神浜での崩壊のための戦い。
中央、西、南、この3点でぶつかり合いが起きている。
始まってから2時間後にアリナとかりんが到着した。
「アリナ!なんで、あの時わたくし達の目の前で確かにやられたのに」
この戦いで西側に加勢している灯花は、突然現れたアリナに驚きを隠せなかった。
「アリナ、アナタのことなんて知らないんですケド」
「そんなはずないよ。わたくし達は確かにマギウスとして一緒に行動してたんだもの」
「マギウス?それも知らないんですケド。もしかして、昔のアリナの知り合いだったりするワケ?」
灯花はアリナのこの反応と英語を使わないことに混乱した。
「アリナ、この人は前に仲間だった人なの」
「そう。あんな絵を描いてた頃のお仲間に会うなんて最悪なんですケド。今はあんな暗い作品は描かないで、生命に満ちた明るい絵を描くんだヨネ」
「だから、恋人のアリナとアリナ先輩を一緒にしないで欲しいの!」
ますます灯花は混乱した。
あんなことをしたアリナが心を入れ替えた?
いや、そんなことがあるはずがない。
って感じで頭の中を思考が回り続けたけど、その途中で答えが見つかった。
「まさか!アリナの記憶がなくなっちゃったの!」
「ご名答。アリナはかりんのそばで目覚める前の記憶がほとんど無いんだヨネ。残ってるのは名前がアリナ・グレイで魔法少女で絵を描いてたってことくらいなんだヨネ」
「信じられない。神浜を破壊で作品にしようとしてたあのアリナが、記憶をなくしたら恋に素直になって、誰かの言うことも聞くようになるなんて」
アリナは本当に記憶をなくして別人となった。
そのせいで戦い方だけじゃなく、自分を反映するドッペルにも影響がでいる。
「うるさいんですケド。昔のことなんて一切思い出したくない。あんなの黒歴史以外の何ものでもないんだヨネ。だから、それを知るアナタ達は邪魔なワケ。私の熱情に焼かれて心を壊すといいんですケド!」
そう言いながらアリナは新たなドッペルを神浜での発現させた。
それは熱情のドッペル。その姿はチョコレート。
主の中に目覚めた愛を象徴するこのドッペルは、バレンタインのように愛に溢れた日が増えることを一緒に願っている。そして、死に過剰に反応して愛の無いものを徹底的に排除しようする。
そのドッペルは出されると、溶けたチョコをばらまいて攻撃をした。
愛が足りない相手には高温の熱情でその体をやけどさせた。
しかも、チョコがまとわりついて動きも悪くなる。
「ここで焼かれるようなら愛が足りない証拠なんだヨネ。さぁ、アリナが愛をテストしてあげる」
広範囲にチョコをまいて多くの魔法少女が、長くその高温で苦しめられた。
だが、このチョコの雨の中で灯花達はまったく攻撃を受けなかった。
「どうしてわたくし達には当たらないの?」
アリナの近くにいるのは、灯花、ねむ、みふゆ、うい、笛姉妹とその辺の雑魚だった。
「なるほど、アナタ達は一定以上の愛を持ち合わせてるみたいだヨネ。一体に何に対して愛を持ってるのか気になるところだけど、前のアリナと違って優しいカラ。絵の題材になれるアナタ達は何があっても傷つけないと約束するんだヨネ」
「だから、わたしとアリナはここを離れるの。他の人達は容赦ないと思うけど、わたし達は元々南の魔法少女だから言われなければこんなことはしてないの」
2人は伝えたいことを言うと灯花達を放置してどこかに行ってしまった。
それを見送ることしかできなかったけど、これ以上の被害が出なかったのはよかった。
ただ、アリナの冷めることのない熱情のチョコレートを浴びた他の子達は、一部は死ぬ前に脱出できて重症でも助かったけど、半分以上がそれで苦しんであの世に行った。
アリナは前よりも中身が良くなった分、力が増したような気がする。
それを空から見ていたこよみも思っていた。
次回、逃走する天使組は見滝原へと向かう
アリナの愛は重くて熱い。そんなものに押しつぶされたら、脱出できずに絡めとられて焼け死ぬ。
絶望する間も無く息の根が止まる。