ファンの方はご不快になる描写が多々というかほぼ全部なので、今のうちブラウザバックをすることをお勧めします。それでも構わないという方のみお読みになってください。
内容は、某掲示板にて最近話題になった鬼滅の刃のコスプレ衣装を見てふと思いついた話です。
もしよければ読む前に、鬼滅の刃 胡蝶しのぶのタイツ衣装が作られる で検索をして1番最初に出るまとめサイトみてください。(他サイトのURLを張ってよいかわからないかったので貼りませんでした)
そうすれば多少はこの作品が理解しやすく(出来るとは言っていない)なると思います。
彼の名前は筋肉三郎(3秒で考えた名前)
身長186体重82キロの筋肉達磨なマッチョマン。
筋トレが趣味で鬼滅の刃をこよなく愛するどこにでもいた(過去形)一人の青年だ。
特にしのぶが大好きで彼女が死んだ際、ショックで3日ほど寝込んだ後、作者に恨みの手紙を送るほどに。
そんな彼は毎日とある妄想をよくしていた。
それは、自分が鬼滅の世界に行って鬼殺隊となり日々鍛えた肉体で鬼を倒すというものだった。
むろん、本来であればそれを本気で考えるほど彼はおかしな人物ではなかった。
けれど大好きなしのぶが死んだことによりタガが外れた彼は、やがて自分をしのぶと重ねて彼女が生き残って戦って無惨を倒すというifを日々妄想するに至った。
その彼の病気、もとい熱意はより本気度を上げ、やがて日々の言動もしのぶ化していく。
むろん、それは個人の趣味だからとやかく言われるものではないだろうが、毎日ドスの利いたおネエ言葉で「地獄に落ちなさい無惨! あ、やっと死んでくれましたか。フフフ」などと聞かされる彼の部屋の両隣の住民は純然たる被害者と言っていいだろう。
そして彼の病気は加速度的に進行が進み、最早手遅れ(常人からすればとっくにその域に大股で踏み込んで日々タップダンスしているレベルだろうが)の域に達しようとしていた。
その彼の踏み込んだ手遅れの領域の答えとは、今日届いた荷物にある。
荷物の伝票には短くニ文字でこう書かれていた。衣服と。
そう、彼はついに己のしのぶ化をより高める為、女装コスプレまで手を出そうとしていたのだ。
最早、異常者と呼ぶほかないだろう。
いや、単に女装コスプレなら異常者は言い過ぎだろうという声が上がるかも知れないし、それに一理あるのも確かだ。
だが、今の三郎の姿を見れば満場一致で異常者と呼ばれてしかるべきだろう。
何故なら三郎が今着ている衣装は、どうみても胡蝶しのぶと呼べる代物ではなかったからだ。
いや、確かに三郎が着ているものは、彼女のトレードマークであるまるで蝶の羽のような紋様をしているし、鬼殺隊の隊員が着る制服と同じ色調でもある。
では何が問題かというと、服の種類そのものだ。
今更言うまでもないが、鬼殺隊の隊員が着ている制服は、現代の学生が着ている学生服に近いものだ。
むろん鬼滅の刃の時代背景と現代との違いからによる差異はあちこちに認められるが、現代人が見たら時代かかった学ランと答える程度には似ている。
じゃあ、今三郎が着ているものを現代人が見れば同じような感想を果たして持ちうるだろうか?
答えは否、断じて否である。
その衣装は着衣したものの身体を包むという一点においては同じではあるが、殆どの服にあるはずの身体と衣服のすき間が一切存在せず、三郎の鍛え上げた肉体を一寸のすき間もなくピッチピチに密着している。
これ即ち、全身タイツに他ならない。
むろん三郎も本来であれば胡蝶しのぶのコスプレの為、このようなお手軽異常者グッズに手を出すつもりはなかったはずだ。
だが悲しきかな、広大なネットのどこを探しても身長186体重82キロが着れる胡蝶しのぶのコスプレ用衣装は存在してなかった。
ただ、いくら自分に切れるサイズの衣装が無いと言ってもまともな人間ならば、いやこれは絶対に違うだろう、流石に人としてまずいだろうという脳内のブレーキが踏まれて当然の所、自分の身体にあう胡蝶しのぶのコスプレ服は市販されてないという事実を受け入れられなかった三郎は、この異常者御用達のタイツを見てむしろこれは自分専用に作られた特別な衣装だと全力でアクセルを踏み抜いた。
「ふんっ!! 胡蝶しのぶ、ここに復活です!!」(ピチィッ!
胡蝶しのぶ(コスプレ)は無論のこと、胡蝶しのぶ(偽物)という単語すら付けて呼ぶに憚れる三郎の今の姿であるが、彼、いや彼女にとって第三者からの呼び方などどうでもよかった。
そう三郎は、この全身タイツを着衣した瞬間、身も心も胡蝶しのぶ(筋肉)となったのだ。
そして彼女は、今日も日課の胡蝶しのぶなりきりトレーニング100セットを始める。
そんなトレーニングの最中に筋肉三郎、いや胡蝶しのぶ(筋肉)に不思議な事が起こった。
胡蝶しのぶ(筋肉)が本日最後である100セット目の頭の中で無惨を倒して決めのポージングをした瞬間、彼女の身体は眩い光に包まれる。
それは尋常なものではなく、胡蝶しのぶ(筋肉)の視線全てが白一色に覆われるほどだった。
ちなみに三郎の被害、もとい両隣の隣人も当然この怪異を察知したが、両者ともに見なかったことにしようと無視を決め込んだのはまた別の話である。
さて、話を胡蝶しのぶ(筋肉)に戻そう。
数十秒、あるいは数秒に過ぎなかったのか知れないが、そのまばゆい光が収まりようやく胡蝶しのぶ(筋肉)の視力が戻ると同時に、胡蝶しのぶ(筋肉)は己の両目を見開き驚きの表情を浮かべていた。
何故なら、先ほどまでは部屋の中にいたはずの胡蝶しのぶ(筋肉)は全く別の場所にいたからだ。
数秒ほど表情を変えなかった胡蝶しのぶ(筋肉)は、やがて落ち着いたのかゆっくりと一つ深呼吸をしてぽつりと独白する。
「……待っていなさい、無惨。あなたは必ずこの胡蝶しのぶ(筋肉)が地獄に送って差し上げます」
この瞬間、無惨にとっての(色々な意味で)地獄の蓋が開いたのを本人は未だ知る由もなかった。(テラシテー♪
このようなSS未満の稚拙乱文を読んでいただき、誠にありがとうございました。
初投稿ゆえ、至らぬところも多々ございましたでしょうが、ご容赦していただければ幸いです。
では、失礼します。