翌朝、私は駅の近くにある公園に作った結界の中で目を覚ました。
お菓子の魔女をグリーフシードから出して結界を作らせて、その中で病院のベッドのようなものを使った。当然、魔女だけじゃなくて使い魔も操れるから、身の安全は保証されて快眠だった。
しかも、私の結界で入り口を囲んだから魔法少女に見つかることもない。
まさに、完璧と言うかもしれない環境を作ったのだ。
「とりあえず、今日はお金をおろして神浜を目指そうかな」
完全に目を覚ました私はベッドから降りて帽子をかぶった。
魔女や使い魔にじゃれつかれると、生身だと耐えられない気がしたから変身して寝た。正直言って完璧な快眠ではなかった。
あの服で寝るのは結構辛い。
今の魔女達は言うことには従うけど、しつけられてない犬のように最悪なタイミングでじゃれてくることがある。
まぁ、これから魔女は増えるから根気よくペットのように扱わないとね。
てか、あの後に街中を歩いて弁当とか買ったけど、シャルロッテがチーズを欲しがったのは大変だった。
しかも、財布の中を見たら10万も入ってたし、それなら銀行に寄らなくてもいい気がするからやめとこ。
「シャルロッテ、出かけるから戻ってね」
出かける準備はすぐに終わったし、弁当もすぐに食べ終わったから両方の結界を消すことにした。
言われた通りにシャルロッテはすぐにグリーフシードに戻ってくれた。そのタイミングに合わせて自分の結界を解いた。
そうすることで安全に外に出ることに成功した。
そして、真っピンクのカバンを持った普段のダサ服ファッションに戻って、駅に向かって歩き出した。
その途中に自分のソウルジェムが、永久に使えるグリーフシードのおかげで全く濁ってないことに気づいた。
普通ならグリーフシードは穢れを貯め切るとまた魔女が出てくる。だから、そうならようにだいぶ吸わせたらキュゥべえに与える。
だけど、私の魔法ならグリーフシードは穢れを吸わせても、魔女を出してグリーフシードに戻せばチャラになる。
これで永久にリサイクルが出来るのだ。
そんなことを考えながら歩いていると、そんなにかからずに駅に到着した。
目指すべき場所は多分あの駅だろうから、ちゃんと切符を買って電車に乗った。
しばらくして、魔法少女と魔女が多く集う街『神浜市』に到着した。
電車を降りてその地を踏みしめた途端に『この子はすでに解放されている』と誰かに言われた気がした。
元々30年も生きてきたけれど、やっぱり正体の分からないものは怖かった。
「なんなの、今のは」
そう呟いていると、駅の外に魔法少女の反応を感じた。
しかも、こんな所で数人が固まってるようだったから、多分マギウスの翼だと思った。
「ちっ、まだこんな所で絡まれるわけにはいかないんだよね。だから、気配を殺させてもらうよ」
そう言って、薄くなるべく見えないくらいにして結界を張った。
私の使える結界は、反応を消すものと攻撃を通さないものと攻撃に使えるものの3種類だ。
その中でも反応を消すものは使い勝手がいいから、こういう時には楽々と逃げられる。
ただ、これを理解したのはシャルロッテの結界の中だったので、その前の逃走の時には使えなかった。
本当に駅の周辺にいるのがマギウスの翼だったので、私はそそくさと逃げて公園にたどり着いた。
すると、そこにちょうど魔女が出現していた。
それを見た私は嬉しくてたまらなくなった。
『今度は魔女操作魔法で戦ってみよう』
そう思って入ってみると、そこには巴マミがいてゾッとした。
巴マミはドッペルを発動した環いろはを人に化ける魔女と言って、いきなり攻撃を仕掛けるような頭の硬い一面もある危険な人だ。
本来ならどこかのタイミングで死んでるはずなのに、そのフラグを何本か折ったせいで普通に生きてここにたどり着いてしまった。
ここで魔女を使えば私は終わる。
そう思って静かに公園を後にした。貴重なチャンスでも、あんなのがいたらさすがにお断りだ。
『魔女の回収の邪魔になる人は居なくなればいいのに』
そう思ったことを後で後悔することになるのだが、この時の私はまだそれを知らない。
次回、初めてのウワサは見たことのないウワサ
魔女を連れてるおばさんはマミさんが苦手です。
しかも、魔女と一緒にいてあっち側に落ちてるからなおさら。