戦姫絶唱シンフォギア 〜歌姫と6人の転生者達〜   作:財団K

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いい忘れてましたが、主人公の晴矢視点の場合は地の文は一人称視点ですが、それ以外の場合は三人称視点となります。
晴矢が心の中で思った事は基本的には「()」←で表しますが、地の文に書くこともありますのでご了承下さい。


第2話:悲劇の終劇

side:Zweiwing

 

 

「おりゃぁぁ!」

 

一振りで数体のノイズを消し飛ばす奏。尚も襲いかかろうとするノイズ達を、翼との連携で吹き飛ばす。

 

 

「あれは……」

 

観客席にいた少女…立花響は、そんな二人の様子をずっと目撃していた。しかし、それこそ理解が追い付かないだろう。何故、ツヴァイウィングの二人がノイズと戦えているのか。

あの二人が纏っている物は何なのだろうか

 

「一体……何が…」

 

尚も、観客席で二人の勇姿を目撃する立花。

 

 

「てやぁ!」

 

一本の槍のような形に姿を変え、こちらに向かってくるノイズ達を凪ぎ払い、奏は再び槍の先端から竜巻を巻き起こし、ノイズ達に喰らわせる。

しかし、正にその直後、奏の持つ槍はその輝きを失ってしまう。

 

「くっ……時限式はここまでかよ……っ!」

 

元々限界は感じていた。しかし、それでも自分は最後まで戦い抜きたかった……自身の不甲斐なさに、歯を噛み締める奏。

そんな奏に、一体のノイズが猛スピードで突進してきた。

 

「うっくぅぅ!!」

 

どうにかその一撃を槍でガードするが、大分後ろまで後退させられてしまった。

 

「くっ……奏!」

 

そんな奏の元へ駆けつけようとする翼だったが、いかんせんノイズが多すぎる。

やはり、大本の超巨大ノイズをどうにかしなければ、状況は好転しないだろう。

さらに、状況は最悪な方向へと突き進む。

 

「えっ……きゃあぁ!」

 

先ほどまでこの状況を傍観していた少女…立花響のいた場所が突然崩れ、彼女は地面へと叩きつけられてしまったのだ。

そして、悲鳴を上げてしまった事で、ノイズ達は彼女の事を認識してしまう。

 

「あぁっ……!」

 

迫りくるノイズに恐怖し、目を瞑ってしまう立花。

 

「くっ……なろぉ!」

 

しかし、迫りくるノイズ達を奏は精一杯の力で倒す。

先ほどより大分戦闘力は落ち、体も悲鳴を上げているが……自分はまだ戦える!

 

「駆け出せ!」

 

少女に生きてもらう為、奏は声を張り上げ逃げるように促す。

 

「あぁ……うっ…くっ!…。」

 

しかし、立花の足取りは重い。恐らく、崩落して地面に叩きつけられた際に足を怪我してしまったのだろう。

 

そんな立花を殺す為、ノイズ達は槍になって彼女を突き刺さんとする。

しかし、それを奏が許す筈が無かった。

彼女は持てる力を必死に振り絞り、槍を正面で円形に回転させ、ノイズの攻撃を必死に食い止めていた。

ノイズの一撃は先ほどよりも重く感じ、段々と彼女の纏っている鎧を砕いていく。

さらにそこに、超巨大ノイズ放った緑色の液体が迫る。

 

「うっ……はぁぁぁ!!」

 

槍の回転をさらに早め、必死に攻撃を止める奏。

 

「奏ぇぇ!!」

 

尚も必死に、周囲のノイズを蹴散らし彼女の元へ行こうとする翼。しかし、ノイズの数は留まる事を知らず、足止めばかりされていく。

そして二体目の超巨大ノイズの放った攻撃を受け、ついに彼女の剣である槍が耐えきれず、幾つかのパーツが壊れてしまった。

そして、悲劇は連鎖する。

 

「……あっ…」

 

壊れた槍の欠片が、逃げようとしていた立花響の胸元に勢い良く突き刺さってしまったのだ。

 

「はっ…!」

 

その光景を、一部始終目撃してしまった奏。

 

瓦礫に叩きつけられ、命の灯火が消えそうになっている彼女に駆け寄っていく。

 

「おい死ぬな!目を開けてくれ…っ!」

 

涙を浮かべ、自身の剣である槍を捨て彼女を抱え起こす。

 

「生きるのを諦めるな!」

 

…そんな彼女の叫びを聞き、彼女はうっすらと意識を取り戻した。

しかし、このままではどちらにしろ彼女の命は尽きてしまう。

安堵の表情の後、決意を固めた奏は再び槍を手に取る。

 

「いつか……心と体…全部空っぽにして……おもいっきり歌いたかったんだよな。」

 

そして、ノイズ達の方へとゆっくり……そして確実にその歩を進める。

 

「今日はこんなに沢山のお客さんがいるんだ……だから私も……」

 

「そんな……止めて………奏ぇぇぇ!!」

 

奏のやろうとした事に気付き、全力で止めようとする翼。しかし、それももう叶わない。

これから何もしなければ、彼女は死ぬだろう。

自身の取って置きを使い、その身を犠牲にしてこの場を収めるだろう。それが、本来の……正しい歴史なのだろう。

 

しかし、その歴史に否を唱える者がいた。

 

Ready…go!

 

突然として響いた、この場に似つかわしくないポップな音声。

そして、突然現れたノイズ達を拘束する数学のグラフ。

 

「……へ?」

 

これには死ぬ覚悟を決めた奏も、間の抜けた声を出す他なかった。

そして、本来の歴史には存在しない介入者(イレギュラー)が登場する。

 

ボルテックフィニッシュ

 

ホールの入り口から、赤と青の装甲に身を包んだ異形がそのグラフを滑り台のように滑り落ちながら多数のノイズを撃退していく。

 

「え……なんだ………夢でも見てんのか?」

 

あまりに可笑しな光景に、ついに頭がイカれてしまったかと自分の頭を抱える奏。

 

「奏!」

 

と、そこへ翼がやって来て奏へ抱きついてくる。

 

「う…わわわ!」

 

余力が殆ど残っていない奏は彼女を支えきれず、翼ごと地面に倒れこんでしまう。

 

「ちょちょ……翼、何すんだよ…。」

 

イテテテと、自分の頭をさする奏。

 

「馬鹿!今……絶唱を使おうとしたでしょ!」

 

絶唱……その言葉を聞き、奏はばれてたかと苦笑いをする。

 

「悪いな……私馬鹿だからさ、それ以外に方法が見つからなかったんだよ。」

 

そんな奏を、強く抱き締める翼。

 

「駄目……私を置いていかないで!………奏が居なくなったら私……私っ!」

 

涙を流しながら、奏への言葉を紡ぐ翼。

その姿にハッとし、奏は謝罪の言葉を口にする。

 

「悪かった……お前の事まで考えてなかったよ。ツヴァイウィングは二人で一つ……どちらかが欠けたら駄目だもんな…。」

 

「奏……」

 

夕陽が射し込む中、お互いをみつめあう二人。その光景は正に、一つの名画の景色を切り取ったようで……

 

「あの……ちょっといいかな?」

 

ロマンチックな雰囲気の中、突然話しかけられた二人は急いで抱きつくのを止め、声のした方を振り向く。

そこにいたのは、全身が銀色で頭部に大きなヘルメットのような物を被っている、細身な人間?だった。

 

「感動のシーンの所悪いんだけどさ、ビル……じゃなくて、彼の応援をしてあげたら?」

 

みると、先ほどグラフキックを叩き込んで敵のど真ん中に行ってしまった赤と青の異形は、敵の激しい攻撃に晒されてしまっているようだった。

 

「「あ………」」

 

これには流石のツヴァイウィングも赤面し、立ち上がる。

 

奏は所々が壊れた槍を持ち、尚も戦おうとするが、それを翼が止める。

 

「奏は休んでて。私はもう、奏に無茶はしてほしくないから。」

 

槍を持って前線に向かおうとした奏を止め、自分が前に出る翼。

 

「翼……分かった、お前に任せるよ。」

 

そんな翼を信じ、奏は怪我を負った立花の元へと向かう。

 

「…貴方と彼を、私は信用していいんですよね。」

 

向こうで今も戦っている赤と青の異形と近くの銀色の異形を交互にみながら、鋭い目付きで問う翼。

 

「うん、僕は自分の事を信用してもらう手段が無いし、向こうで戦っている彼の事も詳しくはしらない。でも信じてほしい。僕達もきっと、貴方達と同じ人類を守る存在だから。」

 

「…つまり貴方方も防人という訳か。」

 

信じられる根拠等どこにもない。しかし、今もまさにノイズを相手に戦っている彼と、純粋で清らかな彼の言葉を聞き、彼女は彼らを信じる。

 

「ならば……背中は任せました!」

 

そう言い、彼女は戦場に赴く。

 

「うん……任せておいて!」

 

そう言う彼の背中には、2対の翼が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

side:Haruya

 

 

「ぎゃあぁぁ!!」

 

四方八方からの猛襲に悲鳴を上げながら逃げる俺。

いやそりゃもう立ち止まらない決意をしたしさ、その証明に不意討ち必殺キックかまして沢山のノイズ共をぶっ倒したよ?でもさ……

 

「こんな強いなんて……聞いてねぇよ!!」

 

尚も槍となり、勢いよく向かってくるノイズに対し録な反撃も出来ぬまま避け続ける晴矢。

一瞬でも隙があれば反撃の一つでも出来たのだろうが……いかんせん敵の中心に行き過ぎちゃったね。

 

「くっ……とりゃあ!」

 

僅かな隙を狙い、飛んできたノイズに蹴りを叩き込む俺。

ノイズは炭となって消滅し、ようやく反撃かと思われたその矢先

 

「うっわ……嘘だろ?」

 

二体の超巨大ノイズがこちらに首をもたげ、その口から緑色の液体を吐き出した。

 

「やば……避けられ」

 

どうやら隙ができたのは俺の方だったらしい。

そのまま攻撃を喰らうかと思われた…その時

 

天ノ逆鱗

 

俺の目の前に、巨大な剣と

 

「はぁぁ!」

 

銀色の翼が現れ、その攻撃を防いだ。

 

「大丈夫?一人で大変そうだったから助けに来たよ。」

 

翼に絡み付く緑色の液体を振り払いながら、俺の目の前に現れた銀色の異形はそう声をかけてくる。

 

「お……おう、ありがとう。」

 

思わずそんな返答しか出来なかった俺に、今度は巨大な剣の主が声をかけてくる。

 

「ありがとう……貴方のお陰で、私は大切な物を失わずにすんだ。」

 

「いえいえ大丈……えぇぇぇ!!!」

 

大丈夫ですよと返そうと思った次の瞬間に、俺は驚愕した。何故なら、目の前にいたのは日本のトップアイドルであるツヴァイウィングの片翼、風鳴翼だったからだ。

 

「えっ……ツヴァイウィングの……え?え?」

 

「ふ……どうやら私達も有名になったようだな。」

 

「(ちょっと待て、確かツヴァイウィングって二人組だったよな?つまり……)」

 

と、俺は銀色の異形に目を向ける。

 

「貴方があの…天羽奏さん?」

 

随分とスマートになった物だと、体のある部分を見てため息をつく俺。

 

「ち、違う!奏は今向こうで休んであるだけだ!」

「そうそう、あ!僕はシルバークロウ。気軽にクロウって読んでほしいな。」

 

翼さんの指差した方向を向いてみると、確かにあの奏さんが一人の少女の介抱をしているのが見えた。どうやら勘違いだったようで……俺は仮面の下で赤面した。

 

「そ、そうなんですね…すいません。あ、俺は仮面ライダービルドって言います。つっても変身するライダーによって名前は変わるんですけど……今はビルドって呼んで下さい。」

 

自己紹介中、再び動き出したノイズ達を警戒し、3人で背中を預け合いながら円陣を組む。

 

「そうか…私の名は風鳴翼。ビルドにクロウ、背中は預けたぞ!」

 

「はい!」「おう!」

 

まるで示し合わせたかのように、3人の戦士は駆け出す。

 

「はぁぁぁ!!」

 

翼はその剣をもってザコノイズを斬り捨て

クロウはその翼で天高く舞い上がり

俺は新たに二本のボトルをセットする。

 

タカ!ガトリング! ベストマッチ!!

 

Are you ready?

 

「ビルドアップ!」

 

天空の暴れん坊! ホークガトリング! イェーイ

 

 

その姿を、灰とオレンジに変えた俺は、新たに備わった力……背中に生えている翼による飛行能力で超巨大ノイズを翻弄し、専用武器"ホークガトリンガー"による射撃で怯ませる。

 

「この攻撃で…決める!」

 

「この一撃で…!」

 

「勝利の法則は決まった!」

 

三者三様のセリフを吐き、全員が止めの態勢に入る。

翼さんが放つは、自らの剣を投影した大量の剣を上空から落とす、必殺の一撃…

 

千ノ落涙

 

数多の剣は、地上に居たノイズの殆どを貫き、消滅させる。

 

 

クロウが放ったのは、超高高度から放つ必殺の一撃

 

急降下重突撃(ダイブアタック)!!」

 

まるで流星かと見間違える程の輝きを伴い、クロウは超巨大ノイズの体を縦に撃ち抜き、その存在を消滅させる。

 

そして、俺の方も終わりを告げようとしていた。

俺はホークガトリンガーの中央にあるマガジンを勢いよく回し続ける

 

テン…トゥエンティ…サーティ…………ハンドレッド!フルバレット!!

 

その数が100になった時、超巨大ノイズの回りを球状の特殊なフィールドが覆う。

 

「喰らえ!」

 

そして放たれた100発の弾丸は、その全てが超巨大ノイズの体に正確に叩き込まれ、超ノイズは炭化…消滅する。

 

「はぁはぁ……終わった…。」

 

飛んでいたその体を地上に降ろし、尻餅をつく俺。

そんな俺の側に、翼さんとクロウが走ってくる。

 

「まさか姿を変える事が出来るとはな…驚いたぞ。」

 

「あはは……どうも。」

 

「まあそれがビルドの特徴でもあるからね。」

 

「(……ん?)」

 

何故こいつはビルドの事を知っているのだと、クロウの方を見る。この世界では仮面ライダーはおろか、俺の知ってる番組ですら一つも存在しなかったというのに。

クロウの方もクロウの方で、やっちまったといったような素振りをみせる。

 

「お前…どうしてその事を……。」

 

「いや……その………」

 

疑念が深まり、俺がクロウに詰め寄ろうとした…その瞬間

 

「そうだ……奏!」

 

翼さんが待機していた奏さんの方へと全速力で走りだした。

それに便乗するかのように、クロウも奏さんの方へと走り出す。

 

「っはぁ…後で絶対聞き出すからな。」

 

そう言って、俺も奏さんの元へと向かう。

 

 

「奏!大丈夫か?」

 

「翼か……驚いたぞ、あんなに翼が強かったなんて。」

 

奏さんは今日のライブの衣装姿で座っており、さらに横たわる少女の傷口を塞ぐ為、その衣装のスカートの部分を破き、包帯代わりとして使用していた。

 

「うぅん…私なんか、奏と比べたらまだまだだよ。」

 

奏さんが無事な様子な事に安堵し、肩を下ろす翼さん。

 

「いや……本当に翼は…」

 

その後の言葉を紡ごうとした……次の瞬間

 

「っ!ゴホァッ!!」

 

いきなり苦しみ出したかと思うと、奏さんはその口から大量の血を吐き出し、倒れてしまった。

 

「…!奏!!」

 

倒れた奏さんを抱き起こす翼さん。

 

「え、ちょ……どうなってるんですか!」

 

先ほどまで傍観していた俺は、この突然の事態についていけず半ばパニック状態になっていた。

 

「ハハ……多分…ツケが回ってきたんだろうさ……本来扱えないもんを使ってきたツケが……さ。」

 

「…なるほど、つまり奏さんは一種のドーピングのような事をしてシンフォギアに変身していたんですね。」

 

「!貴様……何故シンフォギアの事を知って…」

 

翼さんが問い詰めようとした時

 

「っガハッ!」

 

またもや吐血を始める奏さん。今度は鼻血も出し始め、辺りは血だらけになった。

 

「しっかりしてくれ奏!もうすぐ医療班が来る!だからそれまで……」

 

「ハハ……それまであたし……生きていけるかな…」

 

素人目に見ても、奏さんが生きていられる確率は五分以下であることは明らかであった。

いや……しかし………

 

「……奏さん、俺はツヴァイウィングの歌が好きです。」

 

突然の言葉に、全員の視線がこちらを向く。

 

「ですから、シンフォギアとか……ましてや奏さんが今までどれだけ壮絶な思いをしたか、俺には分からないです。」

 

だけど……俺はそれでも

 

「貴方に生きていてほしい……生きて、これからも多くの人にツヴァイウィングの歌を届けてほしい。だから、身勝手かもしれないけど……俺は貴方を普通の女の子に戻します。」

 

「お前……何を言って……」

 

奏さんが俺に疑問の視線を向けたと同時、俺はある一つのアイテムを取り出す。

 

 

ジーニアス!

 

一見すると、派手な缶詰にしか見えないこのアイテムはしかし、この不条理で歪な世界に宣戦布告する為の、とっておきのアイテムだった。

 

「さぁ、実験を始めようか。」

 

そして……俺は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:???

 

 

「まさか……あの状況からここまで好転するとはな。」

 

すっかり辺りは夜になり、報道のヘリや多くの救急車で賑やかになっているスタジアム周辺。

今日の出来事は後世まで最悪の事件として語り告げられるだろう。

しかし、この人影はそんな悲劇になど目もくれず、手元のタブレット映像をずっと見つめる。そこには純白の戦士と化したビルドが、奏さんに向け治療を施す映像が流れていた。

 

「この男……ビルドとか言ったか。このような存在がこの世界にあったとは………米国の差し金か?いや、奴らにここまでの物が創れるとは思えんな。」

 

そう言い、その人影はタブレットの映像を止める。

 

「まあいい……大方の目的は達成した。後はこれを屋敷に持って帰るだけだ。」

 

そう言った人影の傍らには、あの奇妙なオブジェ……ネフシュタンの鎧が不気味に光ながら置かれており、それを見た人影の顔が、グニャリと歪んだ。

 

そしてもう一人

 

「ケッケ……どうやら退屈せずにすみそうだな……」

 

その人影を下卑た目で見ながら、邪悪は愉快そうに嗤った。まるで、この世界を嘲笑うかのように………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side:Haruya

 

 

「いや、それにしても凄かったね。彼女の中にあった薬やらの効果を全部中和しちゃったんだもん。」

 

スタジアムから離れた、どこか遠くの倉庫…そこでクロウと俺は、一対一で対峙している。

 

「別に、俺じゃなくてジーニアスの力だし…そもそも治療班が間に合えば奏さんは助かったし、力を捨てる必要だってなかったんだ。」

 

そう、俺は奏さんの中にある"シンフォギア"…とやらになる為に施されたありとあらゆる薬の成分を、ジーニアスの力で中和した。これにより、奏さんは助かった……戦う力を失うという、代償と引き換えに。

 

「俺は俺の中の身勝手な理由のせいで、奏さんが今まで積み重ねてきた…恐らく、血が滲む程の努力を否定したんだ。それで例え生き延びたとして、それで奏さんが納得するかは………」

 

そこまで口にした所で、頭を振る。俺はこんな事を言いにこんな所まで来た訳じゃない。

 

「そんな事より!どうしてお前は……ビルドの特徴を知ってたんだ。この世界じゃ……ビルドは放送してない筈だろ?」

 

その言葉を吐き出した時点で、おおよその予感は出来ていた。そう、このクロウという輩も……

 

「やっぱそうなるよね…。そう、僕はこの世界じゃない場所でビルドの存在を知った。」

 

突然として、クロウの体が発光する。それと同時、体の輪郭が段々と小さくなっていくのが見えた。

 

「僕も転生者だよ。君と同じ……ね。」

 

そこに居たのは、俺の変身前の身長と同じくらいの背丈の、男の子だった。

 

「……同年代かよ!」

 

 

 

 

 




本当はツヴァイウィングの胸囲格差をいじりたかったんですけど、どうしても展開に組み込めるような文を作れず、断念。文章力って大切だね。

感想、指摘、評価等お待ちしております。
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