絶望の魔法   作:黒野真琴

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天使と鬼と死神が顔を合わせる。


第35話 死神襲来!

 走馬の死神は今日も暴れる。

 少なくなった見滝原の魔法少女達を次々に襲って、大きな翼を持つ天使を探すヒガンは、ついにその天使に接触する。

 

「そこの魔法少女、私の質問に答えてもらおうか」

 

 アリナのところから帰る途中で、私は電柱の上から声をかけてきた死神と鉢合わせしてしまった。

 

「悪いけど、そんな気分じゃないんだわ。他をあたってちょ」

 

 そう言って通り過ぎようとすると、スッと降りてきた死神に後ろから大鎌を首に当てられた。

 

「そういうわけにはいかないんだ。天使を探してるから、見滝原の魔法少女全員に聞かなければいけない」

 

 自分がその天使だけど、これはバレない方がいいと思って真由子を呼んだ。

 そんなに距離は離れてないからすぐに来てくれるはず、血の誓いの追加で互いに危険を感じたら呼べるようになっている。

 

「答えてもらおうか。貴様が天使の居場所を知ってるか」

 

「答えたくない。てか、私に答える義務はない」

 

「なら、仕方ない。殺しの許可は出てないから怪我だけで済ましてやる」

 

 そう言って死神が大鎌を振りかぶると、そこに真由子が間に合って攻撃を受け止めた。

 

「私の彼女を傷つけようとするなんて、勇気あるじゃない。正体を知らずにやったのなら、ただの命知らずだけどね」

 

 笑顔の真由子はほっといたら余計なことを言いそうだったから、テレパシーで正体について言わないように釘を刺した。

 

「なるほど、死なない未来が見えたのは、邪魔が入ってかわされるからか」

 

『死なない未来が見えた』こんな言葉を天使の前で言ってはいけない。

 キュピーンとアンテナに引っかかれば、面白そうなことが起きるまでしつこく付きまとう。

 それが今の天使だ。つい最近そうなった。

 

「アハハ!面白そうな聞いちゃった!」

 

 そう言うと、ついさっき真由子にバラすなと言ったのに、自分から変身した翼を出して見せた。

 

「お探しの天使は私だよ。それと、あんたが頼れる鬼もそこにいる」

 

 楽しそうな天使がそう言うので、仕方なく真由子は隠しているツノを出した。

 最近では見つかるのはやばいと思って、真由子はツノを隠して、こよみは翼を隠すようにしている。

 ツノはルールで条件が揃ったら出るようにして、こよみは自力で通常状態と天使状態を使い分けている。

 

「ほぅ、私を騙して逃げようとしていたのか。まぁ、相手の正体と探す理由が分からないと怖いだろうからな」

 

 正体が分かったヒガンは大鎌を下げた。

 そして、天使と鬼に頭を下げて言った。

 

「頼む!無礼は謝るから助けてほしい!消えた走馬市を探し出して、消した犯人を懲らしめてほしい!」

 

 長身の魔法少女が頭を下げるその姿に、真由子はこれはまずいと思ったけど、ワクワクが止まらない私は話を聞きたくなった。

 固有魔法とセットで聞く価値があると思ったのだ。

 

 

 

 こうなったら戦場の天使はたまらない。

 家に死神を入れて、アリナとかりんが帰ってくる前に話を聞くことにした。

 時刻は午後4時だ。

 

「それじゃあ、話を聞かせてもらおうか。固有魔法と事情をね」

 

 私は天使なのに悪魔の笑みを浮かべながらそう言った。

 すると、死神には自己紹介とついでにとあることを言ってきた。

 

「私は川越ヒガンで『相手の死の未来』が見える。それで、私達の産まれて住み続けた走馬市が突然消えたんだ。それで各地を回って情報を集めていたら、神浜の事件と見滝原の天使の話を聞いて、あなたなら助けてくれると思ってきた」

 

 私はそれを聞いてよく分からないことが出てきた。

 それは神浜の事件、消えた走馬市、この2つだ。

 神浜の件が外部に出る確率は低い。関係者か当事者が言わない限りドッペルが噂で出る程度のはずなのだ。

 さらに、走馬市なんて場所はこの世界に来てから一度も聞いたことがない。

 

 これはとても楽しめそうだ。

 

「言っておくが、私には主がいる。その方の命令も受けているが、そろそろアリナ・グレイに勝手に接触してる頃だ。でも、悪いようにはしない」

 

 私はアリナの名前が出るまでは楽しそうにしていたが、今調子がよくないアリナ接触されるのは嫌だったから、私は苦笑いになってしまった。

 そんな状態でもヒガンの話を聞くことになった。




次回、アリナと走馬市の人間が対話する

天使は意外とアホな一面があります。
もう知ってた?
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