みんなが奮闘してる中、魔女の結界を多重に展開して身を守ってるこよみは、魔女達を守る必要もあるから動けなくなった。
その天使を目指して雑魚達が束になって、次々と魔女を倒して進行していった。
政清の連携とコトハの規律で全力を出せない今がチャンスだから、絶対に逃すまいと50人掛かりで一番奥の天使の結界を目指す。
こよみも大変なことになってる時に、アリナ、ヒガン、マミは勧められるままにのんびりとお茶をしながら話を聞いていた。
「私達の目的は天使を捕獲してその魔力を使うこと。天使の魔力を規律で変換できるようにして、それを増殖させてから彼女の魔力をさらに規律で移せるようにルールを作る。それを渡せたら世界中に連携でドッペルを与える。それが私達のやり方だよ」
他人から見ればどうでもないことかもしれないけど、天使のこよみを知ってる人からしたら、その目的を達成するために利用されるなんて皮肉としか言えなかった。
「そんなことをしたとして、みんなは救われても里見さんが話してくれたエネルギーの回収はどうする気なの?」
マミが真面目にそう尋ねると、コトハも真面目に返してくれた。
「それはいけないことだと分かってはいるけど、何人かの魔法少女に定期的に生贄になってもらって、半魔女という形で生み出してその子の中で感情エネルギーを出せるんだ」
コトハは今回の件に関わってはいるけど、他の2人とは違って悪いとは思っている。
あの2人は殺そうともしてくるし、キュゥべえの考えを大きく逸脱するようなことを簡単にする。
でも、天才は何も考えてないお嬢様と人斬りと比べて、まだ引き返そうと思えばできる立場にある。
「コトハ様、私はそんなことを考えているのに気づきませんでした。ずっとお側にいたシノブ様もそんな計画を立てている素振りを見せませんでした。どうして私達には隠すのですか」
同じ走馬市の魔法少女なのに仲間外れにされたヒガンは、尊敬する3人がこんなことをしていることに怒っている。
「南は今のままでいいなんて言うからだよ。北はキュゥべえに復讐するためにドッペルを広げろと言って、中央は世界を救うために犠牲を出してもやらないといけないって思ってるんだ」
「つまり、南は現状維持の考え方だから邪魔になったというわけですか」
「私は不本意なんだけどね。あの2人は神浜との繋がりを絶たれたことに怒っていた。だから、広げることに反対する人を追い出して、好奇心に負けた私も参加したんだよ」
「南は全員を追い出して、他もこっちと同じ考えの人を追い出したとして、なぜシノブ様も追い出す必要があったのですか」
「シノブは天使の誘導役だよ。記憶を規律で条件が整うまで忘れるようにしたけど、これは上手くいくか分からない賭けだったんだ。まぁ、南だけだと怪しまれるし、シノブが居ないのも怪しまれる。だから、こうしたとも言えるんだけどね」
ここまで話を聞いてヒガンは、とんだ茶番に付き合わされていたことを理解した。
それを受け入れて主人達を捨てる覚悟を決めた。
「それ以上は何も聞きません。私はこの走馬を捨てることにしましたから、ただ世界を救う発想は素晴らしい。後でこよみ様に利用されように気をつけてください」
完全に乗り換えたヒガンは席を立った。
それに合わせてアリナとマミも席を立ったけど、すぐにしゃがんで姿勢を低くした。
ヒガンは大鎌を振りかぶって一気に一回転切りをした。
すると、コトハの部屋の壁が一切なくなって、その先にある半魔女の実験室が見えるようになった。
「今までお世話になりました。これからはこの死神、天使に忠誠を誓って働きます」
アリナとマミを横に立たせて、ヒガンはかっこよくそう言った。
だが、壁を全て破壊したのはまずかった。
「それはいいけどさ。知ってるよね?私の大切な研究施設に勝手に入られるのが、私は一番我慢できないってことを」
前髪で目元が見えなくなったコトハは、誰が見ても怒ってるようにしか見えなかった。
つまり、ヒガンはとっさの行動で地雷を踏んでしまったのだ。
「あっ、これは逃げないといけないやつだ。とりあえず、上に登るための階段かハシゴはあると思うから、それぞれ見つけたらそれで逃げるように。それじゃあ、解散」
やばいと思ったヒガンは2人にそう伝えて鬼ごっこ開始の合図をした。
すると、土足で入っていく3人に我慢できずにコトハが追いかけにいった。
捕まったら半魔女化実験に使われるから3人は必死で逃げた。
次回、眼帯女剣士と魔女使いの天使の対面
コトハは常識人ポジションだけど、変人研究者の一面もあります。