絶望の魔法   作:黒野真琴

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おばさんは目的のために行動する。


第11話 イブの支配と災厄の確認

 自分の矛盾するような行動を変えるために、私はみんなの目を盗んでイブに接触することにした。

 

 結界を使って完全に気配を消してるから誰にも見つからずに近づけた。

 あとはキスをするだけだから、誰かが来る前に結界で階段を作ってイブの頬に近づいた。

 そして、そっとキスをして支配下に置いた。

 

 その瞬間、私はイブの力によって自分が強化されたのを感じた。

 自分から溢れ出る魔力は、配下にしている魔女の数と力に比例する。

 つまり、今ならベテランの魔法少女にも勝ててしまう。

 

 

 

 その実感を噛み締めて、もう一つ気にしなければいけないワルプルギスのことを聞くために灯花のもとに向かった。

 

「灯花、入ってもいいかな?」

 

 ノックしてそう聞くと、灯花が笑顔で迎えてくれた。

 

「何しにここに来たのかにゃー?」

 

 入って扉を閉めると、すぐに灯花はそう聞いてきた。

 

「ワルプルギスの夜の声を聞きたくて。観測したのは私も知ってるから」

 

 そう言うと、灯花は一瞬固まった。

 それから、困惑した表情になりながら機械をいじった。

 

 すると、あのワルプルギスの夜の笑い声が響いてきた。

 それを聞いていると、自分の支配下に置いているイブの魔力の部分に、ざわつきが広がるのを感じた。

 

「これは本物のワルプルギスの夜の笑い声だ。あの見滝原じゃなくて本当にこっちに来るなんて」

 

「これを聞きたがるなんて、魔女を操るだけじゃなくて他のことにも興味があるみたいだね」

 

 ただ、ワルプルギスの夜の声を聞きたい。そう言って嬉しそうにその声を聞いてただけなのに、灯花には何かを感じ取られてしまったようだ。

 

「もし、私がワルプルギスの夜を欲しいと言ったら、邪魔者として私を排除するの?」

 

 少しの沈黙の後に私はそう言った。

 すると灯花は。

 

「どうせ、イブの方が気に入るよ。ワルプルギスの夜は次元を超えて到達していたようだけど、イブはそれを食べることで孵化して、さらに上の魔女になるんだから」

 

 と、自信満々にそう言った。

 私はその様子を見て、私がどういう人なのかもバレてるんだなと思って、その場は笑って誤魔化した。

 

 確かに、私はそのイブにも興味がある。

 あの声を聞いてイブが反応してたのだから、本当にそれだけの呪いを持っていて、それと合わさることで世界は変わるのだろう。

 

「もしかしたら、本当にイブの孵化で世界は変わるのかもしれない。それこそがみんなの運命の変化なのかもしれない」

 

「そうだよ。イブが孵化することによって解放される。わたくし達のおかげで魔女にならずに済むんだよ」

 

 そうかもしれない。

 でも、もっといい方法が私の力にはあるはずなんだ。

 

 結界を広げて私の『グリーフシードリサイクルシステム』をみんなにも使えれば、私の結界の中で私のグリーフシードを使えればこんなことは必要ない。

 

 そうなんだよ!これが私による運命の変化なんだよ!

 今更気付くなんて遅すぎた。でも、まだ間に合う。

 ワルプルギスの夜の到着を待って、それも支配下に置くことで私はまた配下から得られる力が変わるんだから。

 

「そうだね。確実にワルプルギスの夜を得たいなら、私が支配して誘導する。それでイブは100%孵化出来る」

 

「それはいい考えだね!実際に魔女を操れるのは知ってるから、作業もうまくいくと分かってて任せたんだしね。だから、ワルプルギスの夜のことも任せるよ」

 

「うん。任せておいて」

 

 裏切る気でいるけど、中々に灯花から信頼されてるのは心が痛む。

 だけど、イブを支配下に置いてる時点でこの計画は失敗する。私が行かせなければ孵化出来ないのだから。

 

 

 

 

 

 灯花の部屋で用事を終えた私は自室に戻った。

 イブを手に入れたのと、ワルプルギスの夜とイブが反応することを確かめられたのは大きかった。

 今日の収穫の大きさを確認して、私はあの日記を読みながら数日間の休憩に入った。

 

 魔女の支配と育成が私の主な役割になるだろう。




次回、時間が経ってご挨拶へ

マギウス達はあんなことをさせるほど間抜けじゃないと言われるかもですけど、一応こよみさんもマギウスだから許してください。
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