第1話
第2話
第3話
までを同時投稿させていただきます。
第1話 『UZI装備のセグウェイ』
〜数十分後〜
「にしても今日は車が少なくて助かるな。」
俺の愛車であるKAWASAKI KLX250を操縦しながら呟く
「そうですね、心做しかバイクも喜んでる気がします。」
俺の腰へ手を回し、後ろに座る沙耶香が答える
「いやーこのくらい飛ばせると気持ちいいな。ノーヘルになりたい。」
「それをやると怒られるのは目に見えているのでダメですよ?」
「分かってるよ。っと、あれってキンジか?」
俺は遥か先、数百m先に自転車を漕ぐ同級生を見つける
「え?キンジさんですか?」
後ろの沙耶香もひょこっと顔を横に出す
「ちょっと緩めるか。スイスイだったから時間は余裕だしな」
「そうですね。」
沙耶香の了承も得られたのでスロットルを戻し
10km前後まで速度を弛めて前方を走る自転車へと並ぶ
「よぉキンジ自転車登校にしては急いでるな?」
「おはようございます。」
「ん?あぁ零也に糸見か。相変わらず仲がいいな
俺の方は朝にメールをチェックしてたらバスに乗り遅れてな。」
「あーなるほど。牽引してやろうか?」
「...ん?あれは......」
「いや、直線はともかく曲がれねぇだろ。
それにこの辺まで来てれば後はノンビリでも間に合う。」
「そうか。それじゃあキンジ大先生の声を信じて俺達も歩くか?」
「零也さん。」
「いや、気にすんな。先に行ってていいぞ
あ、クラスだけメールで教えてくれ」
「ん、了解。今年は同じクラスだといいな」
「零也さん。」クイックイッ
「嫌だよ。お前と同じクラスとか嫌でも目立つ。」
「ま、そう言われる気はしてたよ。」
「零也さん!」
「お、おう!?どうした沙耶香」
突然後ろに乗る沙耶香が大声で俺を呼ぶ
「...なにか来ます。」
沙耶香が後方を指で示す。
「ん?なんだあれ、ちょっと前に流行った乗り物に見えるが」
幾らスピードを緩めていても振り向くのは危険なのでサイドミラーで
確認すると沙耶香の言う通り後方に小さく何かが映る
「ちょっと前に流行った乗り物?」
隣を並走するキンジが聞き返す
「そうそう、なんだったっけかなぁ。あのバランスかけると進む奴」
「んー心当たりがあるけどなんだったっけか。」
どうやらキンジも答えは分かったが名前が出てこないようだ。
「セグウェイです。零也さん、
「そうそう。セグウェイだよ!」
「流石だな沙耶香。それそれ、
セグウェイだよUZI装備の.........なんだって?」
「ですから、UZIを乗せたセグウェイです。」
「...ははは、知らない内に冗談が上手くなったな糸見。
ほら零也。後ろ確認してくれ。」
キンジが失笑を浮かべながら俺へと向く
「・・・悪いキンジ。冗談じゃないわ」
キンジの言葉に俺もふざけ半分でサイドミラーを確認するが
そこには沙耶香の言う通りUZIを取り付けたセグウェイが写っている
「・・・マジで?」
「「マジ(です)。」」
俺達は口を揃えて返す
そしてとうとう俺達の背後数mまで来たセグウェイは
UZIの照準をキンジの乗る自転車へ向け
『その チャリ には 爆弾が 仕掛けて ありやがります』
セグウェイに取り付けられたスピーカーから機械音声がそんな言葉を放つ
これが俺と沙耶香、さらにキンジの【
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「なんでこんなことにぃぃぃぃぃ!?」
俺の後ろで友人の必死な叫びが木霊する
「いやー平和な朝だなぁ」
スロットルを足し30km程度まで加速しながら呟く
「いえ、あの、零也さん?」
「つうか零也ぁぁぁぁ!!お前を俺を見捨てていくつもりか!?」
「あー聞こえない聞こえなーい」
「零也ぁぁぁぁ!!」
キンジが必死にペダルを踏み、俺の横へ並ぶ
「おーキンジ元気か?いや元気だろうなー。」
「あ、あの、零也さん。」クイックイッ
「ん?どうした沙耶香。」
その服の裾引っ張るの可愛いな。
「いえ、とても言いづらいのですが...増えていますセグウェイ。」
「は?」
つい、サイドミラーで後方を確認する。
UZIを取り付けられたセグウェイ
M4を取り付けられたセグウェイ
MP5を取り付けられたセグウェイ
AKを取り付けられたセグウェイ
合計で4台
明らかに増えている
「...ふざけてる場合じゃねぇな。沙耶香、セグウェイの照準は?」
「...UZIのセグウェイ以外はこのバイクに向いています。」
「......しゃーないか。キンジ!」
「あ、なに!?」
「UZI以外は俺達狙いだ。こっちで引き付ける。
お前の相手はUZIの一台だけだ。やれるか?」
「......やるしかねぇんだろ?」
「そうだな。そうしてくれ。・・・たしかこの先はT字路だ。
お前は直進、俺達は右に曲がる。」
「...分かった。俺は直進だな?なんとかしてやる。」
仕方なし。と言った感じでキンジが笑う
「沙耶香、このままの速度で曲がるから腕の力を緩めるなよ。」
「はい。」
「よし。んじゃあやるか!死ぬなよキンジ!」
「ご武運を」
沙耶香が腕の力を強める
「お前らもな!」
予定通りキンジはそのまま通りを直進し俺達は曲がる。
右折車線には入ってないけどこの際仕方なしだ
「...あれ?アイツらは2人いるけど俺は1人だよな?
どうやって状況を打開すればいいんだ!?チクショー!!」
俺達2人の背後からキンジの悲痛な叫びが聞こえた気がした
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
〜零也・沙耶香 side〜
「・・・さて、キンジからはもう見えねぇな?」
「はい。ビルの影に入りましたし
キンジさんは倉庫外に向かっているので大丈夫だと思います。」
「沙耶香、準備はいいか?」
「...はい。もちろん」
沙耶香が腰に下げた刀、[
「よし。あと200m先に街灯があるからその辺でやるぞ。」
「はい。」
「・・・よし、今!」
俺の後ろから重みが消え、背後で衝撃音が響く
ガシャンッ
「...んっ、敵、殲滅。」
刀を抜刀した沙耶香が倒れたセグウェイの前に立って呟く
「良くやったな。沙耶香」
バイクでターンしてから沙耶香へと近寄る
「...いえ、お気になさらず」
ふう。と息を吐く沙耶香。彼女がした事は単純だ
時速60km程度で走るバイクから後方へ飛び、
後ろを走るセグウェイと並んだ瞬間に切り払う。それだけだ
「いや。良くやったよ」
時として謙虚すぎるのが彼女の美点であり難点だ。
だがこういう時は頭を優しく撫でてやるのが俺なりの対処法だ
ナデナデ
「...い、いえそんな、こと//」
「...もう少ししたらキンジを探すか。」
「は、はい!そうですね...//」
〜数十分後〜
あの後数十分にも渡って沙耶香の頭を撫で続けてから
俺達はキンジと別れた交差点付近まで戻ってきていた。
いや、俺は悪くない。沙耶香の髪がサラサラで撫で心地が良すぎるんだ
「にしても凄いなこれは。」
少し離れた位置にキンジが乗っていた自転車を見つけ
そこから少し進んだ先の倉庫へと来たのだが
「UZIの銃身がまるで花でも咲いたようですね。」
倒れたセグウェイに大して沙耶香が呟く
「あぁ。恐らく発射のタイミングに被せてバレル内に射撃して
内部で破裂させたんだろう。こんなことが出来る奴がいるとはなぁ」
「・・・?零也さんも出来るのでは...?」
「そりゃやろうと思えば出来るけどこんなに多いと厳しいな。
5対1で狙われてれば尚更だ。」
「いえ、恐らく5対2だったと思います。」
倉庫内に入った沙耶香が2つの薬莢を持って戻ってくる
「9mmと45口径か...9mmはキンジだとしてあと1人別に
45口径を使う誰かが居たってことか。」
キンジの使う銃はM9系の9mm弾を使ってたはずだな。
と自分の記憶から情報を得る
「45口径の方は空薬莢がかなりの数落ちていますね。
発車弾数は16発は堅いでしょう。」
「弾代もタダじゃないし自分の命賭けてても
そこまで連射出来るやつは少ない。随分と気前の良い奴だな。」
「はい。」
「よし。とりあえず今出来る範囲での現場検証は終わりだな。
そろそろ学校に向かうか。」
「そうですね。始業式にはもう間に合いそうにないですけど...」
沙耶香が苦笑いを浮かべながら俺へと振り向く
キーンコーンカーンコーン
次の瞬間、少し離れた場所から鐘の音が響いた。
「...もう帰るか?」
「残念ながら“
俺の言葉は沙耶香の返答に一蹴された。
「......それもそうだな。」
仕方なしに出来る範囲でメールを使い報告をしてから
バイクに跨りエンジンをかける
「...今思ったら勝手に現場検証したから怒られるんじゃね?」
俺の言葉に沙耶香は目を丸くしてから
「.........盲点でした。」
「......はぁ。マジで帰りたい」
そんな呟きを零しながらも体はバイクを発進させ
俺達の登校する【東京武偵高校】へと向かったのだった
沙耶香の使用している刀が刀使ノ巫女とは
違うのはワザとですのでご安心ください。