絶望の魔法   作:黒野真琴

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走馬の天才は規律を作って罠を張れる。


第40話 走馬の天才魔法少女学者

 アホの子を置いて行った3チームは、それぞれ近くにいる魔法少女の偵察と、例の2人が居そうな場所の捜索と、この街の歴史や調整屋がいないかの調べ物で、南の外に向かって走った。

 

 

 

 アリナチームは最初っから大本命の走馬中央学院に向かった。

 あそこで色々と始まったのなら、その希望のマギアの部室が怪しいと考えたのだ。

 

 ヒガンの案内で部室に入ると、誰もいなかったがかすかに魔力を感じた。

 

「どうやらここに誰かが居たみたいなんだヨネ」

 

「説明は受けたけど、いまだに信じられないわ。こんな風に魔法少女が学校で部活を作って活動できてたなんて」

 

 真面目に調べるアリナと、見滝原中学ではあり得ないことに困惑するマミと、何かを考え込むヒガンでバラバラになった。

 

「まさか、走馬を守るためにこんなものを用意したのか?」

 

 ヒガンは部活の活動記録を見つけてうなっている。

 それが気になってアリナも覗くと驚くことになった。

 

「えっ?部活の活動記録なのに、コトハの規律変更内容が記載されてるワケ?」

 

 意味不明な行動にアリナは頭を抱えた。

 そんな様子を無視してヒガンはその内容を指差した。

 

「走馬は無いものとして扱い、南と私達に反発する魔法少女は外に追い出す。そして、一般人は記憶を変更して外に出す。と書かれている」

 

 いきなり不穏な空気が流れた。

 やっぱり共犯で走馬市を隠したのかもしれない。

 

「この土地は私達によって魔法少女の希望となった。神浜の浄化システムと違って動かせないので、隠さなければ天使以外に見つかっても厄介なことになる。とも書かれているようだ」

 

 さらにヒガンは部活の活動記録から不穏な記述を見つけた。

 

「なるほど、これはもしかしたら別の終わり方もあるかもしれないヨネ。こよみの予想だと自分だけが敵になりかねないと言ってるけど、これだと他も敵になるみたいなんだヨネ」

 

 アリナは冷静に考えてそう言った。

 

「つまり、私達のような魔法少女も解放の外にいるから、それを求めて土地を奪いに来るかもしれないと思ってるってことね」

 

 マミも理解してそう言った。

 

「でも、走馬市の魔法少女は外に出てもドッペルに変更されてるはず、なのにこの街を守るってどういうこと?」

 

 ヒガンのこの言葉で2人も確かにと思って悩み始めた。

 これだと共犯かもしれないけど、何かを守ってるようにも見えてくる。

 

 うん?何かを守ってる?

 それを守るのにこよみとシノブとその他が邪魔だとすると?

 

 これを考えてマミの頭には、マギウスの翼のイブが思い浮かんだ。

 あれもマギウスが必死になって隠していたものだ。

 同じように隠していたとすると、非常にまずい状況なのかもしれない。

 

「誰かの命を犠牲に何かを得ようとしてるなら、止めるべきだと思うんですケド」

 

 アリナがそう言うと2人も賛成してくれた。

 

 3人が完全に敵になる発言をすると、空間が歪んで学校の地下と思われる空間に連れてこられた。

 

 

 

 

 3人が驚いて辺りを見回すと、突然目の前にパッと玉座が現れた。

 そこには、ヒガンが尊敬する人の1人、規律のコトハが鎮座している。

 

「ちょっとここまで来るのに急ぎすぎじゃないかな?もっとゆっくりしていきなよ」

 

 そう言うコトハは玉座から立つと、生活感たっぷりの謎の地下室の棚に近づいて、小さな背で背伸びしてティーカップを取り出した。

 そして、すでに沸かしているお湯を用意して3人に尋ねた。

 

「紅茶は飲めるよね?」

 

 3人は無言で見つめているだけだったが、コトハは気にせずにお気に入りの茶葉で淹れ始めた。

 

「まぁ、普通のテーブルと椅子もあるし、お茶でも飲んでゆっくりしていきなよ」

 

 天才と言われるコトハは玉座のある自室がそういう本で埋まっていた。

 だから、誰でも一眼で彼女がコトハだと分かる。

 

「おっと、ヒガンは知ってるけど客人は知らなかったね。改めて挨拶しよう」

 

 コトハは礼儀正しく2人の方を向いて挨拶した。

 

「私は走馬市一の天才と言われている『東雲(しののめ)コトハ』だよ。シノブとヒガンがお世話になったようだね。これにはサービスしないといけないかな」

 

 コトハは柊ねむのようなゆったりした話し方でそう言った。

 その笑みは里見灯花の方に近い。

 

 コトハ扉の無い換気されている空間で、3人を閉じ込めて話を始める準備をした。

 逃げられないと悟った3人は話を聞くしかなかった。




次回、走馬三大将の一角、女性の侍は片目で暗闇に潜む

話がめちゃくちゃで重い感じですけど、病んでる時に書いたんでごめんなさい。
次回はちょっと読むのに気をつけてください。
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