忍びの王 作:焼肉定食
とりあえずスランプあけで書いてみました。
バイトが忙しくてここのところほぼ休みが睡眠に追われていて執筆が全く行われていないもよう
まぁ頑張ります
運命のカウントダウン
「それで、雫とはどこまで進んだの?」
「……あんな。今雫と付き合っていること明言してないんだぞ?」
「……案外ヘタレだよね。君。」
「うっせ。……彼女ができたといって俺がすることは変わらないからな。」
ハジメとの再会から一ヶ月の月日が経とうとしていたある日のこと
と珍しくリリィが公務のために王宮で公務を行っていたので恵里と二人っきりで冒険者の仕事を受け終え少し代金処理に追われていたので仕事が終わる頃には夕暮れ時になっていた。
もちろん話題は恋愛関係のことが多く恵里が積極的に攻めてきて俺はそれを逸らしている
訓練している雫に出来るだけ付き合っている俺は少しだけ苦笑してしまう。
あいつは弱い。
そのことは小学生の頃から一番知っている自信がある。
もちろん光輝たちや香織にも知っているよりもずっと俺がわかっている
「……今どうこういうべきではないんだよ。俺も心配だけど人を殺すっていうのは俺たちみたいにそう易々できるわけじゃないさ。」
「……」
「なんだよ。」
「……殺すことに慣れているって恐らく嘘だね?」
その一言に俺は足を止めてしまう。
恵里が真剣な眼差しで俺を見てくる。
「気づいてないと思うけど最近人を殺す依頼が多いの分かっているの?ほとんど快斗くんがとどめを刺している。まるでそれが当たり前であるかのように。」
「……俺そんなに入れていたか?」
「うん。週に4回も盗賊や裏組織の壊滅の依頼を受けていたら誰でも気付くよ。……多少無理していることもリリィも言っていたからね。」
全く自分でも気付かなかったことを恵里とリリィが気づいていたことに快斗は戸惑ってしまう。
「気づいてなかったの?」
「あ、あぁ。完全に無自覚だった。」
「……なんか自分のことで抜けているよね。元々自分のことをあまり考えないやり方をしているけど。」
そんなつもりはなかったんだけどと俺はちょっとため息をつく
正直なところみんなには隠してもらっているが俺も初めて人を殺した時は吐いた
今でも手に嫌な感触が残っている。恐らく今日の夜も眠れないのだろう。
それが当たり前になっていたのだが
……まさか自分から殺人に慣れようとしていたとは思ってもなかった
「雫を甘えさせることも考えばかりじゃなくてちゃんと自分のことも考えないと。」
「…。」
なんというか、すごく痛いんだけど。
「……悪い助かった。」
「へ?」
「全く気付かなかった。結構俺もきていたんだな。」
と俺はぽりぽりと頭を掻く。
すると本当に気づいてなかったことを悟ったんだろう。
「えっ。本当に気づいてなかったの?」
「この世界にいてからはずっとフォローばっかりだったからな。……それに他人のことに目をそらし続けることで恐怖を紛らわせていたからな。」
「……っ!!」
恵里が絶句している。
今までそんな様子は見せてこなかった。だから気軽に頼ってくる人も多かった。
だから俺はちゃんとした恐怖というのから逃げている。
誰かが死ぬという恐怖から逃げている。
「……あんな。俺だって高校生だぞ。この世界の見解についても大体は理解しているし。怖いことなんて一杯あるんだよ。それを隠す為に必死なんだぞ。」
本音を隠していた訳はそこだ。ずっとクラスメイトのことに目をつけて。依頼の為という理由で。
ずっと恐怖を隠し続けている。
今でも恐らくこれからもずっと隠し続けていくのであろう。
「……本当なんだね。」
「あぁ。」
「……そっか。」
と言いながら恵里は何も言わない。
そうしていつもと同じ帰り道を歩いていると
「……ん?」
街中でフードを被った女性が通りすぎる。それはいつもとは違うが……恐らく見間違いはないだろう。
あいつが俺に挨拶しないなんて珍しいな。
と思った矢先急にいやな予感に襲われる。
「どうしたの?」
「……恵里。悪い。ちょっとハジメのところ行ってくる。」
「えっ?」
「恐らく。今のフード姿もう一人のパーティー仲間だ。」
すると恵里が驚きの目でその言葉がリリィであることを遠回しで言っていることが分かったのであろう。そして数秒考え恵里は俺の背中を押す
「……うん。私は雫と鈴をごまかしておくね。」
「へ?いいのか?」
「うん。ちょっと緊急の依頼があって帰れないって言っておくよ。快斗くんはもう何か感じ取っているんでしょ。私もその嫌な予感が当てはまっているとすれば……南雲くんを呼んできた方がいいと思う。でも二人が抜けたら大変なことになるから私か快斗くんかになるけど。それならば南雲くんと仲がいい快斗くんの方がいいよね?」
本当に頭が回る奴だよ。今回ばかりは俺で解決できるような問題でないのを悟ってのリリィの行動だ。
恐らくそれは正解なんだろうけどあいつ護衛もつけずに行動するなんてさすがに見逃せる訳がないだろう。
きな臭いことになってきた。
「サンキュー。……気をつけろよ。」
「そっちこそ。リリィにもよろしく。」
時は近いと言ってもいいだろう。リリィのあの慌てよう。教会が動き始めたことに違いない。
……正念場だな。
俺は顔を一度叩き走りだす。
運命の時まで残り3日。
悪夢のカウントダウンが始まっていた。