ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D   作:ユキアン

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肥やしをサルベージ。
ほぼ骨だけの存在です。本来ならこれに肉付けするのですが…


ハイスクールD×D 血塗れの騎士

 

敵、化物は全て敵、敵は殺す!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……またか」

 

目の前の惨状を見て呟く。また、暴走していたのか。まあいい、ゴミが一つ減って生ごみが増えた程度のことだ。体を見れば、白い鎧が血と体液でドロドロに汚れている。少し離れた場所に移動してから鎧を解除する。ビンゴブックにバツが自動で記入されているのを確認して次の獲物を選ぼうとしたところで全てにバツが付いていることに気づいた。

 

「ちっ、新しいビンゴブックを貰いに行かねばならないか。

 

転移の魔法陣を展開して主の元へと飛ぶ。

 

「ビンゴブックが切れた。更新を頼む」

 

「タカヤ!?ちょうどいいタイミングで帰ってきてくれたわ!!」

 

「何かあったのか?眷属も増えているようだが」

 

周りを見ると、確か主が通っている学園の部室だったはずだ。

 

「これからレーティングゲームなのよ。貴方は契約上ビンゴブックが切れている時か緊急事態でしか召喚できないから困っていたのよ」

 

「分かった。もう始まるのか?」

 

「ええ、もうすぐよ」

 

「開始と同時に突撃する。だから近寄るな」

 

それだけを告げて壁に体を預ける。

 

 

 

 

 

 

「おい、木場。誰だよ、あいつ」

 

「部長のもう一人の騎士で相羽タカヤさん。通称血染めの騎士って呼ばれてるはぐれハンター。その、はぐれ悪魔に目の前で家族や親戚を殺されてから酷くはぐれ悪魔を憎んでいて、徹底的に殺し尽くして返り血で神器の白い鎧が元の色が分からないぐらいになることからそんな通称で呼ばれてるんだ」

 

「強いのか?」

 

「たぶん、このレーティングゲーム、僕達の出番はない」

 

「へっ?」

 

そんな話をしていると、グレイフィアさんがやってきて相羽さんを見て少しだけ驚き、魔法陣の上に案内する。転移された先は

 

「あれ、失敗?」

 

「違うよ。ほら、グレイフィアさんが居ないでしょ。たぶん、学園と全く同じフィールドを用意したんだろうね」

 

そして、学園のスピーカーからグレイフィアさんの声が流れ、ルールの最終確認が行われ、チャイムが試合開始の合図としてなり

 

「テックセッター!!」

 

相羽さんのその声と同時に緑色の光が部屋中を覆う。そして壁が壊れる音が聞こえ

 

「クラッシュイントルード!!」

 

何かが崩れる音が断続的に続き、それが収まるとアナウンスが入る。

 

『ライザー・フェニックス様、キングを除きリタイア』

 

「一体何が起こって」

 

「ボルテッカァァァァァ!!」

 

眩しい光が空から降ってきて校舎を粉砕する。

 

『ライザー・フェニックス様のリタイアを確認しました。このゲーム、リアス・グレモリー様の勝利となります』

 

「えっ?」

 

レーティングゲームが始まったと思ったら次の瞬間には終わってしまった。アーシアも状況について行けずにポカンとしているけど、他の皆は何事もなかったのようにしている。

 

「はぐれが相手じゃないからすんなり終わったわね。いつもこんな感じで側にいてくれればいいんだけど」

 

「それでも出会った当初よりは丸くなられましたわ。多少の受け答えはしてくれますし、何より鎧を纏っていない時は殺気を出しませんから」

 

そんなことを話していると、白とオレンジ色っぽい赤色の鎧が空から降ってくる。

 

「これでいいんだな」

 

「ええ、ありがとう。そうそう、ビンゴブックの方だけど、今回は少し時間がかかるわ。貴方がほとんど狩ったおかげで、数が少ない上に潜っちゃったのが多いのよ」

 

「分かった。ならば俺は何時もの所にいる。何か用があればそっちまで頼む」

 

鎧を解除した相羽さんが自前の魔力で転移して姿を消す。その後にオレ達も元の部室に転移される。

 

「あの、相羽さんはどこに行ったんですか?」

 

「姉様の所です。相羽さんは時間が余っているときはずっと、姉さまの傍から離れようとしませんから」

 

「えっと、それってそういうこと?」

 

「……そうだったら、どれだけよかったか」

 

「えっ?」

 

「ごめんね、イッセー。ちょっと複雑でデリケートな話なの。私達の中では身内の小猫と、私しか知らないの。あまり話にも出さないように」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノックをして返事がないままに病室へと入る。そのままベッドの傍に置いてある椅子に腰掛ける。

 

「また、痩せたな」

 

ベッドで眠る黒歌の髪を梳きながら話しかける。答えが返ってくるとは期待していない。慣習となった近況報告を行って、ただ傍にいるだけだ。

 

かつて共に旅をし、オレを獣から人へと戻したことが原因で3年も意識が戻らないままでいる。オレにできることは彼女が犯した罪を代わりに償うためにはぐれ悪魔を殲滅することと、彼女の妹を守ること。それしかオレには残されていない。

 

「黒歌、もう一度、お前の声を聴かせてくれ」

 

オレの言葉に返事はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれだけ啖呵を切っておいて聖剣も奪われるとは、教会の奴らは何を考えているのやら。まあ、オレには関係ないな」

 

「ほう、貴様、血塗れの騎士か。まさかお前がこの地にいるとわな。少しは余興になるだろう」

 

「くだらんな。コカビエル、貴様はオレのビンゴブックのトップを飾った。故に、貴様の未来は死のみだ!!テックランサー!!」

 

2本のテックランサーを連結させて両刃としてコカビエルに突っ込む、フリをしてランサーを投げつけると同時にクラッシュイントルードで背後から掴みかかり、そのまま回転しながら飛んでくるテックランサーに突撃する。テックランサーがコカビエルの身体に突き刺さり、その傷を抉るようにテックランサーを動かす。

 

「この程度の痛みで苦しむようではオレには勝てん!!」

 

両刃から二刀へと戻し、首を刎ねて終わらせる。

 

「戦いなんてものに楽しみも糞もあるか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦うための力など、オレは欲しくなかった!!あの時に皆と死んでいれば、オレはここまで苦しまずに済んだ!!だけど、オレは力を得て生き残った。この力を復讐にしか使うことができなかった。それを黒歌が変えてくれた。理不尽な力によって産まれるオレのようなものが一人でも減らせるようにと、その身を掛けて黒歌が教えてくれたことだ!!だから、自らの欲望で戦いを望む貴様を殺す!!見ろ、これが進化したオレの力だ!!」

 

光がオレを包み、全身の装甲が一回り大きくなって羽が生える。

 

「禁手化か!?」

 

「違うな。オレのこの力は神器ではない。この進化をオレはブラスター化と呼んでいる」

 

「ブラスター化」

 

「さあ、ヴァーリ、覚悟は良いな?お前を生かして捕らえようなどと甘い考えはオレにはない!!テックランサー!!」

 

装甲が一回り大きくなったことに合わせて大きくなったテックランサーを両刃にしてヴァーリに突っ込む。

 

「クラッシュイントルードか!!だが、追える!!それに!!」

 

テックランサーを魔力でコーティングした四肢で弾くようにして戦うヴァーリが半減の力を使う。それがどうした!!

 

「クラッシュイントルード!!」

 

「なに!?」

 

クラッシュイントルードを発動させヴァーリを置き去りにするスピードで全身を切り刻んでいく。鎧を、翼を、肉を、骨を、全てを切り刻む。テックワイヤーで空高く放り投げ、テックランサーを投げつけて結界に磔にする。

 

「肉片の一片たりとも残しはしない!!」

 

両肩と両腕のフェルミオン放射口を開き、放出される高密度のフェルミオンを一つにまとめる。その余波だけで大地が、空気が大きく揺れていく。

 

「ボルテッカアアアアアアアアァァァァァァーーーーーー!!!!」

 

フェルミオンの光が、その全てを飲み込み分解していく。後には空一面を覆っている厚い雲の一角がポッカリと空き、星空が見える。

 

 

 

 

 

 

少しだけ時間を稼いでほしいと相羽さんに頼まれて曹操の挑発に向かう。挑発の内容は私なりに英雄と英雄派を調べてきたので問題ない。調べれば調べるほど、英雄派はただの子供なんだとわかった。

 

「フェルミオン増幅反射能力を持った超獣鬼がいる限り、血染めの騎士も恐くはない。病院からも姿を消したそうじゃないか」

 

「貴方は何も分かっていないんですね、英雄が聞いて呆れます」

 

「なんだと?」

 

「相羽さんを止められるのは、死だけです。敵が強いとか、身体がボロボロだとか、そんなことではあの人を止めることなんて出来ません。あの人の心にあるのは罪と罰と流すことを許されない涙だけです。名前に流されて自分に価値がないと思いこんでいるバカたちとは違います」

 

「オレたちが馬鹿だと!?」

 

「バカですよ。英雄なんて存在は居ないほうが良いんです。英雄が求められるのは時代が疲弊している証拠です。何も頼ることができる存在が居ない。そんな嫌な時代を終わらせてくれる英雄を求めて初めて英雄が生まれる。英雄と偉人を混同するから名前に躍らされるんですよ。そんな貴方達をバカと言わず、誰をバカと言いましょう。ああ、それとこんな格言がありましたね『生きている英雄よりも死んだ英雄』ようするに生きている英雄は自分勝手なのが多かったのでしょう」

 

「過去の英雄まで侮辱するか!!」

 

「事実を侮辱と感じるのなら心の何処かで貴方がそう思っていたのでしょう。自分で自分達を貶めているんです。バカじゃないと出来ませんよ。まあ、これ以上恥ずかしい思いをすることはないでしょう。来ましたよ、貴方達に終止符を打つ騎士が」

 

一番端に居た豪獣鬼が吹き飛び大穴が空き、その隣の豪獣鬼はバラバラに切り刻まれる。更にその隣のは首を切り落とされ、私の目の前に相羽さんが止まる。既にブラスター化も行っている。それを確認してから相羽さんの影に隠れるようにそっと離れる。これも指示通りだ。

 

「のこのこと殺られに来たか、血染めの騎士」

 

「死ぬのは貴様らの方だ!!自分の欲求に振り回される獣に殺されるオレではない!!」

 

両肩と両腕の装甲の一部がスライドする。いきなりボルテッカの構えだけど、大丈夫なのだろうか?チャージが終わり放たれたボルテッカが超獣鬼に吸い込まれる。出力が上がっているのか、前回よりも超獣鬼の身体の発光が激しい。だが、やはり増幅して反射される。駄目だったのかと思った次の瞬間、反射されたボルテッカを球状にまとめ上げて空高く投げ上げた。

 

「クラッシュイントルード!!」

 

そして、それを追うようにクラッシュイントルードで空高く舞い上がり、ボルテッカを纏って超獣鬼を貫いた。体内からフェルミオンの光が溢れ、超獣鬼が消滅する。漏れ出したフェルミオンを浴びて曹操も消滅した。確かにすごい技だけど、相羽さんは大丈夫なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

「オレのコピーか」

 

オレたちの前に少しくすんだ色をしているテッカマンブレードたちが立ちふさがる。

 

「どうだ、自分のコピーに出会った感想は」

 

「ふん、心まではコピーせずに操り人形にしているんだろうが、それが失敗だと言わせてもらおう。そいつらが何人いようが、このオレは殺せん!!」

 

コピーたちの群れに突っ込み、テックランサーを振るうたびにコピーが両断されていく。

 

「ば、バカな!?完全に能力はコピーしたはずなのに!?」

 

「心をコピーしていない木偶人形とオレを一緒にするな」

 

「何をやっているんだ!!ブラスター化でケリをつけろ!!」

 

コピーたちが一斉にブラスター化し、次々と落ちていく。そしてクリスタルが砕けるようにして消えていく。

 

「何が、何が起こったと言うんだ!!」

 

「心をコピーしなかったのが貴様の敗因だ。ブラスター化はリスクを伴う強制進化だ。並の精神ではショック死を起こすような激痛に苦しむ。それに耐えれなかっただけだ」

 

そして目の前でブラスター化を果たす。ユーグリッドをあざ笑うかのように。

 

「見えるものしか見ない貴様に、本当の力を引き出せるわけがない!!」

 

テックランサーにフェルミオンをまとわせてユーグリッドを両断する。命を弄ぶ外道に生きる道はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが幽世の聖杯」

 

リゼヴィムが自ら口に出していたヴァレリー・ツェペッシュから奪った神滅具の一部。この力を十全に使えれば、黒歌を目覚めさせることができるはず。幽世の聖杯を拾い上げ、ボロボロの身体をテックランサーを支えに歩く。

 

「長かった」

 

人から獣へ、獣から人へ、人から悪魔へと移り変わり戦い続けてきた。その戦いに一つの区切りがもうすぐ着く。それが終われば、どうするか。大抵のはぐれや反乱分子は処分したからな。昔の夢だった天文学者でも目指すか。いや、その前に黒歌のリハビリが先だな。

 

「だから、まだ死ねないんだよ!!」

 

目の前に現れる邪龍の残党に向かって吠える。オレの思いに応えて幽世の聖杯がオレの身体を僅かながらも治療する。これでまだ戦える。

 

「死ねええええええええええ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、黒歌」

 

「……タカヤ?それに、白音?」

 

幽世の聖杯を預けた白音によって黒歌が目を覚ます。痩せ細った手を握れば、握り返してくれる。それだけのことなのに涙が止まらない。これで区切りは着いた。全身から力が抜ける。

 

 

 


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