今更ですが、ラプソーンのCVは高木渉さん(3DS版のプチソーンを担当しています)です。
クロウのイメージCVは筆者自身が男性声優に詳しくないのもありますが……個人的には松岡禎丞さんを考えています。
今回のあらすじ
あんり「ここはお肉屋さんだよ。どんな用?」
ウガルル「→買いにきた
売りにきた
やめる
ウガルルの一件があって以降、ミカンの呪いはすっかり消えていた。
それもそのはず、呪いの原因はウガルルであり、「ミカンを守る」という命令に従い動揺した時に周囲の人間に攻撃していた結果だったのだから。
「よ~ミカン。色々持ってきたぞ~!」
「クロ、ありがと~」
そんなウガルルも、なんやかんやあってミカンの部屋で一緒に暮らしている。
「お、ウガルル…髪の毛さっぱりしたね!」
「ミカンに整えられタ!! お前がクローだナ!」
「うん、まぁそうだよ」
最初はミカンから離れようとしたものの、「10年も心の中に居たんだから今更よ!」と言わんばかりに同居を許して、今はすっかり元気なようだ。
「オレ、お前のコト知ってル! ミカンが心震えた時いつモお前いタ!…ト思ウ。なんでダ?」
…? ウガルルが俺のことを……あぁ、そうか。
10年もミカンの心の中にいたってことはつまり……俺がミカンと初めて出会った時点で、既にミカンの心の中に、ってか。
引っ越す前では俺とミカンで同じ家の中で過ごしてたと思ったら、実はウガルルもいたってことなんだな。
「ウガルル、多分俺と君が初めて出会った時にはウガルルはミカンの中にいたんだ。
だからなんとなく知ってたんじゃあないかな?」
「んがっ………ンー? なるほド?」
「ははは、ちょっと難しかったかな?」
『…む? ちょ、ちょっと待てクロウ』
ゴミ先祖が口を挟んでくる。何かに気づいたような言い方だが……
『つまり、クロウはウガルルの父親ということになるのか?』
「はぁ!!?」
「ほあっ!!?」
変な声が出た。
コイツは……このゴミ先祖は何を言っているんだ!?
「オイオイオイオイ待て待てゴミ先祖!?
なんで…俺がウガルルのパパなんですかねぇ…!?」
『そもそもウガルルが陽夏木ミカンの娘なのは分かるな?』
「いやまずそこから分からんのだけど」
「娘ってやめてもらえるかしら??」
というか娘って何の事だ。俺の幼馴染が知らぬ間にママになってるとか何の冗談なのか。
『魔力をもって魂的なものを育んだらそれはもう魂のパパ・ママなのだ。我等もそのようにして子孫を増やし、血を繋いできた』
「そうだったの!!?」
『腹をくくるのだ陽夏木ミカンよ。貴様はどうあがいても15歳ママ魔法少女の宿命は変えられん。ウガルルを認知してやらねばな』
「ママはやめて!!あと認知って言い方良くないわ!!!」
まさかのゴミ先祖の子作り云々の秘密がここに明らかになる。
ゴミ先祖の言い分が本当なら、マジにミカンに子供ができたことになるけども。
でも、ウガルル誕生に俺は関係ないはずだ。
「そうか。仮に3歩譲ってミカンがママだったとして、だ。俺がパパだという根拠はあるのか?」
「クロ?それは流石に譲りすぎじゃない? あと97歩くらいなんとかならないの?」
『クロウよ。リコの魔力料理の件の前、陽夏木ミカンに料理を振る舞ったことは?』
「数え切れないほどあるけど………まさか」
『うむ。二人で同棲していた頃、クロウの料理に魔力が僅かにでも紛れ込んで、陽夏木ミカン経由でウガルルに与えられてもおかしくはない』
「そ…そうかもだけど………同棲って言うのやめろォ!!」
暗黒神の子孫に目覚める前は普通の一般ピープルと同じように過ごしてきたため、魔力が扱えたとは思えない。でも、分からなくなってきたぞ。
リコは料理に魔力を込める事を「丹精込める」とも言っていた。まぞくになる前は比喩表現的に丹精込めて料理した事あったから、そん時にウガルルの元へ魔力がわずかでも送られたとはあり得るのかもしれない。
でも、元一般ピープルだぞ? そんな事あるのか? やはり、ミカンシングルマザー説の方が強そうだけどなぁ……
「………子持ちミカン………」
「聞こえたわよこのおばか! ウガルルのいない場所で覚悟しておきなさい!!」
「ちょ、待つんだミカン!今のは悪かった!! ほんの出来心で―――」
『言っておくがクロウ、貴様も子持ちだぞ?』
「え?」
「は??」
『チロルがいるだろう? 魔力による儀式で生み出したんだからチロルにとってはクロウは父親同然だ』
「「……………」」
悲報、俺も親だった。
いやーーでも待ってくれ!! 相手はチロルだぞ!?
ウガルルみたいな人型じゃない、どっからどう見ても猫なんだぞ!
「……クロ? 私をミカンママってからかえなくなったわね?」
「そんな訳ないだろう!! ウガルルみたいな人型と違って、チロルは猫だぞ! 人の子供が動物でしたとか、そんな北欧神話じゃあないんだから……」
「あら、それはチロルに訊けば良いんじゃないかしら?」
「くっ………!!」
チロルがここにいなくて良かった。
もしここにいたら、チロルが俺の事をなんと思ってるかが試されて、最悪ミカンと同じように16歳パパまぞくにされていたかもしれない………!
『ウガルルよ、我がラプソーンだ!お前のお爺ちゃんでもある!』
「んが…らぷ、そーん? おじーちゃんってなんダ?」
『お爺ちゃんとはパパのパパ、もしくはママのパパである!』
「ンー…パパのパパ、ママのパパ、ママでパパ……??」
『要するに、我はウガルルの父・クロウのご先祖だから我はお爺ちゃんなのだ!』
「「何教えてんだ(の)暗黒神!!!」」
とりあえず、ウガルルに祖父を刷り込もうとしているゴミ先祖は二人で協同的にしばき倒す事にした。
「ウガルルを変な事を教え込む輩から守るためにいろいろ教えたいと思います」
「賛成ー」
「オー!」
ゴミ先祖みたいに変な刷り込みをされても困るので、俺とミカンはウガルルに基本的なアレコレを教えることにした。
「まずは何よりも、言葉を教えることから始めようか」
「そうしましょうか」
まずは基本中の基本、言葉だな。
ウガルルはこの街に呼び出された夜、ミカンから「仕事を探す仕事」を命じられた。ウガルルは当然、そんなざっくりしてふわっとした仕事など簡単に分かるはずもない。だが何を探すにしても、最低限読み書き出来なきゃ始まらない。
「じゃあまずは漢字を…」
「待たんかコラ」
すぐさま漢字を…それも柑橘系漢字が書かれたノートを取り出して教えようとするミカンを羽交い締めにする。
柑橘……蜜柑……檸檬……レベルが高すぎるだろうが。ゲームでもそうだが、最初の街のモンスターは弱くて当然だろう。いきなり漢字なんて難敵やってられるワケがない。
「なにイキナリ難読漢字を見せてるんだ?なんなの、脳みそがクエン酸で溶かされちゃったの?」
「柑橘系へのアツい風評被害やめなさいよ!大事じゃない!」
「日本語は難しい。ひらがなカタカナから教えないとまず覚えられない。だからそこから初めて…」
「クロだってマヨネーズの単語を覚えさせたいだけじゃないの!!」
至って普通の日本語講座を始めようとしたらミカンにヘッドロックを食らった。俺は真面目にウガルルの為を思ってやろうとしてるんだぞ?
確かにマヨネーズに漢字は使わないし、ひらがなカタカナを覚える以上覚えやすくなるけど、それとこれとは何の関係もない!
「待て待てミカン、それは関係ない!マジでひらがなの方がカンタンだから…」
「それだと柑橘系を覚えられないかもしれないでしょ!」
「いや…みかんもレモンも漢字で覚える必要なくない?」
「言ったわね!?覚える必要ないならそもそも漢字が生まれてないわよ!頭に悪い脂の塊ばっかり採ってるからそこまで頭が回らないのかしら!?」
「…言うに事欠いてマヨネーズを頭に悪い脂の塊と言ったかこの魔法少女!ちょっとしたお灸がお望みならそう言えよなぁ?」
「望むところよ、返り討ちにしてやるわ!」
『……おいクロウ、陽夏木ミカン』
「「なに!!?」」
『夫婦ゲンカは後にしろ!!犬も食わないモノを子供に見せるんじゃあない!』
「らぷそーん、フーフゲンカってなんダ?そンな食えないほドまズいのカ?」
「「……………」」
ゴミ先祖の一喝で場が静かになる。今回ばっかりはコイツが正しいばかりに、二人とも反論できなかった。
とりあえず、ウガルルの教育方針はひらがなカタカナから始めることにした。
ウガルルの教育だが、順調とは言い難かった。
もともと戦闘系が得意なまぞくだったからか、字を読むことはそれなりに出来るようになったが、漢字はほぼ読めず、数字も10から先でつまづいてしまう。
それでも、勉強の甲斐はあったようで、かしこさは上がっているような気がする。
現に、ウガルルはスラリン*1やナツミ*2と一緒ならおつかいに行くことが出来る。ある意味、これは大きな進歩だろう。ミカンの心の中に10年間いた事を考えても、知能はほぼ生まれたてと言っても過言ではない。
だが、一人ではやはり心もとないと言わざるを得ない。何故なら、最初に一人きりでおつかいに行かせた際、「佐田の店で鳥モモを買ってきて」と頼んだのだが、ウガルルは鶏肉となんと桃を買ってきたのだから。しかも鶏肉は胸だったし。
その後鶏むね肉も桃も美味しくいただいたし、本人もその夜ごはんの鶏唐揚げにご満悦だったので厳しく言えず間違ってるよと指摘できなかったんだけど………やっぱり、正しくおつかいして欲しいよね。
というわけで、今回はウガルルに再び、おつかいを頼みたいと思います!
「ウガルル、またおつかいたのんでもいいかい?」
「いいゾ!」
「今日はちょっと難しくなるぞ~二つだ!」
今までは一回につき一つ頼んでいたのを二つにする。何事も少しずつレベルアップだ。今は一つが二つになっただけだが、やがて頼む数を増やしたりルートを考えるようにしていけば、かしこさはうなぎ登りとなるに違いない。
「行くゾ!」
「行ってらっしゃ~い」
ウガルルがバッグを下げて家を出る。
今回頼んだのは鳥モモと小松菜だ。前回のリベンジも兼ねて、バッチリ買ってきて欲しい所である。
「………………」
ウガルルならできると信じている。だから俺が今、ウガルルの後ろからコッソリついていってるのだって、おつかいができるか否かへの不安ではなく、不審者とばったり会わないか散歩ついでに見守るためである。ウガルルの腕っぷしならそんじょそこらの不審者に遅れは取らないだろうが、絶対なんてものはない。
「鳥モモ!コマツナ!鳥モモ!コマツナ!」
「………………」
「鳥ダ………モモ? コメ…ツナ?」
「……………」
おやおや?怪しくなってきたぞ?
小倉のとこのトリタロウ君を見たせいで鶏ももの鶏が抜けて桃に変化し、小松菜のはずが米とツナに分離しだした。このままだと桃と米とツナを買ってきてしまう。
だが俺は訂正しない。ここで俺が出てってしまったら、おつかいの意味が無くなってしまうからだ。本人は気にしなさそうだけど、彼女のためにならない。でもその代わりに手は打ってある。
「ピキー!」
「スラリン?」
「ピキー!」
「コレハ………!!」
ウガルルの前に現れたスラリンが、彼女に紙を見せる。それを手に取りしっかりと読むと、ウガルルは納得する。
「……鳥モモとコマツナ! ソうカ!!」
「ピキー♪」
そう。実は、予めひらがなで書いた買い物メモをスラリンに持たせていたのだ。
そして、ウガルルの後についていき、買う物を忘れそうになったタイミングでウガルルに見せる。こうすることで買い物の成功率が格段に上がるのだ。人間ですら買う物をウッカリ忘れてしまうことがあるのだ。受肉一か月の使い魔?なら尚更だろう。
さっき言及した、『ウガルルはスラリンかナツミが一緒なら買い物ができる』とは、こういうことだったのだ。メタぞう*3?あいつはどうもシャイな所があるのか、商店街のような人前に出たがらないのだ。こればっかりは本人(スライム)の意思が関わるのでどうこう言えない。
買う物を思い出したウガルルは、まっすぐ八百屋に向かっていく。これで、今回は買う物を間違えずにおつかいを果たせるだろう。
「……………何してんだ? 神原」
「!?!?!?!?!?」
突然声をかけられた事に心臓が飛び出そうになりながら、振り向きざまに両手に闇の魔力を纏う。ま、まさか不審者―――
「わぁーーーーーーーーー!!!? 待て待てまてまてまて!!! 俺だ!遊元だ!!」
「………ダイ?」
はて? なんでこんな所にダイがいるのか。
ダイはいつもの制服姿とは異なり私服姿であることから、コイツは何らかの目的でここに来ているのは明らかだが……
「……あー、またナンパしてたのか?悪いことは言わないから、この辺でやるのは諦めろ」
「違うわ!!今回はたまたま買い物にきた帰りだし!! そういう神原は何でここにいんだよ?奇妙な変装?までして」
ダイのことだからどうせまた懲りずにナンパでもしてるのかと思ったが、今回は本当に目的があってたまさくら商店街に来ているらしい。奇妙な変装してまで何してんだと問われるが、俺がしてる変装はサングラスだけだ。それ以上やったら逆に怪しまれて、全く嬉しくない回覧板デビューを果たしてしまう。
「ウガルルのおつかいを見守ってたんだよ」
「ウガルル?………あぁ、この前シャミ子が召喚した陽夏木の子供か」
「…それ絶対本人の前で言うなよ。で、ウガルルはまだ日本語が上手じゃないからな。スラリンと一緒に買い物できてるかをちょっと見てたわけだ」
「…パパじゃんか」
「パパじゃない」
なんなんだよマジで。俺はまだ16歳パパまぞくじゃないんですけど。なんでそうまでして俺を父親にしたがるんだ……
「―――あ、しまった…見失った!」
「いーじゃんかよ。もともとおつかいだったんだろ? 早く家に戻っておいた方が良いんじゃないか?」
俺がダイと話している間にウガルルとスラリンが別のお店に行ったからか、再び見た時には二人(一人と一匹)の姿がこつぜんと消えていた。なんてこった。これでは、これ以上ウガルル達をコッソリ追うことなんてできない!
「…仕方ない。帰るしかないな」
「じゃ、途中まで一緒に帰ろうぜ。召喚されてからのウガルルちゃんの事、知りたいからな」
「……あの子に手を出したら、ぶん殴ってやる」
「出さないよ!死にたくないし!!」
「ちょっと信用できないな」
「怖ええーーーーーーーよ!! 手をバチバチさせながら凄まないで!!?」
出会ってダチになってからほぼ毎日『彼女が欲しい』と嘆いてたヤツの人徳のなさを指摘すれば、逆に無意識で魔法が出かかっていたことを指摘される。腕を見ると、黒い雷のようなものがバリバリ言っていた。それはゴミ先祖との特訓やこれまでの戦いで得た咄嗟に出せるものであって、意識すればすぐに引っ込めることができたので問題ないけど。
「あの後、俺とミカンで言葉を教えたんだ。ミカンったらいきなり柑橘系漢字を教えようとしててビックリしたぜ」
「もうパパとママじゃねーか」
「違う。『仕事を見つける仕事』に役立つし変な事を吹き込む暗黒神からの自衛の第一歩でもあるだけだ。でも、あんま結果が芳しくなくてな。ひらがなカタカナもまだ覚え終わってない」
「そうなのか……まぁあの儀式があってまだ一か月くらいしか経ってないんだ。地道にやった方が良いんじゃないか?」
「それもそうだな……!」
この後、買い物袋を両手に持つダイにウガルルのその後をあっさりと教えながら帰宅した。
「あ、そうだ神原…ちょっと頼みがあるんだ」
「なんだ?」
「今日だけでいい! このムフフ本を預かっていて欲しいんだ!!」
「………………」
ただ、別れ際にムフフ本を押し付けて押し返す隙もなくささっと逃げ帰ってしまったダイは、後日
それから俺は、ばんだ荘前から俺の家までの距離を、押し付けられたムフフ本を隠しながらどうやって帰ろうかと四苦八苦した。とてつもなく人目が怖かったし、長くない距離のハズなのにその日だけはばんだ荘からマイハウスまでの道がとんでもなく長く感じた。しかも、家に着いてからゴミ先祖やチロル、スラリン達(あと小倉)の存在に気がつき、アイツらに見つからない隠し場所に再び数十分悩みだすのであった。
あぁそうそう、ウガルルとスラリンのおつかいの結果なのだが……
「おぉ、ちゃんと買ってきてくれたね!!」
「どうダ!オレ頑張ったダロ?」
「あぁ、よくできました!ありがとう!…………あれ、思った以上にお金減ってる…?」
「ン?」
「…ウガルル、何買ったの?」
「鳥モモと、コマツナト…コロッケ!」
「コロッケ?」
「コロッケ、マジウマダッタ!!!」
「…そうなの、スラリン?」
「ピキー♪」
「………そっか」
予想外の出費だったが、あげカスがほっぺについてるのがかわいいから良しとした。
―――ウガルル&スラリンのおつかい後、帰宅後の我が家にて。
『ムフフフフフフフフフフ………』
ゴミ先祖の気持ち悪い笑いを聞いた俺は、咄嗟にチロルの耳を塞いだ。
それと共に、最悪なパターンが頭をよぎる。そんな笑いがひとまず止むと、杖の足音(というと変かもしれないが)がこっちにやってくる。俺は闇の電撃を右腕の指先に集める。
そして赤い玉をくわえた鳥を模した杖が扉に入ってきた途端―――ソレにぶっぱなした。
『ギャアアアああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!? クロウウウウウウウウ!!何故いきなり我を攻撃したーーーーーーーッ!!!?』
「チロルの教育に悪い声を響かせたからに決まってんだろ。お前のせいでスラリン達も何事かとビビってるし」
特にメタぞうなんかはクローゼットの奥へ走り去ったしな。アイツほんとにビビりなんだから。まぁ、それを差し引いても今のゴミ先祖の笑い声は、汚い欲望に塗れた人間が出すような下品な笑いだったのでスラリン達やチロルには刺激が強すぎるが。
『なんだよ!せっかく現代のムフフ本を見つけたのだから、過去と今とのムフフ本思い出話を振ってやろうかと思ったのに!!』
「!!!」
何たることぞ。俺がダイから(無理やり)
しかもかなりマズいことに、その話をチロル達がいる前でしてくるとは……! 汚いな流石暗黒神きたないと言わざるを得ない。
『クロウよ……貴様とて、ああいうのに興味があるんだなぁ?』
「あの本はダイから押し付けられたんだよ」
『ふははははははははははこやつめ。定番の言い訳まで言いおって、恥ずかしがらんでもよかろう? ぱふぱふの仕方まで載っていたぞ?』
「マジに押し付けられたんだよ。あとぱふぱふってなんだ」
『ふはっはははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』
事実を話しても全く信じてもらえず、恥ずかしがっていると思われている。その会話の中で出てきた絶妙に耳に残るワードについて尋ねると、なんと壊れたように笑いだした。ウゼェ。
「ニャー」
「え!? えーと、チロルにはまだ早いかなー?」
ほらぁ、チロルがムフフ本やらぱふぱふやらのワードに興味を持っちゃったじゃんかー。ゴミ先祖の野郎、後で5回ぐらい焼き尽くしてやろうか。
『すまんすまん…で、ぱふぱふだったな。ぱふぱふとは…古代より伝わる秘技の一つ。有史以来女性にしか修得が叶わなかったという――相手の意識を奪うことに特化した最強の技術よッ!!』
「語感的にそうは思えないんだけど……」
『詳しくは魔法少女に訊くがいい』
「え?」
魔法少女が知ってるのか?ぱふぱふを??
良く分からないが、ゴミ先祖が『魔法少女に訊け』ともったいぶっている以上、コイツにこれ以上訊いてものらりくらりと躱されるだけだ。ならゴミ先祖以外に訊くしかないな。でも元々ムフフ本に書いてあったことだろ? そんなの……ミカンや千代田に訊いてもいいのか?でもなぁ、他に良い手は―――あ、そうだ。
ふと降って湧いた様に良い事を思いついた俺は、その案を行動に移すことにした。この時間帯なら、まだ大丈夫なはずだと、電話をかける。
『もしもし、黒男か?珍しいな』
『元気~?』
「久しぶり父さん、母さん。突然なんだけど、『ぱふぱふ』って知ってる?」
そう。魔法少女はうちの身内にもいるのである。
最近知ったが母さんは超がつくほどベテラン魔法少女なわけだし、ゴミ先祖が魔法少女の方が詳しいと言っている以上、人選は間違ってない筈だ。ただ、電話しだしてからなんだか変な慌てようなのは気になるケド。
『え、ぱ、ぱふぱふだって…?』
『……黒男、誰から聞いたの?』
「ゴミ先祖から」
『そう。……よく聞いてね黒男。ぱふぱふっていうのはね―――ひと言で言えば、エッチなことよ』
「やっぱりか………ありがとう」
じゃあねー、と言いながら電話を切る。
危なかった。もし咄嗟に良い事を思いつけず、ミカンや千代田、不二に電話してぱふぱふの事を聞いていたなら、セクハラされたと思われていやらしまぞくの烙印を押されていただろう。
――――――さて。
「…表へ出ようかゴミ先祖」
『うわあぁぁーーーーッ!?!? ま、待つんだクロウ!これにはふかーーーい訳が……』
「無いだろう?どーせ『楽しみたかった』とかそんなんだろ」
『ご、誤解だァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!』
ゴミ先祖の杖を捕まえて、すぐさま庭へ。杖だというのに、くねくね身体(?)をよじらせて抵抗するも俺の握力には敵うまい。この後俺は、ゴミ先祖にしこたま
余談になるが、その夜ミカンのお母さんから「娘とのぱふぱふは付き合ってからね☆」という謎の電話が来た。誰から聞いたのかなんとなく分かってしまった俺は、「ミカン本人に伝えるのは勘弁してください」と答えるしかなかった。
がんばれクロウ!アダルティックな情報を正しく知って、健全な生活を営んでいくんだ!
オリジナル&ゲストキャラクター紹介
神原クロウ
ウガルルのお世話をミカンとしたり、急に押し付けられたムフフ本の扱いに悩んだりした暗黒神後継者。チロルにはついに「君のパパは誰だい?」と訊けなかったが、ウガルルへの振る舞いが完全にパパまぞくだってことにはまだ気づいていない。
暗黒神ラプソーン
ウガルルに祖父を刷り込めませようとしたり、クロウに無自覚セクハラをそそのかしたりと相も変わらぬ暗黒神。ミカンに折檻されたりクロウに燃やされたりするが、絶対にへこたれない。長生き(?)しているだけあって、ぱふぱふの意味を熟知している。
遊元泰庵
買い物帰りにウガルル&スラリンを見守るクロウに偶然出くわした一般ピープル。帰る直前にクロウにムフフ本を預ける。お陰で彼の家族に本が見つかることはなかったが、翌日クロウにラリホーとメダパニをしっかりかけられた。
今回の呪文辞典
ベギラマ
・敵一グループに激しい炎を放ち、ダメージを与える。
ラリホー
・敵一グループ(または一体)を眠らせる。
メダパニ
・敵一グループ(または一体)を混乱させる。
アイテム大辞典
ムフフ本 種別:その他・本
要するにエッチな本と思われる。『ドラクエⅪ』から登場したワードであり、寛容な時が過ぎ去ってしまったことを受けて「エッチな本」から改名したと推測できる。ちなみにダイがクロウに押し付けたのも「数あるムフフ本の中でも最高と名高い『ピチピチ☆バニー』」であったりする。女性陣に見つかろうものなら名誉がゼロを通り越してマイナスに突入するだろう。
この人の事をもっと知りたい!(拙作オリキャラ限定)
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クロウの母親魔法少女・神原玲奈
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お嬢様系青色魔法少女・不二実里
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ナンパ陽キャ一般人・遊元泰庵
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不思議チェスプレイヤー・篇瀬吹雪
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上の選択肢には乗ってない!(感想欄でさり気なくどうぞ)