絶望の魔法   作:黒野真琴

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おばさんは最後の仕事を果たす。


第20話 ジ・エンド

 私はめちゃくちゃ怒って攻撃したけど、なんで怒っていたかと言うと。

 

 私があいつになることは、キュゥべえも元々は予想してなかった。

 でも、それは次元を超えることがまだキュゥべえには実験段階だったからだ。

 ちゃんと出来てなかったから、鳥栖こよみのことを把握できないまま私を入れて、入れた後に後悔と予想外の事態で様子を見に来ていたのだろう。

 

 しかも、私が運命をいじることになったのは、この体に入れて日記で何かを感じたからだ。

 あの子は最初から何かを知っていて、私をも利用するつもりでいた。

 そうでなければ、都合よくあっちも魔法少女だったなんてことはあり得ない。

 

 運命を利用したあの子は私を使って、みんなの運命をかき回した。

 私とキュゥべえがあの子のことを知っていれば、こんなことにはならなかった。

 

 だから、私は怒った。しかも、大切な時に邪魔までされたのだから、なおさら体を取り返そうとしたことに怒った。

 

「これが私があんたを消した理由だよ」

 

 私はもう跡形もなくなった鳥栖こよみを、拳を握りながら見下ろした。

 

 

 

 

 

 しばらくすると、私は元の現実に引き戻された。

 すぐに集中してイブや、アリナの様子を確認した。

 

 すると、イブからすでにういちゃんが救出されて、みんなが記憶を取り戻しているところだった。

 つまり、そろそろアリナが毛皮神のウワサを着て暴れ始める。

 

 でも、もう終わり。

 全てが正常に戻ったなら、アリナも戻るべきなんだよ。

 

「だから、イブ。今までありがとう」

 

 私はそう言ってイブの命をその手に持って、ギュッと握りしめて終わらせてあげた。

 その途端、遠くからイブの鳴き声が聞こえた。

 

 私はそれを聞いていてもたってもいられなくなって、鳥栖こよみから手に入れた空間切断を使って、瞬間移動の要領で一気に移動した。

 当然、ワルプルギスの夜はグリーフシードに戻してから。

 

 

 

 全速力で移動してたったの1分でついた私は、着くなりすぐに結界を張ってそこに立ち、イブに触れながら泣き声を混ぜて言った。

 

「今まで環ういを守ってくれてありがとう。私のために動こうとしてくれたのも嬉しかった。でも、私にはもうワルプルギスの夜がいる。それだけで十分だよ」

 

 そう言ってあげると、主人のために動きたいと思っていたイブは、暴れることなく静かに消滅した。

 

 当然、アリナはその様子に激おこだ。

 

「ふぅぅぅざけるなぁぁぁぁ!アリナのベストアートワークを消し去るだなんて、許すわけがないんですケド!」

 

 その哀れな姿を見た私は、上からこう言ってやった。

 

「あんたとは仲良くなれそうだったけど、今のあんたを見て幻滅した。もう終わりなのにそれを受け入れられないのはバカのすることだよ」

 

「アリナをあのフールガールと同じように扱うなんて、さらに許せないんですケド!」

 

 そう言いながら、アリナは毛皮神のウワサを着込んで私の前に立ち塞がった。

 これを倒せば全ては終わる。

 だから、私はみんなにこう言った。

 

「みんな、私には謝らないといけないことがある。だから、贖罪のためにこいつは私に任せて欲しい」

 

 私がアリナと同じ、あっち側のマギウスでないことをみんなは知ってる。

 それで、みんなはアリナとは違うことを分かってくれたから、静かに黙認してくれた。

 

「みんなありがとう。アリナ!あんたはここで夢から覚めるんだよ!」

 

「アリナのドリームはまだエンドじゃない!エンドなのはアナタのライフなんですケド!」

 

 アリナと私の力は歴然の差。それでも、私は手加減することなく魔女達を召集して、ワルプルギスの夜も呼び出して一気に終わらせた。

 

 すると、気づいたらアリナは皮膜を消して姿を消していた。

 原作通りに居なくなるとは思わなかった。

 

 でも、これで全ては終わった。

 ういちゃんも助かって、灯花とねむも記憶を取り戻して、被害も最小限に抑えた。

 これで私の役目は多分終わった。

 

 そう思って気が抜けた私は、力も抜けて結界から落ちてしまった。

 その後の記憶はない。




次回、みんなに伝える私の行動

おばさんは最後の戦いで魔力をほとんど使い果たしました。結界の大量生成と魔女の大量召喚は、他の魔法少女じゃ考えられないくらいの魔力を使うのです。
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