「その報告は本当か?ほら、義兄上なら一揆とか謀反とかじゃないのか?」
頼む、間違いであってくれ
「いえ、間違いありません」
「そうか」
「おそらく、足利家を攻める前に傘下である朝倉を倒すつまりでしょう。ですがまだ織田は準備を進めているだけで攻めてはいません。あのままでは、後2日ほどかかるはずです」
「明日までに家臣を集めろ。それと一応、兵の準備だ」
「御意」
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「義兄上!兵をお下げください!何故朝倉に挙兵しようとなさるのですか!」
「耳がはやいな義弟殿。何故朝倉に攻めるのか、足利を滅ぼす前に、まずは足利の味方する者どもを始末するために決まっているじゃろう」
忍びからの報告を聞いてから急いで義兄上の所へ行き、とにかく話をしなくてはと思い、着いたは良いが兄上の雰囲気がいつも違う
今にも震え上がるような圧を感じさせる雰囲気で対面している俺を睨みつける。下手なことをしたら殺すぞと、目が物語っていた
正直言ってものすごく怖い、これが第六天魔王の織田信長
だがこれで諦められない、長夜叉ちゃんのためにも絶対に止めないと
「6年前に私が上杉との仲介役をやるかわりに朝倉へ攻めないと、誓って頂いたではありませんか!」
「確かに誓ったな」
「では!」
「だが、その時とは状況が違う。朝倉が足利に味方するなら潰すで」
もうやれることは一つだけだな
「そこをどうか、お願いします」
只々頭を下げ、お願いをする、自分にはもうこれしかない
「ここまで言っても下がらぬか、その根性だけは褒めてやる。だが、そんな夢物語があるとでも思っているのか?お前はただみているだけでよい、それが賢い選択である。分かったならば帰れ、貴様がいつまでここにいても兵は動く」
「、、、、、、わかりました。お暇致します」
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もうとっくに日が暮れているが、全く寝れない
今や幕府と同等の力を持っている織田の戦いを傍観することはしないが、朝倉と織田のどちらに味方になるかを考えるだけで頭が痛くなる。
昔からの縁があり最優の友の長夜叉ちゃんに味方をすれば足利に味方することになるが、あと数日では足利の援護は望めない。
織田に味方をすれば幕府を敵に回し長夜叉ちゃんと戦わなければならないが、織田は市の実家だ。そしてこれが浅井が生き残る最善の手だろう
だが、朝倉を彼女を守りたい
結局同じ考え繰り返している
何故こんなことになってしまったのかを考えてしまう。もしも、もしも皆んなが幸せに過ごし、笑って暮らせる世界があったら。ただそれは現実逃避に過ぎない。たとえ、もしもの世界があったとしても、この世界はもしもの世界ではないのだから
もう何度吐いただろう
涙が止まらない
少し考えすぎた
休もう
その時、部屋にあった脇差が目に入った
確かあれは父が残した形見
ふと、その脇差を手に取り
鞘から抜く
そして自分の腹の前に持ってきてから
勢いよく自分へ突き立てた