絶望の魔法   作:黒野真琴

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天使は戦場に舞い降りるから、いずれ正体がバレる。


第24話 円環の信仰者

 見滝原へと帰ってきた私はアリナとかりんと同居することになった。

 2人とも私の言うことに従ってくれて、空き部屋が一つしかないので同室で我慢してもらってる。

 まぁ、かりん的には嬉しいのかも知れないけどね。

 

 

 

「魔法少女に救済を」

 

 私は帰ってきた日の深夜、1人でベランダに出て形だけでも祈った。

 それは軍人が無事に役目を終えるための祈り。今は入ってこれない円環の理のためのもの。

 

「私はあなたの天使です。役目を思い出した以上、私は最後まで突っ走ります」

 

 そうしてると、魔法少女の反応が近くに現れた。

 マミさんからメールで言われたけど、最近の見滝原は魔女が減りすぎて内部で戦いが起こってるらしい。

 主に呉キリカを中心に戦いの輪が広がっている。

 

「はぁ…せっかく役目を思い出して祈ってるのに。邪魔する人は容赦なく失せろ」

 

 そう言って私は魔女を放った。

 

 

 

 作られた魔女の結界の中で、魔女を無視して呉キリカと雑魚が戦っている。

 その様子を私は魔女の目を通して覗いた。

 そして、アリナとかりんが寝静まってるのを確認して出かけた。

 

 魔法少女同士の戦いほど利益のないものはない。

 だから、私が邪魔をする。

 

 結界に入ってすぐに私は2人の間に入った。

 

「何のために戦っているの?これほど無駄なことはないんだよ」

 

 ここで私は運命的な出会いをした。

 ここで会った雑魚が後に私達の運命を変える。

 

「邪魔をするな!こいつは織莉子の邪魔になるから殺さないといけないんだ!」

 

「私が邪魔になる?くふふ、美国織莉子はどこまで愚かなのかな?」

 

 お互いに暗い目をして戦っている。

 そんな殺気溢れる空間にいるのは、正直言って吐き気がしてすぐに帰りたくなった。

 

「はいはい!やめなさい!今日のところは私が仲介してあげるから早く帰りなさい」

 

 私がそう言うと、雑魚の方が私に不気味な笑みを向けて言った。

 

「くふふ、このまま引き下がるなんて見滝原の魔法少女の名が泣くよ。この小倉真由子、出来るなら最後まで戦うよ」

 

 それに対してキリカも返した。

 

「見滝原の恨みを晴らすのに、君じゃふさわしくない。私の愛する織莉子こそがふさわしい」

 

 この2人の喧嘩に呆れた私は、しょうがなくワルプルギスの夜を出した。

 ついでに円環の力も使った。

 

「私という天使でも、さすがに救いを与えるのをためらうんだけど。でも、私はすべての魔法少女を救う役目をもらった。だから、助けてあげる」

 

 最強の魔女と神々しい天使の組み合わせ。

 さすがの2人も争いをやめて、私とこの子に釘付けになった。

 

 私は普段より白い軍服風の衣装に薄ピンクの翼を生やして宙に浮いている。

 その状態で3つのグリーフシードを取り出して、2人に優しく微笑みながら渡した。

 

「小倉真由子、それで退いてちょうだい。呉キリカ、美国織莉子にもそれを渡して。そうすれば、私の結界を見滝原に広げて、その中にいる限り無限に使えるから」

 

 私はそう言い残して全ての魔女を片付けて帰った。

 天使の姿のまま。空を飛んで。

 

 

 

 私が深夜にあんなことをしたせいで、見滝原の魔法少女の間で噂になっているとマミに言われた。

 マミも私だとは思ってないけど、3人を救ったから本当の天使だと言われてるそうだ。

 

「これを1人で部屋にいる時に聞かされる私の気持ちとは一体…」

 

 その話を2人が買い物に行ってる時に聞かされた。

 

「まぁ、悪い気はしないかな」

 

 円環の理が見てるかもしれない空に向けて手を伸ばして、私はそう呟いた。

 その時、ひらりと羽が落ちてきた。

 

「そうか、そろそろあの方が神浜の穴を塞がせるんだ」

 

 自分の救済の力を与えてくれた主人に、私は今までならしなかった祈りをちゃんと捧げた。

 

「天使になるのも自分の内面を変えることがある。私はまた別人として世界に救済を与える」

 

 その私の顔は今までで一番美しく、綺麗に見えたそうだ。

 偶然通りかかった小倉真由子には、そう見えて私のことを好きにさせてしまった。




次回、見滝原の内部抗争と掻き乱して遊ぶ天使

本当に別人になったおばさんは、すでにその部分をなくしている。
だから、天使と呼ぶのが妥当であると思います。
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