…今更すぎるかも。
「ん。5度目。どんどん効かなくなってるね」
目の前の悪魔じみた鬼が呟いた。その右手をさっき貫いたのに。
姉さんが遺言で鬼の血鬼術は吸わないでって言ってたけど。ホントに吸っちゃダメね。
たぶん身体が内側からダメになる攻撃だから。なんとか今まで吸わずにすんでるけど、これからもそうとは限らない。
しょうがない。連撃で大量の毒を撃ち込む。それしか勝ち目がない。
蟲の呼吸・
対峙している柱が猛烈な勢いで肉薄してくる。速い。めちゃくちゃ速い。でも。
「あまりにも動きが直線的すぎるよ!」
タイミングをあわせて両の扇を翼の様に振るう。扇は確かに柱を両断した。
でも。
その柱は幻の様に消えて少し後ろに現れた。
は?
蝶の翼の様な羽織りを着た女の子は、容赦なく俺の全身にの斬撃を八本刻みつけた。
蟲の呼吸・
まるでかげろうの様に消えて、その後複数回の斬撃を浴びせる技。
かなりの特殊な
呼吸の能力が強力な分、やはり疲れるわね…。
汗をダラダラ流しながらそう思う。
かなり息も上がっていた。肩が上下している。
その鬼もこれ以上喰らったらヤバいと思ったらしいわね。血鬼術を使ったから慌てたわよ。吸うまいと距離とったのが間に合ったけど。
…大丈夫。まだ吸ってない。
上弦の弐の鬼は膝をついていた。
かなりの毒を撃ち込んだハズなのに。とっくに致死量の毒を撃ち込んだハズなのに。
…まだ生きてる。
それどころか。
…冗談でしょ?え?うそ?あんなに藤の毒を撃ち込んだのに…?
「今のは危なかったなあ!!でもギリギリ治せたよ!!」
大悪鬼は楽しそうに告げた。
そろそろ限界だな。目の前の柱を見て俺はそう思った。小さな身体で。約5尺しかない身体でよくやったよ。でもそろそろ終わりの時間だ。そんなに息を荒げて、肩で息をして。少しも疲労を隠せていない。
しょうがないけど一気に決める時間だ。
血鬼術。寒列の白姫。
この血鬼術は俺の血が混じった氷の吐息を吹き出す。慌てて距離をとる女。でも遅いな。
血鬼術。冬ざれ氷柱。
柱の真上に氷の杭が無数に現れる。どんどん鬼殺隊が離れていく。
「近づかなきゃ斬れないよ!」
攻撃の手を休めない。
この娘の限界もそろそろわかっちゃったしな。あまりいたぶるのも趣味じゃない。
そろそろ切り札を切る時間だ。
血鬼術―
「師範!!」
どうやら援軍が来たようだ。
「師範!!」
なに?カナヲ?
疲れて限界だった身体を心配そうに支えてくれるカナヲ。
…継子に支えられたら柱失格ね。
支えを要らないと言って離れる。なぜか不思議と四肢に力が戻ってきていた。
「大丈夫?師範?」
カナヲが心配そうに聞いてくる。全く。私の心配なんて百年速いのよ。
「大丈夫よ。それより、この鬼は私達の姉さんを殺した鬼なの」
瞳にも言葉にも憎しみを目一杯載せる。
私がかなりの感情を込めて言うと、カナヲの瞳にも憎しみが映り込んでいた。そう。よくも
「私達姉妹で姉さんの仇を討つわよ!!」
「はい!師範!!」
この憎しみを刃に込めてこの鬼を討つ!!!
そうなんですよ。この姉妹並んでこの童磨を討つ所を書きたかったんですよ!!見目麗しい女の子2人って絵になりませんか…?なんかこういうシーン他のss読んでても中々ないし…。
こういう姉妹並んで童磨を討つシーンのssあるなら教えてください!!
蟲の呼吸は蜻蛉の舞が複眼六角ではなく陽炎になっております。コレは蜻蛉がウスバカゲロウ等かげろうの名前がつく種類がある事やその命は陽炎の様に脆い所から残像を生みだすという事にしました。
なんかそっちの方が蜻蛉の狩りっぽいし。
ネーミングセンスがないのはご愛嬌。
私の前作を読んだという人
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はい
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いいえ