僕のヒーローアカデミアー麗日お茶子の兄ー 作:トガ押し
バイトと学校の両立になれ始めたお昼。茶虎は食堂でおなじみになってしまったメンバーで昼食をとっている。
「茶虎、その唐揚げ一つもらうです」
「は?いやいや、ダメって育ちざかりなんだからもっと食べないといけないんだよ」
「茶虎のケチ。でも、もらうです」
「あっ!」
唐揚げをガードしていたが、ガードが外れているところからヒミコがひょいっと唐揚げを一つ摘まみ上げて口の中に放り込んでしまった。
楽しみにしていた唐揚げの一つを食べられてしまったと残念そうにしていると、別のところからミートボールがお皿に放り込まれた。
「ヒミコちゃん、茶虎ちゃんからあんまりお昼取ったら駄目よ。茶虎ちゃんも、今日は私のミートボールを上げるからヒミコちゃんを許してあげて」
「梅雨ちゃん、ありがとです!」
自分をかばってくれる梅雨を抱きしめてヒミコが頬ずりをする。
「やめて、ヒミコちゃん恥ずかしいわ」
「今日はいただいておくよ、梅雨ちゃん。でも、明日からは取られても大丈夫だからちゃんと梅雨ちゃんが食べて」
だいぶ梅雨ちゃん呼びにも慣れて自然と口から出てくるようになった。最近は自然とこの三人でいることが多くなっている。もともとはお茶子もいたが、最近は飯田や緑谷と一緒にお昼ご飯を食べることが多いので、今日は欠席だ。
どのみち家では三人で食べているので、お昼くらい別々でもいいだろう。
「それより、今日の午後のヒーロー基礎学はオールマイトが担当らしいわ」
「戦闘訓練だって百ちゃんが言ってたです」
「ヒーローコスチュームもそろそろ届く時期なのかもね」
そんなた他愛のない話をしているうちに昼食を食べ終えて、教室に戻ると不意に欠伸がでた。
さすがにお昼過ぎとなると眠気も現れる。だが、ようやく待ちに待ったヒーローになるための授業だ。欠伸を噛み殺し、気合を入れていると、オールマイトが勢いよく、扉を開けて入ってきた。
入ってきたオールマイトにみんなが目をキラキラさせながら見つめる。そして、それは茶虎も同じだった。あの憧れてた人々を笑顔にさせるヒーローが自分たちがヒーローになるために授業をしてくれるのだ。
こんなにうれしいことはない。
しばらく、オールマイトからの話を聞いていると予想通り、コスチュームを着てグラウンドβへと集合するように指示が出る。
「ついに、ヒーローになるための第一歩だ」
感極まって拳を握りしめる。楽しみで、緊張や不安といったマイナスの面のことが頭から離れていく。
各自男女に分かれてコスチュームケースを持ち更衣室に移動し着替えをする。
「ちょっと、肩幅がキツイな……」
炭素繊維を編み込んだ特殊合金製の黒いコートだったが、ガンヘッドのところでトレーニングをさせてもらっているせいか少し体が大きくなってしまっていたようだ。合金を編み込んだせいでおそらく伸縮性が悪い。
頼んで作ってもらった武器であるパイルバンカーが内蔵された手甲を両腕に装備し、緊急時に飛び道具としても役立つように作ってもらった短刀の弾帯を足に装備する。
鎧の肩部、腰部、足部に一度きりで戦闘中再装填ができないが細かい金属弾を多数装填している。緊急離脱及び一撃必殺用の装備だ。
そして、極めつけは身の丈ほどの剣だ。身の丈もあるのはシールドに使うことを想定しているためで、シールドとしての使用時に重力の能力を流し込めば表面を能力でコーティングしてくれる機能も搭載している。
そして、顔全体を覆うフルフェイスマスク。防御力の向上と素顔をヴィランに見られないための装備だ。
周りを見て気が付いた。誰も剣や刀などの武器を持っていないことに。
あれ、流石に中二病っぽいかな大剣ってと思い始めた時に緑谷が話しかけに来てくれた。
「茶虎くんすごい重武装だね」
「まあね、戦闘を視野に入れて防御力を上げてるんだ。装備の重さは能力で何とかできるから」
「茶虎くんらしいっていうか、やっぱり誰かを守るって感じの装備っでいいね」
言われて気が付いた、やっぱり誰かの笑顔を守りたいんだと、気恥ずかしくなってフルフェイスでおおわれているのに鼻の下を擦る動作をしてしまった。
「そうだね、守るべきものっていうのがあるから戦えると思う。自分を犠牲にするのではなく、自分の守りを固めることで仲間を守れるように」
「頑張ろうね! 茶虎くん!」
「ああ、頑張ろうな! 緑谷」
拳を突き合わせてグランドへと出る少し長い道を歩く。
一年A組全員がコスチュームを着てその中を歩いていく。さすがに壮観だ。
重武装はあまりいないがそれはそれで自分一人が周りと違うと胸を張ればいいだけのこと。負けるわけにはいかないのだ。最強のヒーローになるためには。
グラウンドに出たところで、オールマイトの声が聞こえた。
「さあ、始めようか! 有精卵ども!」
その言葉を聞きながら、そっと横に来る影があった。
何故かセーラー服に短刀を装備し、六個の小さな針のついた注射器を身に着けたヒミコだ。
「何故セーラー服にブレザー」
「いや、こっちの方が動きやすそうだったのです」
「そしてその注射器は……」
おそらく個性を使用するための装備だということはわかっているが、敵から血液を奪うようなものではなく、むしろ銃弾のようにストックするためのものであることが容易に想像がついた。
六個ある注射器のうち、三つはすでに血液が装填されているということは。
「はい、お茶子ちゃんからは既にいただきました!」
そういいながらヒミコは自身のトレードマークであるギザッ歯をニッとして笑う。ヒミコは能力と約束の関係でお茶子か茶虎の血液が必要だがまさかこんな風にストックするとは思っていなかった。
「痛くしないでくれよ」
「任せるのです」
言いながら卑弥呼は三本の注射器であっという間に血液を充填してしまった。肌から滲みでてる血液についてはいつの模様にチュウチュウと吸われるが、ふとその光景をみていた峯田が。
「なんか、エロイな」
そうつぶやいたので、気恥ずかしくなってヒミコを押しのけた。
そして、授業が始まった。
だいぶ長いこと更新が開いてしまいましたが、再開します。
お待たせしました。