ハリーポッター始末記   作:間川 レイ

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本日2話更新しましたので前話をお見逃しなくお願いいたします

追記 5月27日 22時頃、本文中の記述を1部訂正しました


6-8話

6.この僕、ロン・ウィーズリーの話

さてさて、お次はこの僕ロン・ウィーズリー、ロナルド・アーサー・ウィーズリーに追いての話だ。といっても僕自身について語れることなどあまりない。それに僕が世間からどう評価されているかなんて僕自身よく知っている。「ハリーポッターの腰巾着」「英雄の死を唯一看取った男」「友人を切り捨ててまで出世に励む冷血漢」。

 

ああそうさ、これらの評価は何ら間違っちゃいない。かの英雄様と比べて秀でたところなど一つもなく、かの英雄様が死地に赴くのをただ見つめ、すべての真相を闇に葬りその対価として闇払い局長の座を得たくそ野郎だ。僕にはハリーのような勇敢さもハーマイオニーのような英知も何一つないただの凡人だ。

 

とりわけ僕はこの本において一介の語り部、狂言回しに過ぎない。狂言回しが自分自身について長々と語ることなど煩わしい。これからはお待ちかねの、かの英雄様の死の真相、あの時何があったのかを語っていこうと思う

 

8.エピローグもといプロローグ

ギイギイと、音が鳴っている。

 

薄暗い魔法省の一室に、ギイギイとギイギイ、ギイギイと重たく安楽椅子の音が鳴っている。

 

そこは、内装だけを見れば、ごく一般的な魔法省高級役人向けの執務室だった。壁には大きなキャビネットが置かれており、そこには無数の分厚いファイルが収められている。そしてそのファイルには「H427作戦計画」や「第564号闇の魔法使い尋問調書」などのタイトルが記されている。

さらにそのキャビネットの隣にはくすんだ敵鏡が壁に掛けられており、更にはその下に煙突飛行にも使える巨大な暖炉とかくれん防止器が置かれている。どこまでも普通の、ありふれた魔法省役人の一室だ。

 

だが、豪華なマホガニー製のデスクの上に散らばった一面の羊皮紙や割れた酒瓶、転がるグラスに砕けた闇払い局長のネームプレートがその空間を異様なものに変えている。

そしてその中には白紙の羊皮紙もあるものの、大半がこまごまとした文字で埋め尽くされている。そしてそれらにはそれぞれ「■.まえがき」や「5.ハーマイオニーについて」などといったタイトルがこじんまりとした文字でと付されている。

 

しかし、部屋が異様な雰囲気なのはそれだけではない。

 

ギイギイと、安楽椅子の音が鳴っている。

 

一人の青年を載せて、ギイギイ、ギイギイと重たく安楽椅子の音が鳴っている。

 

そこにはまるで旧友に出くわしたように穏やかに微笑みながらこと切れた一人の男が乗っている。数々の死線を潜り抜けてきた逞しい胸板には一本の豪奢なダガーが深々と突き刺さり、胸元をその特徴的な赤毛と同じように深紅に染めている。その先端は背中へと突き抜け、その先端からは、まだ温かい血がポタリ、ポタリと垂れている。

足元には手から零れ落ちたと思しきグラスが転がっている。その横には一枚の羊皮紙が落ちている。インクは掠れ、まだ新しい羊皮紙だ。

そこに書かれているのはたった一文。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハリーポッター始末記」

 

 

 




本作品はこれにて完結です。本来であれば第6話を第5話とともに投稿したかったのですが字数の関係上このような形で投稿せざるを得なくなっております。そのため一部読みにくくなっており誠に申し訳ございません。また、プロットは最後まであると感想返信を行いながら完結まで約半年かかってしまいました。もし継続して読んでいただいている方がいたら申し訳ございません。そして最後までお付き合いいただきありがとうございます。
また本作品は筆者初の完結作品です。ご感想、評価など頂けると筆者の次作創作がはかどります

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