。ルーピン先生周りで何らかのトラブルが発生した可能性があります。ハリーもかなり心配です。
一両目……ヨシ!
二両目……ヨシ!
三両目……ヒェッ(戦慄)。
吸魂鬼が生徒たちに纏わりついて今にも触れようとしています! 誰かが守護霊を呼んだようですが、熟練度が足りないのか無体のままで時間稼ぎにしかなっていません。
ロバ君、やっておしまい!
掃除完了です……(速札)。
おや、どうやらパーシー君が無体守護霊の召喚者だったようです。
ルーピン先生どしたん? オビワン? サーティワン?
「誰かが開けていた窓から吸魂鬼が入ってきて……新任の先生は先頭車両の生徒たちを守るので手一杯だ! それに外にはまだ吸魂鬼が沢山いる!」
うっそだろお前! 笑っちゃうぜ!(虚勢)
暗くて見えないですが、外を照らしてみます。
「ルーマス・ソレム 太陽の光よ!」
ファッ!? クゥ-ン(失神)。なんだこのクソ乱数!
ふざけんじゃねぇよオイ! 誰がホグワーツ派遣分の吸魂鬼を丸ごと車両に随伴させろっつった、オイコラァ!
数十匹の吸魂鬼なんて本章ラストクラスじゃないですかやだー!
……守護霊をまともに使えるホグワーツ生なんてセドリック兄貴を始めとして数人しかいません! 内部に侵入されたらディープキスの被害者がダース単位で生まれるでしょう。
一人でも氏者がでたら今後のチャートが完全崩壊します。なので──
「レビコーパス 身体浮上!」
「──なっ、ズィラ!」
──開いた窓からホグワーツ特急の屋根の上に行くぞオラァ♂
車上には、あぁ……溢れてるねぇ……。わらわらボロローブが溢れています。
トネリコ君とナナカマド君の二刀流♂ 解禁しましょう。
「エクスペクト・パトローナム!」
二頭同時召喚!
ロバいちぃ! 超スピード!? でホグワーツに伝令に行くのです!
ロバにぃ! 死ぬ気でレズちゃんを護れやオラァン!
というわけで耐久戦・吸魂鬼の群れです。
じゃあオラオラ来いよオラァ!(おじさんインストール)
……こいついつも耐久戦ばっかりやってるな(困惑)。
解説に移ります。
吸魂鬼の特性で注意すべきところは、「討伐不可能」、「守護霊以外で撃退不可能」、「周囲の全生物の精神値にスリップダメージを与える」の三つです。
一つ目の特性により、完全破壊はできません。
頃せなくとも退けることは可能ですが、それも守護霊のみに限られます。
そして、三つ目の特性、幸福を喰らい不幸を伝播する性質により、長期戦は困難です。
なので本戦闘の主軸は、時間稼ぎを本線としつつもとにかく数を散らす事に定めます。車両内に入り込もうとする奴は優先撃退を忘れずに! シリウス・ブラックの関係者であることをアピールして気を引け……ればいいな!(祈祷)
浮遊する彼らとの適切な位置どりを保つのは至難ですが、レビコーパス・リベラコーパスによる疑似的三次元機動でなんとかします(ゴブリン銀の意思)。
というわけで戦闘開始──
「何か要りませんか? かぼちゃジュースは? 百味ビーンズは? 蛙チョコレートは?」
ふむ。突然お菓子を山ほど積んだカートが車上に出現しましたね。
「誰も私の事を気にしない。蛙チョコレートのカードの名前を覚えても、私の名前を覚える生徒は誰もいない」
「ホグワーツ特急ができたとき、私はオッタライン・ギャンボル校長にこの仕事を託された……」
ふむふむ。あれは恐らく車両販売のおばちゃんでしょう。新章アップデートで追加されたキャラクターです。
「百五十年以上、私は蛙チョコレートを振る舞い続けた。でも、カードの他にあるものを、生徒たちは誰も知らない……」
「ホグワーツに着くまで、この車両からは誰も離れられない。蛇の小僧、鷲の娘、獅子の四人組。この車両から離れようとしたものたちは、誰も彼もが失敗した。──何故なら、ホグワーツ特急は生徒が途中で降りるのをひどく嫌うからだ……」
ふむふむふむ。婆について、投稿者の検証が済んでいないのでなんとも言えませんが──
「さあ、獅子の娘。席に戻って座っているのだ」
もう車両中吸魂鬼まみれやけどお前どう?
「──吸魂鬼は生徒ではない。教師が退けるまで座って待つのだ。この車両から生徒が飛び去ることを、私は許容しない……」
──なんだお前!?
婆の指がいつのまにか釘の様に鋭く尖鋭化しています。
彼女はそのまま大鍋ケーキをこちらに向けて投げつけてきて──
「プロテゴ 護れ!」
こっちにも衝撃が来たぁ!?(爆風)
爆弾よろしく大鍋ケーキが破裂しました。盾が無かったら意識は間違いなく飛んだでしょう。そのまま昏睡ディープキス間違い無しです。
チャート的に重要でない上、アプデ追加分であったため、プレイ時の投稿者は車両販売の婆について詳細なデータを持っていませんでした。
その当時の限られた知識を基に解説します。
通称・車両販売の魔女。
ホグワーツ特急から降りようとする・降りようとするそぶりを見せる生徒を強制的に着席させる魔法装置。
特性は「特定の行動をとるように規定された思考回路」、「ホグワーツ特急とリンクした莫大なHP」、「ホグワーツ特急内における瞬間移動能力」、「車両販売のお菓子を攻撃アイテムに変換する能力」の四つです。
百味ビーンズの銃弾、かぼちゃパイの手榴弾、蛙チョコレートの自立起動機雷、大鍋ケーキの爆弾……。
おそらくですが、レズちゃんのレビコーパスが出現条件に引っかかったのではと考えられます。
馬鹿じゃねぇ!?(校長批判)
流石に婆の物理攻撃と吸魂鬼の精神攻撃を同時処理するのは無理もう無理〜。
どちらも討伐は不可能です(絶望)。
前者は耐久力が鬼すぎる! ホグワーツ特急を破壊するほどのダメージを与えるのは不可能ですし、削りきったら削りきったで特急が止まってしまいます。
後者は数が多すぎます! 一人で蹴散らせる量の吸魂鬼ではありません。守護霊しか通らない以上、卑劣魔法もまるで無意味! ちょっと特殊防御硬すぎんよ〜。
どうすっかな〜わたくしもな〜。
婆のお菓子爆弾と吸魂鬼の接近。どちらか片方なら耐え忍ぶだけならなんとか可能ですが、両方を相手にするには杖が二本あっても足りません。
時間を稼ぐにしても、このままでは車両内に撤退せざるを得ないでしょう。車両内での乱戦では氏者が生まれるのを避けられません。
引けば確定リセ、ならクソ乱数が相手でも戦うしかないでしょう。スタイリッシュに決めろ♂
守護霊を走らせつつ、百味ビーンズの散弾を弾く。
吸魂鬼の突撃をレビコーパスで回避して、跳ね回る蛙チョコレートボムを盾で防ぎ──あっ、そうだ(唐突)。
──おう、ばあちゃん! 蛙チョコレート売ってくれや! ついでに口に放り込んで?
「──はいはい、蛙チョコレートですね。お代は6クヌートですよ」
今手が離せないんでポケットから財布抜いといてください、なんでもしますから!
「はい毎度あり。口の中に入れるわよ」
ありがとナス!
婆は敵ではなくあくまで学校側の第三勢力なので、生徒に一定以上の危害を加えることはありません。既存AIの「車内販売」を呼び起こして無力化! ついでにチョコレートで精神値回復!
まだまだやれますぞ!
「エクスペクト・パトローナム 守護霊よ来たれ!」
っと、ようやくルーピン先生も車内の吸魂鬼を処理し終えたようですね。
中から人影と守護霊が……ってちょっと、ちょっと待ってください!
オオカミではなくセイウチの守護霊!?
「ほっほう! 『僕の友達の一人はとても防衛術が得意です!』察するところ、君がハリーの言っていた『友達』だね?」
リーマス・ルーピンじゃなくてホラス・スラグホーンじゃん!
あーもうめちゃくちゃだよ。蛇獅子チャート壊れちゃ〜う!
アルバス・ダンブルドアが分霊箱「トム・リドルの日記帳」を入手しました。
ヴォルデモート卿の不死の秘密の一端を暴いたことにより、ハリー・ポッターと「謎の」「囚人」編が解放されました。
シナリオスキップなんてまるでRTAみたいだぁ……。
追記
独立傭兵さん 様よりクィリナス・クィレル教授の挿絵を頂きました。第九話「トロールのようにとろい旅路を」に掲載しております。
「みぞの鏡」をモチーフとした構図の素晴らしい作品です。
お辞儀をした後見に行くのだ、ポッター。偉大なる創作者には敬意を払わねばならぬ。