数日どころか1週間以上も通常作業をして、100体の魔女を支配下に置いた私は、灯花に誘われて環いろは達に接触することになった。
そのタイミングは記憶ミュージアムの少し前、5人がそろってのんきにしている時。
そこで私が魔女を使ってご挨拶をする。
「少し近くで結界を出しておけば、優しいあの人達なら退治に動くと思うんだよね。そこで一番奥に鎮座してればあっちから来てくれるってわけ」
「なるほど。まぁ、いずれは会うことになるだろうから、講義のお誘いの邪魔にならない程度で挨拶するよ。余計なことは言わないようにするから安心してね」
私は灯花の提案に乗って早速会いに行くことにした。
フェントホープを出てまっすぐみかづき荘へ。
ゆっくりしながら夜にみかづき荘付近で結界を出した。
使う魔女は、私に1番従ってくれる暗黒の魔女。
出会いがよかったから今でも私は申し訳ないと思いながら仲良くしている。
一番奥の玉座に座って私は到着を待つ。その間、使い魔達には手を出さないように言ってある。
だから、すぐに来てくれると思った。
その予想通りにすぐに来てくれた。
異質な魔女の気配が近くに突然現れれば気になるのは当然だ。
やってきた5人は白黒のお城のような結界の中で、大人しく玉座に鎮座する私を見て驚いた顔をした。
「魔女だけじゃなくて、魔法少女も居て驚いたでしょ」
「当然よ。使い魔も道を教えてくれたし、おかしなことが重なったんだから」
私がああ言うと七海やちよは面白く返してくれた。
私に忠実な使い魔達は、私の意思をくみ取って早く5人を届けてくれたらしい。
なんてかわいいちびちゃん達なんでしょう。
「あれは私に従う魔女のおまけよ。うふふ、魔女を操る魔法少女に会えてよかったでしょ。環いろは、七海やちよ、由比鶴乃、深月フェリシア、二葉さな」
私がそう言ってやると5人はさらに驚いてくれた。
その反応を見て楽しんだところで挨拶に移ることにした。
「申し遅れたね。私はマギウスの翼創設後にマギウスになった4人目のマギウス、鳥栖こよみだよ。以後お見知りおきを」
そう言って玉座を降りて頭を下げてやると、七海やちよはいろいろと理解してくれた様子になった。
「なるほどね。ずいぶんと手の込んだことをしてくれるじゃない」
「理解してくれて助かったよ。あんなに準備したのに来てくれなかったら、ここまでの時間が無駄になるからね」
2人で会話してるとき、鶴乃以外は全くわからない様子だったから、私はサービスすることにした。
「つまり、あなた達がここに来るように仕込んで挨拶しようとしてたんだよ。そのためだけに魔女も出して、使い魔にも動かないように言って、夜まで待ったんだよ」
そこまで言ってようやく理解してくれた。
「つまり、挨拶のために罠を張ったと」
「罠とは失礼だね。別に今日は危害を加えるつもりはないからね」
環いろはの失礼な言葉に反論すると、さらに言葉が飛んできた。
「なら、なんでこんなことをしたんだよ!」
「挨拶がしたかっただけなら、こんなまわりくどいことをしなくてもよかったよね」
「魔女を操れるとしても、ここまでするのは無駄だと思います」
フェリシア、鶴乃、さなからそう言われたから、こう返すことにした。
「私がマギウスであることと、魔女をいつでも出せることを教えるためにこうしたの。私がアリナくらいに危険だと思ってくれれば、この先で戦わなくて済むかもだしね。だから、まわりくどくても無駄じゃないの」
不気味な笑みを浮かべながら伝えることで、5人は私を警戒してくれるようになった。
これで内部に敵だと気づかれる確率は減っただろう。
「うふふ、そろそろ帰るね。次会う時は私の魔女達と遊ばせてあげるから楽しみにしててよ」
そう言って私は一足先に退散してから暗黒の魔女に私の後を追わせた。そうして魔女を回収しながら5人を結界から追い出した。
私はこの日の第一接触に成功を感じて、ルンルンと鼻歌を歌いながら帰還した。
その様子を最初に見たアリナは「少し気色悪いんですケド」と言って私を少し傷つけたのだった。
次回、講義が行われるからヒントを渡すチャンス
おばさんは結構忙しいからすぐに帰ったのは仕方ないんです。