東側諸国による異世界『解放』録   作:スターリニウム

15 / 18
最近小説のネタが不足してる…。

ていうか文字数少なすぎる…。


第15話 強引過ぎるソビエトへの渡航

ーー11月27日 午後1時20分頃 西の大陸『ティルフィス』 リルヴァイン連合王国 首都アジェントリー

 

異世界にある超大陸『ノージア』が東側に位置しているのに対し、西側にはノージア大陸より一回り小さめの大陸『ティルフィス』と呼ばれる大陸が存在していた。

 

このティルフィス大陸から北東に少し離れた場所にある海域では、大小異なる二つの島が存在していた。

 

一つ目は『ファールバルカ』という名前のグレートブリテン島ぐらいのサイズの島、二つ目は『イスニラ』島と呼ばれるファールバルカ島のおよそ半分ぐらいの大きさの島があった。

 

今説明をしたこの二つの島の全域が、リルヴァイン連合王国の領土である。

 

リルヴァイン連合王国は領土のほとんどが二つの島を中心としている島国で、国が高緯度に位置していることから寒そうな国かというとそうでもなく、島の周辺を流れている暖かい海流のおかげで冬でも周囲に比べ快適に過ごせる国である。

 

そんな連合王国の首都アジェントリーは、川の河口域に位置している港湾都市で、数多くの商船や客船が河口域を行き交いしており、政治や海運の中心として永らく栄えてきた。

 

市街地ではヨーロッパ風の建物が立ち並び、通りでは車の他、二階建てのバスや路面電車、それに馬車までもが通りを走っており、これほど活気溢れた都市はまさしく典型的な列強国の市街地とも言える。

 

しかし、リルヴァイン連合王国の強みが分かる場所はさっき説明した市街地ではなく、沿岸にある別の『港』にあり、そこを初めて訪れた者は誰もが驚愕する。

 

ここアジェントリーにある別の港には『信じられないほどの数の戦艦がここに停泊している』のだ。

 

だからといってこの地域だけに連合王国海軍の軍艦が集中して停泊している訳ではない。港を見てみると分かるが、新しい艦船を建造させるための海軍専用のドックが3つある。そのうち現在建造されている軍艦は2隻もあり、それらを収用するための泊地が足りないため、造られた年代が古い艦船順に別の港へと移送する作業が時々行われているのだ。

 

軍艦がかなり集まっている場所は港だけではなかった。アジェントリーから数百キロ離れた場所にある海域では、大小様々な軍艦が軍事訓練を月に一回行っており、浮かべられた廃棄する軍艦を標的に砲弾や魚雷で攻撃の訓練をしていた。

 

リルヴァイン連合王国が七大列強の一角に成り得た理由はこのありふれた『海軍力』なのである。

 

ーー王宮内 外務大臣執務室

 

沿岸部に位置し連合王国海軍の戦艦が並ぶ港の景色を一望出来る場所に国王が住まう王宮が位置している。

 

門にそびえ立つ大ドームが特徴的なここの王宮は二重帝国のように特別に緑に囲まれておらず、上空から見ると建物は長方形に見えており、まるでベルリン王宮に近いような配置をしていた。

 

王宮内では国王の他に首相以外のほとんどの大臣がここで仕事を行っており、万が一の際には首相からの電話がすぐに入るように専用電話が各大臣の部屋に設置されている。

 

数時間前ぐらいに会談から本国に帰国した外務大臣ジョルイルがいる外務大臣執務室では、レコードに流れているクラシック音楽を聴きながら遅い昼食を優雅に摂っていた。

 

「…ふむ、やっぱり我が国の軍艦が並ぶこの壮観な景色を見ながらの食事は、いつ見ても飽きないものだな…。」

 

景色をしばらく眺めた後ジョルイルは食事を一旦止めて、近くにある本を手に取り読み始めた。彼は食事の合間に本や手紙を読んだりするという変わった癖を持っている。

 

ジリリリリッ‼︎ ジリリリリッ‼︎

 

静かに読書をしている最中、突然鳴り出す電話のベルに驚いたジョルイルは慌て本を盛り付けされている皿に落としてしまう。そして盛り付けされた具材はそのまま散らばってしまい、机や床が汚れてしまった。

 

「ああクソッ…またやらしかしてしまったなぁ…。まあいいや。」

 

周囲に散らばってしまった汚れを気にもせずジョルイルは電話がある壁へと向かい、受話器を手に取る。

 

「は、はいこちらジョルイルです!」

 

《やぁジョルイル外務大臣、私だ。》

 

「ああ…これはこれは、アータートン首相でございましたか。失礼致しました…。」

 

《なに、別に気になんかしていないさ。君の場合電話に出る前は大体何かしらの事故が起こっているのだからな。》

 

「…何故それを知っておられるのですか?」

 

《当たり前じゃないかジョルイル。君が今も仕事をしている王宮には何百人の執事やメイドがいるんだぞ?君がやらかした事故が何百人もいる執事やメイドにも分かって当然の事だ。》

 

「まあそうですね…。やっぱ疲れるなぁこいつ…。」

 

《今何か言ったかジョルイル?》

 

「い、いえなんでもございません!」

 

《ああそうかい。ならこっちから要件を伝える。》

 

「は、はい。」

 

《といっても新興国ソビエト連邦についてなんだがな…今主要亜人国家や一部文明圏外国家の使節団とやらがソビエト連邦に向かっているという情報は君も知ってるだろ?…多分だがあの使節団は一週間経てばソビエトに到着するだろう。だからだな、そいつらがソビエトに到着するまでに君が行ってさぁ…国交結びに行ってくれないかね?》

 

「は、ハハ…アータートン首相は随分と難しめな事を簡単に言えますね。…まぁ亜人国家が来た後に来てしまうとソビエトに対する亜人国家の印象が悪くなるかもしれないですし、早めにやっておいた方が良いかもですね。」

 

《まぁ問題はそれだけじゃないんだがな…。》

 

「え?」

 

《バーネングの奴等がソビエト連邦を自国の傀儡国家にしようと早速動き出したやがった…彼の国の港には貴族専用の船の他に、奴等お得意の改造飛竜とやらを載せた軍艦が集結してるらしく、今に出航してもおかしくないそうだ。狙いは完全にソビエト連邦が持っているあの『軍事力』だ…もしソビエト連邦があんな奴等なんかに兵器を差し出したりなんかしたら、色々と面倒くさい事になるかもしれないぞ…。》

 

「そうなんですか…?まあ軍事力が我々七大列強に比べたら桁違いなのは分かりますけど…いくらあのソビエト連邦でも、流石にあのバーネングが喜んで使いそうな武器や兵器はあるはずが──」

 

《ジョルイル、話してる途中すまないが今さっき文明圏外にある植民地に向けて航行中の艦隊からとんでもない知らせが入ってきたぞ。聞きたいか?》

 

「良いですけど、突然何なんですか一体?」

 

《とにかく見たこともないデカイきのこのような雲が見えたと言っているそうだ。聞いてみれば、その雲が見えた方角は北辺りだそうだ。これはひょっとしたら軍事大国ソビエト連邦が持つ兵器の一種なのかもしれない。》

 

「…まぁ最近ソビエトが北にある文明圏外国家の一つを制圧しては自国の領土にしたぐらいですから、その可能性もあり得るのでは?だとすれば…連中が狙ってくるのも無理はないか…。」

 

《まあ何がともあれ、今も謎が多き国ソビエトの事だ、あんな兵器を持ってるか否かは直接ソビエトに足を運んでみないと分からないだろうな…。だが、もしさっき話したきのこ雲に似たような兵器を開発出来るほどの技術力をソビエトが持っているのだとしたら、我々よりもかなり先進的な軍隊を持っているだろうし、兵士が持つ個々の武器も違ってくるだろう。》

 

「そうですね…ええ。」

 

《今もバーネングは途方もないぐらいの軍備拡張をしている。奴等にとってソビエトは我々がまだ到達していない未知なる技術が詰まっている宝の山だ。もしバーネングが奴等にとって都合の良い技術を手に入れたら、その技術を他の列強と張り合うための軍備拡張に注ぎ込むのがいつもの流れだ。だから出回って欲しくないのだよ。》

 

「はぁ…バーネングって名前を聞く度に毎回思いますが、いい加減バーネングも無理して張り合うのはやめて欲しいという一言に尽きますよ。」

 

《君だけじゃない、バーネングやエルナヴィア以外の列強全部がそう思ってる。》

 

少し間が空いてアータートン首相の声が入ってくる。

 

《おっと、いつのまにか話が逸れてしまったな。一旦戻すぞ…つまりだ、あのバーネングや亜人国家や一部文明圏外国家の使節団がソビエトに訪れるまでに直接向かって欲しいのだよ。場所は現在ソビエトの都市となっている首都グラスティンだ。移動手段はもちろん戦闘機だが、とりあえず技術漏洩を防ぐために旧式のやつで行ってもらう。心配は要らない、あそこへは半日ぐらいで到着する。》

 

「あの…もしかしてそれって今行ってこいという事ですか?」

 

《ああ、それ以外に何があると言うんだ。》

 

「ちょっと待って下さい!いくらなんでも早すぎないですか?今日って!」

 

《文句があるのなら君を外務大臣の座から降ろさせる事も考えるが…。》

 

「はぁ…分かりました、今日行きます。」

 

《じゃあ頼んだぞ。》

 

すると部屋へ複数のメイドが渡航に必要な道具が入ったバッグを持ってきた。

 

「ジョルイル様、アータートン首相からの通達で持って参りました。」

 

「はいはい、いつもありがとうな。」

 

メイドが部屋から出ると、ジョルイルは椅子に座ると同時に深い溜め息を吐いた。あの重苦しい雰囲気の七大列強国会談から帰国してまだしばらく経っていない内にまた出国する事になるとは思いもしなかった。しかも次に向かう場所が謎が多い国『ソビエト連邦』へと。

 

アータートン首相による強引な依頼の結果、ジョルイル外務大臣は連合王国に帰国して数時間も満たない内にソビエト連邦に向かう事になった。彼は急いで近くの飛行場へと向かい、政府に用意されてあった旧式の複座戦闘機へと乗り込み、ソビエト連邦へと飛び立って行った。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。