〜朝 零也と沙耶香の住むマンション・屋上〜
「......ッ......ッ」
私、【
ずっと続けている真剣での鍛錬をするためだ。
普段から握る刀《雷切》での素振りや居合の練習や
その他にも筋トレなどもする。
「...399!......400!......ふぅ」
日課の素振り400回×4セットを終わらせ、
近くに置いたタオルで身体の汗を拭う
ピトッ
「ひぃやぁ!?」
突然、私の首筋に冷たい物が触れる
「...ほら、スポドリだ。」
振り返ると片手にポ〇リを持った零也さんが
苦笑いを浮かべながら私に差し出す
「...ありがとう、ございます。」
つい零也さんを睨んでしまうが私は悪くないと思う
「そう睨むなよ。朝から頑張ってる沙耶香に囁かなご褒美だよ」
「...まったく。」
心の中で小さくため息を吐き、程よく冷えたポ〇リで喉を潤す
キンキンに冷えた状態ではないのは零也さんなりの気遣いだろう
「それとそろそろ朝メシの時間だからな。迎えに来たんだよ」
左手に巻く、CASIOの腕時計G-SHOCK《GN-1000B-1AJF》を
私に見えるように向ける。時間は午前06:50を刺している
「......」
私の予想では時間はまだ午前05:30程度のはずだった。
その証拠に体感的には1:00:00も経った気がしない
「ま、沙耶香の事だから鍛錬に意識を向けすぎて
時間に気付いていないだけかと思ったしな。メシは俺が作ったよ」
さっさと部屋に戻って食おうぜ。と零也さんは笑う
「・・・」
炊事は私がすると言ったのに零也さんにさせてしまった事で
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになる
「あ、それとも先にシャワーで汗流すか?」
私の気持ちなど知らないとばかりに零也さんは顔を覗き込む
「いえ、なんでもありません」
「...?とりあえず速く来てくれよ?メシが冷えちまうからな」
そこまで言い切ると零也さんは屋上の出入口へ歩いていく
「あ、あの!」
「言っておくけど謝るなよ?」
「え?」
「朝メシの用意は俺が勝手にした事だし
沙耶香が普段から鍛錬に家事と頑張ってるのは知ってる。」
だから、謝るな。と再度私の前まで来て零也さんは
私の頭を2、3度ほど優しく撫でる
「それじゃあな。」
と今度こそ屋上を後にして零也さんは部屋へと戻る
「...」
私はこの気持ちをなんと言えばいいだろう。
申し訳ない気持ちに嬉しい気持ち。私は適切な言葉を知らない
その後私は零也さんの作った朝食を食べ、
シャワーで汗を流してから制服に着替えて零也さんの
バイクKLX250に乗せてもらい登校した
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〜昼休み 武偵校・中庭〜
《アリアside》
「それで?調査の結果はどうなの風魔。」
私はカバンから購買のパン(安物)を取り出し、
隣で街頭へぶら下がる少女、【
「ふむ、確かに。それで調査内容は...“
「えぇ。それと【
風魔は器用に私から受け取ったパンを逆さまのまま食べ出す
「とりあえず関わった事件と身辺情報についてでござったな。」
気付かないうちに風魔は封筒を持っており私は受け取る
「...驚いた。アイツ入学時はSランクだったのね。それに“
の内容と成功率もかなり高いし道理であんな芸当が出来たわけね」
アリアの脳裏に思い出されるのは数日前に
キンジがセグウェイを鎮圧する際に行った行動だった。
「・・・それとこちらでござるな。」
再び封筒が出てくる。一体どこに持っていたのかしら
「こっちは沙耶香ね。“糸見沙耶香は雷撃の如く早い剣術を使用する”
だから『雷撃』なんて2つ名が着いてるわけか。
あら?“
「沙耶香殿は滅多に“超能力”を日の目に晒す事はしない人物故
なかなかにデータが取り辛く、学校側も“剣術使いの一般の武偵”
として扱ってるのが現状にござる。」
「へぇダメ元で聞いてみるのも手段ね。ランクは...“
Aランク。遂行任務は主に護衛と単独での事件の鎮圧。」
「沙耶香殿には本人も恥ずかしがっているが銃の才能に乏しく
本人曰く10回に1、2発当たるかどうかだと言っていたでござる
“
恐らく獲物が刀のみという事が理由でござろうな」
「...銃があればともかく刀じゃあ自分を守るのが限界だからね
それで?私は零也のも求めたはずだけど?」
「もちろん用意してるのでござるよ。ただ、零也殿は学科を
こまめに行き来している故、去年の最後までのデータにござる。」
二度あることは三度あると言わんばかりに封筒が出てくる
「構わないわ。明智零也、中学時代の3年間で
“強襲科”“
それぞれ1年で履修。武偵高1年次には“
選択し、目下履修中。と言ってもこの間“あと少しで終わり”
って言ってたからもう単位は取得済みでしょうね。
遂行依頼は学科を多数履修しただけに多岐に渡る。か」
「ランクは記載されている通り、“強襲科”B、“車輌科”A
“鑑識科”A、“探偵科”はBランクとなっているでござるな。
それとこれはまだ非公式情報でござるが“狙撃科”はSランク
になる予定だと高天原教諭が呟いていたでござる」
「......つまりほぼ全てで高ランクを取得してるってことか。
聞けば聞くほど優秀ねコイツ。“車輌科”なんて車からヘリ、船
まで色んな乗り物を操縦するってのに。」
「神崎殿のクラスに【
居るのはご存知であるか?彼は“乗り物”と呼ばれる物は何だって
乗りこなす!と豪語していたでござるが零也殿はその上にござる
どの学科でも平均以上、いや高得点を収めるその姿から
いつの間にか零也殿に名付けられた2つ名が......」
「『
『後輩殺し』って書いてあるのは何なのかしら?」
「ふむ。それは零也殿のもう1つの2つ名にござる。
武偵校に限らず他所の者でも零也殿が持つ独特な“兄オーラ”
と呼ばれる物に男女問わず骨抜きにされるとか」
風魔の言葉に嘘でしょ?という目を向けるが彼女は首を横に振る
「もっとも零也殿に聞けば帰ってくる言葉は
“困ってたからアドバイスしただけ”らしく助けた自覚がない。
という聞くからに一番面倒なタイプでござろうな。
先程の武藤殿の妹様も車輌科の授業で上手くいかず困ったところを
救われてからというもの、毎日のように自慢話をしていたでござる」
「...後半はどうにも信じ難い内容だけどアンタの情報には
あかりの時にも世話になったしね。90%くらいは信用しておくわ。」
それじゃあありがとうね。とパンとは別に用意した
報酬を渡してその場を後にする。
「時に神崎殿、《
「《全能者のパラドクス》?聞いた事くらいはあるけど...」
それが何かしたの?と風魔を見る
「ふむ。突拍子の無い質問であったな。では質問を変えるが
“負けた事がない人間”と“負けた事のある人間”ならば
神崎殿はどちらこそが真の強者だと思うでござろうか。」
「一体、どういう意味での質問よ?」
「...いや、話し過ぎたでござるな。では、ドロンっ!」
煙たいが目や鼻は痛まない程度の煙を撒き散らし、
私の問いに答えず、風魔はその場から消えさる
「なんなのよ。」
残された私は大きなため息を吐いてからその場を去るのだった
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〜同時刻 屋上〜
「“武偵殺し”?」
「はい。今回の一連の事件はその“模倣犯”によるものとして
捜査が進んでいます。零也さんも周囲に気をつけてください」
何時ものように屋上で(今日は俺が用意した)弁当を食べながら
レキとたわいの無い話をする
「模倣犯ね、てことはこの間キンジのチャリに爆弾しかけたのも
ソイツの可能性が高いって訳か。」
「はい。そうだと思われます」
ちなみにレキは今日カ〇リーメイトではなく水色の弁当箱から
ご飯やおかずなどを取り、食べている。
「...少し調べてみるかなぁ」
もちろんクラス内や“狙撃科”で『ロボットレキ』とまで
言われる彼女が用意をしたものでは無い。
これは俺が朝のうちに用意したもので自分と沙耶香の分以外に
レキの分のおかずなども用意しておいたのだ。
「調査の方は既に神崎さんが風魔さん等に依頼したらしいので
確認を取ってみてはいかがでしょうか?」
「なんか、自分には関係ない。って感じだな。」
「私は徒歩での通学ですのでキンジさんの様に何らかの
乗り物をハイジャックされるという事はありませんから。」
「まぁ確かにな。でもレキは免許持ってないのか?」
「免許、ですか?」
「あぁ車はともかく二輪の免許くらいは持っとけば楽だろ?
まぁと言っても俺や武藤が居れば現場までは向かえるけどな」
何かあった時は楽だろ?と付け加える。
「......考えてみます。」
驚いた事にレキはあっさりと返答した
「そうか。ならレキの事武藤に相談しておくか?」
「いえ、まだ大丈夫です。それと、ご馳走様でした」
いつの間にかレキに渡したお弁当は俺の分の2倍はあったんだが
綺麗サッパリ米粒1つ残らずに無くなっている。
コイツの食う速度はよく分からないなぁ
「それでは零也さん、また後で。」
「おう。」
レキが屋上から去り、俺も残りの時間を確認してから
急いで弁当の中身を口に詰め込んだ。
Prrr...
携帯に来た着信には気付かぬまま