許して!
俺は今織田信長の城まで来ている、織田信長と言ったら安土城かと思ったがまだ作ってないらしい。
「殿、浅井家当主様がお前になりました」
『うむ、通せ』
障子の向こうだからか声が聞こえ辛いがなんか聞いたことあるような気がする。
そして障子が開き、俺は目を見開いた。
「よくぞ参った、浅井家当主賢政殿、ワシが織田信長である。どうした?ワシの顔に何かついておったか?」
俺の前にいる織田信長は前世でやっていたゲームFGOに出てきたあの織田信長なのである。
「いえ、そのような事はありません、ただ天下に名を轟かすあの織田信長殿に会えて感動していたのです」
「おお、そうであったか!お主に言われると悪い気がしないのう」
良かった信じてくれて、実は前世でやってたゲームに貴方が居ましたとか言える訳ないだろ。
「それにしてもよく次の日に此方まで来れたな、よほど優秀な忍びが浅井に居るのだな」
「ええ、戦には情報が必要ですから、そのために私が幼い頃から力を入れて育てました。戦えないですが何処に出しても恥ずかしくない忍びです」
「それを聞くと忍びが欲しくなるがワシは傭兵ばっかりであるからなそんな余裕はないな」
そう、この人の凄いところである。この時代兵は農民から徴兵して戦っていたため米の収穫時期になるとろくに戦えないが傭兵は収穫をしなくて済むため攻め込むことができる。これを属に言う兵農分離なのだろう。当然デメリットもある、傭兵には忠義心がないため戦いになると恐怖ですぐ逃げてしまう。だがこの人は鉄砲や長槍などで恐怖心を減らし対策をしていた。
「それだけではない、なんでも浅井ではお休みなるものや、飯を三食にするなど、変わった政策をしておるそうではないか」
以外に浅井のことを知ってるみたいだな、織田信長に知ってもらうなんて感激だな
「よくご存知で、正直なところ織田は浅井のことなど眼中にないものかと思っておりとても驚きました」
「謙遜するでない、ただでさえ男の当主であるのに頭も良いときた、それに此度の戦いは見事であった。ワシが今川と戦った時を思いだしたわ」
「恐縮です」
ああ、ヤバイ泣きそう、めちゃ嬉しい
「それでは本題に入ろうと思う、同盟の話受けてくれるか?」
「謹んでお受けいたします。この同盟の証として名を改めようと思いまいます」
「そうか、してどのような名にするのだ?」
「信長殿の長を取って、長政と名乗ろうと思います」
ようやく名前が長政になった。やっぱり長政が一番しっくりくる
「浅井長政か、良い名であるな。こちらも同盟の証として妹の市をやろう、お主に負けず美形であるからな、美男美女のいい夫婦となろう」
「ありがとうございます」
この時代、女性の価値はとても低い、この世界では女性として育てられた人が当てはまる。
政治のためにどこかに嫁ぐなんてあまり珍しくない
「ところで長政殿、いきなりで申し訳ないが、上杉との仲介役をしてもらいたいのだが」
「上杉と?」
「実は上杉と織田は仲が悪くてな、さすがに上杉に攻め込まれるのは避けたいのだ」
そうなんだ、初めて知った
「ええ、それくらいなら構いません」
「ありがたい、そちらも何か願いはあるか?」
「そうですね、朝倉に攻め込まないで頂きたいのです」
俺はなんで織田が朝倉を攻めたのか知らないがやらないよりはいいだろう。
「朝倉家にか?なぜ?」
「朝倉には返しきれない恩があります。それに昔からの仲ですから」
「そうか、わかった」
「ありがとうございます」
これで朝倉を攻めないでくれるといいんだが
「ではこれで私はお暇させて頂きます」
「うむ、気をつけて帰るが良い」
帰った後、結婚することになったことをみんなに話したら、みんな血の涙を浮かべながら祝ってくれた。
大丈夫、そのうち良い人見つかるよ。多分
長夜叉ちゃんになんて言えばいいかなぁ、、、