絶望の魔法   作:黒野真琴

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天使は裏で動く者で、表で暴れるのは性に合わなかった。


第39話 助っ人マミ!

 走馬市の問題に影響を出していたのかと思うと、妙に自分が悪人ように思えるようになったこよみは悩んでいる。

 

「確かにキュゥべえそのものなら世界を変えられる。回収、変換、具現、増殖、連携、規律、この6つならそもそもキュゥべえが必要なくなる。まぁ、その繋がりを無くした私のせいで出来なくなったんだけどね」

 

 自分が悪いんだよね。分かってるよ〜。って感じになって完全にヘソを曲げてしまった。

 

「でも、まだどうにかなるかもだからね。政清って人が言ってたパンドラの箱の絶望は『魔女化が無くなるとその分他の場所でキュゥべえが動くこと』で希望は『キュゥべえの力を奪ってるからまだ可能性があること』だと思うんだ」

 

 責任を取ろうとして機嫌を悪くしながら、こよみはこういう考え方をした。

 それで何かを思いついた。

 

「あっ、そっか。また私がいけないんだ。私は何をするか分からないからシノブを安全な場所に避難させる必要があったんだ」

 

 その言葉で走馬組以外は理解した。

 この天使は死神のヒガンでもどうにもならない存在で、もしもこの天使の目的の邪魔を無意識にして怒らせたら、走馬市が魔女で更地になる可能性もある。

 この天使ならやりそうだからこそみんなが警戒する。

 

 それを分かったアリナ達は呆れた顔をこよみに向けた。

 

「この件はこよみにすっこんでもらった方が良さそうなんですケド」

 

 アリナがそう言うと仲間達は全員で賛成した。

 これでこよみは今回の一件から外されて、この家で様子を見るだけになった。

 

 こよみは内心で寂しいとこの時久しぶりに思った。

 

 

 

 

 

 ポイ捨て状態になったこよみを抜きにしていくつかのチームに分かれることになった。

 様子見のチームと、例の2人の捜索チームと、調べ物をするチーム。

 それに分けようとした時、外で銃声が聞こえた。

 

 窓を開けてみると、少し離れたところで戦いが起きていた。

 その銃声に聞き覚えがあった真由子は大急ぎで加勢しに向かった。

 

 

 

 行ってみると巴マミが雑魚に絡まれていた。

 

「雑魚みたいだしさっさと片付けなよ」

 

 真由子は大丈夫そうだと思うと、屋根の上から見下ろして偉そうに言った。

 

「言われなくても分かってるわ。だから、これで決める!」

 

 助けに来た真由子を気にしながらマミはいつものを出した。

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

 いつもの一撃で雑魚を一掃すると、真由子の近くに来て言った。

 

「どうせ大人数できたんでしょ。隠れ家に連れて行きなさい」

 

 その様子から後輩を連れてきていないことを察して案内することにした。

 

 

 

 アジトに戻ると、一応マミは歓迎された。

 ベテランで油断しなければかなり強い。

 本気の天使とも全力でやっていいなら、手数も使って互角にやりあえる。

 

「そんなマミが来た理由は分かってるよ」

 

 部屋の隅に追いやられたこよみは、その体を小さくボールのようにしながら言った。

 

「ヒガンに一目惚れしたんでしょ。私には経験があるから分かるよ」

 

 図星を突かれたマミは頬を赤く染めて恥ずかしそうにした。

 

「へぇ、私のことが好きになったのか。なら、死神の目に死の予兆を見せないと約束できるなら、気に入ってから付き合ってあげるよ」

 

 普通ならそんなことを言わないが、まるで紳士のような死神女だからそんなことが言えた。

 月夜の戦いを忘れられないマミは「はい」と言ってしまった。

 

 てか、どう考えてもストーカーだよね。

 ここまで盗聴してついてきた可能性が高いんだから。

 そう考えるとこよみはゾッとした。

 

 

 

 そのマミも入れて3チームに分けることになった。

 相変わらずボールのこよみは隅っこにいる。

 

「アリナがチーム分けするけど、真由子、かりん、シノブが様子見。マミ、ヒガン、アリナが捜索。みたま、十七夜、ゆかりが情報収集。これで決定だカラ」

 

 アリナがそう言うと、いきなりそのチームごとに分かれてアジトを素早く出て行った。

 こよみは気配を殺してここに潜むことになった。

 

 

 

 今回の件はできることなら早く終わらせたい。

 だから、一気に進める。




次回、走馬三大将の一角現る

マミさんはあんな軽い人じゃないとは思いますが、その点は目を瞑っていただけると助かります。
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