天童一族の養子として転生したけど技名覚えられなくて破門された。   作:紅銀紅葉

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あけましておめでとうございます。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、天転破は今回の更新でしばらくお休みをいただきます。大変申し訳ございません。
重要なお知らせとなりますので、詳しく書かれたあとがきまでお付き合いいただけると幸いです。


中の人の誕生日と混同されがちだけど延珠の誕生日は1月から4月らしい

 ステージⅣガストレア──アルデバラン。

 

 他のステージⅣとは一線を画す能力を有する最上位個体。

 奴の歩を進めるという動作だけで地が揺れる。

 

 その巨体さだけでも脅威だというのに、アルデバランは下位ガストレアを隷属させることができる。

 スコーピオンを除けば、これまで紅蓮が遭遇してきた中で最強のガストレアだ。

 

 そして紅蓮はいま、その最強のガストレアに敵意を向けられている。

 

 

 

 ■

 

 

 

「──でもまあ、我堂さんレベルで致命傷与えられたんだし、足止めくらいなら余裕だろ」

 

 

 

 ■

 

 

 

 先手必勝。

 アルデバランが動き出してすぐ、紅蓮は戦闘態勢に入っていた。

 プレヤデスの光の槍(横やり)が入る前に片を付ける必要がある。紅蓮はそう判断した。しかしそれは裏を返せば、横やりが入らなければアルデバラン側に撤退させるだけの被害を出す自信があるということに他ならなかった。

 

 いきり立つガストレア群を無視して跳躍、そして上昇。瞬時にアルデバランの頭上を陣取った。これだけ距離を取ってしまえば、アルデバランの攻撃が届くことはない。奴の尻尾も触腕も、脅威には成り得ない。

 身をよじり吠えるアルデバラン。周辺ガストレアに指示したのだろうか。飛行ガストレアが飛び立ったのが目に入る。

 

 ──来る。

 

 獣めいた紅蓮の危機察知能力。身の危険を感じ、即座に実行。紅蓮は羽の一部を伸ばした。真下に向けて射出されたそれは狙い違わずアルデバランに絡みつき──すかさず羽ばたきを中止、伸ばした羽を巻き取った。

 ぐん、と身体が引き寄せられる感覚。寸前まで紅蓮がいた位置に飛行ガストレアが殺到、さらに極大の光の槍が擦過した。

 

「ッぶね!」

 

 自由落下の着地点は、翼によって固定された。

 ならば、と即座の判断で体制を整える。全身の外骨格()を操作し、強引に右足をピンと伸ばす。

 強烈な加速。しかし漆黒のボディアーマーは紅蓮の身体に負担を感じさせない。

 

 ──天童式戦闘術二の型四番『隠禅(いんぜん)上下花迷子(しょうかはなめいし)

 

 直上に振り上げられたそれは、死神の鎌となってアルデバランの命を刈り取らんとする。

 

「ど────ッせい!」

 

 黒の銃弾とも形容できる紅蓮の踵落としがアルデバランの甲羅とぶつかる。

 甲羅にひびが入るも、肉の感触には届かない。衝撃に耐えきれなかった紅蓮の右足はひしゃげて、あらぬ方向に曲がっている。当然だ。紅蓮のスペックでは、蓮太郎(機械化兵士)の火力に遠く及ばない。

 

「痛づッ⁉」

 

 紅蓮の顔が苦悶に歪む。

 そもそも『呪われた子供たち』でもない彼らプロモーターが、単身ガストレアに挑むことはイレギュラーなケースなのだ。プロモーターとはイニシエーターの監督役でしかないのだから。

 だから機械化兵士、天童の門下生、そして軍団長がおかしいだけだ。

 そしてそれは、天童紅蓮も例外ではない。

 

 直後、アルデバランの背中が恐ろしい勢いで膨張。ついに耐え切れなくなり、甲羅を粉砕しながら破裂した。

 彼の兄弟子である薙沢彰磨の下法の技──内部破壊の技術を応用したのだ。

 

「ヒュルルルルオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 甲羅の横手にあったフェロモンの放出孔ごと破壊されたアルデバランの悲痛な絶叫がこだまする。

 しかし悲しいかな、天童紅蓮の辞書に〝容赦〟の二文字は載っていない。

 

「うるせえよ」

 

 紅蓮の右拳がアルデバランの顔面を貫いて──盛大に破裂させた。

 

 

 

 ■

 

 

 

 ステージⅣガストレア・アルデバランは失った頭部を再生させながら何を思ったのか。

 頭部を無くすほどのダメージを負ったのは、これで三度目だ。

 一度目はまだアルデバランがタウロスに付き従っていたときに。二度目はつい先日、民警軍団の軍団長の捨て身の特攻により。そして今回、アルデバランに嫌悪感を抱かせるバラニウムにも似た漆黒を持つ青年によって。

 だが、まあいい。怒りはあれど、奴らにも少なくないダメージは残せたはずだ。アルデバランの受けた痛みは、一日もあれば完治する。しかし人間はそうもいかない。

 頭部がないため、怒りを咆哮に乗せることも叶わないアルデバランは、静かに再生に専念した。

 

 ──こうして民警軍団は、我堂長正の左足と、天童紅蓮の右足を犠牲にアルデバランの足止めに成功。東京エリアがモノリスを建て直すまでに稼がなければならない時間を大きく稼ぐ結果となった。

 

 そしてまあ──

 

「クッソ足痛ェ……! これ治すのに一日は掛かるぞ……! クソッ」

 

 ガストレア軍が思うほど、民警軍の戦力は削られていなかった。

 もちろん、このあと居場所の割れたプレヤデスが逃れる術などなかった。

 

 

 




ブラブレ短編杯のあたりから天転破書けてなかったけど、まあ何も考えずに書いてたらそうなるよねと。書いてて楽しくなくなるよねと。
応援してくださっていたかたには大変申し訳ございません。書けません。
でも書けませんじゃ許されないので頑張って(短いけど)1話書いて、あとはリメイク版で書いていきたいと思います。
リメイクは里津とのペア時代から書き始めました。昨日から投稿してます。プロット頑張ったので今のところ楽しく書けてます。良かったら読んでね。
詳しくは活動報告をご覧ください。

またリメイク前、つまりこの天転破ですが、リメイク版とは別に連載再開する予定ではいます。これまで通りの天転破が好みだという方はもうしばらくお待ちください。すみません。
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