戦姫絶唱シンフォギア 〜歌姫と6人の転生者達〜   作:財団K

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シンフォギアは4期から知らないんだけど大丈夫だろうか。


第1話:特異災害"ノイズ"

この世界に来て7年程が過ぎた。

目覚めて最初に感じた事は「体ちっさ!」…だった。

鏡で見た所外見は6、7歳くらいで、ここで始めてあのおじいさんの言っていた事が本当の事だったんだと気づいた。

 

ベッドの横にはネームプレートとマジックペンが置かれており、側の紙切れに"名前を書け"と書いてあった。

恐らくそこに書いた名前がこの世界での自分の名前になるのであろうと察した俺は、折角なので前世の名前を捨て "桐生 晴矢"と名乗る事にした。ちなみに名字はビルドの主役、桐生戦兎から、名前はウィザードの主役、操真晴人から取った。

 

そんなこんなで新しい人生がスタートした俺は、小学校を何事もなく過ごし現在中学2年生。夏休み真っ盛りな現在において、俺は夏休みの課題を早々に終わらせ自由な生活をしている。

 

「ん〜、朝飯作るのめんどいな。トーストだけでいいや。」

 

モーニングコーヒーをすすり、トースターに食パンをぶちこみながらテレビのチャンネルを操る。

砂糖とミルクのたっぷり入った甘ったるいコーヒーは、まだ覚醒しきっていない俺の頭を無理やりたたき起こし、現実を偽りなく視認させてくれる。

 

『一昨日のノイズ襲撃による被害は500人を越え、これを受けた欧米諸国はシェルターの増設を急ぐと同時に……』

 

「……はぁ。」

 

最悪だ。朝から嫌なニュースを見てしまった。

そう、この世界は普通と違う。この世界には認定特異災害"ノイズ"という災厄が時折出現するのだ。

有史以来から出現していると噂されているこのノイズという怪物は、世界中に突如として出現し、人々の命を炭に変えていく。

彼らノイズには通常兵器がまるで効かず、人類はシェルターの中で怯える他彼らに抵抗する手段が存在しなかった。

唯一救いと言えるのは、彼らは一定時間が経つと自壊するという事、そしてなにより出現する頻度が限りなく少ないという事だろう。

その証拠に、晴矢がこの世界に来てからは一度もノイズが日本に出現した事はなかった。

 

「つっても、それももう長くないかもな。」

 

テレビでは、有名な学者さんが一年以内にノイズが現れる確率が80%もある!と発言していた。

 

「80%か…。」

 

もしノイズが目の前に現れた時、自分は立ち向かえるだろうか。自分の身を危険にさらしてまで、他人を助けられるのだろうか……さまざまな事を考えていた晴矢だったが、唐突に鳴ったチンっという音を聞いて、忘れてたとトーストを取り出す。

 

「せめて、今日だけは止めてくれよな。」

 

テレビでは今日開催されるツヴァイウィングのコンサートの特集に話題が変わっており、開催されるスタジアムやこれまでのヒットソング等を紹介していた。

 

「さて、急がないとな…。」

 

チラっとテーブルの隅に目をやる晴矢。

そこにはモノレールの切符と、ツヴァイウィングのコンサートのチケットがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side Genzyurou

 

 

「いよいよだな、了子君。」

 

真っ赤なスーツにその身を包んだ男は、目の前に鎮座している奇妙なオブジェをまじまじと見つめながら、そんな事を呟いた。

 

「ええ、今日のライブがうまくいけば鎧は起動し、ネフュシュタンの鎧の解析が今まで以上に進むわ。」

 

赤いスーツを来た男の後方、無機質な壁に身を預けているその女性……日本でも屈指の研究者である櫻井了子女史は男の呟きに返事をしながらも顔を曇らせる。

 

「でも本当に集まるのかしら。完全聖遺物を起動させる程のフォニックゲインが。もしこれほどの規模のフォニックゲインが集まっても起動しなかったら……」

 

そう言ってオブジェを見つめる目には期待や不安…焦りや憂いの色が見えた。

 

「ふっ、心配なのは分かるさ。しかし、俺達にできるのはあの二人を信じ、応援する事だけさ。子供を信じるのもまた、大人の役目だからな。」

 

赤いスーツを来た男はそう言い、この奇妙なオブジェの置かれた部屋から出ていく。

 

「ちょっと、どこ行くのよ弦十郎君!」

 

急に部屋から出ていこうとする男…風鳴弦十郎に、櫻井女史は声をかける。

 

「あいつらに声を掛けようと思ってな。なあに、プレッシャーになるような事は言わんよ。」

 

そう言って弦十郎は去る。

 

「もう、ほんっとお節介焼きなんだから。」

 

と、少し怒ったような声で見送る櫻井女史。しかし、その顔からは先ほどまでの不安や焦り等の負の感情は見受けられず、晴れやかであった。

 

「ま、そこが弦十郎君の良い所なんだけどね♪」

 

さあて仕事仕事と、桜井女史はオブジェの置かれた部屋から去る。

後に残されたのは不気味に台座に鎮座する、ネフュシュタンの鎧と言われたオブジェだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

side:Haruya

 

 

「うっわ……広いな。」

 

晴矢が突っ立っているのは、ツヴァイウィングのコンサートが開かれるスタジアムの手前に設置された広場だ。

そこには大勢の人々がスタジアムに向き並んでおり、各々がツヴァイウィングの話や持参したグッズの話をしていた。

転生してから知ったこのツヴァイウィングという二人組のボーカルユニットは、この日本で一番と言って良い程の人気を誇り、かく言う俺も初めて曲を聞いた時から大ファンになってしまった。

日本で一番の人気を誇るという事もあり、ツヴァイウィングのチケットを取る事は普通なら非常に困難な事だ。

しかし、今回はいつもより会場が非常に広く、今までよりもチケットが取りやすかったという事もあり俺はあっさりと抽選に当選した。

 

スタジアム内に入ると、ほとんどの人が会場のホールに向かうか、売店で買い物をしていた。

俺もサイリウムを買うべく売店に並び、サイリウムを素早く入手するとホールに足を向かわせる。

 

「うわ……すげぇ。」

 

ホールへと足を踏み入れた俺が見たのは、思わず仰天してしまう程の人の多さ。これだけの人数の人間が、只一つの目的……ツヴァイウィングの歌を聞き、盛り上げる為だけに集まってきたのだ。

 

「うわあぁぁ…」

 

気づくと、すぐ隣で俺と同じ歳ぐらいの女の子が、俺とおんなじようなリアクションをしていた。

女の子はこちらに気がつくと恥ずかしそうに頬を染め、自分の席へと向かっていった。

俺もコンサートが始まるまで待機すべく、自分の席へ向かうのだった。

 

 

席に座って何十分か経ち、開始時刻となった瞬間ライトが暗転した。

何か示し合わせた訳でもないのに、自然と静まりかえる会場。

そして、ホール中央の舞台がライトアップされると同時、爆発的な歓声と同時に観客席が光で染まる。

瞬間、空から天使かと見間違える程可憐な二人の少女が降りてきた。

 

「「聞こえますか?」劇場奏でるムジーク」

「天に」

「「解き放て」」

 

「「聴こえますか?」イノチ始まる脈動」

「愛を」

「「突き上げて」」

 

まるで、会場全体が一つとなったかのような、不思議な感覚。その二人の歌に魅了され、何千、何万もの観客が熱狂し、歌い、気持ちが昂っていく。

 

「(すげえ…これがツヴァイウィングのライブ!)」

 

オレンジに光るサイリウムを振りながら、俺はその熱狂に身を委ねた。

そして、歌がサビを迎えようとしたその時

天井が割れた。

あまりにも規格外かつ大がかりなその仕掛けに、観客も俺もさらに熱狂しながら応援する。

 

「(やばい…)無茶苦茶楽しい!」

 

すっかりライブの魅力にとりつかれた俺は、音楽が止むまでサイリウムを降り続けた。

 

「「二人でなら 翼になれるsingingheart!」」

 

そうして一曲目が終了。会場のテンションは早速限界を突破していた。それほどの魅力が、ツヴァイウィングの歌にはあった。

 

「まだまだ行くぞお!」

 

ツヴァイウィングの片翼、天羽 奏がそう叫ぶ。

そして、次の曲が流れようとした……その瞬間

 

ドゴォン!

 

何かがホールの中に落ちてきた。

そして、空中に漂う無数の炭…

唖然とする会場で、一つの声が響いた。

 

「ノイズが……来る!」

 

瞬間、空から風斬り音をなびかせて無数の化け物が落ちてきた。

その化け物はまだ呆然とし、動けなかった観客に次々と突き刺さり、もろとも炭と化していく。

それだけでない。床を突き破り今度は超巨大な芋虫のようなノイズが現れ、その口から吐いた緑色の液体から大量のノイズを産み出している。

 

「ノイズだ……ノイズが現れたぞぉ!」

 

一瞬にして、阿鼻叫喚と化す会場。人々が一斉に我先にと出口へと殺到する。

 

「うわぁ!」

「いや……助けてぇ!!」

 

次々と、聞きたくもない断末魔があちこちで沸き起こる。

 

地獄としか伝えようのない光景に、俺は恐怖し、動けないでいた。

 

「俺が……俺がやらなきゃ…」

 

俺の…仮面ライダーの力なら、恐らくノイズを倒せる。今変身して湧いてきたノイズを倒す事ができたなら、被害は最小限に抑えられるだろう……俺はなんとか体を動かし、前へ向かおうと必死に本能に抗う。

 

「(駄目だ……俺には"力"があるんだ。立ち向かわなきゃ…!)」

 

本能からくる恐怖と義務感がせめぎ合い、ごちゃごちゃになる脳。まさにその瞬間、俺はノイズにより炭にされようとしている人と目が合ってしまった。

その目に映っていたのは絶望と怒り……何故自分がこのような目に会わなければならないのか。何故誰も助けてくれないのか……

 

「っっ!」

 

気づけば、俺の体は後退し、出口へと向かっていた。

 

「(ごめんなさい……ごめんなさいっ!!)」

 

そんな言葉を、心の中で反芻(はんすう)して。

出口を出る直前、力強い歌のような物が聞こえた気がするが、今の俺にはどうでも良い事だった。

 

 

 

 

 

 

 

side:Zweiwing

 

「翔ぶぞ翼、この場に槍と剣を携えているのは、私達だけだ。」

 

赤いロングヘアーの少女…天羽奏は目の前の惨状をみながら隣の少女…風鳴翼に話しかける。

 

「あ…で、でも司令からは何も…」

 

その言葉を最後まで聞く前に、奏はステージから飛び降りた。

 

「あっ…奏!」

 

本来ならば、飛び降りた所で重力に従い奏という少女は無意味にその命を散らすだろう。しかし

 

「Croitzal ronzell Gungnir zizzl…」

 

彼女には、"歌"があった。

 

瞬間、彼女の体が光に包まれ、オレンジ、白、黒を基調としたボディスーツに身を包まれる。

そして、そのスーツに幾つもの装甲が装備されていき、彼女は防人へとその姿を変えた。

 

「ふっ!」

 

その装甲から黄金の槍を生成した彼女は、通常兵器では倒せない筈のノイズをいとも簡単に凪ぎ払う。

しかも、歌いながらだ。

 

上空へ跳躍した奏は槍を無数に分裂させて地上にいるノイズに突き落とす。

 

「奏……私も!」

 

そう言い、ステージの上に居たままの翼も飛び降りる。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron…」

 

そうして、彼女もその身に力を宿す。

奏の物とは違い、青と白を基調にしたスーツに装甲が装着され、槍ではなく剣を携えた翼は近くに居たノイズを斬り捨て、消滅させる。

そんな翼の姿をみて微笑んだ奏は、歌う事を止めないままノイズの大軍に突っ込んでいく。

 

「(よくも…私達のコンサートを滅茶苦茶にしてくれやがって!!)」

 

心の中で怒気をはらませながら、奏は目の前の大量のノイズに怒りをぶつける。

 

LAST∞METEOR

 

槍の先から放たれた竜巻が、周辺にいたノイズを一網打尽にしながら巨大ノイズに直撃する。

 

「まだまだぁ!」

 

そう言って、奏はまだまだ大量に居るノイズに矛を向ける。

 

「……ちっ。」

 

自分の限界を予感しながら。

 

 

 

 

 

side:Haruya

 

 

ホールが地獄なら、ここは一体何なのだろう。

出口を抜けた先で、晴矢は一人考える。

ノイズによる攻撃を潜り抜けられた人々は、我先にとスタジアムを出ようとしていた。

しかし、人があまりにも多すぎた。人々は我先にと行こうとする為に、他人を犠牲にしていた。

押し退け、掴み合い、押し倒し、踏まれる。こんな事をしていたら、一向に脱出等できないし、被害が拡大する一方だ。実際そのせいで、何千もの人々がノイズ関係なく犠牲になっていた。

 

「何で…何で他人を思いやれないんだよ……っ!」

 

荒れ狂う波のような人混みに耐えながら、俺は呟く。

いや、本当はこんな言葉を言う資格なんて俺には無い。

何故なら、俺も他人を見捨ててしまった一人だからだ。

 

「くそ……くそぉ!」

 

一人やるせない気持ちになる俺。そんな時、目の前を黒い粉が漂う。

 

「…え?……」

 

スタジアムのホールへの入り口……そこが強引にこじ開けられ、ノイズが侵入してきたのだ。

 

「う……うわぁぁ!!」

「早く!早くしてよ!!」

「うるせぇ!他人様の事なんざかんがえられっかよ!」

 

先ほどより、さらに人々の波が激しくなる。

被害は拡大し、さらに多くの人が犠牲になっていく。

 

「あ……あぁ…」

 

膝元から崩れ落ちる俺。

最初から、こうなる事は分かっていたのかもしれない。

ただの一般人の自分が、テレビの中の英雄のように災厄に立ち向かえるような心など持っていない事など。

人を助けられる力があったって、それをじぶんが使える筈などなかったのだ。

いっそこのまま、あのノイズとやらに炭にされてしまった方がいいのかもしれない……そう思ったその時

 

「ママぁ!どこぉ!ママぁぁ!!」

 

それは、幼い少女の声だった。離ればなれになってしまった母親を探す、少女の必死の叫びだった。

 

「私を置いてかないでよ……ママぁぁ!!」

 

少女の必死の叫びはしかし、逆にノイズを誘き寄せてしまう結果となってしまっている事に、少女は気づかない。

 

「!ミカぁ!」

 

遠くの方から少女の方へと向かおうとする女性の姿が見えた。しかし、人混みに邪魔をされ思うように前へ進めないようであった。

 

「お母さん……お母さん!!」

 

少女は母親の声が聞こえた方へと体を向ける。

しかしそのせいで、すぐ後ろに迫るノイズに気づく事が出来ていなかった。

 

「(どうする……どうする!)」

 

今ここで出ていったとして、その後どうする?またあの地獄まで戻って大量のノイズを相手に戦うのか?このまま逃げてしまった方が"俺の"命は確実に助かるのではないか?……様々な考えが頭の中を錯綜する。

 

 

「でも……俺は……」

 

脳裏に浮かぶのは、前世での仮面ライダーの記憶。弱気を助け、世界を救ってきた英雄達の姿。

そうだ、俺はそんな英雄達にずっと憧れていたんだ。なら、こんな所で立ち止まっている場合じゃない筈だろ…!

気づけば、俺の足は一歩前に出ていた。

 

「もう立ち止まりたくないん…だぁぁ!!」

 

俺は走った、そして、走りながら一つのドライバーを手に取った。

ドライバーを腰に巻き付け、おもむろに赤と青……2つの小さなボトルを取り出す。

軽くボトルを降った後、ベルトに二本とも挿す。

 

ラビット! タンク! ベストマッチ!!

 

そんな音声が流れた後、ベルトの側面にあるレバーをグルグルと回す。

すると、俺の回りにプラモデルのフレームのような枠組みが出現し、前後に半分ずつ人形のパーツが出現する。

 

Are you ready?

 

ベルトにそう問われ、一瞬躊躇ってしまうが……しかし

 

「(俺はもう……止まらない!)」

 

俺は決意を込め、その言葉を口にする。

 

「変身!」

 

その直後、俺を前後で挟んでいたパーツが俺を挟み込み、変身が完了する。

 

鋼のムーンサルト ラビットタンク…イェーイ!

 

赤と青、兎と戦車……二つの色と特性を併せ持った姿となった俺は、床を強く蹴って加速…ノイズの目の前に辿り着く。

 

「せやぁ!」

 

そして、今まさに少女に襲いかかろうとしたノイズにパンチをおみまいする。

ノイズは俺のパンチを喰らった事で跡形もなくなり、少女は……無事であった。

 

「あ……貴方は?」

 

安堵する暇もなく名を聞いてくる少女に、俺は返答を迷う。

俺なんかがこの名を騙っていいのか、それは迷いを振り切った今でも分からない。

しかし、それでも俺はその名を言おう。人々の平和を脅かす悪を倒し、世界をラブアンドピースで包む英雄(ヒーロー)の名を。

 

「俺の名は仮面ライダービルド。今、助けに来たよ。」

 

そう言い、俺は惨劇の会場へと向かう。

少女は抱きしめてくる母親を尻目に、地獄へと向かっていく英雄の姿をじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:??

 

 

「あれって……仮面ライダービルドだよな。どうしてこの世界に……」

 

大騒ぎになった外の様子を見ようと、トイレから出てきた少年は今まさに、晴矢の変身を目撃していた。

ビルドは謎の化け物…ノイズをパンチ一発で消し飛ばし、ホールの中へと入っていった。

 

「もしかしてあいつも……いや、それより今は」

 

朧気ながらに状況を把握した少年は、ポケットに入れていた銀色の輪っかを首に装着し

 

「バーストリンク!」

 

力強く、その言葉を口にした。




下手くそな文章で申し訳ない……。
感想、評価等お待ちしております。

追記:細かい部分を修正しました。
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