貞操概念逆転物流行れ
「準備はできたか?」
「はい、父上」
「では参るとしよう」
これから父上と共に朝倉へ向かうところである。多分朝倉の人たちも、皆んな女性なのだろう。あまり朝倉の事は詳しくはないけど仲良くやってくために頑張るか。
ようやく着いた。
「浅井殿が参られました」
「どうぞ、通してください」
とても澄んだような声が聞こえた、きっと朝倉当主の声なのだろう。
父と共に案内された部屋へ入ると、そこには綺麗な人が座っていて、その隣にショートボブの可愛い女の子がいた。
「久しぶりだな孝景」
「ええ、久しぶりですね久政」
「そこの子供は?」
「私の息子、長夜叉です。」
女の子がこちらを見ながら顔を赤らめて、ペコリと頭を下げる。
癒されるなぁ。
「ところで、久政の隣の子はあなたが話していた息子さん?」
あっ、
「挨拶が遅れ申し訳ありません、名を猿夜叉丸と申します」
「構いません、あなたの話はお父様からよく聞いていますよ。なんでも、頭が良く、とてもお強いとか」
「それは、過大評価にございます」
確かに剣術やらを習っているが、命をかけて戦ったことがない。そんな自分より実際に戦ってきた人の方が遥かに強いはず。
「まぁ、謙虚でいらっしゃるのですね」
「本人はこんなことは言っているが、本当に夜叉は強い」
父上まで、やめてください、恥ずかしくて死にそう
「猿夜叉丸くん、結婚相手は決まっているのですか?もしよろしかったら、うちの長夜叉丸なんてどうですか?とてもかわいいですよ」
え?なんで結婚の話になってんの?そんなの考えた事がないんだけど!
浅井長政の結婚って言ったら、お市とかじゃないの?
「それはいいな!夜叉、もらってやれ」
アイェー父上、父上ナンデェー
なんかもうもらうみたいな話になってるんだけど。俺は全く構わないが、長夜叉丸ちゃんがどうか聞かないと。
「構いません、もらってくれないのなら私は死にます」
何言ってんだこの子。
「いやぁ、めでたいな、まさか顔を出しにきたら結婚相手が見たかったなんて」
もういいどうにでもなれ。
「さて、夜叉達少し席をはずしてくれ、孝景と話がある」
久々に会うから話したいことがあるのだろう。
「承知いたしました」
長夜叉ちゃんと一緒に部屋を出て中庭に行く。
「何して遊ぶ?」
「コマがいいです!」
すごい食い気味だ、コマか、小学校以来だな。しかもこの時代のコマとは違うし出来るかな?
圧勝してしまった。
「もう一回です!次は勝ちますから!」
意外だな、大人しそうだったのに今はあんなにはしゃいでる。負けず嫌いだし。
暑くなってきたな、脱ぐか、
ヌギヌギ
「なっ」
「どうした?」
どうした急に顔を赤らめて。
「男の人がそんな事してはいけません!」
忘れてた。そういえばそんな世界だった。
「ごめん、ごめん、いつもの癖でね」
「い、いつもの!」
ちなみに浅井長政の容姿はとても優れている。この世界だったら可愛い女の子が服を脱ぐようなものだろう。それは興奮するか。
それからしばらくして父上が出てきた。
「夜叉、帰るぞ」
「父上、お話はもうよろしいのですか?」
「ああ、もう大丈夫だ。急いで帰ろう、日が落ちる」
もう話は済んだのか、結構長かったな、女の人の話は長いからこんなものか?まあいいや、家帰ってマリア姉さんとイチャイチャしよ。
「帰ってしまうのですか?」
シュンとしてる長夜叉ちゃん
「今日はもう帰るけど、今度は長夜叉ちゃんが浅井に遊びに来てよ」
「はい!」
うん、恐ろしく可愛い笑顔だ。俺じゃなきゃ惚れちゃうね。嘘です惚れました。
こんな日々が続けばいいのに。