†MULTIPLE AIGIS† True Eyed Knight   作:てゐと

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今回から「真眼子」の表記を「まなこ」に変更します。


第三歩 静かなる激情

まなこ「ここがワイルドエリア…」

もみじ「広いねぇー…」

まなこ「そう?なんか思ってたより広くないんだけど」

元大富豪の令嬢であったまなこからすれば屋敷一つ分と換算すればワイルドエリアはそこまで広く見えなかった。完全に感覚が麻痺している。そんなまなこ一向の元に警官が近づいてきた

???「失礼。まなこさんですか?」

まなこ「え、あ、はい」

突然警官に呼ばれたことでやましさは無いが少し戸惑う。だが取り出された手帳と共に一言でその不安は取り除かれた

キャヴァリー(パルスワン♀️)「突然すいません。私はガラル警察エンジン署所属。キャヴァリー巡査であります。そしててゐ劇にも所属しており、今回僭越ながらベノホーン殿より命を受けて参りました」

まなこ「過保護だなぁ…ベノさんも」

苦笑いで答えるまなこ。嬉しさ半分とそれほどまでに危険な任務なのだと再認識する

???「メッソンにココガラ。いかにも初心者って感じだね」

まなこ「うわっ!?えっ!??」

後ろから当然声がして振り返るとボールを二つ持った髭の生えた仮面をした人物がいた。そのボールはひぐらしとフェルムの入っているボールだった

キャヴァリー「ナハブ!今すぐ返さないと窃盗の現行犯で総司令に報告するわよ!!」

向けられる拳銃。よく見るとキャヴァリーの腕に手錠がかかっており、それを辿るとナハブの腕につながっていた

ナハブ(フォクスライ♀)「おっとっと、勘違いしないでさ。私はバトルの稽古をする子がどんななのか気になっただけ。何も盗る気なんて無いよ」

そう言って「返すよ」と渡されるボール。まなこは睨みながら警戒する

まなこ「いつ盗ったの?」

ナハブ「君が苦笑いした瞬間だよ。はい、どうぞ」

それをまなこが受け取るとグイっとナハブはキャヴァリーに引っ張られた。相当常習犯なのかキャヴァリーもかなり怒っている

キャヴァリー「次やったら刑務所にぶち込むから!いくら総司令の命令でも許せないものは許せない!」

ナハブ「はいはい。ところでさ、珍しい奴もいたもんだよ。そのメッソン、みずでっぽうが当てられないんだって?報告は受けてるよ。ほらほら、そいつ出して」

まなこ「…。出てきて、ひぐらし」

ひぐらし「はいですぅ!」

まなこ「フェルムも、出てきて」

フェルム「あいさ」

 

 

 

キャヴァリー「これよりバトルの基本を教えます。捕獲ができたのならすぐにでも上達するでしょう。まずはシングルバトルからです。フェルムさんは私の指示に従ってください。まなこさんはひぐらしさんを支持してあげてください」

まなこ「行くよ、ひぐらし」

ひぐらし「やってやるですぅ!!」

キャヴァリー「まなこさん!基本ですがもう少し右か左に寄ってください。シングルバトルの際、互いのポケモンが向かい合うのが基本体制です。この時支持するトレーナーがその真後ろや真正面にいると攻撃が直撃する恐れがあります。必ず少しずれてください」

まなこ「はーい!」

キャヴァリー「ちなみにずれていないとー!ナハブ」

ナハブ「シャドーボール!!」

まなこ「うあっと!?」

少し離れた場所にも関わらず衝撃でひるむ三人。それほどポケモンの技というのは危険なのだ

キャヴァリー「今みたいなのが直撃します。気を付けてー!」

まなこ「あはは…洒落にならないね…」

 

 

もみじ「インフレーションって怖いね…」

あやはる「まおさんたちの模擬戦に比べるとすごく生ぬるく見えてしまいますね…」

 

 

まなこ「みずでっぽう!」

ひぐらし「当てる!!」

フェルム「前に比べりゃ精度は良くなった!けど!」

キャヴァリー「フェルムさん!回り込んでください!」

フェルム「まだまだノーコンだっ!!」

指示通り回り込んで回転しながら蹴りを二発浴びせるフェルム。一方のひぐらしはまなこへ目線を送る

まなこ「…」

その目線にまなこはアイコンタクトで返す。じりじりと後退りひぐらし。そして…

フェルム「余所見してる場合かっ!」

突撃してくるフェルムを二人は見逃さない!

まなこ「ひぐらし!しめつける!」

ひぐらし「はいですぅ!!」

素早く水でフェルムを捕まえて地面に叩きつけると背中に手を当てる。そこで終了の笛がなった

キャヴァリー「そこまで、お見事でした」

ひぐらし「どーだ、見ましたか?」

フェルム「くっつくな、顔がキモい」

まなこ「ケンカすんなっての」

やれやれ顔で二人をボールに納めるまなこ、そこへ拍手と共にひとりの少女が歩いてきた

???「いやぁ、すごいねぇ。君」

まなこ「どうも…。あなたは?」

それを言った瞬間。まなこの真横をあやはるがとんでもないスピードでよぎってその少女にパルチザンをふり下ろした!

???「プロテクトシールド」

しかしそれは重い音を立てて弾かれた。その勢いからあやはるの手からパルチザンは空中に舞い、手ぶらとなったあやはるは両手からの糸で少女を拘束した

???「なにさなにさ、出会い頭に。フリーダムイズマイン」

きっちりガッチリ巻き付いていたはずの糸はまるで意思を持つようにほどけた、服をパンパンとはらうと水色の髪を撫でて彼女は年相応の顔を見せた

???「あー、あやはるちゃんだっけ。お久しぶり」

あやはる「白々しい…。あなたのせいで…、あなたのせいでマリーは!!」

???「殺したのはリンだよ。私はマリーが君達に負けた時点で悟りの闘技場から充分エネルギーを貰っていた。むしろDNAサンプルの現物をあげたんだからいきなり襲いかかられる道理は無いんだけど」

まなこ「誰、あんた」

あやはるの形相からその場を納めるように間に入るまなこ。あやはるは今にも悔し涙を流しそうな顔に血が出るほど拳を握っていた

フラン「私はフランチェスカ。あやはるちゃんとはちょっと前に面識があってね、まさか恨まれてるなんて思わないじゃん?」

まなこ「何があったのか、説明してほしいね。私はまなこ、この子の姉だ」

フラン「お姉さんなら妹のことちゃんと見ないと一生後悔するよ?」

まなこ「見てきたような口振りだね」

フラン「まあね。ともかく説明してあげよう」

 

 

 

 

少女説明中…。

 

 

 

 

 

まなこ「んなろぉ!!ぶん殴ってやるっ!!よくもあやはるにそんな事体験させやがったな!!」

フラン「まぁまぁ落ち着きなよ。あくまでも偶然だったのさ、確かにマリーの遺伝子には細工をしたよ。不安を、恐怖を、力に変えるようにね。でもあやはるちゃんの存在と裏切りに取れる行動は予想外だった。そこにリンが制裁を加えた。だからあやはるちゃんの力を利用した。それだけだよ」

まなこ「このっ!!ド外道-っ!!」

もみじ「まなこ!ストップー!」

まなこ「もみじ離して!!こいつはっ!!」

フラン「外道でもなんでもいいよ、言われ慣れてるし。どうしてもぶん殴りたいならさ、これで勝って見せてよ」

ボールを取り出すフラン。まなこは納得いかない顔をしつつも暴れるのをやめた。そしてボール構えた

まなこ「来いよ…!誰の妹に手ぇ出したか教えてやるよ…!」

 

 

ナハブ「いいのかい?見てるだけで」

キャヴァリー「私たちが総司令から受けた命令はトレーナー同士のいざこざに手を出すことでもなければ私怨に助太刀することでもない。だから…」

ナハブ「ふーん。ま、審判ぐらいはしてあげてもいいんじゃない?公平ならさ」

キャヴァリー「…。あの子たちがポケモンを使わず争うならば警察官として止めるよ?」

ナハブ「それでいいんじゃない?」

 

 

 

 

キャヴァリー「まなこさん。バトルの審判は私がしましょう」

まなこ「…。お願いします」

 

憎しみと怒りに炎を燃やすまなこは静かにフィールドの定位置に足を運んだ。逆サイドではすでにフランが待機していた

フラン「一応。市販されてるマニュアルは全部知ってるからさ。遠慮せずに来てよ」

まなこ「遠慮…?するわけないだろ…!!」

キャヴァリー「使用ポケモンは三体。シングルバトル。時間無制限。異論は?」

まなこ「無いさ」

フラン「目の前に同じく」

キャヴァリー「試合開始!!」

まなこ「フェルム!!お願い!!」

フラン「それじゃあ…。行ってきてね、ラフレイア」

まなこはフェルム。フランが繰り出したのはナゾノクサだった

まなこ「草タイプ…。相性は有利!フェルム!ついばむ!!」

フラン「相性がいいと油断する。初心者によくあることだよ」

垂れ下がった頭の草。その間からギロリと赤い目を光らせてラフレイアはいきなり悲鳴のような絶叫でフェルムを弾き飛ばした!

まなこ「がっ…!!ふぇ…フェルム!!ちょうはつ!!」

しかしあまりのうるささにまなこの声は届いていなかった。まなこがそれに気が付くはずもなく、叫び終わるとラフレイアはすさまじい勢いととんでもない速さでフェルムに襲い掛かってきた!

もみじ「早い!ナゾノクサの動きじゃない!!」

対応が遅れて完全にマウントを取られたフェルムは顔面を殴られたり引っかかれたり抵抗はしているが相手の攻めが異常に一方的だった

まなこ「フェルム!!」

フェルム「離れろぉ…!!」

フラン「……。」

まなこ「フェルム!みだれづき!!」

指示がまともに実行できないほど、フェルムはマウントを取られていた。庇う腕は打撲と切り傷で赤と青の模様をつけ、次第にその力を失いつつあった。その時…

ラフレイア「う…あ…がぁぁーーっ…!!」

いきなり頭を抱えて転がり苦しむラフレイア。絶好の反撃の機会だがフェルムはダメージを受けすぎてほぼ失神していた

フラン「こんなもんか…。戻っておいで、ラフレイア」

悲痛な叫びとともにボールに戻されたラフレイア。一方のまなこも急いでフェルムをボールへ戻す

フラン「次はこれかな、行っておいで、ロップロールフレイム」

まなこ「ヒバニー…!だったらひぐらし!!」

ひぐらし「有利…!やってやるですぅ!!」

その時、晴れ晴れとした空が曇り、突然降る雨。今の対面で水タイプのひぐらしにとっては恵みの雨だった

まなこ「みずのはどう!!」

フラン「……」

ひぐらしの攻撃をかわすロップロールフレイム。だがその動きはまるで姿がそのまま微動だにせず移動したかのように見えた。要は足を動かしたように見えない。瞬間移動のようにひぐらしの連撃がかわされる

ひぐらし「ちょこまかと!!」

ロップロールフレイム「…」

瞬時に懐に入り込んでひぐらしを蹴り飛ばす。雨に濡れた土が泥となり、クッションのようにひぐらしを受け止める

ひぐらし「いつつ…!余裕かましやがってぇぇぇぇ!!!」

セイレーンの方天画戟を手に切りかかるひぐらし。ロップロールフレイムはそれをかわしつつ蹴りだけで対抗していく。だがさすがに長物に徒手空拳では限度があったのか足を払われてひぐらし同様に泥に塗れる。すばやく起き上がるもその連撃をかわすことができず大きな隙を晒す。それをひぐらしは見逃さずに必殺技を放った!!

ひぐらし「戟乱無双!鬼隠し!!(げきらんむそう おにかくし)」

かすみ切られるロップロールフレイム。転がり泥まみれになるとフランの足元まで飛ばされた

ロップロールフレイム「ぅっ…!!」

フラン「もういいや。戻りな」

ロップロールフレイム「フランさm…」

戦闘不能でもないのに問答無用で戻されるロップロールフレイム。他所から見れば失望したようにも見える。フランは残念そうな顔を一瞬見せると猫を被ったように笑顔を見せる

フラン「いやぁ、やるねぇ。二匹でケリをつけたかったんだけど…。一体は時間切れ、もう一体は倒されるなんて、やっぱりまだまだかなぁ…」

まなこ「御託はいいよ、私にはひぐらしともみじがいる。その一体で勝てるもんなら…」

フラン「余裕だよ、なにせ今の三体の中じゃ一番目にかけてるからね。お願いするよ、アトランティカ」

まなこ「…。は…?」

フランが繰り出したその姿は

 

 

 

 

今のまなこにとっては

 

 

 

 

明らかに規格外だった

 

 

 

 

 

図鑑が示したその種族は…全国図鑑ナンバー130

 

 

 

 

 

 

別名 きょうあくポケモン

 

 

 

 

 

 

まなこ「ギャラドス…!?」

フラン「パワーウィップ」

ひぐらし「なっ…!うぎゃっ!!??」

ほぼ一瞬で距離を詰めるとアトランティカはパワーウィップでひぐらしを場外の岩壁に打ち飛ばし、一撃で撃破。まなこはその光景を見て完全にひるんでいた

まなこ「も…もみじっ!!お願い!!」

もみじ「まなこは当たらないようにして!!」

まなこの指示を聞くまでもなく護るために本気で迎え撃つもみじ。だが最悪なことに雨のせいで完全に不利だった。得意の炎の威力も激減。一方のアトランティカは正確無比に攻撃を当て続ける。さらに思考が纏まらず指示を出し損ねているまなこを露骨に攻撃に巻き込もうとしている。それをすばやく理解したもみじはまなこを守りながら苦手な防衛戦を強いられてる。まなこはそれに気が付いていないのだが

もみじ「アトランティカだっけ…!?わざとらしい!!」

アトランティカ「人の心配などしている余裕があるのだな」

フラン「雨降ってると良いんだっけ?ぼうふう」

アトランティカ「足元が無防備だ」

もみじ「しまっ…!うぅっっっ!!」

空に打ち飛ばされるもみじ、その軽さから突風系統の技を扱う相手はかなり苦手としている。さらに得意の炎がまつたく効かない相手。相性は目に見えて最悪だった

フラン「かみなり」

もみじ「あぐっ!」

フラン「とどめ、アクアテール」

まなこ「もみじっ!!」

アトランティカ「終わりだ」

強烈なかかと落としを受けて空中でなすすべなく撃墜されたもみじは落下。まなこは一心不乱にそれを受け止めようとするがそれより早く天使の羽を生やしたフランが救出、やさしくおろしてくれた

まなこ「もみじ!もみじぃ…!ごめん…あたし…何もできなかった…!」

フラン「私の勝ち、でいいのかな?」

キャヴァリー「…。えぇ、大丈夫です」

アトランティカをボールに戻すとフランは「勝てたらいくらでも殴らせてあげるよ。また戦えたらいいね」と言って影へ入り、姿を消した。一方まなこは…気絶したもみじを抱き締めて泣いていた

 

 

まなこ「私が…私がもっと的確に指示できれば…」

テレビで見るよりずっと難しかったバトル。まなこはもみじをおぶるとキャヴァリーたちとエンジンシティへ向かった

 

 

 

 

 

あやはる「お姉ちゃん…。大丈夫…?」

まなこ「あんたこそ大丈夫…?こんなに泣きはらしちゃってさ…」

あやはる「…。マリーはね…初めての友達だったんだ…。人間の時には誰一人友達のいなかった私がポケモンになって…。仲間をもらって…。居場所をもらって…。そして…助けを求められて…。友達になって…」

まなこ「あやはる…」

あやはる「一生後悔すると思う…。私は…。大切な…初めての友達を……、苦しみから救えなかった…。あの子は…。死にたくないって…。戦いたくないって言ってたのに…!」

ぎゅっと抱き締めるまなこ、あやはるの悔しさや無念を最も理解できるからこそ、一発ぶん殴ってやろうとした、だが…

まなこ「次こそ…。あんたの目の前でぶん殴ってやる…」

あやはる「お姉ちゃん…」

まなこ「約束する。そのためにも、強くなって見せる」

あやはる「…ありがと…」

安心した顔に涙、あやはるは姉を信じ、まなこはいもうとのために強くなると誓った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

 

 

 

まなこ「もみじたちが治療中の中、私は単身ワイルドエリアへと足を運んだ、そこで私はタンドンのズヴァイと出会う。お互いの事情に共感する心。私達は意を決して光る柱へと挑む」

 

 

ひぐらし「次回!熱い意思!!…って私たちお休みですかぁっ!?」

 

 

 

もみじ「次回もよろしくね!病院の天井って不思議な感じするよね」

 

 

 

 




お疲れ様でした。最強最悪のライバルキャラの登場です。まなこがシールドに対してフランはソードで実際に使ったポケモンをキャラに仕立て上げて使用します
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