今回も戦いません。
次回くらいには戦います
なんだかかんだでもう2日ほど同じことに悩んでいる。いくら覚悟を決めようとしても無理だと思ってしまう。
姉上も最近元気がないし、今俺がこんなんだから家臣の人たちは不安になっているだろう。本当に申し訳ない。
「殿、朝倉義景殿がお見えになっております」
長夜叉ちゃん?
客間に居る長夜叉ちゃんのところへ行く。どうしたのだろうか?戸を開けて中に入り彼女の前に座る。
「何に悩んでおいでなのですか?」
いきなりそんなことを言われて驚いた。なんで悩んでいる事がわかったんだろう?そんなにわかりやすいかな?
「貴方の姉からお手紙をもらい直接会いに来ました」
姉上が?
「弟がとても悩んでるが、中々相談してくれないと嘆いていましたよ」
それで姉上の元気がなかったのか。あとで謝らないとな。けどこんな悩み戦国時代の大名として相談していいかわからない。
「もう一度聴きます、何に悩んでいるのですか?」
彼女がこちらの目をしっかりと見つめて、ごまかす事許さないと訴えていた。
だから話した。自分が不安に思っている事を全て。人を殺すのが怖くて殺されるのも怖い。そんなやつの指揮で死んで欲しくないことなど。話してるうちにだんだん感情的になり八つ当たりのように彼女に吐き出した。
だが、彼女は受け止めてくれたこんな腰抜けな悩みを。そして
「あなたが殺しが怖いのなら殺さなくて良いじゃないですか」
え?
「降伏して守るべき人たちを見殺しにれば良いと言っています」
「いやそれは…」
「天下には興味はない、守りたいものを守りたい。そのために、貴方は強くなったのではないのですか?あなたはいつあなたの父に言った言葉を忘れたのですか?」
「……」
そうだ、何のために強くなったのかを忘れていた。あの時の思いが、ほんの少しの迷いで、自分が嫌だと思う事くらいでみんなを殺すところだった。
たったそれだけを思い出しただけでこれまでの迷いが吹き飛んだ
「ありがとう、すっかり忘れてたよ。本当にありがとう。けど何でそれを知ってるの?」
「あなたが初めて来た時を覚えていますか?久政様が私の父と二人で話していたのを、その時、貴方の志を嬉しそうに話していたそうです。そしてそのあと久政様は自分に何かあったら夜叉を頼むと、頭を下げて私の父に頼みました。それを父が亡くなる前に私に話してくれました」
頭が上がらない。父上にも朝倉にも。
「もう大丈夫そうですね、では私はこれでお暇します」
「待ってくれ、今日泊まって行かない?」
「そ、それってまさか」
「うん、お互い領主で忙しいけどよろしく頼むよ」
「やっと、やっと夜叉と…グヘへ」
俺は意外とチョロいのかもしれない。