戦場の天使によって見滝原の戦いが正当化された。
毎日のように無限に使用可能なグリーフシードを使って、マミ達と真由子達がぶつかり合った。
その中で、双方が私を味方につけた方が勝ちみたいになって、毎日のように私の元に魔法少女が集まってきた。
時には買い物中に巴マミが来た。
アリナの変化した画風を見学してる時も真由子が来た。
出かけた帰り道には織莉子が話しかけてきた。
自分のしたことだけど、面倒でかなわない。
それどころか、真由子は私をよくお茶に誘うようになったから、それも面倒だった。
そんな風に面倒な日々を過ごしてる中、何の気紛れか私がしつこい真由子のお茶に引っかかってしまった。
「私の誘いに付き合ってくれてありがとね」
誘ってきた真由子はとても嬉しそうだった。
ただ、白女の制服を着てることと、きさねを殺した相手を恨んでること、そのどちらもが私を心配させた。
今の時間は午前10時だ。
「救済を与える私の見滝原での仕事は終わった。だから、休ませて欲しいんだけどな。結界とグリーフシードで終わりだから」
私の見えない翼は今でも健在のようで、少しでも私が救済だの何だのというのを匂わせると、魔法少女達は感じ取れるらしい。
だから、この瞬間も真由子は少しビクッとした。
それでも、めげずに私にアピールしてきた。
「悪いけど、まだ休ませないよ。それに、私はあなたが好きになったからもう離せないよ」
さすがにこんな風に告白されたことはないので、これが告白に感じた私は戸惑った。
でも、あの方が許してくれるなら、死ぬ前につかめなかった幸せを手にしたかった。
「真由子、本気で私が好きなら幸せにしてくれることを条件に付き合ってあげるよ」
私が頬を赤く染めながらそう言うと、真由子は満面の笑みで「はい!」と返答した。
出会ってから1週間で私は、この子に惹かれていたらしい。
面倒だと思ってたけど、それは自分の気持ちに正直になれないだけだった。
その後、私は真由子と初デートを少しだけして帰った。
ただ、今思い返すとこれはまずかったのかも知れない。
私を味方にした方が勝ちになっていたのなら、今はまだその思いに答えるべきじゃなかった。
このせいで織莉子達が神浜に喧嘩を売ることになるかもしれない。
「まぁ、どうせ返り討ちにあうさ」
って感じで私は軽く考えた。
でも、事態はこれから悪くなる。
それだけは変えられない。
真由子は帰る途中でとある廃墟に立ち寄った。
そこで巴マミと待ち合わせをしていた。
「早く来すぎたかな?」
真由子がそう呟くとすぐにマミが現れた。
「用事って何かしら?くだらないことなら帰るわよ」
そう言うマミに真由子は勝利宣言をした。
「こよみが私の恋人になってくれたよ。互いに百合好きだったのが功を奏したよ」
マミはこよみの活躍を知ってるだけに驚いた。
その驚きは半端な物じゃなかった。
「証拠を見せなさい!見せてくれるまでは信じないわ!」
巴マミがそう言うので仕方なく、さっき二人で撮った写真を見せた。
「これで信じてくれたかな?これから私達は神浜に復讐する。もう終わりだよ」
そう言いながら魔法少女に変身した。
その姿は真っ黒な着物に真っ黒な刀、セミロングの赤毛、こめかみの辺りに二本の角、そんな鬼だった。
恨みを原動力にしてる分、その力は天使にも多分劣らない。
「さて、静かに放心状態になったところで悪いけど、私はこれから復讐に行くよ。神浜は私で十分だからみんなはおいてくけどね」
そう言ってマミを放置して奇襲を仕掛けに行った。
時間的に早く着いて準備する余裕はあるだろう。
そういえば、真由子はデート中に血の誓いをしていた。
自分を内心では止めてほしいという気持ちがあるのかも知れない。
その血の誓いによって、こよみと真由子は互いに裏切れなくなっている。
例えば、誰も殺さないと約束すれば、それを破ったらすぐにバレるようになっている。
しかも、誓いだから拘束力が意外にある。
これを頼ってるのかも知れない。
でも、今は神浜を目指している。
次回、魔法少女ストーリー 真由子
真由子の願いや過去のことが、彼女のストーリーで明らかになります。
この鬼はモブから昇格しました。